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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

代理人が本人名義の記名捺印をもつてした手形振出は有効か

 

 

約束手形金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和36年(オ)第402号

【判決日付】      昭和37年7月6日

【判示事項】      代理人が本人名義の記名捺印をもつてした手形振出は有効か

【判決要旨】      手形振出の代理権限を有する者が本人の記名捺印を代つてする権限をも与えられている場合に、本人名義の記名捺印をもつてした手形振出は、手形代理行為として有効である。

【参照条文】      手形法

             手形法77-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集16巻7号1491頁

 

 

 

手形法

第八条 代理権ヲ有セザル者ガ代理人トシテ為替手形ニ署名シタルトキハ自ラ其ノ手形ニ因リ義務ヲ負フ其ノ者ガ支払ヲ為シタルトキハ本人ト同一ノ権利ヲ有ス権限ヲ超エタル代理人ニ付亦同ジ

 

第七十七条 左ノ事項ニ関スル為替手形ニ付テノ規定ハ約束手形ノ性質ニ反セザル限リ之ヲ約束手形ニ準用ス

一 裏書(第十一条乃至第二十条)

二 満期(第三十三条乃至第三十七条)

三 支払(第三十八条乃至第四十二条)

四 支払拒絶ニ因ル遡求(第四十三条乃至第五十条、第五十二条乃至第五十四条)

五 参加支払(第五十五条、第五十九条乃至第六十三条)

六 謄本(第六十七条及第六十八条)

七 変造(第六十九条)

八 時効(第七十条及第七十一条)

九 休日、期間ノ計算及恩恵日ノ禁止(第七十二条乃至第七十四条)

② 第三者方ニテ又ハ支払人ノ住所地ニ非ザル地ニ於テ支払ヲ為スベキ為替手形(第四条及第二十七条)、利息ノ約定(第五条)、支払金額ニ関スル記載ノ差異(第六条)、第七条ニ規定スル条件ノ下ニ為サレタル署名ノ効果、権限ナクシテ又ハ之ヲ超エテ為シタル者ノ署名ノ効果(第八条)及白地為替手形(第十条)ニ関スル規定モ亦之ヲ約束手形ニ準用ス

③ 保証ニ関スル規定(第三十条乃至第三十二条)モ亦之ヲ約束手形ニ準用ス第三十一条末項ノ場合ニ於テ何人ノ為ニ保証ヲ為シタルカヲ表示セザルトキハ約束手形ノ振出人ノ為ニ之ヲ為シタルモノト看做ス

 

有価証券の信用取引における保証金代用の有価証券の売却処分と業務上横領罪の成否

 

保証金代用証券の売却処分と横領罪の成否

最高裁判所第3小法廷決定/昭和40年(あ)第1027号

昭和41年9月6日

証券取引法違反、業務上横領、詐欺被告事件

【判示事項】    有価証券の信用取引における保証金代用の有価証券の売却処分と業務上横領罪の成否

【判決要旨】    有価証券の信用取引において、証券業者が、顧客から保証金の代用として預託を受けた有価証券につき、顧客の同意の範囲外である売却処分をしたときは、業務上横領罪が成立する。

【参照条文】    刑法253

          証券取引法49

          証券取引法51

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集20巻7号759頁

 

刑法

(業務上横領)

第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

 

金融商品取引法

(事業報告書の提出等に関する特例)

第四十九条 金融商品取引業者が外国法人である場合における第四十六条の三第一項の規定の適用については、同項中「三月以内」とあるのは、「政令で定める期間内」とする。

2 金融商品取引業者が外国法人である場合における第四十六条の六第一項の規定の適用については、同項中「資本金」とあるのは「持込資本金」と、「準備金」とあるのは「国内の営業所又は事務所において積み立てられた準備金」と、「固定資産」とあるのは「国内の営業所又は事務所における固定資産」とする。

3 金融商品取引業者が外国法人又は外国に住所を有する個人である場合における第四十七条の二の規定及び登録金融機関が外国法人である場合における第四十八条の二第一項の規定の適用については、これらの規定中「三月以内」とあるのは、「政令で定める期間内」とする。

 

(金融商品取引業者に対する業務改善命令)

第五十一条 内閣総理大臣は、金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該金融商品取引業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

第16章 会社分割等における債権者の保護

 

 (1) 分割会社に知れていない債権者の保護

 

 会社分割に異議を述べることができる吸収分割会社又は新設分割会社(分割会社)の債権者であって、各別の催告を受けなかったもの(分割会社が官報公告に加え日刊新聞紙に掲載する方法又は電子公告による公告を行う場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。)は、吸収分割契約又は新設分割計画において会社分割後に分割会社又は承継会社等(吸収分割承継会社又は新設分割設立会社をいう。)のいずれか一方に対してしか債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、分割会社及び承継会社等の双方に対して、分割会社が会社分割の効力が生じた日に有していた財産の価額又は承継会社等が承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。(第759条第2項・第3項、第761条第2項・第3項、第764条第2項・第3項、第766条第2項・第3項関係)

 

詐害的会社分割とは、分割会社が,承継会社に債務の履行の請求をすることができる債権者(承継債権者)と,当該請求をすることができない債権者(残存債権者)を恣意的に選別した上で,承継会社に優良事業や資産を承継させるなどする会社分割をいいます。

 

詐害的会社分割が行われた場合に,残存債権者の保護を直接的かつ簡明に図るために,分割会社が残存債権者を害することを知って会社分割をした場合には,残存債権者は,承継会社等に対して,承継した財産の価額を限度として,債務の履行を請求することができることとされました。

 

分割会社が、承継会社に承継されない債務の債権者(残存債権者)を害することを知って会社分割をした場合には、残存債権者は承継会社等に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができるようになりました(759条第4項、761条第4項)。これは、承継会社に債務の履行を請求できる債権者と請求できない債権者を恣意的に選別した上で、承継会社に優良事業や資産を承継させるといった会社分割が行われた場合に、残存債権者を保護するための規定です。

 

 (2) 事業譲渡についても、上記と同様の規定を設ける。(第23条の2関係)

 

 

退任慰労金減額の取締役会決議につき議長である代表取締役に不法行為の成立を認めた事例

 

 

退職慰労金等請求控訴事件

【事件番号】      福岡高等裁判所宮崎支部判決/令和3年(ネ)第182号

【判決日付】      令和4年7月6日

【判示事項】      退任慰労金減額の取締役会決議につき議長である代表取締役に不法行為の成立を認めた事例

【判決要旨】      株主総会決議が原告に支給する退任慰労金につき、取締役退任慰労金内規を適切に解釈適用し、その額を算定することを取締役会に委任するものであった場合において、取締役会決議は株主総会決議の委任の範囲を誤り、与えられた裁量を逸脱ないし濫用したものであり、また、代表取締役には株主総会決議の委任の範囲または内規の解釈適用を誤った過失があったと認められるから、代表取締役および会社は原告に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

【参照条文】      会社法361

             会社法350

             民法709

【掲載誌】        金融・商事判例1657号35頁

 

 

会社法

(代表者の行為についての損害賠償責任)

第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

 

(取締役の報酬等)

第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。

一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額

二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法

三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項

イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容

2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。

3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。

4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。

5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。

6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。

7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。

一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの

二 監査等委員会設置会社

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

                 ミシンを指定商品とする商標「シンカ」と「シンガー」とは類似するか

 

最高裁判所第3小法廷判決/昭和33年(オ)第766号

昭和35年10月4日

商標登記願拒絶査定抗告審判審決取消事件

【判示事項】    ミシンを指定商品とする商標「シンカ」と「シンガー」とは類似するか

【判決要旨】    「シンガーミシン」がその呼称で世界的に著名な裁縫機械として取引されているという取引事情の下では、ミシンを指定商品とする商標「シンカ」と「シンガー」とは呼称が類似し、類似の商標と認むべきである。

【参照条文】    商標法(旧)2-1

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集14巻12号2408頁

 

商標法

(商標登録を受けることができない商標)

第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

一 国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標

二 パリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章(パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国旗を除く。)であつて、経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標

三 国際連合その他の国際機関(ロにおいて「国際機関」という。)を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標(次に掲げるものを除く。)

イ 自己の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似するものであつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

ロ 国際機関の略称を表示する標章と同一又は類似の標章からなる商標であつて、その国際機関と関係があるとの誤認を生ずるおそれがない商品又は役務について使用をするもの

四 赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号)第一条の標章若しくは名称又は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第百五十八条第一項の特殊標章と同一又は類似の商標

五 日本国又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の政府又は地方公共団体の監督用又は証明用の印章又は記号のうち経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章を有する商標であつて、その印章又は記号が用いられている商品又は役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするもの

六 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標

七 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標

八 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)

九 政府若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの又は外国でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会の賞と同一又は類似の標章を有する商標(その賞を受けた者が商標の一部としてその標章の使用をするものを除く。)

十 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十二 他人の登録防護標章(防護標章登録を受けている標章をいう。以下同じ。)と同一の商標であつて、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用をするもの

十三 削除

十四 種苗法(平成十年法律第八十三号)第十八条第一項の規定による品種登録を受けた品種の名称と同一又は類似の商標であつて、その品種の種苗又はこれに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十五 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)

十六 商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標

十七 日本国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章又は世界貿易機関の加盟国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒若しくは蒸留酒について使用をすることが禁止されているものを有する商標であつて、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒について使用をするもの

十八 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標

十九 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)

2 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを行つている者が前項第六号の商標について商標登録出願をするときは、同号の規定は、適用しない。

3 第一項第八号、第十号、第十五号、第十七号又は第十九号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。

 

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コメント

相続に関する判例・裁判例を簡潔に網羅している。

家庭裁判所の実務では、とある論述は、根拠となる出典が必要であろう。

 

目次

第1編 遺産分割

第1章 遺産の調査

1 遺産調査先

2 文書提出命令による相続税申告書の開示

3 金融機関への預金取引経過の開示請求

(1) 預金が解約されていない場合  (2) 預金が解約されている場合

4 過払い金の調査

第2章 相続人と相続分

1 配偶者相続人(民890)

(1) 内縁の配偶者の相続権  (2) 形骸化した配偶者と遺族給付金  (3) 臨終婚  (4) 婚姻意思と離婚意思  (5) 近親婚・公益的理由による婚姻の取消し

2 子

(1) 非嫡出子の相続分  (2) 他人の子を実子として届け出た場合(藁の上からの養子)  (3) 節税目的・相続目的での養子縁組  (4) 無効な離縁の追認  (5) 全部包括遺贈を受けた第三者の養子縁組無効の当事者適格

3 推定相続人

4 代襲相続

(1) 代襲相続・再転相続・数次相続の違い  (2) 同時死亡・相続放棄  (3) 養子の子  (4) 相続資格の重複  (5) 代襲相続と特定財産承継遺言  (6) 代襲相続と死因贈与

5 所在不明の相続人

(1) 相続財産管理人制度と不在者財産管理人制度  (2) 失踪宣告(民30・31)と不在者財産管理人制度(民25)  (3) 家事事件手続法146 条の2  (4) 危難失踪(民30 ②)の認定裁判例

6 遺産分割前の相続人間の法律関係

(1) 登記抹消請求権  (2) 相続人の使い込み  (3) 取得時効の援用  (4) 遺産分割前の預金を、相続人の債権者が差押えし、譲渡命令を得た場合

7 共有物の管理が不十分な場合の管理者・管理人

第3章 相続分譲渡と相続分放棄

1 相続分放棄

(1) 意義・効果  (2) 注意点  (3) 在日韓国人の相続分放棄

2 相続分譲渡(民905)

(1) 認定  (2) 性質  (3) 対抗問題・許認可  (4) 相続分譲渡と遺産分割  (5) 相続分譲渡と遺産確認訴訟の当事者  (6) 個々の遺産共有持分権譲渡との関係  (7) 行為能力  (8) 遺産分割調停の当事者目録

第4章 遺産分割調停の進行方法

1 遺産分割調停の段階的進行方式

2 前提問題の判断

3 「なさず」

4 分割禁止審判

5 中間調書による合意の撤回の可否

6 遺産分割調停無効確認の訴え

7 遺産分割調停・審判の二重申立て

8 相続人の範囲で争いがある場合

9 具体的相続分の期間制限との関係

第5章 遺産の範囲

1 遺産分割対象財産5要件

2 承継される財産と承継されない財産

(1) 建物所有目的の土地使用貸借権  (2) 死後事務委任契約  (3) 生命侵害の不法行為による損害賠償請求権  (4) 遺留分侵害額請求権  (5) 財産分与請求権  (6) 内縁解消後の財産分与請求権  (7) 建物賃借権と内縁の配偶者  (8) 特別縁故者の財産分与請求権  (9) 相続回復請求権  (10) 扶養請求権  (11) 身分上の権利  (12) ジョイント・アカウント  (13) 組合員間の契約  (14) 労働契約上の地位  (15) 生活保護受給権  (16) 公営住宅利用権  (17) 風俗営業許可  (18) その他  (19) 配偶者居住権

3 相続以外の理由で承継される財産と相続で承継される財産

(1) 老人ホーム入居一時金  (2) 遺族年金  (3) 退職年金  (4) 未支給年金  (5) 障害基礎年金及び障害厚生年金  (6) 小規模企業共済金  (7) 所得税等に係る過納金の還付請求権  (8) その他

4 金融資産

(1) 原則  (2) 相続後に、被相続人名義の口座に入金された賃料・代償財産等  (3) 投資信託  (4) 持分会社における死亡による退社を原因とする払戻請求権  (5) 在日韓国人の預金債権  (6) 預金と死因贈与

5 現金

6 遺産共有持分権

7 生命保険金

(1) 保険金受取人指定の場合  (2) 保険金受取人が「相続人」とのみ記載されている場合  (3) 約款で「受取人未指定の時は、受取人は「相続人」」と規定されている場合  (4) 「相続人」としか指定しておらず受取割合の指定がない場合  (5) 受取人を「相続人」と規定している場合に、相続人全員が相続放棄をした場合  (6) 受取人を「相続人」と規定している場合に、共同相続人の一人が相続放棄をした場合  (7) 保険金が遺産になる場合  (8) 生命保険受取人が被保険者より先に死亡した場合  (9) 生命保険受取人が被保険者と同時に死亡した場合

8 満期保険金請求権

9 死亡退職金

(1) 原則  (2) 反対判例  (3) 内縁の配偶者  (4) 死亡退職金を遺贈した場合  (5) 死亡退職金の受給権者が決まっておらず決議した場合

10 ゴルフ会員権

11 借家権

(1) 原則  (2) 共同相続人の一人が居住している場合  (3) 共同相続人に対する解除の意思表示

12 相続後に発生した債権債務

(1) 遺産から生じた果実・収益の帰属  (2) 他の相続人が相続分を超えて費消した場合  (3) 法定果実を遺産分割対象とする場合  (4) 株式の配当金  (5) 投資信託の元本償還金・収益分配金  (6) 遺産管理費用  (7) 相続税  (8) 米生産調整奨励補助金

13 可分債権

(1) 原則  (2) 可分債権の具体例 自動車損害賠償補償法72 条の補償金

14 祭祀財産

(1) 相続との関係  (2) 祭祀財産の種類  (3) 遺骨  (4) 位牌・リン等

15 債務

(1) 原則  (2) 身元保証  (3) 身元保証以外の継続的債務の保証  (4) 敷金

16 代償財産

(1) 相続時・分割時同時存在の原則  (2) 例外  (3) 反対の裁判例

17 形見分け対象財産

18 その他の財産権

(1) 知的財産権  (2) 営業権  (3) 暗号資産(仮想通貨)

19 名義預金

(1) 遺産相続  (2) 相続税務

20 無権代理人の責任

21 遺産確認訴訟

(1) 遺産確認訴訟の適法性  (2) 固有必要的共同訴訟  (3) 相続人の一人が遺産に対する別訴の所有権確認訴訟で敗訴している場合

第6章 遺産の評価

1 評価基準時

2 不動産の評価方法

(1) 原則  (2) その他の方法による鑑定  (3) 自用地論  (4) 建物所有目的の土地使用貸借権の評価  (5) 抵当権付不動産の評価

3 債権の評価

(1) 原則  (2) 国税庁の財産評価基本通達

4 完全閉鎖会社の株式の評価

〈参考 譲承認請求等の算定方法〉

第7章 特別受益

1 意義と認定基準

(1) 意義  (2) 認定基準

2 特別受益の当事者

(1) 推定相続人の家族への贈与  (2) 推定相続人の家族への贈与が特別受益になる場合  (3) 被相続人の経営する会社からの贈与  (4) 代襲相続と被代襲者の特別受益  (5) 代襲前の贈与  (6) 代襲相続前の贈与が例外的に特別受益になる場合  (7) 再転相続と特別受益  (8) 数次相続と特別受益

3 特別受益の評価基準時

(1) 原則  (2) 具体的相続分の算定式  (3) 金銭  (4) 受贈財産が滅失し又は価額の増減があった場合  (5) 受益に負担がある場合

4 割合的認定

5 特定財産承継遺言・死因贈与と特別受益

6 婚姻のための贈与(結納金・挙式費用・結婚支度金)

7 生計の資本

(1) 「特別受益」とされるための3要件  (2) 自動車・家電製品・宝石・着物等  (3) 相続分  (4) 定期積立金

8 「贈与」に該当するもの・しないもの

(1) 「報いる」ための贈与と農業従事者への贈与  (2) 寄与よりも高額な受益  (3) 自創法により被相続人である小作人が土地を買い受ける際、その一部を相続人が買い受けた場合  (4) 抵当権の設定と共有持分権の放棄

9 扶養義務の範囲を超えるか否かを金額で判断する場合

(1) 10万円基準の裁判例  (2) 100万円基準の裁判例

10 学費

(1) 大学進学費用  (2) 私立大学医学部・歯学部等入学金・学費  (3) 大学院

の学費・留学費用  (4) 相続人の一人に知的しょうがいがある場合

11 不動産利用権をめぐる問題 97

(1) 建物所有目的の土地の使用貸借権の設定  (2) 建物使用貸借権と裁判例  (3) 被相続人の借地権に代えて、あらたに借地権を設定した場合  (4) 相続人が底地価格で底地を買い受けた場合

12 生命保険金

(1) 原則  (2) 例外  (3) 掛け捨て保険の場合  (4) 最二小決平成16・10・

29 以前の裁判例

13 死亡退職金

(1) 肯定説・否定説  (2) 折衷説

14 弔慰金と特別受益

(1) 原則  (2) 例外  (3) 相続税法  (4) 弔慰金を特別受益に準じた裁判例

15 退職金年金

16 黙示の持ち戻し免除の意思表示

(1) 遺言  (2) 配偶者への贈与  (3) 夫婦間の持ち戻し免除の推定規定(民903 4)  (4) 全員に等しく受益がある場合の持ち戻し免除の裁判例  (5) 等しく利益を受けていても、扶養義務の程度が異なる場合  (6) 特別受益の対価として扶養がある場合  (7) 永年の功労に報いる場合  (8) お詫びの気持ちがある場合  (9) 寄与分も特別受益もある場合

17 10 年の期間経過後の不適用(民904 の3・1044 3)

(1) 原則  (2) 例外  (3) 適用時期

18 相続人全員が法定相続分での分割を希望した場合

19 特別受益相続分不存在証明書

(1) 登記  (2) 裁判例

第8章 寄与分総論

1 意義・制度趣旨

(1) 昭和56 年1月1日以降の相続人  (2) 内縁の配偶者の寄与・昭和55年12月31 日以前の相続人  (3) 対象者

2 寄与分共通の認定要件

3 寄与分の時間的限界

(1) 相続開始後の寄与  (2) 相続開始後の寄与を否定した裁判例  (3) 相続開始後の寄与を遺産管理費用として認めた裁判例

4 履行補助者論(「相続人自身の寄与」例外1)

(1) 履行補助者論認定要件  (2) 療養看護型寄与の履行補助者論  (3) 家業従事型寄与の履行補助者論  (4) 金銭出資型寄与の履行補助者論  (5) 履行補助者論主張のための確認事項  (6) 特別寄与料請求制度との関係

5 代襲相続人の寄与(「相続人自身の寄与」例外2)

(1) 被代襲者に寄与がある場合  (2) 代襲者に寄与がある場合  (3) 被代襲者・代襲者ともに寄与がある場合  (4) 被代襲者が相続欠格に該当する場合、廃除された場合、放棄した場合

6 配偶者の寄与分

(1) 配偶者の内助の功と寄与分  (2) 配偶者の収入が被相続人より多い場合  (3) 配偶者が被相続人の生活費を負担している場合  (4) 扶養型の寄与が認められる場合

7 寄与分の申立て

(1) 寄与分の申立てと遺産分割審判の関係  (2) 申立てがない場合の寄与分考慮の可否  (3) 寄与分の申立時期

8 寄与分の計算

(1) 寄与分の評価基準時  (2) 寄与分算定の具体的方法  (3) 相続人に複数の寄与がある場合

9 寄与分と特別受益

(1) 原則  (2) 寄与分が特別受益より多額な場合  (3) 寄与分と特別受益が同等、又は特別受益が多額な場合

10 寄与分と遺留分・遺贈・相続分・遺言との関係

(1) 遺留分との関係  (2) 遺贈との関係  (3) 相続分の指定との関係  (4) 遺言による寄与分の指定

11 寄与分制度のない台湾相続法と日本の公序

第9章 寄与分各論

1 療養看護型寄与

(1) 要件と立証書類  (2) 必要性と特別な貢献1 立証方法  (3) 必要性と特別な貢献2 よくある主張  (4) 必要性と特別な貢献3 認知症による常時見守り  (5) 必要性と特別な貢献4 家事労働  (6) 無償性1 居住の利益  (7) 無償性2 金銭受領  (8) 無償性3 使途不明金問題  (9) 無償性4 確認事項  (10) 専従性1 専従と専業・専念の区別  (11) 専従性2 微妙なケース  (12) 専従性確認事項  (13) 要介護度認定基準表  (14) 計算式  (15) 相続時と分割時で遺産評価額が異なる場合の計算方法  (16) 介護保険制度施行(平成12 年4月1日施行)以前の介護  (17) 介護報酬基準額に基づく身体介護報酬額以外の基準を用いた裁判例  (18) 入院期間の除外  (19) 介護サービス期間の除外(日数調整方式と裁量割合調整方式)  (20) 介護者による喀痰吸引・経管栄養  夜間・早朝の介護

2 家業従事型寄与

(1) 要件1 認定要件と立証書類  (2) 要件2 報告書記載事項  (3) 特別な貢献  (4) 無償性1 無償  (5) 無償性2 著しく低い場合  (6) 著しく低いか否の判断材料  (7) 専従性  (8) 会社への寄与  (9) 計算式 原則 金額方式  (10) 農業従事型の寄与分算定  (11) 農業従事型寄与分に関する裁判例  (12) 農業以外で家業従事型寄与が認められた例

3 金銭等出資型寄与

(1) 要件  (2) 立証書類  (3) 対象  (4) 特徴  (5) 特別の貢献  (6) 無償性1 貸付け  (7) 無償性2 無利息融資  (8) 無償性3 被相続人と同居していた推定相続人の寄与  (9) 無償性4 居住の利益  (10) 因果関係1 相続人が専ら生活費を負担していた場合  (11) 因果関係2 共働き夫婦の寄与分  (12) 高額な寄与を認めた裁判例  (13) 遺産の1/3、1/2 という寄与分を認めた裁判例  (14) 婚姻前の特有財産を資金源として住宅を購入した場合の寄与  (15) 被相続人の経営する会社への出資等の金銭援助  (16) 相続人の経営する会社から被相続人への金銭の支払  (17) 立証方法

4 財産管理型寄与

(1) 要件と立証書類  (2) 特別の貢献  (3) 無償性  (4) 因果関係1 財産の売却交渉、訴訟活動  (5) 因果関係2 資金運用・不動産高騰

5 扶養型寄与

(1) 要件と立証書類  (2) 扶養型寄与分を認めた裁判例  (3) 過去の扶養料求償との関係  (4) 扶養型寄与分否定説

第10 章 特別寄与料請求権

1 意義

(1) 意義と要件(民1050)  (2) 子の配偶者と内縁の配偶者  (3) 特別の意義  (4) 認定要件  (5) 相手方

2 権利行使と期間

(1) 権利行使方法  (2) 権利行使期間

第11 章 具体的相続分の算定

1 具体的相続分の算定式

2 具体的相続分の法的性質(民898 ②)

3 具体的相続分確認の訴え

(1) 最高裁判例  (2) 下級審判例

4 具体的相続分に基づく審判前の保全処分(不動産処分禁止の仮処分)

(1) 問題点  (2) 対策  (3) 申立ての趣旨  (4) 申立ての理由  (5) 裁判例

5 超過特別受益者がいる場合の具体的相続分算定方法

(1) 問題点  (2) 具体的相続分基準説と本来的相続分基準説

6 超過特別受益と寄与分

7 相続開始時から10 年経過した後の具体的相続分の主張制限

(1) 民法904 条の3・家事事件手続法199 条  (2) 民法904 条の3の「やむを得ない事由」  (3) 適用時期

第12 章 具体的な分割方法

1 遺産分割の順番

(1) 不動産の分割方法  (2) 不動産が審判で「共有」とされる場合  (3) 預金の分割方法  (4) 実務の現況

2 現物分割原則の例外

(1) 上場株式の現物分割  (2) 中小企業の株式  (3) 農地

3 代償分割

(1) 取得者の選択基準  (2) 取得者に関する裁判例  (3) 支払能力  (4) 支払猶予等した裁判例  (5) 超過特別受益者と代償分割  (6) 法定相続分での相続登記が先行している場合の更正登記  (7) 明渡しを命ずる主文

4 換価分割

(1) 代償分割との順位  (2) 具体的相続分による遺産分割審判で遺産の一部である不動産の換価を命ずる場合  (3) 遺産分割中に数次相続が生じた場合の換価代金  (4) 所在不明の相続人がいる場合の換価分割

5 共有分割

(1) 原則  (2) 相続人融和目的での「共有」審判  (3) 換価分割が相続人の生活の糧を奪うとき

6 分割禁止審判

(1) 分割禁止審判が出る場合  (2) 換価分割が一部の相続人にあまりに過酷な場合  (3) 遺産分割禁止審判の期間制限

7 遺産分割と利用権の設定

(1) 建物に居住権を認める審判  (2) 土地建物が分割帰属する場合の土地利用権の設定  (3) 利用権の設定を拒否する審判

8 複数の遺産分割の一括判断

9 相続人全員の合意があっても遺産分割審判対象にできないもの

10 一部分割

(1) 手続  (2) 一部分割の残余財産に与える影響

11 中間処分としての遺産の換価(家事194)

12 遺産共有と通常共有が併存する不動産の分割方法

(1) 相続時から10 年以内  (2) 相続時から10年経過

13 遺産分割のやり直し

(1) 合意による再分割  (2) 遺言と異なる遺産分割  (3) 遺言執行者が就任している場合の遺言と異なる遺産分割  (4) 相続人の債務不履行による遺産分割の解除  (5) 錯誤による遺産分割の無効・取消し  (6) 遺産分割と詐害行為取消権

14 一部の相続人による強引な遺産分割

15 取得希望者のいない「負」動産(相続土地国庫帰属法)

第2編 その他の相続手続

第1章 相続の放棄・単純承認・限定承認

1 熟慮期間

(1) 熟慮期間の起算点  (2) 相続財産の存在についての認識の要否  (3) 資産の認識はあるが負債を認識していなかった場合  (4) 法の不知から「負債は相続しない」と誤信した場合  (5) 熟慮期間経過に錯誤がある場合  (6) 再転相続の場合  (7) 制限行為能力者の特則  (8) 承認・放棄前の法定代理人の地位喪失

2 相続放棄

(1) 相続放棄の意思  (2) 受理証明の効果  (3) 申述書への自署の要否  (4) 撤回の可否  (5) 法定代理人との利益相反  (6) 相続放棄の効果  (7) 詐害行為取消権との関係  (8) 相続資格の重複  (9) 相続放棄後の財産管理  

(10) 相続人全員が相続放棄した場合

3 法定単純承認

(1) 原則(民921)  (2) 相続の認識  (3) 相続放棄・限定承認後の処分行為  (4) 処分行為に関する裁判例  (5) 注意点  (6) 背信行為(民921 Ⅲ)  (7) 隠匿  (8) 私(ひそか)に消費すること  (9) 悪意の財産目録への不記載

3 相続の承認・放棄の取消し

(1) 原則  (2) 無効の場合

4 限定承認

(1) 意義  (2) 既判力  (3) 相続人の先買権(民932)

第2章 価額支払請求権(民910)

1 原則

2 訴訟手続

3 消滅時効

4 消極財産算入の可否

5 母の共同相続の場合

6 遺産の価額の算定基準時と履行遅滞

7 価額支払請求権者の相手方に対する請求割合

第3章 相続回復請求権

1 被告

(1) 不真正相続人  (2) 善意無過失の共同相続人

2 行使方法

3 消滅時効

4 取得時効の抗弁の可否

第4章 相続人の欠格・廃除

1 相続欠格

(1) 欠格事由  (2) 遺言書の偽造・変造  (3) 遺言書の隠匿  (4) 二重の故意  (5) 欠格手続  (6) 欠格の宥恕

2 廃除

(1) 廃除制度  (2) 法的性質  (3) 廃除に必要なレベル  (4) 「虐待又は重大な侮辱」が認定された裁判例  (5) 「その他著しい非行」が認定された裁判例  (6) 「虐待又は重大な侮辱」が認定されなかった裁判例  (7) 親族間紛争(離婚・離縁)での廃除についての裁判例  (8) 被相続人の側に誘発責任がある場合についての裁判例  (9) 廃除の効果と対抗問題  (10) 廃除と相続  (11) 廃除の抗告  (12) 別件訴訟で和解した場合

第5章 特別縁故者

1 特別縁故者の範囲

(1) 3つの類型  (2) 「被相続人と生計を同じくしていた者」と認定した裁判例  (3) 「家族共同体の一員」でありながら特別縁故が否定される場合  (4) 「被相続人の療養看護に努めた者」についての裁判例  (5) 療養看護に努めても特別縁故者が否認される場合  (6) 「その他被相続人と特別の縁故があった者」  (7) 密接な関係か否かの認定基準に関する裁判例  (8) 被相続人の生前の意思の尊重

2 特別縁故者になれる者・なれない者

(1) 特別縁故者が複数存在する場合  (2) 相続放棄者  (3) 親族後見人  (4) 死後縁故

3 特別縁故者への財産分与額

4 その他

(1) 相続人なくして死亡した場合の共有持分と特別縁故の関係  (2) 分与されなかった財産の国庫への帰属時期  (3) 遺言無効確認の利益

第3編 遺言

第1章 遺言文言の解釈

1 遺言解釈の原則

2 最高裁の遺言解釈に関する諸原則

(1) 第1原則 合理的意思解釈  (2) 第2原則 遺言文言解釈で考慮すべき事項  (3) 第3原則 有効になるような合理的意思解釈と考慮できる事情  (4) 第4原則 文言の枠

3 その他の最高裁判例

4 下級審判例

5 廃除の文言はないが廃除と認められた裁判例

6 分割の指定か相続分の指定か不明の場合

7 同じ文言で東京高裁と大阪高裁で判断が分かれた裁判例

8 訴訟

第2章 遺言能力

1 遺言能力と意思能力

(1) 遺言能力の認定基準  (2) 判例の判断基準  (3) 遺言能力と認知症

2 遺言能力を否定した近時の裁判例

(1) 公正証書遺言を無効とした裁判例  (2) 自筆証書遺言を無効とした裁判例  (3) 高裁と地裁で判断が分かれた事案

3 その他の遺言無効裁判例

(1) 公正証書遺言  (2) 自筆証書遺言

第3章 遺言と民法総則

1 公序良俗違反

(1) 不倫関係と最高裁判例  (2) 下級審判例(有効とした裁判例)  (3) 下級審判例(無効とした裁判例)  (4) 不倫関係以外の公序良俗違反

2 詐欺・錯誤

(1) 詐欺・錯誤の適用  (2) 改正民法  (3) 錯誤に関する裁判例  (4) 錯誤に関するその他の裁判例

第4章 遺言の撤回及び取消し

1 遺言・死因贈与の撤回

(1) 遺言の撤回  (2) 死因贈与の撤回の自由  (3) 死因贈与が撤回できない場合

2 抵触行為

(1) 「抵触」の範囲・身分行為  (2) 一部しか抵触しない場合  (3) 生前処分が詐欺や通謀虚偽表示で無効な場合  (4) 生前処分が停止条件付の場合  (5) 同日の遺言で前後が判断できる場合  (6) 抵触しないとされた裁判例

3 破棄

4 撤回遺言の撤回

5 負担付遺贈の取消し

(1) 負担付遺贈の実務  (2) 死因贈与・特定財産承継遺言の場合  (3) 不履行による取消しが認められない場合

第5章 各種遺言の有効要件

1 各種遺言の有効要件

2 公正証書遺言

(1) 証人の立会い欠如で無効となる場合と有効となる場合  (2) 証人の立会いの欠如を理由として無効とした裁判例  (3) 証人となることができない者が同席していた場合の遺言の効力  (4) 盲人を証人とした場合  (5) 口授に関する最高裁判例  (6) 口授に関する下級審判例  (7) 署名不能

3 自筆証書遺言

(1) メモか遺言書か  (2) 全文の自書と厳格解釈の原則  (3) ワープロ打ちした財産目録に民法968 条2項の署名・押印がない場合  (4) 自書能力  (5) 筆跡鑑定の証明力  (6) 自書と添え手  (7) 添え手で有効とした裁判例と無効とした裁判例  (8) カーボン複写  (9) タイプ・コピー・ワープロ等  (10) 遺言の一部が自筆でないとき  (11) 日付の記載  (12) 遺言書作成日と日付が異なる場合  (13) 封筒にのみ日付の記載がある場合  (14) 署名  (15) 自筆証書遺言で押印が要求される趣旨  (16) 押印の有効性に関する裁判例  (17) 帰化人と押印  (18) 加除訂正(民968 ③)  (19) 自筆証書遺言無効確認訴訟における立証責任  (20) 無効な自筆証書遺言が死因贈与と認定される場合   無効な自筆証書遺言による認知

4 秘密証書遺言

(1) 公証人に申述すべき筆者  (2) 筆者の住所・氏名等が一部記載がない場合  (3) 受遺者と証人欠格事由

5 危急時遺言(民976)

(1) 危急の必要性の程度  (2) 危急時遺言に関する裁判例  (3) 確認の審判(民976 ④)と遺言者の真意の確認の程度  (4) 方式不備疑いのある遺言の確認審判  (5) 20 日経過後の確認審判申立て  (6) 危急時遺言作成から6か月生存した場合

6 共同遺言の禁止

(1) 立法趣旨  (2) 共同遺言かどうかの判断基準  (3) 共同遺言形式だが、関連していない場合

7 遺言作成における証人・立会人

8 後継ぎ遺贈

第6章 民事信託作成

1 民事信託の現状

2 遺留分制度潜脱に利用された民事信託

3 弁護士・司法書士のリスク説明義務

4 執行妨害目的の民事信託

第4編 遺産分割付随問題

第1章 祭祀承継

1 祭祀承継者の決定基準

(1) 決定順序  (2) 家裁が祭祀承継者を決める基準  (3) 祭祀承継者の決定についての裁判例  (4) 協議による祭祀承継者の決定  (5) 複数人の祭祀財産承継者の指定  (6) 祭祀承継者と葬儀費用・埋葬費用についての裁判例  (7) 墓参りの権利  (8) 分骨請求訴訟  (9) 地位確認訴訟  (10) 被相続人の生死・相続人が不明な場合

第2章 葬儀費用

1 葬儀費用の負担者

(1) 問題点  (2) 葬儀指示主体説  (3) 喪主の概念  (4) 葬儀費用に関する裁判例

2 葬儀費用の範囲

(1) 裁判例  (2) 葬儀費用に関する相続税法の取扱い

第3章 相続開始後の明渡等をめぐる紛争

1 建物所有を目的とした土地使用貸借と借主の死亡

(1) 原則  (2) 期間  (3) 底地が転売された場合

2 遺産共有状態で共同相続人の一人が居住している場合

(1) 配偶者が居住している場合(配偶者短期居住権)(民1037)  (2) 相続人の一人が相続前から相続人と同居していて遺産分割未了の場合  (3) 最三小判平成8・12・17 と短期配偶者居住権との違い  (4) 相続後、相続人の一人が勝手に遺産である家屋で居住を開始した場合  (5) 相続後、相続人の一人が他の相続人の承諾を得て遺産である家屋で居住を開始した場合  (6) 過半数の持分がない相続人が、相続後占有を開始した明渡しを拒否できる場合

3 家屋使用貸借人が死亡した場合の同居人の保護

(1) 原則  (2) 例外

4 内縁の配偶者・事実上の養子の居住保護

(1) 賃貸人からの明渡請求 相続人がいない場合  (2) 賃貸人からの明渡請求 相続人がいる場合  (3) 賃貸人からの明渡請求 重婚的内縁の妻の場合  (4) 賃貸人からの明渡請求に関する裁判例  (5) 相続人からの明渡請求  (6) 相続人からの明渡請求に関する最高裁判例  (7) 相続人からの明渡請求に関する裁判例  (8) 内縁の配偶者が居住用不動産を共有している場合

事項索引

判例索引

商法(平成17年改正前)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力

 

最高裁判所第3小法廷判決/平成22年(受)第1212号

平成24年4月24日

新株発行無効請求事件

【判示事項】    1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力

2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力

3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合

【判決要旨】    1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の細目的な変更をするにとどまるものであるときを除き,無効である。

2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。

3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。

(1~3につき補足意見がある。)

【参照条文】    商法(平17法87号改正前)280の20-2

          商法(平17法87号改正前)280の21-1

          会社法828-1

          会社法199

          会社法201-1

          会社法238

          会社法240-1

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集66巻6号2908頁

 

会社法

(募集事項の決定)

第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。

一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。)

二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法

三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額

四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間

五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項

2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。

 

(公開会社における募集事項の決定の特則)

第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。

2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。

3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。

4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。

 

(募集事項の決定)

第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。

一 募集新株予約権の内容及び数

二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨

三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法

四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。)

五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日

六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項

七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め

2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。

二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。

4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。

 

(募集事項の決定の委任)

第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限

二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨

三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限

2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。

二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。

3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。

4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

 

(公開会社における募集事項の決定の特則)

第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。

2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。

3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。

 

(会社の組織に関する行為の無効の訴え)

第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。

一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内

二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)

三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)

四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)

五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内

六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内

七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内

八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内

九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内

十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内

十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内

十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内

十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内

2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。

一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。)

二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等

三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等

四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者

五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者

六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者

七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者

八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者

九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者

十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者

十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者

十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者

十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者

 

 

第15章 組織再編の差止請求の拡充

従来は、株主による組織再編の差止請求は、略式組織再編についてのみ定められていましたが、略式組織再編以外の組織再編については、差止請求の定めはありませんでした。

合併等の組織再編における株主を保護するため,通常の組織再編についても,株主は,一定の要件の下,組織再編の差止めを請求することができることとされました。

改正により、略式組織再編以外の組織再編についても、株主による事前の差止請求ができるようになりました(784条の2、796条の2、805条の2)。差止請求するためには、組織再編が法令若しくは定款に違反し、かつ、株主が不利益を受けるおそれがあることが要件とされています。

 

対抗力を具備しない土地賃借権者に対する建物収去、土地明渡の請求が権利の濫用となるとされた事例


    家屋収去土地明渡請求事件
【事件番号】    最高裁判所第2小法廷判決/昭和37年(オ)第93号
【判決日付】    昭和38年5月24日
【判示事項】    対抗力を具備しない土地賃借権者に対する建物収去、土地明渡の請求が権利の濫用となるとされた事例
【判決要旨】    甲が乙より土地を賃借した後、右土地の所有権が乙、丙、丁と順次譲渡された場合において、丙は乙の実子であり、丁は乙、丙その他これと血族または姻族関係にある者の同族会社であって、その営業の実態は乙の個人営業をそのまま引き継いだものであり、乙がその中心となっている等原判示のような事情(原判決理由参照)があるときは、甲の右賃借権及びその所有の地上建物につき登記がなくても、丁において、甲の右賃借権が対抗力を有しないことを理由に建物収去、土地明渡を求めることは、権利の濫用として許されない。
【参照条文】    民法1
          建物保護ニ関スル法律1
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集17巻5号639頁


民法
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。

借地借家法
(借地権の対抗力)
第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

 

多量に生産し販売することを目的として製作されている彩色素焼人形(「赤とんぼ」と題する博多人形)が、著作権法にいう美術工芸品に当たるとされた事例

 

長崎地方裁判所佐世保支部決定/昭和47年(ヨ)第53号

昭和48年2月7日

著作権侵害停止仮処分申請事件

【判示事項】    1、多量に生産し販売することを目的として製作されている彩色素焼人形(「赤とんぼ」と題する博多人形)が、著作権法にいう美術工芸品に当たるとされた事例

2、著作権侵害を理由として彩色素焼人形(「赤とんぼ」と題する博多人形)の複製、販売停止等を求める仮処分申請が、容認された事例

【掲載誌】     無体財産権関係民事・行政裁判例集5巻1号18頁

【評釈論文】    別冊ジュリスト128号22頁

          著作権研究6号37頁

 

美術工芸品は、芸術作品や伝統工芸品・骨董品などの総称。

 

著作権法

(定義)

第二条1項 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

2 この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。

 

 

       主   文

 

1 債権者が各債務者に対し保証としてそれぞれ金五〇万円を立てることを条件として

(1)債務者らはいずれも別紙物件目録記載の著作物を複製し、また債務者らの複製した右著作物の複製物を頒布してはならない。

 (2)債務者らの右著作物の複製物、その半製品および石膏型に対する各占有を解いて、長崎地方裁判所佐世保支部執行官にその保管を命ずる。

 (3)執行官は右物件を債務者らにおいて使用しないことを条件として債務者らに保管させることができる。この場合には執行官はその保管にかかることを公示するため適当な方法をとらなければならない。

2 申請費用は債務者らの負担とする。

 

       理   由

 

第1 当事者の求める裁判

 1、申請の趣旨

  1 債務者らは、いずれも別紙物件目録記載の著作物を複製し、または債務者らの複製にかかる右著作物の複製物を頒布してはならない。

  2 債務者らの前項記載の著作物の複製物、その半製品および石膏型に対する占有を解いて執行官に保管を命ずる。執行官は右物件を債権者において使用しないことを条件として債権者に保管させることができる。

  3 右の場合において執行官はその保管にかかることを公示するため適当な方法をとらなければならない。

 2、申請の趣旨に対する答弁

   債権者の申請を却下する。

第2 当事者の主張

 1、申請の理由の要旨

 1 別紙物件目録記載の著作物は、申請外戸畑恵および青木仏の両名が昭和四1年四月から五月にかけて共同創作したものである。

 2 債権者は、昭和四1年四月から五月にかけて右戸畑および青木の両名から前項の著作物にかかる著作権を譲り受けた。

  3 しかるに、債権者波佐見陶芸有限会社および同福田和義は、ともに前記著作物にかかる著作権が右両名以外の者に属することを知りながら、共同してほしいままに、遅くも昭和四六年六月ごろ以降現在に至るまで引き続きこれを複製し、また、債務者奥川陶器株式会社および同奥川正保は、ともに前記複製物が右波佐見陶芸および福田以外の者の著作権を侵害して製造されたものであることを知りながら、共同してほしいままに、右期間これを頒布して、それぞれ前記著作物にかかる債権者の著作権を侵害した。

  4 よつて債権者は、本日債務者四名を相手取つて御庁に対し著作権侵害の排除等を請求する本案訴訟を提起したが、債務者らの著作権侵害行為が現に継続している以上、本案判決確定に至るまでこれを放置しておいては、回復し難い損害を蒙るので、本申請に及んだ次第である。

 2、申請の理由に対する答弁ならびに債務者らの主張の要旨

  1 申請の理由1、2、4記載の各事実は不知。申請の理由3記載の事実中債務者らが債権者の著作権を侵害したとの事実を否認し、その余の外形的事実は認める。

  2 別紙物件目録記載の人形は量産として産業的な利用に供することを目的として創作されたものであるから著作物とはいえない。

第三 当裁判所の判断

 1、本件疎明資料および審尋の結果を総合すると次の事実が1応認められる。

 1 別紙物件目録記載の作品(以下本件人形と略称する)。は通称博多人形と呼ばれる高さ約1九センチメートルの彩色素焼人形で、右は粘土製の人形生地を素焼きのうえ絵の具によつて彩色した工芸品であつて、石膏で型取りして多量に生産し販売することを目的として作られるもので、本件人形も現にそのように生産販売されているものである。

2 債権者は右の博多人形を製作することを目的として設立された有限会社である(なお、右会社の製作した博多人形の販売は資本的に同系の申請外井原博多人形有限会社で行なつている)。。本件人形の「赤とんぼ」は同社の新人形開拓計画の1環として製作されたもので、昭和四1年2月から六月にかけて童謡人形六点のうちの1点として製作されたが、右は「赤とんぼ」なる題を債権者側で決定したうえ、人形師の申請外戸畑恵に依頼して粘土による原型となる人形を作らせ、これを素焼きしたものを人形絵師の申請外青木仏に依頼して彩色させ、よつて完成させたもので、右完成に至るまで債権者側ではそのイメージに合うように右2人の製作者に種種注文をつけて修正させつつ製作させたものである。そして債権者はそのころ申請外戸畑恵に対し型料として、同青木仏に対し絵付け料としてそれぞれ相当の金銭を支払い、同時に本件人形の複製、販売の権利を取得した。

3 右「赤とんぼ」は発売以来好評を博し、その売上額も年々増加し、昭和四六年度においては申請外井原博多人形有限会社の売り上げ本数は八万四四五八本、売り上げ金額は金2、五三三万七、四〇〇円に達し、総売り上げ額の約1八パーセントを占めた(なお同社の取扱人形は約七〇点である)。

4 債務者波佐見陶芸有限会社および同福田和義(右会社の代表取締役)は同奥川正保に依頼されて本件人形の複製物を手に入れ、これを原型に使用し石膏で型取りしてさらに複製物を作成するいわゆる「ポン抜き」という方法で本件人形とそつくりそのままの形、彩色をした粘土の素焼人形を模作し(もつとも、債務者の複製物は、債権者の複製物を原型に使用するため、乾燥、焼き締めの過程で水分を失うため1割程度縮少している)。昭和四六年六月以降現在までその模作を続けており、また債務者奥川陶器株式会社および同奥川正保(右会社の代表取締役)は右「ポン抜き」により模作された人形を本件人形「赤とんぼ」と同1名称を付けて右の期間販売している。

2、本件人形「赤とんぼ」は著作物に該当するか。著作権法の対象となる著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものでなければならないが、前記認定のとおり本件人形「赤とんぼ」は同1題名の童謡から受けるイメージを造形物として表現したものであつて、検甲1号証によればその姿体、表情、着衣の絵柄、色彩から観察してこれに感情の創作的表現を認めることができ、美術工芸的価値としての美術性も備わつているものと考えられる。

 また美術的作品が、量産されて産業上利用されることを目的として製作され、現に量産されたということのみを理由としてその著作物性を否定すべきいわれはない。さらに、本件人形が1方で意匠法の保護の対象として意匠登録が可能であるからといつても、もともと意匠と美術的著作物の限界は微妙な問題であつて、両者の重量的存在を認め得ると解すべきであるから、意匠登録の可能性をもつて著作権法の保護の対象から除外すべき理由とすることもできない。従つて、本件人形は著作権法にいう美術工芸品として保護されるべきである。

三、前記認定のとおり、本件人形の複製、販売の権利、即ち著作権は、すでに申請外の2人の著作者から譲渡を受けた債権者に帰属しているのであるから、債権者の承諾なく本件人形を複製し、販売している債務者らの行為は債権者の著作権を侵害する違法なものである。そして右侵害行為が現に継続していることは前記認定のとおりであつて債権者においてこの差し止めを求める緊急性、必要性も疎明される。

四、よつて、債権者において各債務者に対し保証としてそれぞれ金五十万円を立てることを条件とし、主文記載の限度で本件仮処分申請を認容し、申請費用につき民訴法八九条を適用して主文のとおり決定する。

(裁判官 大久保敏雄 菅原敏彦 前原捷1郎)