サザエさん―面白い落ち(146)
上司に渾名をつけてからかうのは慎みましょう。
朝日文庫版38巻〔39頁〕・昭和44年
『ここは、マスオさんの職場です。部屋の奥の壁を背にした机に部長が座っています。耳の上の髪の毛が残っていますが、その上の方はツルツルのハゲです。メガネをかけ書類を読みながら、お茶を飲んでいます。その前方の方で、マスオさんと同僚が立ち話をしています。同僚が、真面目な顔をして、「流感がまたのさばりだしたな」と口を尖らして言いました。マスオさんも同感だと言わんばかりの顔をしています』
『マスオさんが、同僚に「流感か!あいつは早いとこぶちのめすにかぎるんだ」と頭の後ろに両手をあてて、偉そうに言いました。同僚も、そうだそうだと、言わんばかりの表情です。部長は、相変わらず、お茶を飲んでいます』
『マスオさんと同僚は、「どうかんどうかん」と言いながら、その場を離れました。部長は二人を見ています』
『部屋を出たマスオさんと同僚は、「部長のアダナ「流感」にしてから」(同僚)「大ぴらでわるくちいえてスカッとするナ」(マスオさん)と言い、2人とも大きな口を開いて高笑いしています』
マスオさんの上司の部長は、のさばっているのですか?
「フグ田くん、ちゃんと仕事をしたまえ!」
とでも言うのですか?
とにかく、好きになれない上司なんですね。
そんな人いますね!
マスオさんの同僚も、上司が嫌いなようですから。
かなり嫌な上司なのでしょう。
そんな嫌いな奴を、「ぶちのめしたい」と言う願望があっても、会社で、暴力でぶちのめしたら首だ!
そこで考えたのが「渾名でからかう」
流感とは面白いアダナですね。
「流感か!あいつは早いとこぶちのめすにかぎるんだ」
と強力なことが言える。
流感の渾名を戴いた部長も、流感が自分のことと判らず、
「そうだそうだ、君たちが言うように流感は早いとこぶちのまさんといかんよ」
と思っていることでしょう。
マスオさんは、どうやら、上司とうまくやっていけないタイプのようですね。先日は、腰の弱った上司を「リュウマチが行く」とからかつていた。
その時は、上司が耳が遠くなっていた上司で「竜馬がゆく」と聞き間違えて助かったばかりでしょう。
上司をからかっていると「本当に首になりますよ」。
そうなったらサザエさんが困るでしょう。
マスオさん、上司をからかうのは、慎みましょう。