大木 7a 式;

  • 円筒形に近い深鉢形・浅鉢形土器と、頸部がくびれ、そこから口縁にかけて外反し、胴部は丸く張り出す器形をなすものが多い。
  • 口縁に小さな突起が付く。双頭突起(B突起)の場合が多い。
  • 底部は、自然にすぼむもの、または吹浦式のように台付のような形をなすものとがある。
  • 文様は口縁部に施されるものが多く、沈線と刺突によって構成されるもの、綾絡(あやくり)文が縦に施されるものなどが多い。
  • 文様は、四つの山形突起、および橋状突起などによって四つに区切られる。
  • 胴部文様は無文が多く、やはり四つの突起、橋状突起などがつく。
  • この時期の資料は、仙台湾を中心に資料が多く発見されているが、秋田県萱刈沢貝塚などからも出土しており、量は多くはないが分布は広い。

45 大木7a式 (宮城長根貝塚)高35.1cm. 口縁部が内彎気味に外傾し、胴部が円筒状をなす器形の口唇は粘土紐によって縁取られ、4か所に小さな波状突起がある。口頸部は、ひじょうに幅広く、従位に綾絡文が施文される。胴部は無文。この土器に見られるような綾絡文は、大木7a式土器の特徴の一つとなっている。このほか、大木7a式土器には、口縁部に刻目文・波状刻目文などが施文され、胴部が無文となるものが多い。

 

 

25 大木7a式 (岩手蛸之浦貝塚)

26 大木7a式(山形水木田遺跡)

 

 

大木7a式 (大木囲貝塚) 頸部がくびれ、そこから口縁にかけて外反する。また、胴部は丸く張り出す器形。口縁部に小さな波状突起が4単位つく。口縁部には、平行沈線が施文され、また、胴部には、沈線の連弧文が2列施文されている。頸部に橋状把手が付けられている。

 

 

山内清男編年基準資料(東北大学文学研究科考古学陳列館所蔵)

大木7a式 (奥松島縄文村歴史資料館) 文様は、口縁部に施され、押引き刺突文によって構成される。

 
 
 
大木7a式 (中根八幡遺跡 @栃木市) 欠けているが外反する無文の口縁部が推測される。頸部の斜め刻目を付けた紐線文にボタン状の貼付が付けられ、そこから下方に2本刻み目が施された垂下文が斜め下方に向けて伸びている。胴部地文として斜縄文が施されている。
 
 
大木7a式土器(福島 会津 法正尻遺跡)
 
 
 
大木 7b 式;
  • 吹浦式のような台付状の器形は姿を消す。
  • 浅鉢が多くつくられるようになる。
  • 文様は、口縁部に隆紀線文が施され、その隆起線は押圧縄文によって縁取りされるのが一般的。また、押圧縄文による渦巻文などが施される。浅鉢も同様。
大木7b式(新潟阿賀町) 口縁部に隆紀線文が施され、その隆起線は押圧縄文によって縁取りされる。
 
 
大木7b式(上八木田遺跡 盛岡) 4単位の波状口縁。口縁部から胴部上半にかけて沈線による幾何学文様・渦巻文が施されている。地文は斜縄文。
 
 
 
大木7b式(大館遺跡 盛岡) 口縁部に隆紀線文が施され、その隆起線は押圧縄文によって縁取りされる。口縁部から胴部上半にかけて沈線による幾何学文様が施されている。地文は斜縄文。
 
 
大木7b式. (大木囲貝塚) 胴部に大木7a式の特徴である縦位の綾絡文が施文されているが、口縁部に隆紀線文が施されており押圧文によって縁取りされることから7b式とした。胴部地は無文。
 
 
27 大木7b式(岩手繋V遺跡)口縁部に隆紀線文が施されており押圧文によって縁取りされる。4単位の低い波状口縁。
28 大木7b式(秋田下堤遺跡) 口縁部に隆紀線文が施されており押圧文によって縁取りされる。
 
 
大木7b式土器(福島 会津 法正尻遺跡)
 
 
 
12 大木7b式(新潟山下遺跡)高26.5cm. 
 
 
46 大木7b式(福島小屋田遺跡)高42.4cm. 胴部上部の区画隆帯の縁取りに一般的な押圧縄文ではなく沈線が用いられている。これは東北地方中央部の大木7b式土器にはあまり見られなく、福島県西・南部に分布する地域性が強い種類に多い。
 
 
47 大木7b式(秋田上ノ山遺跡)高41.3cm. 口頸部が内彎気味に外傾し、胴部が円筒状をなす器形。口頸部文様帯は、交互に連なる8個の三角形隆線区画で、各区画は、押圧縄文によって縁取られる。
48 大木8a式(岩手盛岡繋V遺跡)高36.6cm. 
 
 
大木7b式(奥松島縄文村歴史資料館) 口縁部に隆紀線文が施され、その隆起線は押圧縄文によって縁取りされている。
 
 
 
【参考Link】