サザエさん―面白い落ち(143)
防腐剤なしのカビの生えた食べ物は食べられますか?
朝日文庫版38巻〔35頁〕・昭和44年
『サザエさんが、仲のいい奥さんと一緒に、別の仲のいい友達の家を訪問しています。サザエさんはセータを着た質素な姿です。仲のいい奥さんは、髪をアップに結い上げて、和服を着てオシャレをしています。2人は、訪問先のリビングのテーブルでコーヒーをご馳走になっています。そこへ、目じりが釣り上がったメガネをかけ、柄物のエプロンをかけた中年のオバ様が出てきました。そのオバ様も、サザエさんと仲のいい奥さんです。その奥さんが、右手に楊枝を挿した棒の様な食べ物を乗せた皿を持ち、左手には、楊枝を挿した四角に切った食べ物を乗せた皿を持ち、「かるくめしあがっていらして」と勧めています』
『オバ様は、手に持った皿を「何にもないけどカビの生えたチーズよ」と言いながらテーブルの上に置きました。それを見ていた、髪を結いあげた仲のいい奥さんが「マ~~ぼうふ剤がはいっていませんのネ!」と楽しそうに言いました。サザエさんも、興味深そうに見ています』
『オバ様は、黒いトーストを皿に積み上げて持ってきました。そして、「黒いパンに、いろのわるいソーセージよ」と言いながら持ってきました。髪を結いあげた奥さんが、思わず「ひょうはくざいも」と言うと、サザエさんがすかさず「しきそもなしネ!」と言いました』
『3人は、テーブルについて、オバ様が、「けっこうなものばかり!」と言うと、サザエさんが続けて「いただきまーす」と言い、コーヒーを飲みながら、テーブルに出された食べ物を食べています』
食べ物の安全性を問題にした時期がありました。
食品添加物、例えば、防腐剤、漂白剤、着色剤などの危険性が問題視され、これらの添加物を使った食品は危険で、食べてはいけないと言う運動や、主張する書籍が続けて出版された時期がありました。
食品添加物として、防腐剤を使用しないと、食品は長期保存ができない、カビが生える。
防腐剤を添加していない食品がもてはやされるのは判りますが、カビの生えた食品はいただけません。
子供の頃、餅にカビが生えて、餅を食べる時、包丁で生えたカビを削り取り、焼き餅にして食べていたことを思い出します。
カビは、食べてはいけません。危険です。
サザエさん達奥さんは、防腐剤も漂白剤も使っていませんと言う、カビの生えた、色の黒い食品を食べようとしています。
食品着色剤も危険だと騒がれました。
着色剤としては、合成の塩基性染料が使用されていた古い時代もありましたが、その危険性が問題となり、自然の有色色素が着色剤として使用されていると思います。
カビが生えている食べ物は、直ちには食べたくありません。
高級なチーズの表面にはカビが生えているようですが、カビは取り除いて食べる筈です。
しかし、最近は、和食の味噌、醤油などは、カビの一種を活用した発酵食品の筈です。
防腐剤、漂白剤、合成着色剤等の改良や使用しない食品の開発、上市がなされている筈であり、最近は「食べてはいけない」などの本や主張は目立たなくなっている。
しかし、防腐剤なしのカビの生えた食べ物は食べられますか?