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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

シンガポールに滞在し、主な拠点として他の国への渡航を繰り返して海外法人の業務に従事していた者の滞在日数が年間の約4割に上っていた場合、就業活動はシンガポールを本拠として行われており、生活の本拠が日本にあったとはいえず、所得税法2条1項3号に定める「居住者」に該当するとは認められないとした一審判決が控訴審において維持された事例

 

 

              源泉所得税納税告知処分取消等、更正すべき理由がない旨の通知処分取消等、源泉所得税納税告知処分取消等請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和元年(行コ)第186号

【判決日付】      令和元年11月27日

【判示事項】      シンガポールに滞在し、主な拠点として他の国への渡航を繰り返して海外法人の業務に従事していた者の滞在日数が年間の約4割に上っていた場合、就業活動はシンガポールを本拠として行われており、生活の本拠が日本にあったとはいえず、所得税法2条1項3号に定める「居住者」に該当するとは認められないとした一審判決が控訴審において維持された事例

【判決要旨】      シンガポールに滞在し、主な拠点として他の国への渡航を繰り返し、海外法人の業務に従事していた甲の滞在日数が年間の約4割に上っていた場合、その就業活動はシンガポールを本拠として行われていたと認められ、日本国内の滞在日数とシンガポールの滞在日数とに有意な差は認められず、甲と生計を一にする家族の居所、資産の所在およびその他の事情も、甲の生活の根拠が日本にあったと積極的に基礎付けるものとはいえないことを総合すると、甲の生活の本拠が日本にあったとはいえず、所得税法2条1項3号に定める「居住者」に該当するとは認められない。

【参照条文】      所得税法2-1(平成25年法律第5号による改正前のもの)

             民法22

【掲載誌】        金融・商事判例1587号14頁

【評釈論文】      税研209号86頁

             税理63巻10号116頁

             税理63巻11号224頁

             税務事例52巻9号74頁

             税務事例54巻8号57頁

             ジュリスト1554号118頁

             銀行法務21 864号66頁

             銀行法務21 868号34頁

             国税速報6603号7頁

 

所得税法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 国内 この法律の施行地をいう。

二 国外 この法律の施行地外の地域をいう。

三 居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。

 

民法

(住所)

第二十二条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。

 

 

第12章 課徴金減免制度(リーニエンシー)との違い

司法取引とよく似た制度に「独占禁止法上の課徴金減免制度(リーニエンシー)」というものがあります。

 

「独占禁止法上の課徴金減免制度」とは、違反行為に関する情報を積極的に得られるようにするため、自らの違反行為について公正取引委員会に報告した事業者に対し、課徴金を免除・減額する制度です。捜査に協力した者の刑を軽くすることで、大規模な組織犯罪の撲滅に有効であるとされています。

 

課徴金(課徴金制度)とは

 

独占禁止法違反に相当する行為を抑止するため、行政上の措置として、違反事業者に対して金銭的な不利益を課す制度。

 

 

 

課徴金減免制度

(リーニエンシー)

司法取引

対象

事業者

行為者・事業者

要件

自己の違反事実の申告

他人の犯罪の供述など

効果

■課徴金の減免

・第1順位:全額免除および刑事告発の免責

・第2〜5順位も所定割合で減額(※)

不起訴、軽い求刑

 

 

※課徴金の減免における順位とは?

 

公正取引委員会が調査を開始する前に、他の事業者よりも早期に報告することで、課徴金の減額率が大きくなる仕組みが取られています。調査開始日前と調査開始日後で合わせて最大5社に適用されます。

 

引用元:公正取引委員会|課徴金減免制度について

 

減免制度は行政事件、司法取引は刑事事件という違いはありますが、処分を軽減する代わりに違法行為の解明に協力を得るという点では共通した特徴があります。

 

大きな違いは、「課徴金減免制度」が事業者を対象とするのに対して、「司法取引制度」は行為者個人と両罰規定のある場合の事業者を対象としている点です。

 

独禁法の談合事件で、いち早く公取委に通報した者は免責されるという制度が導入されております。独禁法違反や金商法違反といった企業犯罪はそれだけ捜査・立証が困難で内部者の協力が重要だということです。今回の司法取引制度の導入はまさにこの点に主眼が置かれているように思われます。この制度は自己の犯罪事実ではなく、「他人の刑事事件」に関して捜査協力することがポイントで、企業犯罪にとって「他人」には他社の他に取締役等の役員や従業員等が含まれることになります。談合事件のように競合他社に抜け駆けされる危険だけでなく、役員の一部や従業員によって捜査機関にリークされるという事態が想定できます。これらの企業犯罪の嫌疑がかけられた場合、これまでは企業は一体として対応の検討を行ってきましたが、司法取引制度の導入により企業内部での対応も必要になってくると考えられます。企業としての対応も定まらないうちに一部の従業員によりリークされ捜査が入るという事態も想定して対応する必要が出てきます。一方で独禁法の通報制度が拡充されたと見て、会社として捜査に協力し免責を得るということもできます。本件改正を念頭に入れた上での今後のコンプライアンス体制構築が重要と言えるでしょう。

 

第13章 まとめ

企業犯罪や、経済犯罪に有効とされている「司法取引制度」。ただ、一歩運用方法を間違えば冤罪の温床にもなりますし、公平公正な犯罪捜査に支障をきたしかねません。

 

さらに、日本そのものが、警察における取調べの可視化が進まない環境の中で、司法取引制度が運用されるとなると、正確な裏づけ捜査ができるのか、多くの懸念が広がっています。検察の信用が失墜している現代において、司法取引制度を公平公正に運用できるのかが、鍵となりそうです。

 

中間者の同意なしになされた中間省略登記の抹消請求が許されないとされた事例

 

 

建物所有権移転登記抹消登記請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和30年(オ)第981号

【判決日付】      昭和35年4月21日

【判示事項】      中間者の同意なしになされた中間省略登記の抹消請求が許されないとされた事例

【判決要旨】      家屋が、甲から乙、丙を経て丁に転々譲渡された後、乙の同意なしに丁のため右家屋について中間省略登記がなされたときであつても原審認定のような事情(原判決理由参照)があつて、乙が、右中間省略登記の抹消登記を求める正当な利益を欠くときは、右抹消請求は許されない。

【参照条文】      民法177

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集14巻6号946頁

 

民法

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

届出意思の欠缺による婚姻の無効とその追認の効力

 

 

婚姻無効確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和45年(オ)第238号

【判決日付】      昭和47年7月25日

【判示事項】      届出意思の欠缺による婚姻の無効とその追認の効力

【判決要旨】      事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、かつ、のちに他方の配偶者が届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解すべきである。

【参照条文】      民法742

             民法116

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集26巻6号1263頁

 

民法

(婚姻の無効)

第七百四十二条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。

一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。

二 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。

 

(無権代理行為の追認)

第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 

株式会社の訴訟上の代表者と商法第12条の適用の有無

 

 

              株主総会決議無効確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和40年(オ)第1206号

【判決日付】      昭和43年11月1日

【判示事項】      1、株式会社の訴訟上の代表者と商法第12条の適用の有無

             2、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力

【判決要旨】      1、商法第12条は、当事者である株式会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。

             2、議決権を行使する株主の代理人の資格を当該会社の株主に制限する旨の定款の規定は、有効である。

【参照条文】      商法12

             民事訴訟法58

             民事訴訟法45

             商法239-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集22巻12号2402頁

 

会社法

(登記の効力)

第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。

2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。

 

商法

(登記の効力)

第九条 この編の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。

2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。

 

(株主総会の権限)

第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

 

民事訴訟法

(法人の代表者等への準用)

第三十七条 この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人武田蔵之助、同横田長次郎各名義、同後藤三郎の上告理由第一点について。

 所論は、Aは、上告会社を代表する権限を裁判所に対し対抗できないから、本訴は訴訟要件を欠くもので不適法である旨主張する。

 しかし、Aを上告会社の代表者である清算人に選任した本件乙総会の決議は、右決議の取消しを求める被上告人の本訴を認容する判決が確定するまでは有効に存在するのであり、右決議が有効に存在するかぎり、Aは、上告会社の清算人の地位、資格を有するものと解すべきである。そして、商法四三〇条一項、一二三条は、株式会社の清算人の氏名および住所を登記事項とし、同法一二条は、右登記事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない旨規定しているが、これらは、会社と実体法上の取引関係に立つ第三者を保護するため、株式会社の清算人が誰であるかについて、登記をもつて対抗要件としているものであり、それ自体実体法上の取引行為でない民事訴訟において、誰が当事者である会社を代表する権限を有する者であるかを定めるに当つては、右商法一二条の適用はないと解するのが相当である(昭和四〇年(オ)第八六〇号、同四一年九月三〇日第二小法廷判決、民集二〇巻七号一五二三頁参照)。したがつて、Aの清算人の選任登記が経由されていないこと、他に選任登記を経た清算人が存在することは、Aを上告会社の清算人であると認めることを妨げるものではないというべきである。所論は、独自の見解に立つて、原判決を非難するものであつて、採用できない。

 同第二点について。

 原審が適法に確定したところによれば、上告会社は、その設立以来株券を発行したことはないというのであるから、所論上告人の主張は、株券の発行を停止条件とする株式の譲渡の効力いかんを論ずるまでもなく、理由がない。論旨は採ることができない。

 同第三点について。

 所論は、議決権行使の代理人を株主にかぎる旨の定款の規定は、商法二三九条三項に違反して無効である旨主張する。

 しかし、同条項は、議決権を行使する代理人の資格を制限すべき合理的な理由がある場合に、定款の規定により、相当と認められる程度の制限を加えることまでも禁止したものとは解されず、右代理人は株主にかぎる旨の所論上告会社の定款の規定は、株主総会が、株主以外の第三者によつて攪乱されることを防止し、会社の利益を保護する趣旨にでたものと認められ、合理的な理由による相当程度の制限ということができるから、右商法二三九条三項に反することなく、有効であると解するのが相当である。論旨は、右と異なる見解に立つて、原審の判断を攻撃するものであつて、採用できない。

 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

    最高裁判所第二小法廷

        裁判長裁判官  奥野健一

 

 

労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例

 

最高裁判所第1小法廷判決/昭和45年(行ツ)第58号

昭和49年9月2日

行政処分取消請求事件

【判示事項】    労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例

【判決要旨】    大工甲が、元同僚の乙と仕事上のことから争いを起こし、建築現場付近の県道上で頭部を殴打され、それがもとで死亡した場合において、甲が、乙に対してその感情を刺激するような言辞を述べ、乙の呼びかけに応じて仕事場から県道上まで降りてきて嘲笑的態度をとり、乙の暴力を挑発したなど判示のような事情があるときは、甲の死亡は、その業務に起因したものとはいえず、労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらない。

【参照条文】    労働基準法79

          労働者災害補償保険法(昭和40年法律第130号による改正前のもの)12-2

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集28巻6号1135頁

 

労働基準法

(遺族補償)
第七十九条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

 

労働者災害補償保険法

第十二条 年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われた場合における当該年金たる保険給付の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。

② 同一の業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による負傷又は疾病(以下この条において「同一の傷病」という。)に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。同一の傷病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。)を受ける権利を有する労働者が休業補償給付、複数事業労働者休業給付若しくは休業給付又は障害補償一時金、複数事業労働者障害一時金若しくは障害一時金を受ける権利を有することとなり、かつ、当該年金たる保険給付を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が支払われたときも、同様とする。

③ 同一の傷病に関し、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を行わないこととなつた場合において、その後も休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金の内払とみなす。

 

第11章 実例

日本初の司法取引は不発?

2018年7月22日のニュースにて、タイの発電所建設をめぐる贈賄事件が発覚、東京地検特捜部が大手発電機メーカーの元役員ら3人を、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の罪で在宅起訴したという報道がありました。

 

元役員らは建設資材をタイに荷揚げする際、現地の社員らから相談を受け、港湾当局の公務員に約3900万円の賄賂を支払った疑いが持たれている。

 

MHPSは内部告発をもとに社内調査を進めて不正を把握し、その結果を特捜部に申告した。不正競争防止法では法人も刑事訴追の対象になるため、同社は元役員らの不正行為の捜査に協力する見返りとして、MHPSは起訴を免れる形で司法取引したという。

 

引用元:腑に落ちぬ初適用の司法取引|日経新聞

 

本来、企業犯罪などでしっぽの掴めない重役などを摘発する目的でしたが、司法取引の結果、会社は訴追を免れ、個人だけが刑事責任を負うことになりました。

 

末端の実行犯だけが処罰される「しっぽ切り」を起こさないために導入された制度なだけに、「腑に落ちない」という表現をされていますが、そもそも2018年6月に導入されたばかりの新制度ですので、今後の改善に期待するといったところかと思われます。

 

日産ケリー被告

元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(67)の役員報酬を過少に記載したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われた元代表取締役グレゴリー・ケリー被告(65)の弁護人は4日、懲役6月、執行猶予3年とした一部有罪の東京地裁判決を不服として、控訴した。法人として罰金2億円の判決を受けた日産は同日、控訴しないと明らかにした。

 

 ケリー被告は元会長や元秘書室長と共謀し、2010~17年度に虚偽の有価証券報告書を提出したとして起訴されたが、3日の判決は17年度分だけを認定して有罪とし、大半は無罪とした。日産は、起訴内容全てについて有罪とした。

公判では、司法取引をしたとあれる元秘書室長・幹部職員らが証言した。

 

アパレル会社の元役員らによる業務上横領事件があります。

 

地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証、白紙委任状、印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき不実の所有権移転登記がされた場合において不動産の所有者が善意無過失の第三者に対して当該不動産の所有権が移転していないことを対抗することができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

 

 

              所有権移転登記抹消登記手続等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成14年(受)第1008号

【判決日付】      平成15年6月13日

【判示事項】      地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証、白紙委任状、印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき不実の所有権移転登記がされた場合において不動産の所有者が善意無過失の第三者に対して当該不動産の所有権が移転していないことを対抗することができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】      不動産の売買等を業とする会社が、地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証、白紙委任状、印鑑登録証明書等を利用して、当該不動産につき同社への不実の所有権移転登記を了したが、当該所有者が、虚偽の権利の帰属を示すような外観の作出につき何ら積極的な関与をしておらず、上記の不実の登記の存在を知りながら放置していたとみることもできないなど判示の事情の下においては、民法九四条二項、一一〇条の類推適用により当該所有者が善意無過失の第三者に対して同社に当該不動産の所有権が移転していないことを対抗することができないとした原審の判断には、違法がある。

【参照条文】      民法94-2

             民法110

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事210号143頁

             裁判所時報1341号184頁

             判例タイムズ1128号370頁

             金融・商事判例1184号55頁

             判例時報1831号99頁

 

 

民法

(虚偽表示)

第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

(代理権授与の表示による表見代理等)

第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

2 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

 

道路交通法36条2項・3項にいう「交通整理の行なわれていない交差点」にあたるとされた事例

 

 

              業務上過失致死傷被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/昭和43年(あ)第2600号

【判決日付】      昭和44年5月22日

【判示事項】      道路交通法36条2項、3項にいう「交通整理の行なわれていない交差点」にあたるとされた事例

【判決要旨】      一方の道路からの入口に黄色の燈火による点滅信号が作動しており、他方の道路からの入口に赤色の燈火による点滅信号が作動している交差点は、道路交通法36条2項、3項にいう「交通整理の行なわれていない交差点」にあたる。

【参照条文】      道路交通法36-2

             道路交通法36-3

             道路交通法施行令2-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集23巻6号918頁

 

道路交通法

(交差点における他の車両等との関係等)

第三十六条 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。

一 車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車

二 路面電車である場合 交差道路を左方から進行してくる路面電車

2 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

3 車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。

4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

(罰則 第一項については第百二十条第一項第二号 第二項から第四項までについては第百十九条第一項第六号)

 

禁治産者の後見人がその就職前に無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かを判断するにつき考慮すべき要素

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成4年(オ)第1694号

【判決日付】      平成6年9月13日

【判示事項】      禁治産者の後見人がその就職前に無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かを判断するにつき考慮すべき要素

【判決要旨】      禁治産者の後見人が、その就職前に禁治産者の無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かは、(1) 契約の締結に至るまでの無権代理人と相手方との交渉経緯及び無権代理人が契約の締結前に相手方との間でした法律行為の内容と性質、(2) 契約を追認することによって禁治産者が被る経済的不利益と追認を拒絶することによって相手方が被る経済的不利益、(3) 契約の締結から後見人が就職するまでの間に契約の履行等をめぐってされた交渉経緯、(4) 無権代理人と後見人との人的関係及び後見人がその就職前に契約の締結に関与した行為の程度、(5) 本人の意思能力について相手方が認識し又は認識し得た事実など諸般の事情を勘案し、契約の追認を拒絶することが取引関係に立つ当事者間の信頼を裏切り、正義の観念に反するような例外的な場合に当たるか否かを判断して、決しなければならない。

【参照条文】      民法1-2

             民法113

             民法859

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集48巻6号1263頁

 

民法

(基本原則)

第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。

 

(無権代理)

第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。

2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

 

(財産の管理及び代表)

第八百五十九条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。

2 第八百二十四条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。