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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

ビジネス法務2024年1月号 中央経済社

 

定価(紙 版):1,800円(税込)

発行日:2023/11/21

 

 

 

【特集1】

1からわかる「データ契約」の実務

 

今日,デジタル技術の進展によって大容量のデータを取り扱うことが可能となりました。それに際し,たとえば自社のデータを他社へ提供したり,あるプラットフォーム上で共用したりする機会は今後増加していくと考えられます。そして,その場合には契約を締結することで自社利益を守る,もしくは最大化することが求められます。

そこで,他社との間で「データの利用に関する契約」を締結する際に特に重要となるポイントについて,その心構えからガイドラインや各種契約類型の解説,海外事業者との締結時の留意点まで解説します。

 

【特集2】

2024を占う5テーマ

国際ビジネス法務の“New Standard”

 

2024年新年号では,「国際ビジネス法務の“New Standard”」を特集します。

法務の役割は国内法務にとどまらず,グローバル対応まで広がっています。最新の国際的な実務動向をキャッチアップできるよう,国際ビジネス法務の最前線に立つ東京国際法律事務所の弁護士を執筆陣に迎え,多様なトピックを取り上げました。国際裁判管轄・国際仲裁,競争法,生成AI・知的財産法,海外EPC契約,国際M&Aなど,各分野の最前線をご堪能ください。

国際ビジネス法務の扉を,私たちと一緒に開きましょう。

 

【新連載】

・サプライチェーンの危機管理対応

・責任追及を見据えた従業員不正の対処法

 

【Lawの論点】

・電力会社カルテルとは何だったのか

 ――もたらした社会的インパクトと法の制裁

・国境を越えたネットワーク関連発明の特許権侵害に対する一考察

 ――ドワンゴ事件と属地主義の原則に基づく検討

 

【実務解説】

・法務担当者の関与が期待される

 分配可能額規制の違反事例と実務ポイント

・法務パーソンが知っておきたい

 セキュリティ・クリアランス制度の解説と検討

・多様な人材確保に資する

 「責任限定契約制度」導入・運用の実務

 

【特別収録】

・ビジネス実務法務検定試験Ⓡ 3級演習問題

 

 

「周辺学」で差がつくM&A

第3回 バリュエーション(企業価値評価)―実践編―

に掲載しましたExcelファイルは、下記、訂正・追加情報よりダウンロードください。

 

 

コメント

全体的に参考になりました。

 

司法試験の行政法の出題分野としては、以下の法律がある。
都市計画法、建築基準法
地方自治法
入管法
社会保障法


 

第3部 親子会社に関する規律等の整備

第11章 親子会社に関する規律等の整備

親子会社に関する規律等の整備を図るために、改正された主なポイントは以下のとおりです。

子会社の不祥事が増えていることなどから、親会社の株主が完全子会社の取締役等を訴えることができる「多重代表訴訟制度」も新設された。

 

(1) 多重代表訴訟制度

完全親会社株主は、完全子会社の取締役等に対して責任追及の訴えを提起することができるようになりました(会847条の3第1項、第7項)。従来は、株主の会社に対する訴えの提起は、自社の株主が会社に対して訴えを提起する株主代表訴訟(会847条第1項)があるだけでしたが、改正後は、親会社の株主が子会社の取締役等に対して訴えを提起することができるようになります。

 

戦傷病者戦没者遺族等援護法附則2項及び恩給法9条1項3号の各規定と憲法14条1項

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和60年(オ)第1427号

【判決日付】      平成4年4月28日

【判示事項】      戦傷病者戦没者遺族等援護法附則2項及び恩給法9条1項3号の各規定と憲法14条1項

【判決要旨】      戦傷病者戦没者遺族等援護法附則2項及び恩給法9条1項3号の各規定は、いずれも憲法14条1項に違反してない。

             (意見がある。)

【参照条文】      憲法14-1

             戦傷病者戦没者遺族等援護法附則14-2

             恩給法9-1

【掲載誌】        訟務月報38巻12号2579頁

             最高裁判所裁判集民事164号295頁

             判例タイムズ787号58頁

             判例時報1422号91頁

 

憲法

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

恩給法

第九条 年金タル恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ権利消滅ス

一 死亡シタルトキ

二 死刑又ハ無期若ハ三年ヲ超ユル懲役若ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキ

三 国籍ヲ失ヒタルトキ

② 在職中ノ職務ニ関スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ因リ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ権利消滅ス但シ其ノ在職カ普通恩給ヲ受ケタル後ニ為サレタルモノナルトキハ其ノ再在職ニ因リテ生シタル権利ノミ消滅ス

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人らの負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人秋元英男、同山田伸男、同庭山正一郎、同錦織淳、同羽柴駿、同鈴木五十三、同岩倉哲二、同柳川昭二の上告理由

 第一点について

 原審の適法に確定した事実関係の下においては、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。

 同第二点について

 上告人らが主張するような戦争犠牲ないし戦争損害は、国の存亡に係わる非常事態の下では、国民の等しく受忍しなければならなかったところであって、これに対する補償は憲法の全く予想しないところというべきであり、右のような戦争犠牲ないし戦争損害に対しては単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎないものと解すべきことは、当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかである(昭和四〇年(オ)第四一七号同四三年一一月二七日大法廷判決・民集二二巻一二号二八〇八頁参照)。したがって、憲法二九条三項等の規定を適用してその補償を求める上告人らの主張は、右規定の意義・性質等について判断するまでもなく、その前提を欠くに帰するというべきであって、所論の点に関する原審の判断は、結論において是認することができる。論旨は、採用することができない。

 同第三点について

 論旨は、昭和二七年四月三〇日に施行された戦傷病者戦没者遺族等援護法(同年法律第一二七号。以下「援護法」という。)により、軍人軍属等であった者又はこれらの者の遺族に対しては障害年金・遺族年金等が支給され、また、昭和二八年八月一日施行の恩給法の一部を改正する法律(同年法律第一五五号。以下「恩給法改正法」という。)により、旧軍人等又はこれらの者の遺族に対する恩給の支給が復活したところ、援護法附則二項は、戸籍法の適用を受けない者については、当分の間、この法律を適用しない旨を定め、また、恩給法九条一項三号は、日本国籍を失ったときは年金たる恩給を受ける権利は消滅するものと定めており(以下、これらを「本件国籍条項」という。)、台湾住民である軍人軍属に対して本件国籍条項の適用を除外していないことから、台湾住民である上告人らは援護法又は恩給法による給付を受けることができないこととされているが、これはもと日本国籍を有していた台湾住民である軍人軍属を不当に差別するもので憲法一四条に違反する、というのである。

 そこで検討するのに、憲法一四条一項は法の下の平等を定めているが、右規定は合理的理由のない差別を禁止する趣旨のものであって、各人に存する経済的、社会的その他種々の事実関係上の差異を理由としてその法的取扱いに区別を設けることは、その区別が合理性を有する限り、何ら右規定に違反するものでないことは、当裁判所の判例の趣旨とするところである(昭和三七年(あ)第九二七号同三九年一一月一八日大法廷判決・刑集一八巻九号五七九頁、同昭和三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・民集一八巻四号六七六頁等参照)。ところで、我が国は、昭和二七年四月二八日に発効した日本国との平和条約により、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄し(二条)、この地域に関し、日本国及びその国民に対する右地域の施政を行っている当局及び住民の請求権の処理は、日本国と右当局との間の特別取極の主題とするものとされ(四条)、また、我か国は、右条約の署名国でない国と、右条約に定めるところと同一の又は実質的に同一の条件で二国間の平和条約を締結することが予定された(二六条)。そして、我が国は、中華民国との間で日本国と中華民国との間の平和条約(以下「日華平和条約」という。)を締結し、同条約は昭和二七年八月五日に効力を生じたところ、同条約三条は、日本国及びその国民に対する中華民国の当局及び台湾住民の請求権の処理は、日本国政府と中華民国政府との間の特別取極の主題とする旨を定めている。また、台湾住民は、同条約により、日本の国籍を喪失したものと解される(最高裁昭和三三年(あ)第二一〇九号同三七年一二月五日大法廷判決・刑集一六巻一二号一六六一頁参照)。その間、昭和二七年四月三〇日に援護法が制定され、その附則二項は、戸籍法の適用を受けない者については、当分の間、援護法を適用しない旨を規定したが、その趣旨は、同法上、援護対象者は日本国籍を有する者に限定され、日本国籍の喪失をもって権利消滅事由と定められているところ、同法制定当時、台湾住民等の国籍の帰属が分明でなかったことから、これらの人々に同法の適用がないことを明らかにすることにあったものと解される。その後、昭和二八年八月一日施行の恩給法改正法により、旧軍人等及びこれらの者の遺族に対する恩給の支給が復活したが、その時点においては、台湾住民は日本の国籍を喪失していたから、恩給法九条一項三号の規定の趣旨に照らし、恩給の受給資格を有しないこととなったものである。以上の経緯に照らせば、台湾住民である軍人軍属が援護法及び恩給法の適用から除外されたのは、台湾住民の請求権の処理は日本国との平和条約及び日華平和条約により日本国政府と中華民国政府との特別取極の主題とされたことから、台湾住民である夷軍属に対する補償問題もまた両国政府の外交交渉によって解決されることが予定されたことに基づくものと解されるのであり、そのことには十分な合理的根拠があるものというべきである。したがって、本件国籍条項により、日本の国籍を有する軍人軍属と台湾住民である軍人軍属との間に差別が生じているとしても、それは右のような根拠に基づくものである以上、本件国籍条項は、憲法一四条に関する前記大法廷判例の趣旨に徴して同条に違反するものとはいえない。ところで、日華平和条約に基づく特別取極については、その成立をみることなく右条約締結後二〇年近くを推移するうち、昭和四七年九月二九日、日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明が発せられ、日本国政府は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認した結果、右特別取極についての協議が行われることは事実上不可能な状態にある。しかしながら、そのことのゆえに本件国籍条項が違憲となるべき理由はなく、右のような現実を考慮して、我が国が台湾住民である軍人軍属に対していかなる措置を講ずべきかは、立法政策に属する問題というべきである。ちなみに、現時点までに成立した台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律(昭和六二年法律第一〇五号)及び特定弔慰金等の支給の実施に関する法律(昭和六三年法律第三一号)によれば、我が国は、人道的精神に基づき、台湾住民である戦没者の遺族等に対し、戦没者等又は戦傷病者一人につき二〇〇万円の弔慰金又は見舞金を支給するものとされているところである。

 所論の点に関する原審の判断は、以上の趣旨をいうものとして是認することができる。原判決に所論憲法一四条の解釈適用の誤りはなく、論旨は採用することができない。

 同第四点について

 論旨は、原判決の結論に影響のない説示部分を論難するものにすぎず、採用することができない。

 同第五点について

 前記説示のとおり、本件国籍条項を違憲ということはできないから、その違憲であることを前提として、違憲状態を解消すべき立法の不作為の違憲確認を求める上告人らの予備的請求に係る訴えは、その適否いかんにかかわらず、理由のないことが明らかである。そして、仮に原判決中右訴えを不適法として却下した部分が違法であるとしても、右却下部分を取り消して右請求を棄却することは不利益変更禁止の原則に触れるから、右却下部分についての上告はこれを棄却するほかない。したがって、論旨は、原判決の結論に影響を及ぼさない部分の違法をいうに帰し、採用することができない。

 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、上告理由第二点及び第三点並びに第五点についての裁判官園部逸夫の意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

選挙運動としての戸別訪問禁止の規定(衆議院議員選挙法第98条地方自治法第72条教育委員会法第28条等)と憲法第21条

 

教育委員会委員選挙罰則違反被告事件

第章      最高裁判所大法廷判決/昭和24年(れ)第2591号

昭和25年9月27日

【判示事項】    選挙運動としての戸別訪問禁止の規定(衆議院議員選挙法第98条地方自治法第72条教育委員会法第28条等)と憲法第21条

【判決要旨】    選挙の公正を期するため戸別訪問を禁止した結果言論の自由にある制限をもたらすことがあつても、その禁止規定(衆議院議員選挙法第98条、地方自治法第72条、教育委員会法第28条等)が憲法第21条に違反するものとはいえない。

【参照条文】    日本国憲法2

          衆議院議員選挙法98

          地方自治法72

          教育委員会法28

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集4巻9号1799頁

 

 

日本国憲法

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。       

 

(戸別訪問)

第百三十八条 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。

2 いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。

 

 

主   文

 

 本件上告を棄却する。

 

       理   由

 

 弁護人森長英3郎、同青柳盛雄、同小沢茂の上告趣意第1点について。

 原判決挙示の各証拠を綜合すれば、判示の戸別訪問につき被告人と氏名不詳の男との間に共謀のあつたことが推認できる。従つて被告人には戸別訪問の意思がなかつたと主張する所論は採用できない。

 なお原判決は、共犯者を「某男性」と判示しているが、これはその氏名が明白でないというだけのことであつて、挙示の証拠に照らしてみれば実在の人物であることは明らかであるから、このように判示したからとて、所論のような違法あるものということはできない。

 要するに論旨はいずれの点も採用することができない。

 同上第2点について。

 原判決は、被告人が立候補者Aに「投票を得させる目的を以て」B外2名の宅を順次訪問し「A候補に投票方を依頼し」た旨判示している。これは、被告人においてB外2名の者が選挙権者であること、又は少くとも選挙権者であるかも知れないという認識をもつていたという事実の認定を含むものと解すべきである。そうして原則として凡ての成年者が選挙権を有している現行制度並びに原判決挙示の各証拠を照らし合せて考えれば、右のような認定は肯認できることであつて、被告人は相手方に選挙権があるかどうかを知らなかつたという所論は、原判決が採用しなかつた証拠に基く主張であるから採用することができない。

 同上第3点について。

 選挙運動としての戸別訪問には種々の弊害を伴うので衆議院議員選挙法九八条、地方自治法七2条及び教育委員会法2八条等は、これを禁止している。その結果として言論の自由が幾分制限せられることもあり得よう。

 しかし憲法21条は絶対無制限の言論の自由を保障しているのではなく、公共の福祉のためにその時、所、方法等につき合理的制限のおのずから存することは、これを容認するものと考うべきであるから、選挙の公正を期するために戸別訪問を禁止した結果として、言論自由の制限をもたらすことがあるとしても、これ等の禁止規定を所論のように憲法に違反するものということはできない。それ故論旨は理由がない。

 以上の理由により旧刑訴四四6条に従い主文のとおり判決する。

 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

 検察官 小幡勇3郎関与

  昭和25年9月27日

     最高裁判所大法廷

第10章 web開示の拡大

株主総会参考書類、事業報告の一定事項や連結計算書類等の株主総会の招集に際して提供すべき書類について、書面による提供の代わりにインターネット上のホームページに掲載するWeb開示(施行規則94条、133条第3項等)を行っている場合、そのみなし提供の対象となる計算書類に株主資本等変動計算書が追加されました(会社計算規則133条第4項)。

3ない原則を定めた校則に違反したことを理由の1つとしてされた私立高等学校の生徒に対する自主退学の勧告が違法とはいえないとされた事例

 

損害賠償請求事件

最高裁判所第3小法廷判決/平成元年(オ)第805号

平成3年9月3日

【判示事項】    いわゆる3ない原則を定めた校則に違反したことを理由の1つとしてされた私立高等学校の生徒に対する自主退学の勧告が違法とはいえないとされた事例

【判決要旨】    自動二輪車等について免許を取らない、乗らない、買わないの三原則を定めた私立高等学校の校則に違反したことを理由の一つとしてされた右高等学校の生徒に対する自主退学の勧告は、右生徒が、右原則のすべてに違反し、かつ、右生徒からその所有する自動二輪車を貸与された友人が警察官に重傷を負わせる事故を起こしたにもかかわらず、同人らと話し合って右事故を秘匿し、これらの行為について反省の態度を示さなかったこと、右生徒の母親は、右事故後、右自動二輪車を処分して校則に従うべき旨の学校側の説得に応ぜず、かえって、学校側の指導方針と真向から対立し、将来家庭の協力を得て右生徒を指導することが不可能といえる状態にあったことなど原判示の事実関係の下においては、違法とはいえない。

【参照条文】    民法709

【掲載誌】     最高裁判所裁判集民事163号203頁

          判例タイムズ770号157頁

          判例時報1401号56頁

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人北光二、同滝沢繁夫、同田中三男の上告理由第一ないし第三について

 所論は、いわゆる三ない原則を定めた本件校則(以下「本件校則」という。)及び本件校則を根拠としてされた本件自主退学勧告は、憲法一三条、二九条、三一条に違反する旨をいうが、憲法上のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、国又は公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障することを目的とした規定であって、専ら国又は公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものでないことは、当裁判所大法廷判例(昭和四三年(オ)第九三二号同四八年一二月一二日判決・民集二七巻一一号一五三六頁)の示すところである。したがって、その趣旨に徴すれば、私立学校である被上告人設置に係る高等学校の本件校則及び上告人が本件校則に違反したことを理由の一つとしてされた本件自主退学勧告について、それが直接憲法の右基本権保障規定に違反するかどうかを論ずる余地はないものというべきである。所論違憲の主張は、採用することができない。そして、所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、原審の確定した事実関係の下においては、本件校則が社会通念上不合理であるとはいえないとした原審の判断は、正当として是認することができる。右判断は、所論引用の判例と抵触するものではない。原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するか、又は原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

 同第四及び第五について

 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することができる(なお、所論は、原判決は上告人が自発的に退学願を提出した旨認定したとしてこれを非難するが、原判決の認定判示するところは、被上告人は上告人に対して自主退学を勧告したもので退学処分をしたものではないというにとどまるのであって、右非難は当たらない。)。そして、上告人の行為の態様、反省の状況及び上告人の指導についての家庭の協力の有無・程度など、原審の確定した事実関係の下においては、上告人に対してされた本件自主退学勧告が違法とはいえないとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するか、又は原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

第9章 事業報告の附属明細書
事業報告の附属明細書には、事業報告の内容を補足する重要な事項を記載するものとされています。また、公開会社においては、役員の他の会社の業務執行取締役など重要な兼職の状況を記載します(施行規則128条第1項、第2項)。
なお、会計監査人設置会社以外の公開会社において、親会社等との一定の関連当事者取引について個別注記表での注記を省略する場合、事業報告の附属明細書において、一定事項の記載を行うことになります(施行規則128条第3項)。

会計監査人設置会社以外の公開会社において、株式会社とその親会社等との取引について、事業報告の附属明細書に記載する場合の取扱いが追加されました。
 

損失補償規定を欠く文化財保護法80条の史跡等の現状変更制限規定の合憲性(積極)

 

 

              原状回復命令取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和50年(行ツ)第2号

【判決日付】      昭和50年4月11日

【判示事項】      損失補償規定を欠く文化財保護法80条の史跡等の現状変更制限規定の合憲性(積極)

【判決要旨】      文化財保護法80条は、史跡名勝天然記念物の現状変更の制限によつて生じた損失につきあらゆる場合に一切の損失補償を否定する趣旨のものとは解されないから、損失補償に関する規定を欠くことをもつて、直ちに違憲無効とすることはできない

【参照条文】      憲法29-3

             文化財保護法80-1

【掲載誌】        訟務月報21巻6号1294頁

             最高裁判所裁判集民事114号519頁

             判例時報777号35頁

 

憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

文化財保護法

(重要有形民俗文化財の管理)

第八十条 重要有形民俗文化財の管理には、第三十条から第三十四条までの規定を準用する。

 

第二款 管理

(管理方法の指示)

第三十条 文化庁長官は、重要文化財の所有者に対し、重要文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第三十一条 重要文化財の所有者は、この法律並びにこれに基いて発する文部科学省令及び文化庁長官の指示に従い、重要文化財を管理しなければならない。

2 重要文化財の所有者は、当該重要文化財の適切な管理のため必要があるときは、第百九十二条の二第一項に規定する文化財保存活用支援団体その他の適当な者を専ら自己に代わり当該重要文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この節及び第百八十七条第一項第一号において「管理責任者」という。)に選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、重要文化財の所有者は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、当該管理責任者と連署の上二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。

4 管理責任者には、前条及び第一項の規定を準用する。

(所有者又は管理責任者の変更)

第三十二条 重要文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、且つ、旧所有者に対し交付された指定書を添えて、二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。

2 重要文化財の所有者は、管理責任者を変更したときは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、新管理責任者と連署の上二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。この場合には、前条第三項の規定は、適用しない。

3 重要文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。氏名若しくは名称又は住所の変更が重要文化財の所有者に係るときは、届出の際指定書を添えなければならない。

(管理団体による管理)

第三十二条の二 重要文化財につき、所有者が判明しない場合又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、文化庁長官は、適当な地方公共団体その他の法人を指定して、当該重要文化財の保存のため必要な管理(当該重要文化財の保存のため必要な施設、設備その他の物件で当該重要文化財の所有者の所有又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。

2 前項の規定による指定をするには、文化庁長官は、あらかじめ、当該重要文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基く占有者並びに指定しようとする地方公共団体その他の法人の同意を得なければならない。

3 第一項の規定による指定は、その旨を官報で告示するとともに、前項に規定する所有者、占有者及び地方公共団体その他の法人に通知してする。

4 第一項の規定による指定には、第二十八条第二項の規定を準用する。

5 重要文化財の所有者又は占有者は、正当な理由がなくて、第一項の規定による指定を受けた地方公共団体その他の法人(以下この節及び第百八十七条第一項第一号において「管理団体」という。)が行う管理又はその管理のため必要な措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

6 管理団体には、第三十条及び第三十一条第一項の規定を準用する。

第三十二条の三 前条第一項に規定する事由が消滅した場合その他特殊の事由があるときは、文化庁長官は、管理団体の指定を解除することができる。

2 前項の規定による解除には、前条第三項及び第二十八条第二項の規定を準用する。

第三十二条の四 管理団体が行う管理に要する費用は、この法律に特別の定のある場合を除いて、管理団体の負担とする。

2 前項の規定は、管理団体と所有者との協議により、管理団体が行う管理により所有者の受ける利益の限度において、管理に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。

(滅失、きヽ損等)

第三十三条 重要文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはきヽ損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、その事実を知つた日から十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。

(所在の変更)

第三十四条 重要文化財の所在の場所を変更しようとするときは、重要文化財の所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、且つ、指定書を添えて、所在の場所を変更しようとする日の二十日前までに文化庁長官に届け出なければならない。但し、文部科学省令の定める場合には、届出を要せず、若しくは届出の際指定書の添附を要せず、又は文部科学省令の定めるところにより所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人本家重忠の上告理由について。

 公共のためにする財産権の制限が一般的に当然受忍すべきものとされる制限の範囲をこえ、特定の人に対し特別の犠牲を課したものである場合には、これについて損失補償を認めた規定がなくても、直接憲法二九条三項を根拠として補償請求をすることができないわけではなく、右損失補償に関する規定を欠くからといって、財産権の制限を定めた法規自体を直ちに違憲無効というべきでないことは、当裁判所大法廷判例(昭和三七年(あ)第二九二二号同四三年一一月二七日判決・刑集二二巻一二号一四〇二頁)の趣旨とするところである。そして、史蹟名勝天然記念物に関しその現状変更を制限した文化財保護法八〇条は、右制限によって生じた損失につきあらゆる場合に一切の損失補償を否定する趣旨のものとは解されないから、その損失補償に関する規定を欠くことをもって、直ちに同条を違憲無効とすることはできない。原判決は正当であって、論旨は採用することができない。

 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

農業協同組合が非組合員との間に締結した準消費貸借が組合の目的の範囲内に属すると認められた事例

 

最高裁判所第1小法廷判決/昭和31年(オ)第657号

昭和33年9月18日

貸金請求事件

【判示事項】    農業協同組合が非組合員との間に締結した準消費貸借が組合の目的の範囲内に属すると認められた事例

【判決要旨】    農業協同組合が、その経済的基礎を確立するため、林ごの移出業者との間に、同人らをして林ごの集荷をさせ、右組合においてその販売委託を受けて所定の手数料を受くべき契約を締結し、同人らに対し林ごの集荷に要する資金を貸し付け、後日その帳尻を準消費貸借に改めた場合は、その借主が右組合の組合員でなくても、特段の事情の認められない限りは、右準消費貸借は、少なくとも組合の事業に附帯する事業の範囲内に属するものと認めるを相当とする。

【参照条文】    農業協同組合法10

          民法43

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集12巻13号2027頁

【評釈論文】    金融法務事情191号7頁

 

農業協同組合法

第十条 組合は、次の事業の全部又は一部を行うことができる。

一 組合員(農業協同組合連合会にあつては、その農業協同組合連合会を直接又は間接に構成する者。次項及び第四項並びに第十一条の五十第三項を除き、以下この節において同じ。)のためにする農業の経営及び技術の向上に関する指導

二 組合員の事業又は生活に必要な資金の貸付け

三 組合員の貯金又は定期積金の受入れ

四 組合員の事業又は生活に必要な物資の供給

五 組合員の事業又は生活に必要な共同利用施設(医療又は老人の福祉に関するものを除く。)の設置

六 農作業の共同化その他農業労働の効率の増進に関する施設

七 農業の目的に供される土地の造成、改良若しくは管理、農業の目的に供するための土地の売渡し、貸付け若しくは交換又は農業水利施設の設置若しくは管理

八 組合員の生産する物資の運搬、加工、保管又は販売

九 農村工業に関する施設

十 共済に関する施設

十一 医療に関する施設

十二 老人の福祉に関する施設

十三 農村の生活及び文化の改善に関する施設

十四 組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結

十五 前各号の事業に附帯する事業

② 組合員又は会員に出資をさせる組合(以下「出資組合」という。)は、前項の事業のほか、組合員(農業協同組合連合会にあつては、その農業協同組合連合会を直接又は間接に構成する者)の委託を受けて行う農業の経営の事業を併せ行うことができる。

③ 第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う農業協同組合は、組合員の委託により、次に掲げる不動産を貸付けの方法により運用すること又は売り渡すことを目的とする信託の引受けを行うことができる。

一 信託の引受けを行う際その委託をする者の所有に係る農地又は採草放牧地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地(同法第四十三条第一項の規定により農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして適用する同法第二条第一項に規定する農地を含む。)又は採草放牧地をいう。第十一条の五十第一項において同じ。)

二 前号に規定する土地に併せて当該信託をすることを相当とする農林水産省令で定めるその他の不動産で信託の引受けを行う際その委託をする者の所有に係るもの

④ 組合員又は会員に出資をさせない組合(以下「非出資組合」という。)は、第一項の規定にかかわらず、同項第三号又は第十号の事業を行うことができない。

⑤ 出資組合は、第一項の事業のほか、次の事業の全部又は一部を併せ行うことができる。

一 組合員の委託を受けて行うその所有に係る転用相当農地等(農地その他の土地で農業以外の目的に供されることが相当と認められるものをいう。以下同じ。)の売渡し若しくは貸付け(住宅その他の施設を建設してする当該土地又は当該施設の売渡し又は貸付けを含む。)又は区画形質の変更の事業

二 組合員からのその所有に係る転用相当農地等の借入れ及びその借入れに係る土地の貸付け(当該土地の区画形質を変更し、又は住宅その他の施設を建設してする当該土地の貸付け又は当該施設の売渡し若しくは貸付けを含む。)の事業

三 組合員からのその所有に係る転用相当農地等の買入れ及びその買入れに係る土地の売渡し又は貸付け(当該土地の区画形質を変更し、又は住宅その他の施設を建設してする当該土地又は当該施設の売渡し又は貸付けを含む。)の事業

⑥ 第一項第三号の事業を行う組合は、組合員のために、次の事業の全部又は一部を行うことができる。

一 手形の割引

二 為替取引

三 債務の保証又は手形の引受け

三の二 有価証券(第六号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。第六号の二及び第七号において同じ。)の売買(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)又は有価証券関連デリバティブ取引(書面取次ぎ行為に限る。)

四 有価証券の貸付け

五 国債、地方債若しくは政府保証債(以下この号において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い

六 金銭債権(譲渡性貯金証書その他の主務省令で定める証書をもつて表示されるものを含む。)の取得又は譲渡

六の二 特定目的会社が発行する特定社債(特定短期社債を除き、資産流動化計画において当該特定社債の発行により得られる金銭をもつて金銭債権(民法(明治二十九年法律第八十九号)第三編第一章第七節第一款に規定する指図証券、同節第二款に規定する記名式所持人払証券、同節第三款に規定するその他の記名証券及び同節第四款に規定する無記名証券に係る債権並びに電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権を除く。以下この号において同じ。)又は金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限る。以下この号において同じ。)その他特定社債に準ずる有価証券として主務省令で定めるもの(以下この号において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱い

六の三 短期社債等の取得又は譲渡

七 有価証券の私募の取扱い

八 農林中央金庫その他主務大臣が定める者(外国の法令に準拠して外国において銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第二項に規定する銀行業を営む者(同法第四条第五項に規定する銀行等を除く。次号及び第十一条の十二において「外国銀行」という。)を除く。)の業務(同号の事業に該当するものを除く。)の代理又は媒介(主務大臣が定めるものに限る。)

八の二 外国銀行の業務の代理又は媒介(外国において行う外国銀行の業務の代理又は媒介であつて、主務省令で定めるものに限る。)

九 国、地方公共団体、会社等の金銭の収納その他金銭に係る事務の取扱い

十 有価証券、貴金属その他の物品の保護預り

十の二 振替業

十一 両替

十二 店頭デリバティブ取引(有価証券関連店頭デリバティブ取引に該当するものを除く。)であつて主務省令で定めるもののうち、第六号の事業に該当するもの以外のもの

十二の二 デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)の媒介、取次ぎ又は代理であつて、主務省令で定めるもの

十三 金利、通貨の価格、商品の価格、算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第七項に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう。次項第七号において同じ。)の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であつて主務省令で定めるもの(次号において「金融等デリバティブ取引」という。)のうち第一項第三号の事業を行う組合の経営の健全性を損なうおそれがないと認められる取引として主務省令で定めるもの(第六号及び第十二号の事業に該当するものを除く。)

十四 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(第十二号の二の事業に該当するもの及び主務省令で定めるものを除く。)

十五 有価証券関連店頭デリバティブ取引(当該有価証券関連店頭デリバティブ取引に係る有価証券が第六号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等以外のものである場合には、差金の授受によつて決済されるものに限る。次号において同じ。)であつて、第三号の二の事業に該当するもの以外のもの

十六 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理

十七 前各号の事業に附帯する事業

⑦ 第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う組合は、これらの事業の遂行を妨げない限度において、次の事業を行うことができる。

一 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条第六項に規定する投資助言業務に係る事業

二 金融商品取引法第三十三条第二項各号に掲げる有価証券又は取引について、当該各号に定める行為を行う事業(前項の規定により行う事業を除く。)

三 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により行う同法第一条第一項に規定する信託業務に係る事業

四 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によつてする信託に係る事務に関する事業

五 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託

六 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)により行う担保付社債に関する信託事業

七 算定割当量を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う事業(前項の規定により行う事業を除く。)であつて、主務省令で定めるもの

⑧ 第一項第十号の事業を行う組合は、組合員のために、保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社をいう。以下同じ。)その他主務大臣が指定するこれに準ずる者の業務の代理又は事務の代行(農林水産省令で定めるものに限る。)の事業を行うことができる。

⑨ 第六項第三号の二、第六号の三及び第十五号並びに第十二項の「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。

一 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号に規定する短期社債

二 削除

三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の十二第一項に規定する短期投資法人債

四 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の四第一項に規定する短期債

五 保険業法第六十一条の十第一項に規定する短期社債

六 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第八項に規定する特定短期社債

七 農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第六十二条の二第一項に規定する短期農林債

八 その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件の全てに該当するもの

イ 各権利の金額が一億円を下回らないこと。

ロ 元本の償還について、権利の総額の払込みのあつた日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。

ハ 利息の支払期限を、ロの元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。

⑩ 第六項第三号の二及び第十二号の二の「有価証券関連デリバティブ取引」、同項第三号の二の「書面取次ぎ行為」、同項第十二号の「店頭デリバティブ取引」、同項第十二号、第十五号及び第十六号の「有価証券関連店頭デリバティブ取引」又は同項第十二号の二の「デリバティブ取引」とは、それぞれ金融商品取引法第二十八条第八項第六号に規定する有価証券関連デリバティブ取引、同法第三十三条第二項に規定する書面取次ぎ行為、同法第二条第二十二項に規定する店頭デリバティブ取引、同法第二十八条第八項第四号に掲げる行為又は同法第二条第二十項に規定するデリバティブ取引をいう。

⑪ 第六項第五号の「政府保証債」とは、政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。

⑫ 第六項第六号の事業には同号に規定する証書をもつて表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第六号の三の事業には短期社債等について、金融商品取引法第二条第八項第一号から第六号まで及び第八号から第十号までに掲げる行為を行う事業を含むものとする。

⑬ 第六項第六号の二の「特定目的会社」、「資産流動化計画」、「特定社債」又は「特定短期社債」とは、それぞれ資産の流動化に関する法律第二条第三項、第四項、第七項又は第八項に規定する特定目的会社、資産流動化計画、特定社債又は特定短期社債をいう。

⑭ 第六項第七号の「有価証券の私募の取扱い」とは、有価証券の私募(金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の私募をいう。)の取扱いをいう。

⑮ 第六項第十号の二の「振替業」とは、社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項に規定する口座管理機関として行う振替業をいう。

⑯ 組合は、第七項第四号から第六号までの事業に関しては、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)、担保付社債信託法その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、会社又は銀行とみなす。この場合においては、信託業法第十四条第二項ただし書の規定は、適用しない。

⑰ 組合は、定款の定めるところにより、組合員以外の者にその施設(第六項第三号及び第四号並びに第七項第五号及び第六号の規定による施設並びに第一項第三号の事業を行う農業協同組合連合会が第二十三項各号に掲げる事業を行う場合における当該各号の規定による施設にあつては、主務省令で定めるものに限る。)を利用させることができる。ただし、第六項第二号から第十七号まで、第七項、第八項及び第二十四項の規定による施設並びに第一項第三号の事業を行う農業協同組合連合会が第二十三項各号に掲げる事業を行う場合における当該各号の規定による施設に係る場合を除き、一事業年度における組合員以外の者の事業の利用分量の額(第一項第二号及び第六項第一号の事業を併せ行う場合には、これらの事業の利用分量の額の合計額。以下この条において同じ。)は、当該事業年度における組合員の事業の利用分量の額の五分の一(政令で定める事業については、政令で定める割合)を超えてはならない。

⑱ 第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う組合であつて、組合員に対する資金の貸付けその他資金の運用状況、その地区内における農業事情その他の経済事情等からみて、資金の安定的かつ効率的な運用を確保するため、前項ただし書に規定する限度を超えて組合員以外の者に第一項第二号及び第六項第一号の規定による施設を利用させることが必要かつ適当であるものとして行政庁の指定するものは、前項ただし書の規定にかかわらず、一事業年度における当該施設に係る組合員以外の者の事業の利用分量の額が、当該事業年度における当該組合の貯金及び定期積金の合計額に百分の二十以内において政令で定める割合を乗じて得た額を超えない範囲内において、組合員以外の者に当該施設を利用させることができる。

⑲ 行政庁は、農業協同組合について前項の指定を行おうとするときは、主務大臣の意見を聴かなければならない。

⑳ 組合は、第十七項の規定にかかわらず、組合員のためにする事業の遂行を妨げない限度において、定款の定めるところにより、次に掲げる資金の貸付けをすることができる。

一 地方公共団体又は地方公共団体が主たる構成員若しくは出資者となつているか若しくはその基本財産の額の過半を拠出している営利を目的としない法人に対する資金の貸付け

二 農村地域における産業基盤又は生活環境の整備のために必要な資金で政令で定めるものの貸付け(前号に掲げるものを除く。)

三 銀行その他の金融機関に対する資金の貸付け

㉑ 組合は、第十七項の規定にかかわらず、組合員のためにする事業の遂行を妨げない限度において、定款の定めるところにより、組合員の生産する物資の販売の促進を図るため組合員の生産する物資と併せて販売を行うことが適当であると認められる物資を生産する他の組合の組合員その他の農林水産省令で定める基準に適合する者に第一項第八号の規定による施設を利用させることができる。

㉒ 第一項第二号、第三号、第十号若しくは第十二号、第二項、第三項又は第五項の事業の利用に関する第十七項ただし書及び第十八項の規定の適用については、第一項第二号の事業にあつては組合員と同一の世帯に属する者又は地方公共団体以外の営利を目的としない法人に対し貯金又は定期積金を担保として貸し付ける場合におけるこれらの者、同項第三号の事業にあつては組合員と同一の世帯に属する者及び営利を目的としない法人、同項第十号又は第十二号の事業にあつては組合員と同一の世帯に属する者、第二項、第三項又は第五項の事業にあつては組合員と同一の世帯に属する者及び当該委託を受け、当該信託の引受けを行い、又は当該借入れをする際に組合員又は組合員と同一の世帯に属する者であつた者(同項第二号の事業にあつては、当該借入れに係る土地でその借入れの際に組合員又は組合員と同一の世帯に属する者の所有に係るものの所有権を取得した者を含む。)は、これを組合員とみなす。

㉓ 第一項第三号の事業を行う農業協同組合連合会は、同項、第二項及び第五項の規定にかかわらず、第一項第二号の事業及び同項第四号の事業のうち次に掲げるもの並びにこれらの事業又は同項第三号の事業に附帯する事業並びに第六項、第七項及び次項の事業のほか、他の事業を行うことができない。

一 機械類その他の物件を使用させる契約であつて次に掲げる要件の全てを満たすものに基づき、当該物件を使用させる事業

イ 契約の対象とする物件(以下この号において「リース物件」という。)を使用させる期間(以下この号において「使用期間」という。)の中途において契約の解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものとして主務省令で定めるものであること。

ロ 使用期間において、リース物件の取得価額から当該リース物件の使用期間の満了の時において譲渡するとした場合に見込まれるその譲渡対価の額に相当する金額を控除した額及び固定資産税に相当する額、保険料その他当該リース物件を使用させるために必要となる付随費用として主務省令で定める費用の合計額を対価として受領することを内容とするものであること。

ハ 使用期間が満了した後、リース物件の所有権又はリース物件の使用及び収益を目的とする権利が相手方に移転する旨の定めがないこと。

二 前号に掲げる事業の代理又は媒介

㉔ 第一項第三号の事業を行う農業協同組合連合会は、組合員のために、次の事業を行うことができる。

一 組合員から取得した当該組合員に関する情報を当該組合員の同意を得て第三者に提供する事業その他当該農業協同組合連合会の保有する情報を第三者に提供する事業であつて、当該農業協同組合連合会の行う第一項第二号若しくは第三号の事業の高度化又は当該農業協同組合連合会の利用者の利便の向上に資するもの

二 当該農業協同組合連合会の保有する人材、情報通信技術、設備その他の当該農業協同組合連合会の行う第一項第二号又は第三号の事業に係る経営資源を主として活用して行う事業であつて、地域の活性化、産業の生産性の向上その他の持続可能な社会の構築に資する事業として主務省令で定めるもの

三 前二号の事業に附帯する事業

㉕ 第一項第十号の事業を行う農業協同組合連合会は、同項、第二項及び第五項の規定にかかわらず、同号の事業に附帯する事業及び第八項の事業のほか、他の事業を行うことができない。

第十条の二 組合は、前条の事業を行うに当たつては、組合員に対しその利用を強制してはならない。