吸収合併存続会社が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律3条1項の公安委員会の許可を受けた会社(吸収合併消滅会社)を吸収合併した際に、消滅会社が同法7条の2に規定する風俗営業者の地位の承継についての手続を経ていない点に動機の錯誤があるとして、上記存続会社の取締役が提起した合併無効の訴えに係る請求が認容された事例
名古屋地方裁判所判決/平成19年(ワ)第5266号
平成19年11月21日
吸収合併無効請求事件
【判示事項】 1 吸収合併無効の訴えについて、処分権主義・弁論主義の適用がないとされた事例
2 吸収合併存続会社が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律3条1項の公安委員会の許可を受けた会社(吸収合併消滅会社)を吸収合併した際に、消滅会社が同法7条の2に規定する風俗営業者の地位の承継についての手続を経ていない点に動機の錯誤があるとして、上記存続会社の取締役が提起した合併無効の訴えに係る請求が認容された事例
【判決要旨】 1 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有するところ(会社法838条)、かかる請求については、当事者が紛争を自主的に解決する権能(処分権主義および弁論主義)が制限されていると解すべきであり、本件において、被告は、請求の認諾をなし得ず、裁判上の自白も裁判所を拘束しない。
2 株式会社は、設立の登記後、錯誤を理由とする設立時発行株式の引受けの無効を主張することが制限されるが(会社法51条2項)、吸収合併において、存続会社が、消滅会社の手続懈怠により消滅会社の受けていた公安委員会の許可の承継を受けられないという事情の下では、合併の登記がなされた後であっても会社法51条2項を類推適用すべきではなく、存続会社は、吸収合併契約の錯誤無効を主張することが許される。
【参照条文】 会社法828-1
会社法838
会社法51-2
会社法921
民法95
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律3-1
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律7の2
【掲載誌】 金融・商事判例1294号60頁
会社法
(選任)
第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。
3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。
(監査役の任期)
第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。
4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更
二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更
三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)
第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。