サザエさん―判らない落ち(40)

 

病院の前まで来て、喧嘩している大変迷惑な姉妹でした。

 

朝日文庫版25巻〔109頁〕・昭和37年

『サザエさんとワカメちゃんが、コートを着て歩いています。ワカメちゃんは、泣きっ面でサザエさんに手を引かれて歩いています。サザエさんは、どうやら〈羽子板買ってあげるよ〉と言っているようです』

『ワカメちゃんは、電信柱にしがみついています。サザエさんは、ワカメちゃんを電信柱から引きはがそうと懸命に引っ張っています』

『電柱から引きはがされた、ワカメちゃんは、サザエさんに、腕を引っ張られて、大きな声で泣き叫び、イヤイヤと逃げ出そうとしています。怒ったサザエさんは、物凄い顔をして、ワカメちゃんの腕を離さず、コブシを振り上げています』

『○○○○』

 

どうしたのでしょう。

ワカメちゃんは、サザエさんに何処かへ連れていかれるところですが、行きたくないところのようです。羽子板買ってあげると気を引こうとしても効果ありません。

懸命に逆らっています。

 

行きたくないワカメちゃん。

どうしても連れて行こうとするサザエさん。

2人の争いおは大変なようです。

ワカメちゃんは、

「いやいや!絶対に行かない」

と、電信柱にしがみ付いたり、サザエさんが引っ張る手を、力一杯引き返したりしています。

それほど行きたくないところとは何処でしょう。

 

子供が嫌がるところ、恐らく、尖ったものが、襲ってくるところでしょう。

お医者さんの注射針か、歯医者さんの尖った治療器具が、痛くて怖いのです。

 

落ちでは、遂には、そんな怖いところに連れ込まれ、痛くて怖い治療を受けているワカメちゃんが出てくるのでしょうか?

そうではありませんでした。

 

『○○○○』は、次の通りでした。

笑ってしまいました。

『個人病院のドアの前まで、サザエさんは、ワカメちゃんを連れてきました。そのドアの外で、サザエさんとワカメちゃんが言い争っています。サザエさんは、極度に怒り、ガミガミ言って腕を振り回しています。ワカメちゃんは、手足をバタバタさせて、キーキー言っています。その病院の開いた窓の奥に、コタツに入ったお爺さんとお婆さんがいます。お爺さんは、病院の入口を、うかがいながら2人の言い争いに、「まったくはためいわくな人だよ」と呆れています。「まだきがつかんか」と嘆いています。言い争っているサザエさんとワカメちゃんの前のドアには、「本日休診」との札が掛けられています。サザエさんは、この札に全く気がついていないのです』

と言うことでした。

 

本日休診の病院の老先生は、今日はのんびりするか!と奥さんと一緒に炬燵に入って、お茶でも飲もうかとしているところに、変な親子?姉妹?が、玄関先で大喧嘩している。

これでは、のんびりできはしない

先生は、コタツを出て、わざわざ玄関先まで出て行って、

「これこれ、こんな所で喧嘩するもんじゃない。どうやら、嫌だ嫌だという子供さんを無理やり連れてきたようだね!奥さん、その札をよく読みなさい、「本日休診」と書いてあるだろう。それが読めないのかい、読まなかったのかい。読んだら、今日は休みだから、仲良くおかえりなさい」

と追い返して、やっと、本日は、のんびりできると思ったでしょう。

本当に迷惑な姉妹でした。