野生農園日誌

野生農園日誌

自然農法の農園「野生農園ザ☆ばん」の日々の記録
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5月、畑が忙しくなる時期ですが、

いく時代かがありまして・・・

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよんという感じに色んなことがありまして、またしてもすっかり更新が遅くなってしまいました。
今日は14日。なんとか月の前半に更新する目標だけは死守しました!

さて、どんどん夏が深まっていきますが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
5月の後半はもう梅雨みたいな天気が続き、草も伸び放題でした。
しかし草の勢いってすごいですね。
ニンニクやスイカにはビニールマルチを活用して草を抑えていましたが、今回新たに導入したのは「透明マルチ」。
千葉の「草も虫も敵としない農園」さんから聞いて、一部のスイカで試してみました。
5月上旬に黒マルチ、透明マルチを張った所に、それぞれスイカの種を直まきしましたが、発芽も成長速度も黒いマルチより断然早いです。
一見、黒マルチの方が光を集めて地温が上がりそうですが、熱くなるのは表面のマルチの部分。
地温自体は光を透過させる透明マルチの方が高くなるそうです。
しかし黒マルチは光を通さず、その下では光合成が出来ないので、草を抑える効果があります。
透明マルチにするとスイカだけでなく、草も旺盛に成長し、マルチごとはじけ飛びそうな勢いです。
これから夏が深まっていくと更に草が勢いを増すことが予想され、透明マルチにした部分の草をどう管理するかが難しいところで、いっそ黒く塗りつぶしたくなります。

今、えらい人達が憲法改正して緊急事態条項を導入したがってるようですが、そうなると戦争や疫病を口実に自由な言論が規制され、表現の自由も危うくなるかもしれません。補佐がいつまで自由に漫画を描けるかも分からないので、やはり今のところ黒塗りはやめにしておきます。

5月には勝手に生えてきたクサイチゴも実をつけてくれました。

十年くらい前に掘ってきたやつを植えたものは根付かなかったのですが…。

補佐の目指す、何もしなくても勝手に実をつける果樹園への第一歩ですが、やはり野生のノイチゴは、なかなかたくさんは実をつけてくれません。



さて、もう明日になってしまいましたが、「野生の楽校~食べられる森づくり~」実施します!
ササ藪になってしまった林の下を空気が通るように刈って、春先から少しずつ果樹のなる木などを植えてきました。
今回はイチジクやタラノキを植える予定です。
明日は午前中のみの開催で、9時半~12時半頃まで。
直前でも申し込み出来るので、世界中に食べられる森を広げたい方はぜひ!

お問い合わせは こちらまで
 

5月に入ったと思ったら既に13日が経過!
やることを減らそうと色々整理してるのに、なぜか逆効果でやることが増えていき、相変わらず時間が加速中です。
4月に入ると草が伸び始め、雨が多いので勢い強く、いよいよ草の管理に追われ始めました。

3月に植えたジャガイモも上旬から少しずつ発芽してきましたが、今年のジャガイモ、なぜか発芽率が異常に低いところがあります。


ひとつ思い当たるのは、雨続きで土が湿ってる時に植えてしまったこと。
大きい種芋は半分に切って植えてますが、土の中で腐るのを防ぐため、通常は日陰で2~3日断面を乾かしてから植えます。
しかし、なかなか確実に畑に行ける日が決まらず、その日になってから畑でイモを切って植えました。
それでも例年だと半日も日に当てておくと乾燥するのですが、この日は曇りで湿度も高くてなかなか乾いてくれず、やむを得ず生乾きで植えてしまったのです。
半分に切ったイモだけでなく、切らずに丸ごと埋めたイモの発芽率も低めだったので、それ以外の理由もあるかもしれませんが。

2年前、黒マルチの下にジャガイモを埋めずにそのまま置いておくという手法を試したところ、マルチの内部が高温になり、種芋を腐らせてしまったことがあります。
そして去年は土に埋めて保存しておいた種芋を使ったら、既に子芋が育ってしまっており、改めて埋めなおしても成長しませんでした。そんな感じで毎年何か失敗があるのですが、人生は短く、ジャガイモは年一回しか作らないので、失敗無く作れる年は最後まで来ないかもしれません。だとしたら課題は来世に持ち越しで、次の人生でもまたイモを植えているのでしょう。

ニンニクの方は、今年はニンニク虫がほとんど現れず、順調に生育してました。
例年通り、革命家のおじさんも大きさ比べのためにニンニクの隣に立ってくれました。


ここまではよかったのですが、その後忙しくってあまり草取りの時間が取れていないので、果たしてちゃんと成長してくれるのか、一抹の不安も。でも、草取りが間に合わないというのも、前向きに考えればニンニクがどの程度除草せずに大きくなるかを調べるよい機会なのかもしれません。
「どんだけ楽して食料調達できるか」が野生農園ザ☆ばんのテーマ。究極は何もしなくても勝手に食い物が生えてきてくれる土地。
福岡正信翁の言う「無為自然」が理想です。
お昼寝したり犬と遊んだりして、果実が熟せば木に登って収穫できるような果樹園があれば更にいいですね。

「無為自然」は、キクイモだけはほぼ実現できてますが、他はまだなんだかんだとお手入れをしています。
そう言えば前回紹介するのを忘れてた新商品「大地と海のキクイモチップス」。


天日海塩を使用した塩味のキクイモチップスで、いい塩梅にしょっぱくなってますが、キクイモの持つ甘みを消してしまうので好みは別れます。

 

今期分は残りわずかで、藤野のライトハウス で販売してます。

webショップでの販売は終わってしまったので、次のシーズンにお試し下さい。


なぜインディアンの絵を描いたかというと、元々は北米先住民がキクイモを栽培していたから。
キクイモのフランス語名はトピナンブール。キクイモを栽培していたトピナンバ族に由来しているとの話ですが、調べてみるとトピナンバ族は南米の先住民だったので、多分何かの間違い。
現在のマサチューセッツ州南東部からロードアイランド州にかけて居住していたワンパノアグ族はキクイモ栽培をしていたようなので、ワンパノアグ族をイメージしたイラストにしてみました。
Life as 1600's wampanoag native

ワンパノアグ族はアルゴンキン語族に属します。入植した白人たちに農耕や漁業の技術を伝授し、彼らが冬を越すのを助けた人たちです。
部長の名前「アーナック」はアルゴンキン語で「星」を意味しており、野生農園ザ☆ばんとも思いがけないご縁がありました。
入植者達が、神とワンパノアグ族に感謝して祝宴を開いたのが、感謝祭の起源とされます。しかし入植者はやがて、彼らの土地を奪い、虐殺していくのです。
大地と海のキクイモチップスを見かけたら、そんな悲しい歴史にも思いをはせてみて下さい。

3月も何とも慌ただしく過ぎ去っていきました。4月に入ったばかりだと思っていたのですが、またしても時空がゆがんで、もう12日になってしまいました。補佐の脳味噌も大分縮小してしまったのか、3月の記憶も忘却の彼方に消え去ろうとしていますが、思い出のかけらをかき集めて3月の報告です。

3月はなかなか寒かったです。
暖冬だったのに、立春過ぎてから冬が戻ってきました。この寒の戻りがいけなかったのでしょうか。
種取り用に残しておきたい大根は、例年だと土中に埋めて保存しておけば7~8割くらいは生き残っているのですが、今年は大蔵大根が全滅。
埋めた場所が浅すぎたのか、掘り出す時についた傷から腐ってしまったのか。もっと日照時間の長い別の場所に埋めておいた練馬大根の方は無事でした。畑に残ってた大蔵大根にもわずかながら無事なものがあったのですが・・・。

子供のころから害獣って言葉が嫌いでした。
獣の食い物や住処奪って、自分たちの家や畑や工場や遊び場にしておいて「害獣」呼ばわりはねえだろ!この害人が!って、自分のことを棚に上げて思ってました。
もちろん、自分が食うために他の命を犠牲にするのはこの世の理ですし、他の生き物だって、みんなそうやって他者の命を奪って生きてます。作物食われれば腹も立ちますが、自分を棚に上げてることを忘れて自分の行為を正当化し始めると、他者への害悪が大きくなりがちなので、なるべく害虫、害獣って言葉は使わないようにしたいものだと思ってます。
だけどビビ係長は畑の害獣扱いしたくなります。家族だからこそなのか。
家族って、いつも一緒にいる分遠慮がなくなったり、ありがたみを忘れてしまったり、嫌な面が目に付いたりしがちですね。
でも無邪気になんでもガリガリしてるビビを見ると、なんだか幸せな気持ちになります。
しかしこのビビ係長、トイレをなかなか覚えてくれなかったり、激しく要求吠えをしたり、野菜を食べる以外にも色々大変なことがあります。だけど激しく吠えさせてしまうのは、それだけ犬にストレスを与えているということなのかもしれません。
メキシコでは街の中でフリーな犬をたくさん見かけました。
野良なのか放し飼いなのか分かりませんが、昔インドで見たようなヤバめな雰囲気の犬は少なく、野良でも餌をもらって人に懐いているようでした。飼い犬もたくさん見かけたので、犬好きが多いお国柄なのかもしれません。
もちろんフリーの犬は、人に噛みつくことも、交通事故の犠牲になることもあるし、何かに驚いて逃げ出し、迷子になったりすることもあります。そして避妊をせずにフリーにしていると、野良犬がどんどん増えてしまいます。
人間も同じかもしれませんが、一匹ずつなら無害であっても、群れると気が大きくなって人畜を襲うこともあり、危険な存在になります。決してどこでもフリーにすることを推奨しているわけではないのですが、犬をよく見かける割には吠え声もうるさくなく、ノンストレスで幸せそうな犬が多いのを羨ましくも感じました。

メキシコついでに簡単にメキシコ旅の続きの報告でオアハカのことだけ。

オアハカはすっかり観光地化されて大分変わってしまったようですが、先住民比率が高く、先住民文化の色濃く根付いた街です。
華やかな伝統衣装を身にまとった女性の比率も高めです。
あちこちに壁画が描かれ、そこら中で楽隊が演奏を始め、アートの街でもあります。
市民はかつて非民主的な政府とも対立した人たちで、反権力の気骨もあるようです。
スターバックスは一件存在しているようですが、街のお店は殆どがグローバル企業ではなく地元のお店でした。
かつてマクドナルドがオアハカの街に出店しようとした時は、抗議運動が行われたそうです。
私の育った山口県宇部市では、10年くらい前にスタバを誘致する署名運動が行われたそうですが、そんな運動するエネルギーがあるなら、地元の喫茶店応援するか、自分が作るかしろよと思ったことを思い出しました。
と言いながら、私も子供の頃はたまに都会に出ると喜んでマクドナルド食ってましたが。

オアハカにはたくさんの民族がいて多くの言語がありました。
かつてこのあたりで都市文明を築いたサポテコ族はスペイン語だけでなく、今もスペイン侵略以前の彼らの言葉を使っています。
サポテコ文明の栄えたモンテ・アルバンを案内してくれたサポテコ族のガイドさんは、この文明では脳外科手術が行われていたんだと、施術後のある骸骨の写真を見せてくれました。

織物屋さんの少女はサポテコの文化に誇りを持って、しっかりとスペイン侵略前からの織物を受け継いでおり、観光客に何を聞かれても流暢に答えていました。

オアハカ州にあるイエルベイルアグア。山から湧き出た水が岩を溶かして作った絶景。

オアハカの広場に飾られてた伝説のボクサー、フリオ・セサール・チャベスさんの写真パネル

今回は行ってみたかったアグロフォレストリーの現場や、ラカンドンの密林に行き損ねたので、またいつかメキシコに来れることでしょう。

今年は色々忙しくてニンニクにもあまり氣を向けられなかったのですが、ニンニク虫は殆どいません。
少しは食われちゃったニンニクもありますが、元気に育っているものの比率が高めです。
長年畑を続けて微生物が増え、土がよくなってきたのか、あるいは虫のことを忘れていたのがよかったのか。
以前の4コマを再掲します。

 


そして3月末には「食べられる森づくり」も再開。
昨秋に始めた頃に比べると、風通しがよくなって大分心地の良い場所になってきました。

前回はここに初めての植樹!ポポーの木を植えました。
苗を植える場所には、枝を組んで土留めを作り、穴を掘って炭と落ち葉を入れておきます。
こうすることで空気と水の流れが生まれ、生き物たちが呼吸できるようになります。
炭は微生物の住処にもなり、植物の生育を助けてくれます。

これからも定期的に開催していく予定です。
 

 

2月は農閑期。
杞憂だといいのですが、これからまた世界が騒々しくなるかもしれないし、コロナ騒ぎが一段落しているこの機会なので久々の海外旅行に。今回が初となるメキシコに行ってきました。

およそ12年ぶりの海外旅行で、色んなことがすっかり変わってて隔世の感でした。
一つは何でもスマホで出来るようになってたこと。そしてもう一つは、日本がすっかり安い国になっていたこと。参考までにこの10年間の日本とメキシコの平均月収のグラフ。日本のグラフの形が毛虫みたいなのはボーナスがあるからか。


日本の失われた30年の話は置いといて、スマホがあれば言葉が通じなくても会話が成立したり、車で目的地に連れてってもらえたり、もうドラえもんで描かれた未来の世界に近付いてます。


しかし、ネットに繋がらなくなったり、バッテリーが切れたりすると、何一つできなくなってしまうのが恐ろしいところです。

スペインがメキシコ中央部に侵略し、そこに栄えた文明を滅ぼしてからおよそ500年。
以来、中南米の先住民は弾圧され、差別され続けてきました(北米ではヨーロッパ人から更に壊滅的な虐殺を受けました)。現在ではメキシコ人の多くが侵略者である白人と先住民との混血。
そんな中でもメキシコには思ったよりも色濃く侵略前の文化が受け継がれていました。

宗教は表層的にはカトリックではありますが、褐色の聖母「グアダルーペ」や、あちこちに見られる骸骨は先住民の信仰由来。そこかしこに土着信仰が見え隠れしています。
着飾った骸骨が街中にあふれる死者の日も、元々はこの地域に広く見られる死者を祀る信仰から来ています。
そして何より主食は今もトウモロコシを原料としたトルティーヤ。トウモロコシの起源は中米で、マヤ文明やアステカ文明にはトウモロコシ神の神話もあります。
トウモロコシを挽いた粉を煉って伸ばして作るトルティーヤの調理法も焼いたり揚げたり煮たり様々。これに肉や野菜、チーズ等を巻いたり上にのせたりと、日本の米のようにおかずと組み合わせて食べます。トウモロコシについては、この記事の後半でまた。

そしてスペインによる侵略後も、根強く残っている文化の一つが「テマスカル」と呼ばれるスチームサウナ。
今回はテオティワカンにある施設で、テマスカルを体験してきました。

テオティワカンは巨大なピラミッドや神殿で有名な観光地。
テマスカルの儀式の中で祈りを捧げるのが「オメテオトル」という創造神。そして風、土、水、火を司る老人(精霊?)。
重要なこの四元素は仏教の地、水、火、風の四元素と同じ。
サンスクリットではこれに空が加わりますが、どの文明もどこかで繋がり、共通の根っこをもっているのかもしれないし、人間の感覚器ではこの分類がしっくりくるのかもしれません。
テマスカルの儀式はカトリックの装いで包むことなく、侵略者により否定された土着神への信仰が、そのままの形で息づいていました。

テマスカルが儀式で使われ、中には神秘体験をする人がいると言っても、基本は銭湯で入るサウナと一緒です。
そこまで熱くも苦しくもないだろうと高をくくっていたら、あっという間に暑くて苦しくて呼吸が辛くなり、吐き気に襲われ、死ぬかと思いました。二つ目のセッション開始後間もなく限界が来て、風を求めて外に飛び出しました。泥の中でのたうちって体を冷やし、水を浴びて落ち着いてくると、再び火の中に身を投じたくなりました。そして再びテマスカルに入ると不思議と活力が戻ってきており、無事に残り二つのセッションを終えて一緒に参加した皆さんと体験をシェア。

一度死んで蘇った思いで、思いがけず死と再生の疑似体験が出来ました。
その時は死ぬほどの苦しさも暑さも通り過ぎれば一瞬。過ぎ去れば、その苦しみすら懐かしく思い出して、人生の糧にしていくんだなと、テマスカル体験に自分の人生を重ねてしみじみしました。
テマスカルの儀式の詳細について、フィンランド在住の「サウナ文化研究家」の方が詳しくレポートされています。
私が受けたセッションも似たような形式で行われたので、詳しく知りたい方は読んでみて下さい。
現代のナワ族が受け継ぐテマスカル儀式の実態

 

テオティワカンのピラミッドは、この日修復中で上には登れず。テオティワカン文明は、スペインに直接滅ぼされたアステカ文明よりずっと古い時代の文明で、テオティワカンの遺跡はアステカ文明を築いたメシカ人からも、神々の都市として崇拝の対象となっていたそうです。
このピラミッド、全体が崩れないようにコンクリートでしっかり固めて形状を保ってある上、モダンなデザインにしようとしたのか、小さい石が無数に組み込まれて残念な感じに。古代からコンクリートの技術はあったそうですが、もう少し昔の姿を再現するような修復が出来なかったものかと、そこはちょっと惜しまれます。でも形があるものは常に変化していくものなので、嘆くようなことではないのでしょう。今もなおピラミッドは荘厳で、「神々の降り立つ地に降り立っちまったよ」と、厳粛な気持ちになりました。

 

トウモロコシは上述したように中米の伝統食。メキシコシティにある「センカリ」という国立の博物館は展示の全てがトウモロコシに関わること。メキシコの多種多様なトウモロコシ、その歴史や文化的な栄養学的な意義、そして小規模な地域コミュニティが有機農法でトウモロコシを生産することが社会的、生態学的に如何に大切かを詳しく紹介しています。

メキシコ政府は昨年、遺伝子組み換えトウモロコシの利用を制限し、除草剤グリホサートの段階的な使用を禁止したそうです。
これは生物多様性の保護と、食の安全性や持続可能な食糧自給の将来的な達成を視野に入れたものです。
ジェトロの記事1

遺伝子組み換えトウモロコシは、種まきは禁止されましたが、以下の記事によれば輸入や販売については、飼料用と食品工業用のトウモロコシが規制対象から外されたということです。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(通称アムロ)大統領は、多国籍企業支配に抵抗するような姿勢を取っていますが、米国からメキシコに輸入されるトウモロコシの98%が家畜の飼料用だそうで、米国との深刻な対立を避けているのでしょうか。
ジェトロの記事2
これまで世界中でグローバリストに抵抗するような政権はことごとく潰されてきましたが、アムロ大統領は暗殺もされずに任期満了近い現在まで政権の座にいます。(中南米の近現代史を調べてみると、多国籍企業や大国の裏工作への疑念を「陰謀論」などと一括りにすることの危険性がよく分かると思うのですが、この辺は長くなるので割愛)
これは米国の力が弱まっていることの表れなのかもしれないし、アムロ大統領が現実主義者で、改革を進めつつ妥協もしているからなのかもしれません。あるいは人気取りのポーズだけで、実際はグローバリストに追従している可能性もあります。

しかし、米国からの遺伝子組み換えトウモロコシの輸入は実質的にほぼ現状のまま受け入れたとしても、遺伝子組み換えトウモロコシの種が野外にまかれることを防げれば、在来種と交雑することはなく、メキシコの伝統的な食も生物多様性も守られるので、現実的な妥協案と言えるでしょう。まあ、これはあくまで一旅行者としての私見で、世界情勢にも、メキシコの政治にも特に詳しいわけでもない私に本当の所は分かりません。ただ、旧政権と結びついたメディアからの酷評にも関わらずアムロ大統領は庶民からの人気は高く、格差是正のために様々な対策を取っています。冒頭で紹介したグラフを見ると分かるように、ここ数年メキシコの月収は大幅に上昇していますが、これには最低賃金を上げ、貧困層の生活を改善しようとする国策が大いに寄与しています。メキシコシティの土産物屋には、大統領をキャラクター化したグッズが色々売られていました。
色々まだ疑問もありますが、先住民や貧困層の生活が改善していることや、国が音頭を取って有機農業や森林農法を進めているのは確かなようなので、彼の改革の成功を祈りつつ見守りたいと思います。
今回は行けませんでしたが、サパティスタ30周年を記念した写真展が開催されていたということで、メキシコシティの巨大な都市公園、チャペルぺテック公園外周にもたくさんサパティスタの写真パネルが飾られていました。
サパティスタは、90年代に発足したチアパス州の貧しい先住民の農民を主体とした反グローバル主義のゲリラ組織。
かつてメキシコ政府が武力で鎮圧したサパティスタですが、今や国家が、かつて彼らが主張していたように米国からのトウモロコシ輸入を規制しようとし、その功績を讃える時代になったとは感慨深いです。

余談ですが、毎年の新年号に、支配者層の意向が描かれていると一部で噂されるエコノミスト誌。
これはあくまで都市伝説などと呼ばれる分野で語られている怪しい話なので、話半分に読んで欲しいのですが、2024年新年号の表紙に掲載されたウクライナのゼレンスキー大統領の上に描かれたポニーテールの女性のイラストが、アムロの後継者クラウディア・シェインバウムさんではないかと言われています。もしそれが本当だとすると、グローバリストが彼女が権力の座につくことを望んでいるようにも思われます。彼女はアムロ大統領と違って米国を重視し、外資も誘致しようとしているという話もあるので、ちょっと気がかりではありますが、アムロ大統領のよい遺産を引き継いでいってもらいたいものです。

 

メキシコシティ、テオティワカンの後は長距離バスでサボテンの林立する岩山を抜け、先住民文化の色濃く残るオアハカへ。


でもすっかり長くなってしまったので、またの機会に!

1月末からメキシコに遊びに行っていました。メキシコ旅の報告はまた次回。
おかげで更新がすっかり遅くなった1月の農園日誌です。

畑仕事はこの時期そんなにやることもなく、ほとんどキクイモ掘りばかりしてました。
1月上旬には「あーちゃんビビちゃんと行くキクイモ掘り」イベントを実施。

特にイベントじゃなくても掘ってるので、キクイモ収穫体験したい人はご連絡下さい。条件は犬好きな人です。

きれいな元野犬達ですね。でも犬たちは一緒にキクイモ掘ってくれません。
ビビ係長は穴掘り好きなのですが、お願いした所ではなく、自分の気が向いた所しか掘りません。
そのくせ、掘りあげられたキクイモは食べてしまいます。
相変わらずビビ係長は、なんでも食べてしまうのです。

オオカミと犬とは非常に近い関係にあり、交雑も出来るので、現在の生物学の分類上は犬はオオカミと同じ種とされています。
でも長い間人間と暮らしてきた結果、肉食獣のオオカミよりも雑食傾向が強く、野菜や穀物も消化できるようになっています。
オオカミよりも腸が長くなる等、身体の作りが人間との生活に適応して大きく変化してきたのです。
とは言え、こんなになんでも野菜を食べる犬は初めてみました。
かつては放し飼いされていた犬が畑に動物が寄ってくるのを防いでいたと言われていますが、ビビ係長は畑の害獣扱いされてしまいそうです。

掘ったキクイモはキクイモチップスに加工。
旅行中お休みしていたオンラインショップで販売してます↓

1月の野生の楽校「食べられる森づくり」は雨天のため中止しましたが、3月から再開予定なので、またこちらのブログをチェックしてみて下さい!