労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例 最高裁判所第1小法廷判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例

 

最高裁判所第1小法廷判決/昭和45年(行ツ)第58号

昭和49年9月2日

行政処分取消請求事件

【判示事項】    労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらないとされた事例

【判決要旨】    大工甲が、元同僚の乙と仕事上のことから争いを起こし、建築現場付近の県道上で頭部を殴打され、それがもとで死亡した場合において、甲が、乙に対してその感情を刺激するような言辞を述べ、乙の呼びかけに応じて仕事場から県道上まで降りてきて嘲笑的態度をとり、乙の暴力を挑発したなど判示のような事情があるときは、甲の死亡は、その業務に起因したものとはいえず、労働基準法79条にいう「業務上死亡した場合」にあたらない。

【参照条文】    労働基準法79

          労働者災害補償保険法(昭和40年法律第130号による改正前のもの)12-2

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集28巻6号1135頁

 

労働基準法

(遺族補償)
第七十九条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

 

労働者災害補償保険法

第十二条 年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われた場合における当該年金たる保険給付の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。

② 同一の業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による負傷又は疾病(以下この条において「同一の傷病」という。)に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。同一の傷病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。)を受ける権利を有する労働者が休業補償給付、複数事業労働者休業給付若しくは休業給付又は障害補償一時金、複数事業労働者障害一時金若しくは障害一時金を受ける権利を有することとなり、かつ、当該年金たる保険給付を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が支払われたときも、同様とする。

③ 同一の傷病に関し、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を行わないこととなつた場合において、その後も休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金の内払とみなす。