今でも夫と「あの日はお母さんの葬式の日より葬式だったね」と話すことがあります。

そのくらい印象に残った、長ーい長ーーいトンネルのような1日でした。

苦くて、暗い記憶。


最近になって老健エリアを通過して遠出するときには、

その道が近づいただけで動悸がします。

フラッシュバックして涙が出ます。


そこのエリアが悪いわけではないのに、

2022年10月下旬~12月の記憶は、いつでも鮮明。

昨日のことのようにすぐに取り出せます。


老健にはいれなかったことは、(父と)私の試練の始まりに過ぎませんでした。

 


 

   

 

 

 

この記事の続きダウン





「精神科への入院しかないでしょうね」


キッズパークをたった20分で後にし(無念しかない絶望)、老健に向かった。


「お父様いま準備してますので」とSさんだけ先にいらして、

「ずっと拒否が続いていて言葉も強く…

病院も今日すぐに緊急入院は難しいと受け入れてくれず…

お力になれず申し訳ありません…」

と頭を下げられた。


アキ「拒否することは想像ついてたんですけどねダウン

…そのフロアまで行けば観念するというか…落ち着かれる方も多いというお話しでしたもんね。

一般的な入所拒否よりも父の拒否が強かったということですよね…?


Sさん「んんー………(答えをはぐらかされた)

この状況ですと他の施設も同じかと思いますので……アルコール依存治療のできる精神科病院に入院しかないかなと思います」


アキ「アルコール依存治療ができる精神科…都内にもあるんでしょうか?今夜探しますが」


Sさん「ありますが…空きがなく何ヵ月待ちという病院が多いと聞きますね………」


アキ「何ヵ月もですか………」


Sさん「提携のS病院なら、先ほどお話しした通りアキさんからお電話いただければ、早ければ明日可能ということでしたので。もしよろしければホームページなど調べてみてくださいね。

そろそろお父様いらしてると思います。行きましょう」


話をつないでくださったのは本当にありがたい。

ありがたいんです。ただ、遠いのよ。

呼び出されてもすぐ行けないのよ。

しかも常にwith0歳児…昇天




怒り散らしているという父に恐る恐る再会


Sさんに促されロビーに行くと、ロビー脇のベンチに父がいた。


2人のスタッフさんに挟まれ、笑顔で話しているのが目に入り、「なんで笑ってるの」「笑えるのになんで入所しないのよ」怒りの気持ちもありながら、いつもと変わらない姿にホッとした


そして、私と夫と娘の顔を見つけると、いつものように

「おぅ🙋きたきたと手を上げて微笑む父。


アキ「おぅって…なんでよ…」

心の底から自然と出た小さな声がこれだった昇天

強い言葉で拒否したという父はそこにはいなかった。


ゲン「ん?」


アキ「ようやくここまで来れたのに…」



呆れと悲しみと絶望と疲労感が一気に襲ってきて、足が動かなくなったのを覚えてる。


老健の方が絶対に自由があるのに。

明日には精神科病院へ入院になるかもしれないんだよ…

自分で自分の首しめてるんだよ…



Sさん「ね、ゲンさん。お酒の飲みすぎはダメですよ。こんなにゲンさんのことを想ってくれる娘さんがいるんですから」


ゲン「はいはい、そんなに飲んでないから。大丈夫ですよ。僕は元気ですから」

また始まった、お得意のターン…昇天



父が車に乗り込むタイミングで、私はトランクに荷物を積める。

娘の入園グッズよりも前に、父がいない時間を狙ってこそこそ名前つけをした大量の父の荷物が、使われずに戻された。



助手席に乗り込んだ父に向かって、

Sさん「ゲンさん、くれぐれもお酒は1日1本までですよ」


ゲン「はいはい」


Sさん「お身体気をつけて」


ゲン「はい、ではまた今度パー



そこにいた全員が(もしかしたら0歳児のモモさえも)「また今度?!泣き笑いと思ったと思う。

そして、本当にその"また今度"が起きるとも知らずに…



「本当にお世話になりました」

私はそう深々と頭を下げて、ようやく探し当てて入所手続きをした老健をあとにした。



老健到着から、5時間が経過していた…with0歳児立ち上がる




帰り道はお葬式みたいだった


さすがにいつもは気をつかう夫も、助手席に座る父に対して話を振る素振りはない。

夫は怒りはないまでも、呆れと諦めと疲労感?がありながら運転していたんだと思う車


娘は、5時間以上に渡る滞在で疲労困憊したのか、車に乗った瞬間から爆睡よだれ

家に着くまで見事に1度も目を覚まさなかった泣き笑い


父が「このあたり来るの久々だなぁ」「喉乾いてきたなぁ(ただお酒を飲みたいだけ)という声が響くだけの、どんより重い空気の車中だった。



(その日の写真カメラ)




10月下旬。16時にもなれば、家が近づくにつれて空が暗くなってくる。


薄暗い車の中、ひたすらスマホで

東京都 精神科

精神科 アルコール

精神科病院 関東

アルコール依存症 施設

精神科 入院施設

認知症 アルコール

認知症 精神科

精神病院 強制入院

医療保護入院 家族

などと1時間以上検索し続けたスマホ


いまの私のスマホがもし拾われたとして、こんな検索履歴なことを誰かに見られたら、"ありもしないことを言いふらされそうだ"とくだらないことを考えたりもした泣き笑い




父がいるこの車中では電話はできないので、ひとまず暗がりの中で、手帳にリストアップした鉛筆


「精神保健福祉センター」という存在も知った。

入院施設のある都内近郊の精神科がある病院も3つ書き出す。


そして、こんなに心身ともに重い状態であることを、とりあえず異母兄に報告せねばと思い出す。

分かってほしいとは思わない。

むしろ、こんな気持ちを分かってもらえるわけはない。

だって、もし父のことを大切に想うなら、「俺が引き取る」の相談くらいあるはずだもん。





家に着くまでの残りの時間で、これまた長文を作り、送りつけたメール(以下、抜粋。)


今日、老健に予定通り連れて行きましたが、着いて早々から「どうしても帰してくれないなら窓ガラスを割ってでも出てやる」と暴れてしまったようです。

説得してくれている間待機してたのですが、老健には入居が難しく、精神科病院にも今日の緊急入院はできず、5時間の滞在の末、今連れて帰っているところです。

残るはアルコール依存症の治療ができる精神科病院しかないようです。

施設はどこに行っても今日のような状況になるから難しいだろうとのことです。

 

どこか探すか、今日老健が紹介してくれた精神科病院になるかのいずれかの選択になると思いますが、今夜調べてみます。

 

取り急ぎ、昨日まで通っていたデイサービスに明日また復活できるよう手配済みです。

以上、ご一報でした。

 


長男からは「電話できますか?」とすぐ返事があったが、断った。


帰ったら病院の受付時間内までは30分ほどしかないだろう。

テレアポなみに電話しまくらないと。


そのあとは父のご飯を準備して、入浴を促し、

あ、娘もお風呂に入れて、離乳食もあげないと。

あれ…オムツいつからかえてないっけ…



あなたと話している時間の猶予は、

今日の私に1分もない。



そして、自宅に着いたのは16:25だった車

一般的な電話受付時間は17:00まで。時間がない。



「本当ごめん、片っ端から病院あたるから。しばらく一人にして」と夫に一方的に言い放った。


(娘の存在も含めて)すべての家事を投げ出し、受付終了時間が短い順にとにかく電話をかけまくった電話

 

 


  

 

 

 

私の経験談が、プレジデントオンラインに掲載されました。

 

このもしゅだきではまだ更新されていない、母の亡くなったあとの父のことも触れています。

 

「もしゅだきの更新が遅すぎるから待てない」

「いままでの経緯をざっと知りたい」

そんな方におすすめです合格

 

介護に携わる方、育児に翻弄されている方たちにとって、少しでもお役に立てますようににっこり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいねニコニコで応援していただけると励みになります歩くフォローもぜひ飛び出すハート

 

初めましての方、ご訪問ありがとうございますニコニコ

ぜひこちらの記事で、ご挨拶させてください!