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野生農園日誌

自然農法の農園「野生農園ザ☆ばん」の日々の記録
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3月もまた、慌ただしく過ぎていったと思ったら、4月もまた慌ただしく一週間が過ぎていました。
この季節は暑くなったり、また寒さがぶり返したり、気温差が激しく、花粉も飛んでいます。
私は自分が花粉症と認めれば花粉症になるので、花粉症ではありませんが、それでもこんな日は花がムズムズして鼻水が出がちです。
今朝、たれてきた鼻水をタオルハンカチでぬぐい、それをポケットにしまったら、カタコトの日本語を話す男にすられて危うく殴り合いの喧嘩に!という所で目が覚めました。
鼻水のついたタオルひとつに何をむきになっていたのか、目が覚めれば、何てくだらないと笑ってしまいますが、夢中な時は一生懸命で何も見えなくなっており、それを楽しみすらしているんですね。
世の中の争いごともきっと、これと同じくらいくだらないことなのでしょう。

さて、今年はジャガイモの植え付けの時期に忙しく、あまり畑に行けなかったため、農学博士の木嶋利夫さんの紹介されていた、イモを土に埋めない植え方を試してみました。
畝の上にジャガイモを並べてビニールマルチを被せるだけです。土は被せません。
これで本当に育つのでしょうか?


数日後には幾つかネズミに食われてましたが…。ネズミからは神と崇められていることでしょう。

そして、この時期恒例のニンニク虫(ネギオオアラメハムシ)ジェノサイド。


寒さの厳しかった今年は虫の発生も遅れていたのですが、気温が上がるとやっぱりウジャウジャ出てきました。
この何年か、どんな条件だとこの虫の被害が減るのか色々検証してみました。
耕したところ、耕してないところ、自家採取、購入した種ニンニク、色々比較した結果・・・。
よく分かりませんでした。

昨年までの実験から「早めに植え付けて自家採取の種ニンニクを植えた所は元気に育って虫の被害が少ない」
という仮説を立てたのですが、今年は自家採種の種ニンニクでも、そして同じ畝の中でも、被害が多い所、少ない所が出ました。
また、購入した種ニンニクの発芽率が悪くて買い直したたため、かなり植えるのが遅れてしまったニンニクも多いのですが、必ずしも、遅れて植えたものの方が被害が大きいわけではありません。
自家採種のものは、なるべく大きめのサイズを使ったものの、一つのニンニクもバラせば大きい粒、小さい粒が入っていますし、傷みかけたものも勿体ないので植えてしまいました。
また、捕植用のニンニクが足りなくなったため、後半はSサイズの余った自家採種ニンニクを植えましたが、Sサイズは特に食われまくっています。
…ということで、当たり前の結論かもしれませんが、何より種ニンニクの質が大事なようです。

「ビニールマルチに草マルチで対抗できるか実験」畝には今年、竹やブタクサなどの硬い植物を埋め込んた上に植え付けてみました。
今の所、Mサイズまで育ちそうな勢いのあるニンニクもいて、これまでで一番健闘しているようです。
しかし、草に埋もれている場所には虫もたくさん隠れているためか、虫の被害も多く、畝全体では不作。
この時期になると生育の悪いニンニクが盛り返すことはなく、もう勝負は決しているのかもしれませんが、最後まで見守ります。

今年は寒さの厳しい冬でした。
立春を過ぎても毎朝地面が凍結し、日照時間短めの畑は午後になっても地面がガチガチ。
おかげで昨年は2月下旬からニンニクを食い荒らしていたネギオオアラメハムシも、まだ出現してません。
出来ればもう目覚めないでほしいものです。

近年暖かい冬が続いてたので寒く感じますが、以前の冬はこんなものだったのかもしれません。
とは言え、やはり寒過ぎると手先足先痛くなるし、じっとしてると凍死しちゃうし、何かと大変です。
これから氷河期が来るという話もありますが、それよりは温暖化してくれた方がよさそうです。

そんなわけで、今月も先月に引き続き農閑期。
ちょうど、この時期には色んなめんどくさい事務仕事があります。
そして何故か、毎年この時期には機器類に色んな不調が出てきます。
係長補佐の場合は、常時自分の脳味噌を含めて何かが壊れているという説もありますが、それにしても今年はトラブル続きでした。

昨秋に買い替えたばかりのスマホが壊れたり、不調だったPCを中古PCに買い換えたらOSのアップデートがされていなかったことに気付かず、ソフトのインストールが出来なかったり…。そんなことに振り回されている間に2月が終わってしまいました。
人間は便利と快適を求めてきましたが、楽になった仕事が別の仕事に置き換わっただけなのかもしれません。

色々思い通りに進まず、事務仕事もいっぱい残ってますが、ようやく暖かくなってきたので畑仕事も再開です。
保存のために葉っぱを切って土の中に埋めた大根からは、新しい芽が出てきました。


どんな天候でもどんな環境でも育つキクイモ君も、やはりササ君と一緒に暮らすのは難しかったようです。
一応共存はし、ササと競うように背丈を伸ばしましたが、根っこも競い合って、収穫量はササの無い場所の3分の1以下でした。
今年はちょっとササに遠慮してもらいたいので、キクイモに少し加勢しようと思います。

そろそろニンニク虫も出てきそうですが、係長補佐は色々あって暫く畑に行けません。
今度畑に行く頃には既に食い荒らされてるかもしれませんが、「行雲流水」「あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう」古今東西の色んな偉い人が言ってます。心配してもどうにもならないことは気にしないのが一番です。

 太陽暦のお正月から、またしても瞬く間に一カ月。この一カ月もぼーっとしてたら終わってしまいましたが、今が本当の新年。昨日は旧暦のお正月で、明後日が立春です。ということで、あけましておめでとうございます! 
  
 1月は農閑期。この時期の畑仕事はキクイモの収穫くらいです。この冬は寒くて地面はガチガチ。地表近くのキクイモはシャーベットになってますが、溶ければ普通に使えます。でも、埋め損ねた大根の地上部分は何度も溶けたり凍ったりを繰り返し、食べようと思えば食べられるけど、美味しくはなくなってしまいました。野生農園の畑では、食われなかった野菜も、枯れた野菜もそのまま自然が片付けてくれます。 
 
 畑仕事が少ない冬の時期は、剪定や伐採など、木の周りの仕事が多くなります。かつて畑の境木として植えられたクワの木が何本も幹を出し、それぞれ巨木に成長して周囲がすっかり日陰になっているので、今年は思い切って下の方から伐採しています。アーナック係長の上に木が倒れては一大事なので、遠くで見守ってもらいました。

 お腹が空いて、遠方からお手をする係長。直接接れなくても人を操れる特殊能力をお持ちです。 


  クワの木はかつて蚕の餌として栽培されていました。ここ藤野でもかつては養蚕が盛んだったので、あちこちで放置されてでっかくなってます。厄介者扱いされがちですが、果実は美味しいし、葉っぱにも糖尿病を予防したり、血圧を下げたりと、体によい効果が色々あるそうです。
 
 係長補佐の家では薪ストーブを使っているので、切った木は薪にしています。薪は伐ったり割ったり運んだりが大変ですが、地域の資源を活用出来るのはいいですね。

 この後、替刃を購入したのですが、店が閉まっていたり、購入したものの短すぎて、また買い直したりで色々大変でした。何か見えない力が働いて、桑の伐採を妨害していたのかもしれません。


 日本には石油は殆ど出ませんが、実は森林資源は豊富。昔から薪炭林として雑木林を育て、再生しながら利用していました。今の人口で国民全員が暖房を木に変えたら、森林資源が枯渇してしまうかもしれませんが、放置されている森も多いので、もう少し活用したいですね。

 石油や鉱物などの天然資源に恵まれている所には、大国や多国籍企業が群がって資源を得ようと画策し、色んな勢力に金や武器をバラまいたりしてもめ事を起こすので、戦争が絶えない地域も少なくありません。
 現在もガソリン代が爆上がり中。原油高騰の要因は、不穏なリビア情勢やウクライナ情勢など、色々あると言われてますね。現在のリビアの政情不安は欧米によるリビア侵攻の結果であり、ウクライナ危機の背景にもウクライナ政府によるロシア系住民の弾圧があるといった、いずれも欧米や日本のメディアの論調とは真逆の見方がありますが、真実がどこにあるにせよ、きっと対立を煽って得する人達がいるんでしょう。 
 係長補佐は「世界中が自分の地域の資源を活用すれば、争いの原因が減るし、自分の地域なら環境にも配慮して循環利用するだろう」と考えて、自分でやってみようと自然農法を始めたり、最近は忙しくてあまりやってませんが、森の再生の活動などをしてきました。でも昔から使っていた地域の資源を利用しなくなったのは、それが難しくなっているからです。仙人として生きていくなら可能かもしれませんが、お金を稼がなきゃ生きられない仕組みになった世界で、社会とのつながりを保ちつつ、地域の資源だけで生きていくのは無理があります。薪を使うにせよ、チェーンソーや車で伐採搬出するなら石油から自由にはなれないし、問題なのは石油だけじゃなく、身の回りの品の殆ど全てです。たとえばスマホやPCだって、誰かの強制労働で作られてるかもしれないし、原料のレアメタルもアフリカの紛争の資金源になってます。
 自分が使っている商品がどうやって出来たか考えるのは大切だけど、あまり原理的に考えると裸で狩猟採集して暮らすしかないので、無理をしないことにしました。畑も昔は人力だけで、石油を使った資材も使わずやろうとしてましたが、今では時々ビニールマルチや機械を使っています。
 
 しかし、予想もつかない変化は劇的に起こるもの。その内、海外の資源を使えなくなる日が来るかもしれません。
 ここ何年か食糧危機が唱えられてきましたが、最近は肥料や農薬の価格も上がり、日本ではいよいよこれから離農する人がますます増えていくという話もあります。異常気象はもう毎年のことだし、天変地異はもちろんいつ来ても不思議じゃなく、人為的な災いも色々あります。
 補佐自身は、なるようにしかならないし、何かあったらその時考えればいいことなので、あまり心配もしてません。ただ万が一に備え、もう少し食糧生産の腕を上げたり、腹にたまるイモ類を多めに作ったりしておこうと思ってます。 

今年もあっという間でした。
1年は3千万秒以上あるそうなので、正確には「あっ」が3千万回以上言えるのですが、体感的には「あっ」×100くらいの感じでした。
12月は畑仕事自体は大分暇になったのですが、前回書いたように、イベントや出店などに追われていました。

12月上旬は昨年に引き続き、じん君の漬物ワークショップ。
2年前に天啓を受け、料理人から転身して漬物伝道師になったじん君が、ますますパワーアップして帰ってきました。
天から「漬物じゃ」の声と共に漬け方まで下りてきたそうで、勉強せずに最初から漬物を漬けられたそうですが、そこから更に研鑽を重ねて腕を上げています。


去年は大根を干して沢庵にしましたが、今年は干さずにそのまま野菜と塩と米糠を混ぜて乳酸菌発酵させる、じん君流「縄文漬け」。
長期間争いが無かったことや、人々が芸術性を開花させた縄文土器等で知られ、一部で注目を集める縄文時代。
当時から内陸の人々と沿岸の人々とは交易をしており、内陸部でも保存食として塩で漬ける漬物は存在したと考えられています。
と言っても縄文時代は後期になるまで稲作は無く、多くの野菜もまだ日本には入ってきていないので、正確な意味で縄文時代の漬物を再現したわけではありません。縄文のスピリットを宿したお漬物です。この漬物ワークショップは来年、種まきからの連続講座にすることも構想中。
来年の秋をお楽しみに。

そして中旬には表参道の「ナチュラルハウス」店舗前で野菜や加工品を販売する機会を頂きました。
係長補佐がこんなお洒落な街で野菜を売る日が来るなんて、誰が想像したでしょう。

でも、街を舞台にすると建物や人がいっぱいで、背景を描くのが大変。

おかげで畑を描く時の3倍くらい時間がかかってしまい、「出稼ぎはもう止めた方がいいかも」と悩んでいます。

ところで、今回はマリー・アントワネットさんが時空を超えてゲスト出演してくれました。

マリー・アントワネットの発言として有名な「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」は、実は彼女の言葉ではないそうです。
元々はジャン・ジャック・ルソーが著書の中で「ある高貴な女性のセリフ」として書いた言葉が、浪費家のイメージのあったマリー・アントワネットの言葉として流通し、困窮するフランスの庶民の不興を買ってしまいました。
フランス革命には、庶民が自由や平等を獲得するための闘いという側面と、金貸しや資本家が私権を拡大するための謀略という側面とがあり、正しかったとも正しくなかったとも言うつもりはありませんが、根拠のない噂による印象操作が、彼女が処刑される一因になっていたとしたら悲しいですね。
ちなみに今回の漫画はマリー・アントワネットさんの台詞以外も、途中からフィクションです。
どこからフィクションかはご想像にお任せしますが、漫画の中で補佐は無いものばかり探すカルマを解消するため、再度生まれ変わることになりました。
現実の補佐は、来世からではなく、来年からもっと「あるもの」で出来ることを探していく所存です。

12月も下旬に近付く頃には寒波が到来。

アーナック係長は寒くても元気。ニンニクの上でお昼寝してます。そこで寝るのはやめてほしいです。


連日の寒さで大根やカブも凍みてしまいましたが、土の中のキクイモは、まだ無事です。
キクイモチップスは藤野のお店で販売してますが、webショップでも販売中なので遠方の方はチェックしてみて下さい。

そうこうしている内に今年も残すところ後わずか。
来年もよろしくお願いします!

11月末からイベントやら出店やらに追われ、気が付けばもう12月7日。
忙しい時には車やプリンターが故障したり、メールが届かなかったり、色んな災難が同時に襲ってきます。
これに加えて係長補佐の場合は、よく大事なものが五次元に移動してしまいます。
暫くペンタブレットのペンが五次元出張していて、4コマ漫画を描けなかったことも相まって、すっかり更新が遅くなってしまいました。

年を重ねると、こういう現象は誰にでも起きてきますが、補佐の場合は若い頃からです。
若い頃老けて見られた人が、年を取って「変わらないね」と言われるようなものでしょう。

前置きが長くなりましたが、収穫の秋の11月の報告です。
サツマイモ、サトイモ、キクイモ、ヤーコン等、根菜類を掘り出しました。

今年は借りていた畑の下で、地主さんが耕作出来なくなったため、少し畑を広げました。
永らく放置され、草むらになっていた土地に植えたサトイモはそこそこ豊作。その隣の地主さんが毎年耕耘と除草だけ徹底していた土地では大不作。
スコップの左が放棄地、右側が除草されてた所ですが、右側は早々に小さなサトイモが枯れてしまい、殆ど何も見えません。地力回復には耕作せずに放っておくのがよさそうです。

サツマイモとヤーコンはよく出来たところもありましたが全般的に不作。
なぜ出来なかったのかが謎な場所もあるのですが、要因のひとつがキクイモ。
去年植えたところから勝手に出てきてしまい、最初の内は引っこ抜いていたのですが、抜いても抜いても出来てきて気付くとキクイモ畑に。
他の作物を植えた場所では引っこ抜きましたが、隣で大きく育って日照を奪ったり、気付くとキクイモが隣まで進出してイモを太らせたり、しっかり他の作物の生育を阻害してくれました。
キクイモは凄まじい生命力で、すっかり雑草化しました。

晩秋の畑は夏野菜も夏草も、色んなものが枯れてきました。
雑草と共存している野生農園では、畑に入ると雑草の種まみれになります。

中でもひときわ蔓延っているのがアメリカセンダングサ。
鋭い棘で服や毛にしっかりくっついてきます。

アライグマにキクイモ、そしてアメリカセンダングサ。
野生農園ザ☆ばんも、すっかりアメリカナイズされています。
敗戦後から給食でパン食に慣らされ、ハリウッド映画できらびやかなアメリカに憧れを抱かされてた日本人。
係長補佐もそんな占領政策から逃れられないのでしょうか。
でも野生農園の畑にいるのは、ヨーロッパに侵略される前からアメリカにいた生き物たちです。
キクイモもインディアンが食べてきた野菜。
小学生の頃、新デビルマンの「リトルビッグホーンの闘い(インディアンと米国陸軍との闘い)」を題材にした物語を立ち読みして以来、ヨーロッパよりインディアンにシンパシーを抱いてきた係長補佐は、インディアンになった気分でキクイモを収穫しています。

ところで、リトルビッグホーンの闘いで敗北した白人のカスター大佐、多くの虐殺を主導してきた極悪人だとずっと思っていましたが、こんな言葉を残しているそうです。
『・・・・私はしばしば、自分がインディアンだったら、「白人の作った保留地に閉じ込められ、やりたい放題で悪徳だらけの文明のお情けにあずかって生きながらえるより、自由で遮るもののない平原を仲間と守り、運命を共にすることを選ぶほうがずっとずっと楽しいだろう」と考えたものだ。
我々白人は、長らくインディアンを美しいロマンで包んでいた。しかし、一度それを剥ぎ取ってしまえば、彼らは「気高き赤い勇者たち」とは呼ばれなくなり、インディアンという人種は残虐にして野蛮そのものとみなされることとなる。けれども、同じような境遇に生まれ育てば、白人だって彼らと同じなのだ。人間というものは沙漠の野獣同様に、残酷かつ獰猛になれるものなのだから。
この土地は、インディアンたちが長い間自分たちのものだと思い、狩りをしてきたところだ。それを「文明」というこの貪欲な怪物から明け渡せと要求されたとしても、誰の助けも得られない。
彼らはただ降服するしかない。さもなくば彼らは、この「文明」という怪物に無慈悲にも踏みにじられ粉砕されてしまうだろう。運命は、それを望んでいるようだ。』
インディアンに同情的な心情も伺え、当時としては比較的まともな感覚の持ち主だったのかもしれません。カスターもお上に抗えずに運命を呪うただの役人だったのでしょうか。
なかなか興味深い記事だったので紹介しておきます。
第七騎兵隊全滅~歴史はほんとうに人間の真実なのか?
カスターは確かに酷いこともしたのでしょうけれど、インディアン撲滅を熱狂的に支持したのは大衆。古今東西、お上のやることは間違いだらけなのに、熱に浮かされた大衆がそれを支持してしまい、後から誰かに罪を被せるという構造は変わっていないのかもしれませんね。