野生農園日誌

野生農園日誌

自然農法の農園「野生農園ザ☆ばん」の日々の記録
ホームページ
https://www.yaseinouentheban.com/

沸騰しそうな暑さの8月でしたが、9月に入っても酷暑が続き、日中は35℃超えの日も…。
昨年も今年同様、9月に入っても暑さが続き、これまでほとんど失敗のなかった大根が半減してしまいました。
大根の生育適温は20~25℃。連日30℃超えではなかなか発芽しないわ、発芽してもなかなか大きくならないわ、高温だと虫も活発に動いてて葉っぱが食われてしまうわで、まともに育つのが難しいです。
しかしあまり遅くまいても、この地域は冬が来るのも早いので、大きくならない内に寒くなってしまいます。
リスク分散で何回にも分け、ちょっとずつまければよいのですが、時間も限られているし雨の日もあるので、まける時にある程度集中してまくしかありません。


そんなわけで、今年も前半にまいた大根は、壊滅的な被害を受け、虫のために種まきしたような結果に。

これまでは8月末~9月上旬に種をまけば普通に育ってくれたのですが、これまでの暦通りでは栽培が難しくなってます。
色々やり方を変えてく必要がありそうですね。猛暑日の続いていた9月下旬、秋分の日を過ぎたところで、今度は唐突に寒さがやってきました。あまり遅くにまいた大根はやはり育たないかもしれません。
一方、いつまでも暑かったお陰で遅くに蒔いて、もう手遅れかなと思ったオクラが、9月になって結実し始め、勢いを増しました。


横から生えてるのはネコジャラシ(エノコログサ)と薬草茶になるエビスグサ(ケツメイシ)。ネコジャラシはもちろん、エビスグサも意図的に混植したのではなく、去年のこぼれ種から勝手に育ったやつですが、うまいこと共生してます。

 


アライグマに食われる前に出来たスイカ、ドライになってオンラインショップで販売中です。
こちらもよろしくお願いします!
しかし、オンラインショップに使用している「wix」。前にもここで書いたようにイスラエルの企業です。
パレスチナ農民を支援し、パレスチナ人とイスラエル人の協働という理想の下で作られたオリーブオイルを使った商品「救いがたい理想主義者のためのポテトチップス」を敢えてここで販売するのもいいかなと思っていたのですが、イスラエルに批判的な書き込みをした従業員を解雇したとのこと。
Wix」がハマスを支持するウェブサイトの削除を進める&反イスラエル的発言をした従業員を解雇したことも判明
wixにも問い合わせし、詳しく状況調べてまたご報告します。

夏の間に再び勢いづいてきたササを刈って空気の通り道を作り、炭を埋めて微生物の住める環境を整えて、森が呼吸できるように手助けし、晩秋から苗を植える準備をしていきます。

更に、植物のことなら何でも知ってる葉っぱー池竹さんのレクチャーを受けながら、野草を天ぷらにして食べましょう。
⁡高校生以下無料なので、是非お子さんもご一緒に!
⁡⁡
●講座内容:
⁡①空気と水の流れに着目した森林整備
森の下を覆うササ藪を刈って
空気を通したり、
林床から生えてきたけど
ササに覆われて息絶え絶えの樹を
救出したりする作業を行います。

木の見分け方、危険な植物やキノコに
ついて、ナラ枯れについてなど
森についての知識も、
植物おじさんの葉っぱー池竹さんに
たくさん教えてもらえます。

⁡②野草茶作り
雑草と呼ばれる草にも、お茶にすると
美味しい草、身体を整える作用のある
草など色々あります。
そんな野草を煮出して飲んでみます。

③野草天ぷら作り
今は野草が美味しい季節。
⁡植物について学びながら天ぷらにして
食べてみましょう。
●講師:
・葉っぱー池竹さん:食べられる植物に
詳しい植物おじさん。

⁡◎日時:10/6(日) 9:30~16:30
午前の部:9:30〜12:30
午後の部:13:30~16:30
※小雨決行荒天中止

◎集合場所: 牧郷ラボ(旧牧郷小学校)
相模原市緑区牧野7029

※中央本線「藤野駅」まで送迎もします。
ご相談ください。
※ナビでは、「牧郷体育館」で検索すると
出る場合もあります。
※駐車スペースたくさんあり

◎持ち物:(あれば)ノコ鎌・剪定ノコ・剪定ハサミ

◎服装:汚れてもいい服装
(長袖・長ズボン)、軍手、長靴や歩きやすい靴

※黒い服はハチを寄せやすいのでお避け下さい

◎参加費:
午前の部・午後の部各1600円(保険代含む)
通しでご参加の場合は2300円
高校生以下無料、学生半額
300円までよろづ(藤野の地域通貨)支払可、リピーターの方は参加費300円割引

◎お申し込み、お問い合わせ:野生農園ザ☆ばん お問い合わせ までメッセージをお送り下さい。

8月は、死ぬほど暑く、9月になっても暑いけどまだ生きてます。
酷暑の中で、生きてる命も死んじゃった命も、みんなよく頑張りました。
さて、この暑さの中でスイカはどうなったでしょう?
暑さで枯れてしまったものもありましたが、生き残ったスイカは頑張って、例年より10日くらい早めに実をつけてくれました。
例年だと、ピークはお盆の頃になるのですが、今年は7月から出来始め、着果数では8月上旬がピークでした。
初期には小さい実が多かったのですが、8月に入ってからは大きいものも増え始め、8月中旬に過去最大の4.4キロの大玉!
元々固定種の黒小玉だったのですが、何代も自家採種している内に近くのスイカと交雑して、色が薄くて縞があるものやら大玉やら、色々出来るようになりました。


アーナック部長と並ぶと、その大きさがよく分かります。部長はチワワより少し大きく、グレートデーンより少し小さい程度のサイズです。しかし、このスイカが今季最後の大物となりました。

去年から収穫が近づいたスイカを土嚢袋に入れるようにしたのですが、この作戦が功を奏し、アライグマを防げていました。
でも8月中旬、ついに土嚢袋が怖くないことがバレてしまったようで、土嚢袋に入れたスイカがみんな引っ張り出され、食べられてしまったのです。
考えてみれば「別に死なないから我慢すればいいや」と、電柵すら学習して気にしなくなったアライグマです。
勇気と学習能力、そしてスイカへの執着には凄まじいものがあります。土嚢袋なんて、朝飯前でしょう。一年もよく持ち応えました。

おかげで、一回限りの出演予定だった謎の覆面レスラー、イーロンマスクさんも再登場するはめになってしまいました。
今、係長補佐がいる世界が、過去に戻ってやり直している世界線かどうかは、補佐のみが知るところです。
そんなことより、未来に目を向けますと、電柵もダメ、土嚢袋もダメとなると、来年からのスイカはどうしたものか。
きっとどうにかなるでしょう。どうにかならず、たとえ野生農園ザ☆ばんのスイカが絶えても、今年は色んな人に種をあげたので、きっと誰かがスイカを未来に繋いでいくことでしょう。

そういうわけで、もしかしたら今期が最後になるかもしれないドライスイカ、野生農園ザ☆ばんの
オンインショップで販売してます!

原産地、米国の先住民はアライグマとどう付き合っていたのでしょうか?
白人が来る前にはスイカはなかったでしょうけれど、トウモロコシなどは食われてたと思われます。
調べてみると、こんな動画が!
アライグマのダンス
インディアンの笛で、インディアンに伝わる曲を吹き、野生のアライグマを呼び寄せてます。
もしかしたら、現代人が失ってしまった知恵を使って野生動物とも付き合っていたのかもしれませんね。
遠くに行ってもらう曲を吹いたとか、笛でおびき寄せて食べちゃったとか(アライグマの肉は美味しいらしいです)。

毎日毎日脳味噌が腐りそうな暑さが続きますが、如何お過ごしですか?
やはり地球は暑くなってるんでしょうかね。
温暖化と言えば、CO2と結び付けて語られがちですが、温暖化ガスにはCO2以外に窒素もあります。
窒素肥料は農業でも多用されてますが、CO2以外はあまりメディアで積極的に取り上げてないようなので、上の人の意図が色々働いてるのかもしれません。

個人的には、CO2がどの程度気候変動に影響を及ぼしているのか、地球の周期的な気候変動とどのような関係があるのか、その辺りがよく分からないこと、
そして、原発を利用したり、天然林を伐採して商業用に均一の樹種を植林したりするような、明らかに環境に悪影響を及ぼすビジネス活動が
「地球温暖化を防ぐ」行為として正当化されたりする事例も見聞きするので、地球温暖化やCO2排出削減についてはあまり触れないようにしてきました。
しかし、ここ数年の夏の暑さはやはり異常ですね。
近年の気候変動の主因が何であれ、どこもかしこも生き物を排除して土をアスファルトやコンクリートで覆い、エアコンから大量に廃熱しているのだから、暑さが加速しないわけがありません。
無理のない範囲で、なるべく自然の仕組みに沿った暮らしにしていこうという趣旨で始めたのが野生の楽校。
夏休み期間の8月は、申し込みがあれば基本いつでも「食べられる森づくり体験」を提供しています。
詳細は藤野のグランピングゲストハウス「里楽巣」のサイトにも掲載。
こちらの「野生の楽校」のサイトを下の方にスクロールしていくとお申込みできます!
いつか人間がそこら中のコンクリートをたたき割って世界を食べられる森だらけにし、半野生化しちゃえば面白いのになと妄想してます。

前置きが長くなりましたが、7月の野生農園日誌。
とにかく暑く、もう畑で草刈りなんかしてると一気に汗が大量に吹き出し、意識が朦朧としてきます。
すずしい内に終わらせようと朝早く畑に行っても、草と格闘してる内にあっという間に暑い時間に。
こんな時、本当は畑仕事なんかせず涼しい所で寝てるのが一番だと思うんですが、この季節は草も物凄い勢いで成長していくので、放っておくと畑が全て草に飲まれてしまいます。
草に負けずに伸びてくれるツル性の野菜や、草より背丈が高くなる野菜を中心に栽培してますが、とにかく生命力が強くて他の草を排除して広がるキクイモ以外は、やっぱり草刈りは必要。
しかし、草を刈ってる内に作物も刈っちゃったり、蔓延った多年草を抜いてたら周りにあった作物が一緒に抜けちゃったりといった事故は日常茶飯事です。
特に暑さでボーっとしてると色々やらかしちゃいます。

というわけで、イーロンさんの言うようにこの世界が仮想現実だとすれば、この人生もゲームかもしれないけど、だとしたらスイカを刈っちゃった時のがっかり感も含めて楽しめるような達人になりたいですね。

今年のスイカ栽培で一部導入してみた透明ビニールマルチ。
初期生育は非常によく、「今年は豊作になるぞ」と期待したのですが、この猛暑であっという間に弱ってしまいました。
透明マルチでも、草刈が行き届かなかった畝では比較的生き残って成長し、実もつけてくれましたが、周囲の草をきちんと刈れていた畝ではダメージが大きく、多くのスイカが枯れてしまいました。


全面透明マルチにしなかったのが不幸中の幸い。
透明マルチに効果があるのは確かなので、来年は地温を上げ過ぎないよう草管理に工夫をしながら使ってみます。
黒マルチの方も、今年は結実が早く、あっという間に実をつけ、あまり大きくならない内に熟してしまうので小玉ばかりです。
本体もあっという間に弱ってきてしまったので、例年はお盆の頃がピークなのですが、そろそろ終了が近づいてるかも。
熟度判定に失敗し、切ってみたら半熟だったり過熟だったりすることがあるので、販売用には大体ドライスイカにしちゃうのですが、もし、お近くにお住まいで生のスイカを食べてみたいという方がいたら、お問い合わせください。

梅雨みたいだった5月から一転し、6月は後半まで夏日が続きました。
気候が確かに以前と変わってきてて、昔通りの感覚ではなかなか栽培がうまくいかないことも。
昔と言っても私、係長補佐が新規就農したのはたかだか12年くらい前ですが、その頃から比べても夏の気候は更に過酷になってきています。
補佐がよく購入するニンニク、ジャガイモ、サツマイモの種芋や苗は価格が年々上昇。
気候が影響しているのかどうか分かりませんが、最近はサツマイモの産地で病気が流行ったり、生産農家が辞めたりして苗(芋ヅル)は品薄気味。
値段も高騰しているし、ウカウカしてるとすぐに店頭からなくなってしまいます。補佐はウカウカしてることが多いので、気が付いた頃には大体品切れしてます。
慌てて、遅くなっても購入できるオンラインショップで注文するのですが、そうするといつ届くかが読めない上、時にはあまり状態のよくない苗をつかまされることも。サツマイモはジャガイモやサトイモのように種芋を植えるのではなく、芋から伸びてきたツルを切って植えるので、地面が乾いて雨が降らない時に植えると枯れやすいのです。
最近は6月でも真夏日になったりするので、そんな時はサツマイモを植えるのは避けたい所。
しかし萎れかけたような苗を植えずに長期保存しておくと、その間に枯れてしまうリスクもあります。
今年の苗は、ちょうど晴れ続きで地面が乾いている時に届いてしまいました。
どうするか迷いましたが、2日後に雨予報で、その後しばらく植える暇もなさそうだったので、思い切って植えたところ…。

紅あずまと安納芋の内、ベニアズマは大体根付いてくれたのですが、安納芋はあまり元気がない苗が多く、半分以上枯れてしまいました。草刈りしていない草むらに植えたものは比較的活着率がよかったのですが、草を刈った所に植えた苗は死亡率ほぼ100%!写真は草むらに植えて生き残ったサツマイモ達ですが、さて、どこにいるでしょうか?


苗代や資機材の高騰、気候の変動、円安や原油高、色々重なってますます野菜作るのは大変になってるし、それで生計を立ている農家はもちろん、自給用に作ってる農家だって、買った方が安いやと辞めてしまうかもしれません。
農業の倒産件数は一昨年度、昨年度と連続で過去最多を更新しています。
農業の倒産動向

 

野生農園ザ☆ばんは元々専業農家じゃなくて規模も小さいので、スズメの涙くらいの売り上げがハチドリの涙くらいの売り上げに減る程度ですが、きっとこんな感じで農業を離れていく人も多いのだと思います。
その内農業をやる人がいなくなると農作物の価格は更に高騰するでしょうし、そもそも品薄になって簡単には入手できなくなるでしょう。国は国民を守ることにはあまり興味なさそうだし、いざという時のことをちょっと考えておいても損はないかもしれません。不食で生きていく、狩猟採集で生きていく、自給する、遅かれ早かれ命は終わるから、ちょっと早まるだけだと諦めて餓死する、色んな方法があって、どれも魅力的だと思いますが、餓死以外は準備にそれなりに時間がかかります。個人的には狩猟採集生活に惹かれますが、現代社会では農業の方がハードルが低いので、食糧危機が気になる人は細々とでも食べ物を作っておくといいと思います!