大木8b式;
  • 中期の特徴であるキャリパー状をなす。
  • 口縁部は隆起線の側縁を沈線で縁取りし、渦巻文を横位に連結させて文様を構成し、一つの特徴である大きな透かしのある突起などがつく。
  • 頸部は無文帯となり、胴部には沈線で渦巻文などが施される。
  • 胴部が張り、内彎しながら口縁にいたる深鉢形をなす器形などには、隆起線や沈線の渦巻文が器面全体に施される。
 
資料53(楠本コレクションの調査 縄文土器編 丹波 2009 東北歴史博物館)
大木8b式(田代島仁斗田貝塚)高17cm. 口径13センチ、推定高17センチのツボ。口縁には巨大な渦巻文把手がついているが類例は当地方に比較的多く、関東から北陸にかけて盛行した装飾把手の影響を受けて発達したものであろう。胴部は縦に走る二条の平行線で正確に四等分され、各区画は沈線によ る渦巻文が組み合わさされて華麗な文様をつくって いる。器壁の厚さは0.4-0.5センチで薄いが胎土・ 焼成とも良い(実存部約3分の2)。
 
 
 
 
 
資料1(楠本コレクションの調査 縄文土器編 丹波 2009 東北歴史博物館)
大木8b式(矢本町南境貝塚)高23.7cm. 最大径(口縁部)17.9㎝の深鉢で、口縁部は軽く外反し、頚部ですぼまり、胴部が僅かに膨らむ。  文様は口縁部横位渦巻文帯・頚部無文帯・胴部渦巻主体文帯からなっている。大木8b 式土器の基本的な特徴を示す もので、東北地方中・南部に広く分布している。
 
 
14 大木8b式(山形古道遺跡)高15.8cm. 口縁部の隆線に太い沈線で渦巻文を横位に4単位連続されている。頸部は無文帯となり、3本の平行沈線で胴部と境させている。胴部は縄文を地文とし、沈線による渦巻文、曲折文を全体に施している。 
15 大木8b式(宮城幡谷貝塚)高15.6cm. 隆線による太い渦巻文を胴部に配している。大木9式に近いか(?)
 
 
53. 大木8b式(宮城大松沢貝塚)高23.6cm. の胴部と多少内彎する口縁をもつ深鉢。文様は口縁部と胴部に見られ頸部が無文帯となる。口縁部文様帯は、RLの縄文を地文とし、断面の角張った隆起線文(凸状)と沈線文を組み合わせて渦巻文を描き、それを横および斜めの方向に連絡させている。胴部には3本の平行沈線で曲折文を施している。
 
 
55 大木8b式 (福島小屋田遺跡)高17.1cm. 
 
 
54(左) 大木8b式(石巻南境貝塚)高23.4cm. 口縁文様帯に隆線と沈線による渦巻文、胴部に沈線による渦巻文。
56(右)大木8b式(新潟津南町沖ノ原遺跡)高28.0cm. 円筒形の胴部に外に張り出した口縁部がつく。4単位の低い突起が付けられている。口縁部文様帯は、隆線と沈線による装飾が施され、その間を縦の細線文で埋めている。胴部上端に4本の平行沈線がめぐり、胴部には斜縄文の地文の上に屈折文がえがかれている。
 
 
 
大木8b式(七ヶ浜大木囲貝塚) 口縁部は軽く外反し、頚部ですぼまり、胴部が僅かに膨らむ。口縁部に沈線による渦巻文が7区画配される。頸部は無文で、胴部との境に2本の平行沈線が引かれる。胴部は地文の縄文の上に沈線による渦巻文と曲折文が全体に施される。
 
 
 
91 & 92 大木8b式(七ヶ浜大木囲貝塚) 
 
 
93/94/95/96 大木8b式(七ヶ浜大木囲貝塚) 口縁部から頸部へのくびれや胴部の張りの強さからつぼ形になるものや、頸部がなく底部から口縁まで一様に外反する円筒形の器形も認められる。文様は、沈線による渦巻文が縄文の地文の上に施されている。
 
 
97 & 98 大木8b式(七ヶ浜大木囲貝塚) 
 
 
 
 
 
 
 

【参考Link】