ハヤブサが燃えました 8 | 2リットルのCBR

2リットルのCBR

1987年に中免取得
VT250FでライダーDebutを果たし
2004年に限定解除
CBR1100XX
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→K1600GT(2023年式)

 

本日、立ち合い検証に行ってきました。

 

結果だけを知りたい方のために、まずは結論から。

 

出火場所はHIDのバラストだと特定されました。

 

 

 

午後1時20分 

バイクが燃えた場所に立ち寄りました。

当たり前ですが、痕跡などは何もありません。

 

 

 

 

午後1時30分

消防署責任者の挨拶と、本日の立ち合いメンバーの紹介

・スズキ二輪 静岡から5名

・スズキ二輪 東京から1名

・レッドバロン1名

・施主(私)

 

 

午後1時35分

消防側からレジュメが配られ、それを元に

当日、消火作業に当たって下さった隊長より事故概要の説明。

 

 

午後1時40分

スズキ二輪から施主への聞き取り調査

バイクの使用頻度に始まり、バイクの保管方法や

バッテリーの充電方法、そして火災時の様子など・・・

レジュメに書かれていないことをかなり細かく質問される

 

 

午後2時10分

車両検証はじまる

燃えて固着したリアタイヤを皆で台車に載せる

 

 

 

四方から写真が撮りやすいように、バイクをセンターに移動

 

 

 

まずは、ガソリンタンクを持ち上げ

ガソリンの漏れなどを確認していました

 

 

 

各FUSEをチェック

 

 

 

午後3時 

休憩

消防が用意してくれたお茶を事務所でスズキ二輪の方々と頂く

イギリスGPのビニャーレス(SUZUKIライダー)の初優勝の話で盛り上がる

 

 

午後3時15分

再開

みなさん、汗だくです。。。

 

 

いろんな部品が外されていきます

 

 

 

バッテリーは消火剤以外、ほぼ無傷

電圧も12.0V、出てました

 

 

 

 

疑わしかった「レギュレーター・レクチファイヤー」は変形もなく無傷

 

 

 

 

バッテリー後方にあるCPUを疑ってみたが

写真から分かるように箱自体が溶けたのではなく

シート裏側の樹脂などが溶けて堆積したものだった。

また、CPUはごく僅かな電力で稼働しているものなので

それ自体が過熱することは考えられない、とのこと。

 

また、火災後に私がバイクを降りた時点でエンジンが動いていたことからも

もしCPUから出火したのだとしたら、既にエンジンはストールしていなければ

道理が合わないとのことから、CPU出火説は消えた。

 

 

一つ一つ、可能性を潰していきながらやっとたどり着いたのがHID

バラストは金属なので溶けてはいなかったが、

それに繋がっていたであろう配線などの燃え方が酷い。

 

スズキはどうやら最初からココに目をつけていた(ような、気がした)

 

だから、可能性の低い(ほとんど無いものも含む)ものを最初に潰して行き

目をつけていたHIDを最後に取っておいたのだ(ような、気がした)

 

配線を追っていくと

・HIDのプラス線に仕込まれているFUSEが切れていたことが分かった

・HIDのバラストと繋がっていたはずのカプラー部が折れていたことも分かった

 

 

≪結論≫

・HIDのバラスト側に繋がるカプラーの根元が折れていた

・その折れたカプラーの先端が溶けていた

・バラストの+側のFUSE(30A)が切れていた

 

以上の点から、

HIDバラストと配線が振動などで緩み、レアショート(短絡)を誘発し出火

その際に30アンペアのFUSEに大きな電流が流れ、FUSEが切れる

そもそも、30AのFUSEが切れてしまうほどの大電流は

数万ボルト昇圧を扱うバラストしか考えられない、とのこと。

もちろん、純正品とつながる全てのFUSEもチェックした上での見解。

 

6人のスズキ二輪スタッフの総意として

HIDバラスト出火原因の個所として断定した。

 

消防側も異論はない様子。

但し、カプラーが折れた云々のストーリーは消防の範疇ではない、とのこと。

 

レッドバロン工場長の意見も聴いてみたところ

スズキ二輪の説明からは、蓋然性に疑う余地がないとのこと。

 

長時間に及ぶ検証作業に終止符を打ちました。

 

 

午後5時30分

消防が提示する車両引き取りにサイン

 

アクサダイレクトのロードサービスは「残り48キロ」あったので

とりあえず消防署から最寄りのレッドバロンまで運んで貰おうと話していると

何とレッドバロンから”神提案”

「せっかくトラックで来てるので、このまま千葉本店まで持っていきましょうか?」

 

神のような提案にホント感謝です・・・バロンさん

 

午後5時50分

解散

4時間超に及ぶ検証が終わりました

 

 

ハヤブサ本体には問題が無かった、ということで

極論、HIDを外せば、火災の原因はないわけで

あとは修理費用がどれだけ掛かるのか。

 

ちなみに、新品パーツを集めて、新車を1台作ると

”新車価格”の3倍程度は掛かるそうです。

 

ということは・・・

 

まずCPU死んでます

リアおよびサイドカウル、全部溶けてます。

リアフレームは燃えて熱が入ったので、要交換。

スイングアームやチェーン、そしてリアタイヤ、ホイール・・・

シートも前後、溶け溶け。

ETCも死にました。

 

一体、幾らかかるんだろう。。。

 

見積もりが上がったらまた報告します。

 

 

スズキ二輪の方々は皆、真面目で一生懸命に原因の究明をしてくれました。

レッドバロンさんも消防から要請がないのに快く立ち合いに参加してくれました。

消防署の方々も非常に肌理の細かい調査と対応をしてくれました。

 

今回は、バイク本体の瑕疵はなく”自爆”として終わりそうですが

帰りの道中の車内で一人、考えました。

 

ライダーが一生で、自分のバイクが燃える確率って???

 

たぶん、1人1回もないでしょう。

つまり、私は今後、もう自分のバイクが燃えることはない、と。

そう思うことにして、今回の「ハヤブサ火災」を前向きに捉えることにしました。

 

コメントをくれた方、メールをくれた方、本当にありがとうございました。

とても勇気をもらいました。

 

「もっとメーカーに突っ込んだら?」など

ご意見があるかもしれませんが、私はもう納得しているので悪しからず。

 

また、見積もりが出てから

「修理」 OR 「新車購入」の報告をさせて頂きます。

 

いずれにせよ

私はバイクを降りたりはしません、絶対に。

 

 

末筆ながら

今回、メーカーとの立ち合いのすべてを取り仕切って下さった

消防隊長に心からお礼を申し上げます。

バイクが直ったら、あらためてご挨拶に伺います。