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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

『集団的自衛権行使容認とその先にあるもの』 新・総合特集シリーズ

森 英樹 (編集)  形式: Kindle版

 

¥1,760

 

集団的自衛権行使や安保関連法について考えるために知るべきことを、憲法学者、政治学者、国際法学者、弁護士、ジャーナリストらが解説。

 

 

出版社 ‏ : ‎ 日本評論社 (2015/4/22)

発売日 ‏ : ‎ 2015/4/22

言語 ‏ : ‎ 日本語

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コメント

「非国民」と言われようが、表現の自由(憲法21条)はあったほうがいい。

 

 

第21章 支配株主の異動を伴う募集株式の発行等

 

 (1) 公開会社における募集株式の割当て等の特則

 

公開会社(株式に譲渡制限を定めていない会社)において、支配株主の異動を伴う募集株式の発行等について、通知または公告を行い、総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主が反対する旨の通知を会社にしたときは、株主総会の普通決議を経なければならないとされました(206条の2)。

 

  ① 公開会社は、募集株式の引受人について、アに掲げる数のイに掲げる数に対する割合が2分の1を超える場合には、払込期日等の2週間前までに、株主に対し、当該引受人(特定引受人)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についてのアに掲げる数等を通知しなければならない。ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合等は、この限りでない。(第206条の2第1項関係)

 

   ア 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数

 

   イ 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数

 

  ② ①による通知は、公告をもってこれに代えることができる。株式会社が①の事項について払込期日等の2週間前までに金融商品取引法第4条第1項から第3項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがない場合には、当該通知は、することを要しない。(第206条の2第2項・第3項関係)

 

  ③ 総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主が特定引受人による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、払込期日等の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て等の承認を受けなければならない。ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。(第206条の2第4項・第5項関係)

 

 (2) 公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則

 

  ① 公開会社は、募集新株予約権の引受人について、アに掲げる数のイに掲げる数に対する割合が2分の1を超える場合には、割当日の2週間前までに、株主に対し、当該引受人(特定引受人)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についてのアに掲げる数等を通知しなければならない。ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合等は、この限りでない。(第244条の2第1項関係)

 

   ア 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数

 

   イ アの場合における最も多い総株主の議決権の数

 

  ② ①アの「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権が株式を対価とする取得条項付新株予約権である場合における当該株式等をいう。(第244条の2第2項関係)

 

  ③ ①の場合についても、(1)②及び③と同様の規定を設ける。(第244条の2第3項~第6項関係)

 

 

他人の権利の売主をその権利者が相続した場合における権利者の地位

 

 

              土地建物明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和44年(オ)第23号

【判決日付】      昭和49年9月4日

【判示事項】      他人の権利の売主をその権利者が相続した場合における権利者の地位

【判決要旨】      他人の権利の売主を相続した権利者は、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別な事情のないかぎり、売主としての履行義務を拒否することができる。

【参照条文】      民法560

             民法561

             民法896

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集28巻6号1169頁

 

 本判決は、最高裁判決昭38・12・27の判例の変更をした。

 

民法

(権利移転の対抗要件に係る売主の義務)

第五百六十条 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。

 

(他人の権利の売買における売主の義務)

第五百六十一条 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

 

(相続の一般的効力)

第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

親権者が自らおよび子の法定代理人として約束手形を共同で振り出した場合において利益相反関係を生じないとされた事例


請求異議事件
【事件番号】    最高裁判所第3小法廷判決/昭和40年(オ)第1499号
【判決日付】    昭和42年4月18日
【判示事項】    親権者が自らおよび子の法定代理人として約束手形を共同で振り出した場合において利益相反関係を生じないとされた事例
【判決要旨】    親権者が子の法定代理人として約束手形を振り出し、自らもその共同振出人となつた場合において、右手形が子を主債務者とし親権者をその連帯保証人とする借受金の支払のために振り出されたものであるときには、子と親権者との間に民法826条所定の利益相反関係は生じない。
【参照条文】    民法826
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集21巻3号671頁


民法
(利益相反行為)
第八百二十六条 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。


 

商法(平成17年改正前)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力

 

最高裁判所第3小法廷判決/平成22年(受)第1212号

平成24年4月24日

新株発行無効請求事件

【判示事項】    1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力

2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力

3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合

【判決要旨】    1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の細目的な変更をするにとどまるものであるときを除き,無効である。

2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。

3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。

(1~3につき補足意見がある。)

【参照条文】    商法(平17法87号改正前)280の20-2

          商法(平17法87号改正前)280の21-1

          会社法828-1

          会社法199

          会社法201-1

          会社法238

          会社法240-1

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集66巻6号2908頁

 

会社法

(大会社における監査役会等の設置義務)

第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。

2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。

 

(募集事項の決定)

第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。

一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。)

二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法

三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額

四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間

五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項

2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。

 

(公開会社における募集事項の決定の特則)

第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。

2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。

3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。

4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。

 

(募集事項の決定)

第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。

一 募集新株予約権の内容及び数

二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨

三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法

四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。)

五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日

六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項

七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め

2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。

二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。

4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。

 

(公開会社における募集事項の決定の特則)

第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。

2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。

3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。

『安保関連法総批判  憲法学からの「平和安全」法制分析』 新・総合特集シリーズ

森 英樹 (編集) 

 

¥1,430

 

5/15に国会上程され、現在審議中の安保関連法案の内容を、憲法学者が解説して問題点を指摘する緊急出版!

長さ

158ページ

 

 

出版社

日本評論社

発売日

2015年8月 5日

 

 

コメント

自衛隊が警護すべきはアメリカ軍としいても、安全保障条約をテイクしていない韓国軍、オーストラリア軍などの場合はどうなのか、疑問でした。

 

 

第20章 株式の併合により端数となる株式の買取請求

 

 (1) 株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等

 

  株式の併合(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に併合の割合を乗じて得た数に1に満たない端数が生ずるものに限る。)をする株式会社は、株式の併合を決定する株主総会の日の2週間前の日等から株式の併合の効力発生日後6箇月を経過する日までの間、併合の割合等を記載した書面等を本店に備え置かなければならない。株主は、当該書面等の閲覧等の請求をすることができる。(第182条の2関係)

 

 (2) 株式の併合をやめることの請求

 

  株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。(第182条の3関係)

 

 (3) 反対株主の株式買取請求

 

  株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。(第182条の4、第182条の5関係)

 

 (4) 株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等

 

  株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式の総数等を記載した書面等を作成し、効力発生日から6箇月間、本店に備え置かなければならない。株主等は、当該書面等の閲覧等の請求をすることができる。(第182条の6関係)

他に連帯保証人がある旨の債務者の言を誤信して連帯保証をした場合は要素の錯誤か

 

 

              約束手形金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和31年(オ)第223号

【判決日付】      昭和32年12月19日

【判示事項】      他に連帯保証人がある旨の債務者の言を誤信して連帯保証をした場合は要素の錯誤か

【判決要旨】      他に連帯保証人がある旨の債務者の言を誤信した結果、連帯保証をした場合は、縁由の錯誤であつて、当然には要素の錯誤ではない。

【参照条文】      民法95

             民法3編第1章第3節第4款

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集11巻13号2299頁

             判例タイムズ78号53頁

             金融法務事情166号7頁

 

 

民法

(錯誤)

第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤

二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。

3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。

一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。

二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人弁護士大井善蔵の上告理由について。

 しかし、保証契約は、保証人と債権者との間に成立する契約であつて、他に連帯保証人があるかどうかは、通常は保証契約をなす単なる縁由にすぎず、当然にはその保証契約の内容となるものではない。されば、原判決説示のごとく被控訴人(上告人)において訴外人も連帯保証人となることが特に本件保証契約の内容とした旨の主張、立証のない本件においては、原判決の判断は正当であつて、引用の判例は本件に適切でないから、論旨は採ることができない。

 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第一小法廷

地方税法415条1項にいう「関係者」の意義

 

 

固定資産税等無効確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和61年(行ツ)第177号

【判決日付】      昭和62年7月17日

【判示事項】      地方税法415条1項にいう「関係者」の意義

【判決要旨】      地方税法415条1項にいう「関係者」とは、一葉ごとの固定資産課税台帳の固定資産について、同法343条により納税義務者となるべき者又はその代理人等納税義務者本人に準ずる者をいうものと解すべきである。

【参照条文】      地方税法415-1

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事151号605頁

             判例タイムズ657号76頁

             金融・商事判例785号46頁

             判例時報1262号93頁

 

 

事案の概要

 本件は、奈良市長YがXに対し、その所有の土地についてした固定資産税及び都市計画税の賦課処分等の無効確認等請求訴訟である。

Xは、本件各処分の違法・無効事由として、Yは固定資産課税台帳を縦覧に供しなければならないところ、名寄台帳のみを閲覧させて固定資産課税台帳を閲覧させず、しかも本件各土地の評価額が相当であるか否かを判断するために不可欠な本件各土地の近隣の類似土地の固定資産課税台帳についても関係者として閲覧させるべきであるのに、これをしなかった違法がある、と主張した。

 右主張に対し、一、二審は、地方税法415条(以下条文のみは同法)の固定資産課税台帳の縦覧は、これによって固定資産税の納税者に予め右台帳に登録された価格等を知らせ、右価格等に不服のある場合に固定資産評価審査委員会に対する審査の申出の機会を与える趣旨であり、同条にいう「関係者」とは納税者本人及びこれに準ずる者に限られるものと解されるとした上、名寄台帳が右法の趣旨を実現するに足りるだけの実質的な内容のものであれば、名寄台帳の縦覧をもって固定資産課税台帳の縦覧に代えても違法ではないとして、Xに対し本人の名寄台帳のみを閲覧させたYの措置に違法はない旨判示した。

 本判決は、原審の右判断を是認したものである。

 

 

地方税法

(土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧帳簿の作成)

第四百十五条 市町村長は、総務省令で定めるところによつて、土地課税台帳等に登録された土地(この法律の規定により固定資産税を課することができるものに限る。)の所在、地番、地目、地積(第三百四十八条の規定の適用を受ける土地にあつては、同条の規定の適用を受ける部分の面積を除く。)及び当該年度の固定資産税に係る価格を記載した帳簿(次項、次条第一項及び第二項並びに第四百十九条第四項から第七項までにおいて「土地価格等縦覧帳簿」という。)並びに家屋課税台帳等に登録された家屋(この法律の規定により固定資産税を課することができるものに限る。)の所在、家屋番号、種類、構造、床面積(第三百四十八条の規定の適用を受ける家屋にあつては、同条の規定の適用を受ける部分の面積を除く。)及び当該年度の固定資産税に係る価格を記載した帳簿(次項、次条第一項及び第二項並びに第四百十九条第四項から第七項までにおいて「家屋価格等縦覧帳簿」という。)を、毎年三月三十一日までに作成しなければならない。ただし、災害その他特別の事情がある場合においては、四月一日以後に作成することができる。

2 市町村長は、総務省令で定めるところにより、前項の土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿の作成を電磁的記録の作成をもつて行うことができる。

 

 

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告人の上告理由について

 地方税法四一五条一項の規定にいう「関係者」とは、一葉ごとの固定資産課税台帳の固定資産について、同法三四三条の規定により納税義務者となるべき者又はその代理人等納税義務者本人に準ずる者をいうものと解するのが相当であり、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。その他所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。また、記録によれば、原審の訴訟手続に所論の違法はない。所論中違憲をいう部分も、原審の認定判断及び訴訟手続の違法、不当を抽象的に主張するものにすぎず、失当である。論旨は、いずれも採用することができない。

 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官長島 敦 裁判官伊藤正己 裁判官安岡滿彦 裁判官坂上壽夫)

自衛隊のイラク派兵差止等請求控訴事件

【事件番号】    名古屋高等裁判所判決/平成18年(ネ)第499号

【判決日付】    平成20年4月17日

【判示事項】    イラクにおいて航空自衛隊が行っている空輸活動は,武力行使を禁止したイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(イラク特措法)2条2項,活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し,かつ,憲法9条1項に違反する活動を含むものではあるが,これによる控訴人らの平和的生存権に対する侵害は認められないとして,控訴人らによる自衛隊のイラク派遣に対する違憲確認の訴え及び派遣差止めの訴えを却下し,国家賠償請求を棄却した原判決を維持した事例

【参照条文】    憲法前文

          憲法9-1

          イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法2-2

          イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法2-3

【掲載誌】     判例タイムズ1313号137頁

          判例時報2056号74頁

 

 

憲法

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

       主   文

 1 本件控訴をいずれも棄却する。
 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

       事実及び理由

第1 当事者の求めた裁判
 1 控訴人ら
 (1)原判決を取り消す。
 (2)別紙当事者目録別紙控訴人目録2記載の控訴人ら(以下「控訴人Aら」という。)の請求
   ア 被控訴人は,イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(以下「イラク特措法」という。)により,自衛隊をイラク及びその周辺地域並びに周辺海域に派遣してはならない。
   イ 被控訴人がイラク特措法により,自衛隊をイラク及びその周辺地域に派遣したことは,違憲であることを確認する。
 (3)控訴人ら全員(別紙当事者目録別紙控訴人目録1に記載)の請求被控訴人は,控訴人らそれぞれに対し,各1万円を支払え。
 (4)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
 2 被控訴人
   主文と同旨
第2 事案の概要
 1 本件は,被控訴人がイラク特措法に基づきイラク及びその周辺地域に自衛隊を派遣したこと(以下「本件派遣」という。また,以下,イラク共和国及びその周辺地域のことを単に「イラク」ということがある。)は違憲であるとする控訴人らが,本件派遣によって平和的生存権ないしその一内容としての「戦争や武力行使をしない日本に生存する権利」等(以下,一括して「平和的生存権等」ということがある。)を侵害されたとして,国家賠償法1条1項に基づき,各自それぞれ1万円の損害賠償を請求するとともに(以下「本件損害賠償請求」という。),控訴人Aらにおいて,本件派遣をしてはならないこと(以下「本件差止請求」という。)及び本件派遣が憲法9条に反し違憲であることの確認(以下「本件違憲確認請求」という。)を求めた事案である。
   原判決は,控訴人Aらの本件差止請求及び本件違憲確認請求にかかる訴えは不適法であるとして訴えを却下し,控訴人らの本件損害賠償請求については請求を棄却したところ,控訴人らが控訴した。