先週行われました第26回NHKマイルカップはスタート直後に
人気のバスラットレオンが落馬という波乱の展開の中、直線で
抜け出したソングラインをまるで計ったかのようにシュネルマイ
スターがゴール前でかわして優勝。
クロフネ以来、20年ぶりとなる外国産馬の優勝となりました。
日本にはない血統を持つ馬だけに、これからの活躍が本当に
楽しみです。
今週は、東京競馬場で第16回ヴィクトリアマイルが行われます。
昭和期、牝馬のクラシック戦線の後、年が明けて古馬になった
牝馬は、当時まだレース体系が整っていなかったため、牡馬との
混合レースに出走せざるを得なかったため、苦戦を強いられ
ました。
更に当時の考えで長く現役を続けると産駒にも影響が出るとの
懸念もあって、早めに引退し繁殖入りさせてしまうケースが
多く見られました。
また、昭和期においては生産牧場で牝馬が生まれると牡馬と
違い高く売れなかったため、がっかりされる等、牝馬にとっては
不遇の時代が続きましたが、1996年にエリザベス女王杯が
条件変更されて4歳(現3歳)以上牝馬のGⅠ競走となり、
更に牝馬重賞競走の増設やローテーションの整備、短距離路線
の充実等、レース体系の整備と充実により、競走馬として長く
活躍する牝馬が多くなりました。
そして現役として長く活躍した牝馬からも優秀な産駒が誕生する
ようになったことにより、生産界の考え方も変わってきました。
こうした流れの中で、2006年に4歳以上牝馬による春季の
チャンピオン決定戦としてヴィクトリアマイルが新設されました。
近年、牝馬の活躍をめざましく、アーモンドアイを筆頭に
リスグラシュー、有馬記念でのクロノジェネシスとサラキアの
ワンツーフィニッシュ、そして今年の春の天皇賞で3着になった
カレンブーケドールも、牝馬として3着以内に入ったのは65年ぶり
の快挙でした。
思い出の馬は、第1回優勝馬ダンスインザムードです。
オークスやエリザベス女王杯を制したダンスパートナーを姉に
持ち、菊花賞馬ダンスインザダーク、ステイヤーズS優勝馬
エアダブリンを兄に持つ、日本を代表する華麗なる一族として
誕生し、自らも桜花賞に優勝しました。
私は学生の頃から仲間内で、今で言うPOGをやって競い合って
いて、今でも続けていますが、なぜか昔から牝馬のレースでは
桜の女王と呼ばれる桜花賞が大好きなレースで、毎年牝馬では
桜花賞制覇を目指して仲間内ドラフトでの獲得を目指しています。
それまでは桜花賞で2着までは来たものの、なかなか勝てません
でした。
そして2006年、ついに仲間内ドラフトで獲得できたダンスインザ
ムードが桜花賞に優勝し、私の長年の夢を実現してくれました。
あの感動は今でも忘れられません。
ダンスインザムードは古馬になってからは低迷が続きましたが、
秋の天皇賞あたりから調子が徐々に戻り、当時の馬齢6歳で
出走したマイラーズCではダイワメジャーの2着と惜敗したものの、
新設されたヴィクトリアマイルでは、牝馬同士ではやはり格が
違ったのか、直線で一気に抜け出して圧勝して初代女王に輝く
と共に、桜花賞以来のGⅠ2勝目を獲得しました。
今週の第16回ヴィクトリアマイルは、やはり短距離路線では
圧倒的な強さを見せ、今回も圧倒的な1番人気になるだろう
グランアレグリアに注目です。
適正距離路線に戻り、牝馬同士の中で、どのようなレースをする
のか注目です。
また実力馬レスシテンシア、上り馬テルツェット、デゼル、そして
いつ走るのか誰も判らないリアアメリアに注目です。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを見ます。

