先週行われました第16回ヴィクトリアマイルは圧倒的1番人気に

推されたグランアレグリアが直線で難なく抜け出して圧勝し、見事

ファンの期待に応え、まさに横綱相撲の強さで優勝しました。

マイル戦までにおいては、もはや日本に敵なしと言っても過言では

ありません。

今週から制限人数で観客が入りましたが、勝ったグランアレ

グリアに対するスタンドからの暖かい拍手にも感動しました。

アーモンドアイが引退し、デアリングタクトが故障で戦列を

離れる中、グランアレグリアが今年の古馬牝馬の主役として

引っ張っていくことは間違いありません。

今週は、昨年63年ぶりに無敗でオークス制し、後に無敗の

牝馬三冠馬に輝いたデアリングタクトが右前肢繋靱帯炎を発症

したため、宝塚記念を断念し、休養に入るとのショッキングな

ニュースが届く中、いよいよ前半戦の牝馬クラシックのクライ

マックス、第82回伝統の優駿牝馬(オークス)が東京競馬場で

行われます。

 

思い出の馬は、昭和48年第34回優勝馬ナスノチグサです。

姉は昭和46年の桜花賞馬ナスノカオリという華麗なる姉妹として

昭和45年名門那須野牧場で誕生しました。

所属厩舎も姉と同じ牝馬を手掛けたら右に出るものはいないと

言われた稲葉厩舎に入厩し、騎手も姉と同じ牝馬の魔術師と

言われた嶋田功騎手が手綱をとりました。

新馬戦を圧勝し、続くオープン戦も圧勝して連勝し、その後も

府中3歳Sをレコードタイムで勝つと、続く3歳牝馬Sでは後の

ライバルニットウチドリに3馬身差をつけて快勝。

当時の馬齢でいう3歳シーズンを7戦5勝2着2回という好成績で

終え、一躍牝馬クラシック候補に躍り出ました。

当初は桜花賞を目指していましたが、4歳初戦のクイーンCに

敗退すると、陣営は気性面の関係から輸送を伴う桜花賞を

断念して、目標をオークス1本に切り替えましたが、この判断が

功を奏しました。

オークストライアル4歳牝馬特別では桜花賞馬ニットウチドリ

と共に、この時代の牝馬3強の一角、レデースポートの2着に

敗れたものの、順調な仕上がりを見せてオークスに挑みました。

オークスでは桜花賞馬ニットウチドリではなく、トライアル優勝馬

レデースポートが1番人気となり、ナスノチグサが2番人気、

桜花賞馬ニットウチドリは3番人気となる等、やはり牝馬3強が

人気を分け合う形となりました。

レースはナスノチグサがライバルのニットウチドリやレデースポート

をマークしながら中団を進み、直線に入ると鋭い伸び脚を見せ、

逃げ込みを図るニットウチドリを捉え、3馬身半差をつけて優勝。

オークスで10着に敗れた姉ナスノカオリの雪辱を見事に果たし

ました。

その後も安田記念に出走し、ハクホウショウの3着と健闘するも

3着に敗れ、前半戦を終えました。

秋に入りトライアルを経て、牝馬クラシック三冠目のビクトリアCに

出走し、好位から抜け出したものの、今度はニットウチドリの巻き

返しにあって、2着に敗れてしまいました。

牝馬クラシック戦線では主役だったナスノチグサでしたが、

古馬になってからの牡馬とのレースでは苦戦を強いられ、低迷が

続きました。

そして陣営がローカル路線に切り替えて挑んだ新潟記念で1年

3ヶ月ぶりに、それもレコードタイムでの優勝という今までの

うっぷんを晴らすような見事な勝ち方でした。

6歳になったナスノチグサは、前年同様に春シーズンは不振

でしたが、安田記念で快速馬サクライワイの3着に食い込むと、

夏の関屋記念、新潟記念で続けて3着になる等、ようやく復調の

兆しを見せ、秋初戦の京王杯AHでは人気は無かったものの、

1歳年下のオークス馬トウコウエルザと直線での叩き合いを演じ、

最後はクビ差という接戦でしたが、先輩オークス馬としての意地を

見せ、優勝を飾りました。

まさに新旧のオークス馬による名勝負でした。

しかし、このレースでの勝利がナスノチグサにとっての現役

最後の勝利となりました。

この年の暮れの有馬記念に出走するものの、イシノアラシの

12着に敗れ、この競走を最後に引退し、生まれ故郷の那須野

牧場に帰り、繁殖牝馬となりました。

これといった代表産駒には恵まれませんでしたが、それでも

目黒記念で2着になったナスノタイザンや新潟大賞典で2着に

なったナスノプリンス等を輩出しました。

繁殖生活を終えた後は、母のナスノホシ、姉のナスノカオリと

共に那須野牧場で余生を送っていましたが、2001年3月5日、

老衰のため31年の生涯を終え、母ナスノホシ、姉ナスノカオリが

待つ天国へと旅立って行きました。

今週はいよいよ伝統の第82回優駿牝馬(オークス)が行われます。

注目はやはり無敗の白毛馬ソダシです。

実力は3歳牝馬№1であることは誰もが認めることですが、

血統的に果たして距離を克服できるのかが、最大のポイントです。

昨年の無敗でオークスを制したデアリングタクトのように、今年は

史上初の白毛馬そして無敗でのオークス制覇がなるのか、世界の

ホースマン達も注目しています。

その他では、注目していたサトノレイナスがダービーにまわった

ため、紅白馬合戦ではないですが、やはり名牝アパパネの仔

アカイトリノムスメ、未知の魅力のニーナドレスとスルーセブン

シーズ、ファインルージュに注目しています。

成長著しい3歳馬であるがゆえに、急に力をつけ、台頭してくる

馬が現れても不思議ではありません。

今年はどのようなドラマが展開するのでしょうか、白毛伝説は

まだまだ続くのか、それとも新たな樫の女王が誕生するのか

注目です。

そして、今週も全馬の無事を祈ってレースを見ます。

先週行われました第26回NHKマイルカップはスタート直後に

人気のバスラットレオンが落馬という波乱の展開の中、直線で

抜け出したソングラインをまるで計ったかのようにシュネルマイ

スターがゴール前でかわして優勝。

クロフネ以来、20年ぶりとなる外国産馬の優勝となりました。

日本にはない血統を持つ馬だけに、これからの活躍が本当に

楽しみです。

今週は、東京競馬場で第16回ヴィクトリアマイルが行われます。

昭和期、牝馬のクラシック戦線の後、年が明けて古馬になった

牝馬は、当時まだレース体系が整っていなかったため、牡馬との

混合レースに出走せざるを得なかったため、苦戦を強いられ

ました。

更に当時の考えで長く現役を続けると産駒にも影響が出るとの

懸念もあって、早めに引退し繁殖入りさせてしまうケースが

多く見られました。

また、昭和期においては生産牧場で牝馬が生まれると牡馬と

違い高く売れなかったため、がっかりされる等、牝馬にとっては

不遇の時代が続きましたが、1996年にエリザベス女王杯が

条件変更されて4歳(現3歳)以上牝馬のGⅠ競走となり、

更に牝馬重賞競走の増設やローテーションの整備、短距離路線

の充実等、レース体系の整備と充実により、競走馬として長く

活躍する牝馬が多くなりました。

そして現役として長く活躍した牝馬からも優秀な産駒が誕生する

ようになったことにより、生産界の考え方も変わってきました。

こうした流れの中で、2006年に4歳以上牝馬による春季の

チャンピオン決定戦としてヴィクトリアマイルが新設されました。

近年、牝馬の活躍をめざましく、アーモンドアイを筆頭に

リスグラシュー、有馬記念でのクロノジェネシスとサラキアの

ワンツーフィニッシュ、そして今年の春の天皇賞で3着になった

カレンブーケドールも、牝馬として3着以内に入ったのは65年ぶり

の快挙でした。

 

思い出の馬は、第1回優勝馬ダンスインザムードです。

オークスやエリザベス女王杯を制したダンスパートナーを姉に

持ち、菊花賞馬ダンスインザダーク、ステイヤーズS優勝馬

エアダブリンを兄に持つ、日本を代表する華麗なる一族として

誕生し、自らも桜花賞に優勝しました。

私は学生の頃から仲間内で、今で言うPOGをやって競い合って

いて、今でも続けていますが、なぜか昔から牝馬のレースでは

桜の女王と呼ばれる桜花賞が大好きなレースで、毎年牝馬では

桜花賞制覇を目指して仲間内ドラフトでの獲得を目指しています。

それまでは桜花賞で2着までは来たものの、なかなか勝てません

でした。

そして2006年、ついに仲間内ドラフトで獲得できたダンスインザ

ムードが桜花賞に優勝し、私の長年の夢を実現してくれました。

あの感動は今でも忘れられません。

ダンスインザムードは古馬になってからは低迷が続きましたが、

秋の天皇賞あたりから調子が徐々に戻り、当時の馬齢6歳で

出走したマイラーズCではダイワメジャーの2着と惜敗したものの、

新設されたヴィクトリアマイルでは、牝馬同士ではやはり格が

違ったのか、直線で一気に抜け出して圧勝して初代女王に輝く

と共に、桜花賞以来のGⅠ2勝目を獲得しました。

今週の第16回ヴィクトリアマイルは、やはり短距離路線では

圧倒的な強さを見せ、今回も圧倒的な1番人気になるだろう

グランアレグリアに注目です。

適正距離路線に戻り、牝馬同士の中で、どのようなレースをする

のか注目です。

また実力馬レスシテンシア、上り馬テルツェット、デゼル、そして

いつ走るのか誰も判らないリアアメリアに注目です。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを見ます。

先週27年ぶりに阪神競馬場で行われました第163回天皇賞は

一昨年の菊花賞馬ワールドプレミアが直線で力強く抜け出し

1番人気のディープボンドをねじ伏せて、優勝を飾りました。

菊花賞以来の復活優勝でこれからのステイヤーとしての活躍が

本当に楽しみです。

人気のアリストテレスは真価を問われる1戦でしたが、4着に

敗れ、コントレイル共々、負け方をみると、この世代の力量が

徐々に見えてきたような気がします。

また一部のマスコミが天皇賞をマラソンレースと表現して

いましたが、その表現には、とても違和感があります。

天皇賞は、オープン馬が3,200mで競い合い、スタミナと

スピードと忍耐力が問われるレースだからこそ真の強い馬が

勝ち、天皇盾と共に古馬最高の栄誉を得られ、格式の高い

伝統あるレースだと思っています。

だからこそ天皇盾には計り知れない価値があります。

距離が長いため、スタミナや騎手同士の駆け引きも重要となり、

今日に至るまで、毎年、多くのドラマを生んできました。

また今回、実況アナウンサーの方がレース直後に、全馬が無事に

完走しましたと言ってくれたことに、とても感動しました。

今週は、東京競馬場で第26回NHKマイルカップが行われます。

NHKマイルカップは、1995年まではNHK杯の名称でダービー

トライアルレースとして行われていました。

1996年からはクラシック競走に出走できなかった外国産馬や

短距離系の馬に対して目標となる大レースを当時の馬齢4歳

(現3歳)春に行うことを目的として、マイル王決定戦として創設

されました。

昭和人の私としては、未だにNHK杯と言ってしまいますが。

 

思い出のレースはハイセイコーが直線で見せた一世一代の

奇跡の末脚で逆転優勝を飾った昭和48年の第21回NHK杯

です。

鳴り物入りで地方競馬から中央競馬へ移籍し、中央の意地か

地方出身馬には絶対に勝たせたくないという風潮が強かった

中央出身馬達からの徹底的なマークと過酷なローテーションの

中で何とか苦しみながらも連勝を続け、ついに無敗のまま、

クラシック一冠目の皐月賞に優勝。

その後、ハイセイコーは東京競馬場をまだ走ったことが無かった

ため、更に無理なローテーションでのNHK杯出走となりました。

後に移籍直後から既にハイセイコーの脚の状態は悪かったとの

事実が判明し、よく故障もせずに一生懸命頑張って走っていた

かと思うと涙してしまいます。

レースは、例によってニューサントの逃げで直線に入って皐月賞

2着馬でライバルのカネイコマが早めに抜け出して先頭にたち、

この日のハイセイコーは動きが鈍くて伸びを欠いて引き離され

通常は絶対に届かない位置にいて苦しむハイセイコーに対し

実況した盛山アナウンサーが思わず、

「ハイセイコー負けるな あと200だ!あと200しかないよ」と

絶叫(私にはそう聞こえました)、もう誰もがハイセイコーがついに

敗れると思った瞬間、今でも伝説として語り継がれている奇跡の

末脚でカネイコマをゴール前でかわし、奇跡の逆転優勝を飾り

ました。

怪物として負けるわけにはいかない宿命を背負ったハイセイコー

が見せた一世一代の奇跡の末脚は、今でも鮮明に目に焼き

付いています。

競走馬は一生に一度、奇跡の脚を使うことができると競馬関係者

から聞いたことがありました。

ファンの期待に応えるため、絶対に負けるわけにはいかない

ハイセイコーは、NHK杯で一生に一度と言われる豪脚を使って

しまったのかも知れません。

できれば日本ダービーで使って欲しかったと今でも思っています。

でもこのようにどんな状況の中でも、いつも全力で一生懸命に

走ったハイセイコーだからこそ、負けてもファンの人気は衰えず、

国民的アイドル馬として、そして昭和48年の顔として今でも

日本の歴史にその名を残しているのだと思っています。

この奇跡の激走による逆転優勝が、この後の日本ダービーに

影響するのではと不安に思った人は私だけでは無かったと

思います。

そして、やはりその不安は見事に的中してしまうことになりました。

今はマイル系のレースとなりましたが、NHKと聞くと、ふと

ダービーを目指した馬達のNHK杯での死闘を思い出して

しまいます。

そして本日5月4日は奇しくもハイセイコーの命日でもあります。

早いもので亡くなってから21年の歳月が経過しました。

私も命ある限り、人生の中で心の支えになってくれたハイセイコー

のことを語り継いでいこうと思っています。

今週の第26回NHKマイルカップは短距離系3歳馬による

レースですが、成長著しい3歳馬であり、距離の適性を含め

非常に難解なレースだと思います。

そんな中で2歳王者グレナディアガーズと連勝中のバスラット

レオンに注目しています。

そして、まだまともに走っていないように見える素質馬ランド

オブリバティが、距離が縮まったことで、どのようにレースぶりが

変わってくるのか注目です。

香港で行われた国際競走を見て、全馬が無事に完走することが

いかに大切かを改めて思い知らされました。

今週も全馬の無事を祈ってレースを見ます。