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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

第5章 通信販売における詐欺的商法への対策

表示ルールの適用対象拡大・厳格化等

 令和3年改正法は、定期購入契約であることを秘して消費者に契約を結ばせる詐欺的定期購入の被害相談が近年急増していることを背景に、事業者が表示しなければならない広告内容や消費者の申込時の表示内容を、法律で直接規定するものです。これに伴い、法定する申込時の表示内容を表示しない、または虚偽の表示を行う事業者への罰則規定も設けられました(改正14条、15条)。

 また、表示違反が原因で誤認に陥ったことで行った申込みに対して取消しを認める、民事上の救済制度も設けられました(改正15条の4)。

 さらに、法定返品制度に関連して申込みの撤回または解除を妨害する不実の告知行為は禁止され(改正13条の2)、違反する事業者は罰せられます(改正14条、15条)。

 そして、こうした定期購入でないと誤認させる表示や法定返品権の解除妨害等は適格消費者団体による差止請求の対象となります(改正58条の19)。

 

 

1、建築基準法93条4項に基づく建築主事の保健所長に対する通知は、建築確認処分の効力要件ではないとした事例

2、建築確認処分をする当たり、確認申請に係る建築物が建築基準法6条1項所定の法規以外の公害防止関係法規に適合するかどうかは建築主事の審査の対象にならないとした事例

岡山地方裁判所決定/昭和54年(行ク)第4号、昭和54年(行ク)第6号

昭和55年2月29日

執行停止申立事件

【判示事項】 1、建築基準法93条4項に基づく建築主事の保健所長に対する通知は、建築確認処分の効力要件ではないとした事例

2、建築確認処分をする当たり、確認申請に係る建築物が建築基準法6条1項所定の法規以外の公害防止関係法規に適合するかどうかは建築主事の審査の対象にならないとした事例

【掲載誌】  行政事件裁判例集31巻2号318頁

 

建築基準法

(建築物の建築等に関する申請及び確認)

第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。

一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの

二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの

三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの

四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物

2 前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

3 建築主事は、第一項の申請書が提出された場合において、その計画が次の各号のいずれかに該当するときは、当該申請書を受理することができない。

一 建築士法第三条第一項、第三条の二第一項、第三条の三第一項、第二十条の二第一項若しくは第二十条の三第一項の規定又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例の規定に違反するとき。

二 構造設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の二第一項の建築物の構造設計を行つた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によるものでないとき。

三 設備設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の三第一項の建築物の設備設計を行つた場合において、当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によるものでないとき。

4 建築主事は、第一項の申請書を受理した場合においては、同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から三十五日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない。

5 建築主事は、前項の場合において、申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。

6 建築主事は、第四項の場合(申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第四項の期間内に当該申請者に第一項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、第四項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。

7 建築主事は、第四項の場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。

8 第一項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、することができない。

9 第一項の規定による確認の申請書、同項の確認済証並びに第六項及び第七項の通知書の様式は、国土交通省令で定める。

(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)

第六条の二 前条第一項各号に掲げる建築物の計画(前条第三項各号のいずれかに該当するものを除く。)が建築基準関係規定に適合するものであることについて、第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。

2 前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。

3 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が次条第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。

4 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨及びその理由を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。

5 第一項の規定による指定を受けた者は、同項の確認済証又は前項の通知書の交付をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、確認審査報告書を作成し、当該確認済証又は当該通知書の交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。

6 特定行政庁は、前項の規定による確認審査報告書の提出を受けた場合において、第一項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該確認済証は、その効力を失う。

7 前項の場合において、特定行政庁は、必要に応じ、第九条第一項又は第十項の命令その他の措置を講ずるものとする。

 

(許可又は確認に関する消防長等の同意等)

第九十三条 特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関は、この法律の規定による許可又は確認をする場合においては、当該許可又は確認に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長(消防本部を置かない市町村にあつては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長の同意を得なければ、当該許可又は確認をすることができない。ただし、確認に係る建築物が防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)である場合又は建築主事若しくは指定確認検査機関が第八十七条の四において準用する第六条第一項若しくは第六条の二第一項の規定による確認をする場合においては、この限りでない。

2 消防長又は消防署長は、前項の規定によつて同意を求められた場合においては、当該建築物の計画が法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定(建築主事又は指定確認検査機関が第六条の四第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕、大規模の模様替若しくは用途の変更又は同項第三号に掲げる建築物の建築について確認する場合において同意を求められたときは、同項の規定により読み替えて適用される第六条第一項の政令で定める建築基準法令の規定を除く。)で建築物の防火に関するものに違反しないものであるときは、同項第四号に係る場合にあつては、同意を求められた日から三日以内に、その他の場合にあつては、同意を求められた日から七日以内に同意を与えてその旨を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。この場合において、消防長又は消防署長は、同意することができない事由があると認めるときは、これらの期限内に、その事由を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。

3 第六十八条の二十第一項(第六十八条の二十二第二項において準用する場合を含む。)の規定は、消防長又は消防署長が第一項の規定によつて同意を求められた場合に行う審査について準用する。

4 建築主事又は指定確認検査機関は、第一項ただし書の場合において第六条第一項(第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による確認申請書を受理したとき若しくは第六条の二第一項(第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請を受けたとき又は第十八条第二項(第八十七条第一項又は第八十七条の四において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、これを当該申請又は通知に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長に通知しなければならない。

5 建築主事又は指定確認検査機関は、第三十一条第二項に規定する屎し尿浄化槽又は建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和四十五年法律第二十号)第二条第一項に規定する特定建築物に該当する建築物に関して、第六条第一項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請書を受理した場合、第六条の二第一項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請を受けた場合又は第十八条第二項(第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、これを当該申請又は通知に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する保健所長に通知しなければならない。

6 保健所長は、必要があると認める場合においては、この法律の規定による許可又は確認について、特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に対して意見を述べることができる。

 

関連会社間で少しずつ価額を上げながらも順次に低価譲渡が行われた場合、その中間の会社の法人税法上の所得

 

 

              法人税更正処分取消請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/昭和58年(行コ)第9号

【判決日付】      昭和59年6月29日

【判示事項】      関連会社間で少しずつ価額を上げながらも順次に低価譲渡が行われた場合、その中間の会社の法人税法上の所得

【参照条文】      法人税法22-2

             法人税法37-6

【掲載誌】        行政事件裁判例集35巻6号822頁

             判例タイムズ538号119頁

             判例時報1140号62頁

【評釈論文】      税経通信40巻10号227頁

             税務弘報61巻13号152頁

             税務事例17巻2号22頁

             税理29巻2号105頁

             判例評論321号203頁

             法学論集(西南学院大)18巻2号159頁

 

 

 一 本件で、A、B、C会社は同一の者が支配する関連会社で、Bは4811万円余の、Cは3億5479万円以上の繰越欠損金を有していた。

A所有の土地を含む土地に大規模なニュータウンの建設が計画されたので、土地は急激に値上りし、A所有の土地は6億0188万円余(坪当り3000円)にも値上りした。

A、B、Cを支配していた者はこの土地をAからBに1億7348万円余(坪当り869円)で、BからCに2億2622万円(坪当り1118円)で売却したうえ、Cよりニュータウン経営者に時価(坪当り3000円)で譲渡した。

このようにB、Cを介したうえで売却したのは、B、Cには繰越欠損金があるため、B、Cに売却益を得させれば、欠損金分については法人税を免れることができると考えたからであった。

 二 税務署長は、Aに対しては、法人税法37条5項を適用して、AがBに時価と売価との差額を贈与したものと認め、右差額を所得金額に加えて更正処分をした。

Aは右更正に対し訴訟を提起し、売買当時の時価と知情を争つたが、請求棄却の判決は確定した(大阪地判54・6・28行集30巻6号1197頁、大阪高判昭56・2・5行集32巻6号1156頁、判タ459号110頁、最高3小判昭57・3・9税務訴訟資料112号495頁)。

 三 他方、同税務署長は、Bに対しても、Aより時価と買受価格との差額の贈与を受けたものと認め、右差額を所得金額に加えて更正処分をした。

Bは本件訴訟を提起して、(1)Aに対しても課税がされている以上、Bに対する課税は二重課税である、(2)BはCに売却することを条件にAから買受けたものであるから、そのような負担のない時価相当額の利益を与えられたとはいえないとの2点を違法事由として主張した。

 第一審判決は、(1)につき課税の相手方が異なるから二重課税にならないとし、(2)については、問題を法人税法37条5項の問題としてとらえ、「このこと<編注、法人税法37条6項による税務処理とすること>は、原告会社がその主張のような転売義務つきで本件土地を買受けたことによって変るものではない」と簡単に判示して請求を棄却した。

 四 本控訴審判決は後記判決理由のとおり右(2)の主張を認め、更正処分を取り消したものである。

問題となりうる点としては、(1)関連会社で前記目的で順次に低価譲渡が行われた場合、中間会社は次の会社に低価で譲渡すべき転売義務を負つていると認めるべきか、(2)その場合、中間会社の低額譲受による収益、原価を判断すべき法条は法人税法37条か22条か、(3)低価譲受による収益、原価はどれだけか、(4)右の判断において売買契約上の特約は考慮すべきか、転売特約のときはどうか、(5)BからCへの低価譲渡による収益、原価はどれだけか、などが挙げられるが、重要な点は(3)(4)であろう。

 これら問題点については裁判例はみられず、行政通達でも(4)につき判決理由掲記のものがみられるだけである。

税務署長は本判決に対して上告しなかったが、本判決の解釈を是認することにしたのであろうか。

 

 

法人税法

第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則

第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。

一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額

二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

5 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

 

(寄附金の損金不算入)

第三十七条 内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額(次項の規定の適用を受ける寄附金の額を除く。)の合計額のうち、その内国法人の当該事業年度終了の時の資本金の額及び資本準備金の額の合計額若しくは出資金の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

2 内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に完全支配関係(法人による完全支配関係に限る。)がある他の内国法人に対して支出した寄附金の額(第二十五条の二(受贈益)の規定の適用がないものとした場合に当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入される同条第二項に規定する受贈益の額に対応するものに限る。)は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

3 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに次の各号に掲げる寄附金の額があるときは、当該各号に掲げる寄附金の額の合計額は、同項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。

一 国又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。)に対する寄附金(その寄附をした者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)の額

二 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額

イ 広く一般に募集されること。

ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。

4 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに、公共法人、公益法人等(別表第二に掲げる一般社団法人、一般財団法人及び労働者協同組合を除く。以下この項及び次項において同じ。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金(出資に関する業務に充てられることが明らかなもの及び前項各号に規定する寄附金に該当するものを除く。)の額があるときは、当該寄附金の額の合計額(当該合計額が当該事業年度終了の時の資本金の額及び資本準備金の額の合計額若しくは出資金の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、当該計算した金額に相当する金額)は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。ただし、公益法人等が支出した寄附金の額については、この限りでない。

5 公益法人等がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額(公益社団法人又は公益財団法人にあつては、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で公益に関する事業として政令で定める事業に該当するもののために支出した金額)は、その収益事業に係る寄附金の額とみなして、第一項の規定を適用する。ただし、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることにより支出した金額については、この限りでない。

6 内国法人が特定公益信託(公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条(公益信託)に規定する公益信託で信託の終了の時における信託財産がその信託財産に係る信託の委託者に帰属しないこと及びその信託事務の実施につき政令で定める要件を満たすものであることについて政令で定めるところにより証明がされたものをいう。)の信託財産とするために支出した金銭の額は、寄附金の額とみなして第一項、第四項、第九項及び第十項の規定を適用する。この場合において、第四項中「)の額」とあるのは、「)の額(第六項に規定する特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものの信託財産とするために支出した金銭の額を含む。)」とするほか、この項の規定の適用を受けるための手続に関し必要な事項は、政令で定める。

7 前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。

8 内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。

9 第三項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない第三項各号に掲げる寄附金の額及び当該寄附金の明細を記載した書類の添付がある場合に限り、第四項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない第四項に規定する寄附金の額及び当該寄附金の明細を記載した書類の添付があり、かつ、当該書類に記載された寄附金が同項に規定する寄附金に該当することを証する書類として財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。この場合において、第三項又は第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。

10 税務署長は、第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項に規定する財務省令で定める書類の保存がない場合においても、その書類の保存がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その書類の保存がなかつた金額につき第四項の規定を適用することができる。

11 財務大臣は、第三項第二号の指定をしたときは、これを告示する。

12 第五項から前項までに定めるもののほか、第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

第4章 2021年公布の特定商取引法改正における主要な改正点

 

2021年公布の特定商取引法改正の内容は、大きく分けると次の3点となります。

 

・ 通信販売の「詐欺的な定期購入商法」対策が強化

→定期購入でないと誤認させる表示等について、直罰化された(行政指導等を経ることなく、即時に罰則を適用することが可能に)

→定期購入でないと誤認させる表示によって申込みをした場合において、取消しが可能となった(取消権の創設)

→通信販売に係る契約の解除を妨害する行為が禁止された

→定期購入でないと誤認させる表示や解除妨害等についても、適格消費者団体の差止請求の対象となった

 

※この点に関する改正は通信販売による「詐欺的な定期購入商法」対策を主な目的としていますが、広告表示規制の拡大、「特定申込み」に関する規制の新設等、通信販売全般に適用される部分もあります。そこで、この部分も含め、「改正点2|通信販売における規制強化」として説明することとします。

 

・ 送り付け商法対策の強化

→旧特商法においては、消費者が事業者から売買契約に基づかないで商品の送付を受けた場合、14日間保管後にその処分をすることができる(=14日間は保管しなければならない)とされていたが、本改正により、この保管義務について消費者は受領後直ちに商品を処分することが可能となった

 

              1、建築士の資格および事務所を有しない建築業者が注文者の依頼により建築請負契約の準備的行為として設計をした場合と設計料請求の適否

2、右の場合における設計料算出の基準

東京地方裁判所判決/昭和40年(ワ)第2907号

昭和41年9月9日

設計料請求事件

【判示事項】    1、建築士の資格および事務所を有しない建築業者が注文者の依頼により建築請負契約の準備的行為として設計をした場合と設計料請求の適否(積極)

2、右の場合における設計料算出の基準

【参照条文】    建築士法23-1

          建築士法23の9

          建築士法25

【掲載誌】     判例タイムズ196号170頁

          判例時報465号49頁

 

建築士法

(登録)

第二十三条 一級建築士、二級建築士若しくは木造建築士又はこれらの者を使用する者は、他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続の代理(木造建築士又は木造建築士を使用する者(木造建築士のほかに、一級建築士又は二級建築士を使用する者を除く。)にあつては、木造の建築物に関する業務に限る。以下「設計等」という。)を業として行おうとするときは、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事の登録を受けなければならない。

2 前項の登録の有効期間は、登録の日から起算して五年とする。

3 第一項の登録の有効期間の満了後、引き続き、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行おうとする者は、その建築士事務所について更新の登録を受けなければならない。

 

(無登録業務の禁止)

第二十三条の十 建築士は、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行つてはならない。

2 何人も、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、建築士を使用して、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行つてはならない。

 

(業務の報酬)

第二十五条 国土交通大臣は、中央建築士審査会の同意を得て、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を定めることができる。

 

       判 決 理 由

 1 つぎに原告主張の本件建物設計に関する報酬請求権の有無について判断する。

 (1) 被告は本件建物の設計に関する契約は建築士法に違反する無効なものであり、原告は右契約にもとづく報酬請求権を有しないと抗争するので、これを検討する。

 被告の主張するとおり建築士法(昭和25年法律第202号)の第3条第1項には、「他人の求に応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築に関する法令若しくは条例に基く手続の代理(以下「設計等」という。)を行うことを業としようとする1級建築士又は2級建築士は、1級建築士事務所又は2級建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、この法律の定めるところにより、登録を受けなければならない。1級建築士又は2級建築士を使用して、他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行うことを業とする者についても、同様とする。」とし、第23条の9は「(1)建築士は第2十3条の3第1項の規定による登録を受けないで、業として他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行ってはならない。(2)何人も、第2十3条の3第1項の規定による登録を受けないで、建築士を使用して、業として他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行ってはならない。」とし、さらに第35条の第4号の3において、右「第23条の9第1項又は第2項の規定に違反した者はこれを1年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。」旨規定されている。

 ところで、建築士が右にあげたような規定をしているのは、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正をはかり、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的とするものであり(同法第1条参照)、無資格の者が報酬を得て建築物の設計等を業として行うことを禁止する趣旨に出るものである。したがって、建築士事務所の登録を有しない者が自ら、もしくは建築士を使用して、他人の求に応じ報酬を得て建築物の設計等を業として行うことはもとより許されないところである。しかしながら、右のごとき建築士法の関係規定の立法趣旨を考えると、建築業者が注文者の依頼にもとづき、その後に締結されるべき建築請負工事の準備的行為として、資格がありかつ建築士事務所の登録を有する建築士を使用して建築物の設計を行なわせたのち、右建築請負契約が不成立に終つた場合に、右設計に関する報酬の請求まで禁止するものではないと解するのが相当である。これを本件についてみるに、原告が建築士事務所の登録を有しないものであることは当事者間に争いのないところであるが、建築業者たる原告が被告の申込により、その後に締結されるべき本件建物の建築請負工事の準備的行為として工事費の見積をするに際し、1級建築士の資格をもち建築士事務所の登録を有する市川英1を使用して右建物の設計を行なわせたことは前示のとおりであり、かつ右建築請負契約が不成立に終つたことが弁論の全趣旨によって認められるから、建築士法の前示規定にかかわらず、原告の被告に対する右設計に伴う報酬請求権の発生が妨げられることはないというべきである。

 したがって、被告の前示抗弁は失当というほかはない。(中略)

 ニ よって進んで報酬金の相当額について判断する。

 原告は建築士事務所の登録を有するものではないが、前示認定のごとき経過のもとに被告の依頼により建築士を使用して建築物の設計をしたのであるが、このような場合には、建築業者としてはその使用にかかる建築士に対し所定の報酬を支払わねばならないのであるから、特別の事情がない限り、一般の建築士事務所が建築物の設計をした場合と同様の基準をもって依頼者に設計による報酬を請求しうるものと解すべきである。ところで、前示〈証拠〉を綜合すると、原告が被告の依頼によって設計した建築物(百貨店)の工事費見積総額は合計20、33万6、291円であるところ、右のうちには金50万の設計出願料が含まれているため、実質的な工事費見積額は右を控除した残額19、83万6、291円であること、建築士事務所の登録を有する建築士が設計料等の請求をする基準としては、財団法人日本建築家協会制定にかかる「建築家の業務及び報酬規程」の定めるところによるものとされているところ、右規程によれば見積額1、000万円以上5、000万円末満の百貨店の設計監理報酬の基準は第2類にあたり、工事費額の6%が報酬額の最低基準と定められているが、現実にはその8掛(8割)すなわち4、8%程度であるところ、右基準のなかには設計の報酬のみならず、監理料をも包含しており、両者の比率としては設計料の方が監理料より高率であること、右設計を現実に担当した1級建築士市川英1が右建物についてした設計は右報酬規程の予想する事務の60%程度であったことが認められる。そして右認定に反する(証拠)はいずれも措信せず、また前示のとおり、原告作成にかかる新築工事についての見積書中に設計出願料(すなわち設計料と出願料)として金50万円を計上していることが認められるが(甲第3号証の2参照)、右の記載は原被告間に新築工事の請負契約が成立する場合における見積額であるから、これをもって直ちに設計費用のみを単独に請求する場合の設計出願料とみることはできないので、右の記録があることの1事によって前示認定を妨げるものではないし、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

 前示認定の事実によれば、原告の設計した建築物の実質的な工事費見積額1

9、83万6、291円に6%×0.8×60%=2.88%を乗ずると金57万1、285円(円位以下切捨)となり、右金額が本件設計に伴う報酬とみるのが相当である。(岡垣学)

 

平和条約第14条(a)項2(1)による在外資産の喪失と国に対する補償請求の許否

 

 

補償金請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和40年(オ)第417号

【判決日付】      昭和43年11月27日

【判示事項】      平和条約第14条(a)項2(1)による在外資産の喪失と国に対する補償請求の許否

【判決要旨】      平和条約が締結された結果、同条約第14条(a)項2(1)の規定により在外資産を喪失した者は、国に対しその喪失による損害について補償を請求することはできない。

【参照条文】      日本国との平和条約14条(a)項2(1)

             憲法29-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集22巻12号2808頁

 

日本国との平和条約

第十四条

 

広議の賠償に関する規定である。

 

⒜ 日本が連合国に賠償を支払うべきものであることは承認されるが、同時に、日本の資󠄄源をもつてしては、現在完全な賠償支払と他の債務の履行をあわせて行うものとすれば、日本はとうていその経済を維持することができないことも承認されている。そこで、

 

1 第一に、現在の領域が日本国軍隊によつて占領され、且つ、日本国によつて損害を与えられた連合国から希望があるときには、日本人の役務を提供することによつて償いをするものとし、そのための取極を締結するための交󠄄渉をすみやかに開始しなければならない。役務を提供すべき作業の例として生産と沈船引揚げが挙げられている。この取極の内容について、二つの条件が付けられている。第一は、他の連合国に迷惑をかけてはならない、ということである。例えば、日本がその取極によつて賠償を支払う結果、他の連合国が日本に与える経済上の援助の額を増さなければならない、とふうようなことがあつてはならない。第二は、役務の内容が原材料からの製造である場合には、日本に外貨の負担を課さないために、その原材料は、その製造を要求する連合国が供給しなければならないということである。

 

2 前項1は、狭義のいわゆる賠償であるが、第二種の賠償として、日本の在連合国財産は、連合国の処分にゆだねられる。日本の国家及び国民、それらの代理者又󠄂は代行者、並びにそれらが所有し又󠄂は支配した団体に俗する財産が対象となる。その留置、清算及󠄃び処分は、連合国の国内法に従つて行われる((Ⅳ)参照)。ただし、処分から除外される日本財産がある。すなわち、㈠日本に占領されなかつた地域に当該国の許可を得て戦争中に居住した日本人個人の財産、同大公使󠄃館、領事館及󠄃びその職員の財産、㈢宗教団体又󠄂は慈善団体の財産、㈣終戦後の正常な取引に基いて得た財産、㈤日本国若しくは日本国民の債務で円貨表示のものがこれである((Ⅱ)参照)。これらの財産の返還を受けるためには、保管及󠄃び管理のための費用を支払わなければならない((Ⅲ)参照)。なお、一般の財産、権利及び利益とことなり、特に日本の商標及󠄃び著作権については、連合国でなるべく有利な取扱いをすることになつている((V)参照)。

 

⒝ 前項⒜の日本の賠償義務に対応して、本項は、連合国が、この平和条約中で特に規定されているものを除いて、㈠すべての賠償請求権、㈡戦争遂行中に日本及び日本国民がとつた行動から生ずる連合目及󠄃び連合国民の他の請求権並びに、㈢占領の直接軍事費に関する請求権を放棄する旨を規定する。直接占領軍事費とあるのは、占領期間中の経済援助費等を含まない意味である。

 

 

 

平成三年法律第七十一号

日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法

(特別永住許可)

第四条 平和条約国籍離脱者の子孫で出生その他の事由により入管法第三章に規定する上陸の手続を経ることなく本邦に在留することとなるものは、出入国在留管理庁長官の許可を受けて、この法律に定める特別永住者として、本邦で永住することができる。

2 出入国在留管理庁長官は、前項に規定する者が、当該出生その他の事由が生じた日から六十日以内に同項の許可の申請をしたときは、これを許可するものとする。

3 第一項の許可の申請は、法務省令で定めるところにより、居住地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下同じ。)の長に、特別永住許可申請書その他の書類を提出して行わなければならない。

4 市町村の長は、前項の書類の提出があったときは、第一項の許可を受けようとする者が申請に係る居住地に居住しているかどうか、及び提出された書類の成立が真正であるかどうかを審査した上、これらの書類を、出入国在留管理庁長官に送付しなければならない。

 

登記名義人が当該登記の抹消登記手続を求めることが許されるとされた事例

 

 

              所有権移転登記抹消登記手続等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和33年(オ)第1128号

【判決日付】      昭和36年11月24日

【判示事項】      登記名義人が当該登記の抹消登記手続を求めることが許されるとされた事例

【判決要旨】      甲が乙から宅地を買受けその旨の所有権取得登記を経由したのち、乙の債務不履行を原因として右売買契約が解除された場合には、甲は乙に対し右登記の抹消登記手続を求めることができる。

【参照条文】      不動産登記法26-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集15巻10号2573頁

 

不動産登記法

(登記の抹消)

第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人加藤定蔵の上告理由第一点について。

 真実の権利関係に合致しない登記があるときは、その登記の当事者の一方は他の当事者に対し、いずれも登記をして真実に合致せしめることを内容とする登記請求権を有するとともに、他の当事者は右登記請求に応じて登記を真実に合致せしめることに協力する義務を負うものというべきである。本件において、被上告人は上告人からその所有にかかる本件宅地を買い受けその旨の所有権取得登記を経由したが、上告人において売買契約の条件を履行しないためこれを解除したことを理由として、右登記の抹消登記手続を求めるものであるから、上告人は之に対応して右抹消の登記に協力する義務ある旨の原審の判断は、前判示に照して正当である。論旨は、ひつきよう独自の見解にもとづき原判決を論難するものであつて、その引用する判例はいずれも本件に適切でないから、採用するをえない。

 同第二点について。

 所論は、審理不尽、理由不備をいうけれども、原審において主張、判断のない事項について違法をいうにすぎないから、採用するをえない。

 同第三点について。

 所論は、採証法則違背、理由不備をいうけれども、ひつきよう原審が適法にした証拠の取捨、判断及び事実認定を非難するにすぎず、上告適法の理由とならない。

 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

    最高裁判所第二小法廷

会社が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該会社の代表者らが受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該会社における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例


    所得税更正処分等取消請求事件
【事件番号】    最高裁判所第2小法廷判決/平成21年(行ヒ)第404号
【判決日付】    平成24年1月13日
【判示事項】    1 所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」の支出の主体
          2 会社が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該会社の代表者らが受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該会社における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例
【判決要旨】    1 一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには、それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえることを要する。
          2 死亡保険金の受取人を会社とし、満期保険金の受取人を当該会社の代表者らとする養老保険契約の保険料を当該会社が支払い、満期保険金を当該代表者らが受け取った場合において、上記保険料のうち当該代表者らに対する貸付金として経理処理がされた部分がその2分の1である一方、その余の部分が当該会社における保険料として損金経理がされたものであるなど判示の事情のもとでは、上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上、後者の部分は所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらない。
          (1、2につき補足意見がある)
【参照条文】    所得税法34-2
          所得税法施行令(平成23年政令第195号による改正前のもの)183-2
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集66巻1号1頁

所得税法
(一時所得)
第三十四条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。


所得税法施行令
(生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等)
第百八十三条 生命保険契約等に基づく年金(法第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等を除く。以下この項において同じ。)の支払を受ける居住者のその支払を受ける年分の当該年金に係る雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
一 当該年金の支払開始の日以後に当該年金の支払の基礎となる生命保険契約等に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金の額は、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入する。
二 その年に支払を受ける当該年金の額に、イに掲げる金額のうちにロに掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額は、その年分の雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
イ 次に掲げる年金の区分に応じそれぞれ次に定める金額
(1) その支払開始の日において支払総額が確定している年金 当該支払総額
(2) その支払開始の日において支払総額が確定していない年金 第八十二条の三第二項(確定給付企業年金の額から控除する金額)の規定に準じて計算した支払総額の見込額
ロ 当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金の総額
三 当該生命保険契約等が年金のほか一時金を支払う内容のものである場合には、前号ロに掲げる保険料又は掛金の総額は、当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金の総額に、同号イ(1)又は(2)に定める支払総額又は支払総額の見込額と当該一時金の額との合計額のうちに当該支払総額又は支払総額の見込額の占める割合を乗じて計算した金額とする。
四 前二号に規定する割合は、小数点以下二位まで算出し、三位以下を切り上げたところによる。
2 生命保険契約等に基づく一時金(法第三十一条各号(退職手当等とみなす一時金)に掲げるものを除く。以下この項において同じ。)の支払を受ける居住者のその支払を受ける年分の当該一時金に係る一時所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
一 当該一時金の支払の基礎となる生命保険契約等に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金の額で、当該一時金とともに又は当該一時金の支払を受けた後に支払を受けるものは、その年分の一時所得に係る総収入金額に算入する。
二 当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金(第八十二条の三第一項第二号イからリまでに掲げる資産及び確定拠出年金法第五十四条第一項(他の制度の資産の移換)、第五十四条の二第一項(脱退一時金相当額等の移換)又は第七十四条の二第一項(脱退一時金相当額等又は残余財産の移換)の規定により移換された同法第二条第十二項(定義)に規定する個人別管理資産に充てる資産を含む。第四項において同じ。)の総額は、その年分の一時所得の金額の計算上、支出した金額に算入する。ただし、次に掲げる掛金、金額、企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金の総額については、当該支出した金額に算入しない。
イ 旧厚生年金保険法第九章(厚生年金基金及び企業年金連合会)の規定に基づく一時金(第七十二条第二項(退職手当等とみなす一時金)に規定するものを除く。)に係る同項に規定する加入員の負担した掛金
ロ 確定給付企業年金法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて支給を受ける一時金(法第三十一条第三号に掲げるものを除く。)の額に第八十二条の三第一項第二号イからリまでに掲げる資産に係る部分に相当する金額が含まれている場合における当該金額に係る法第三十一条第三号に規定する加入者が負担した金額
ハ 第七十二条第三項第五号イからハまでに掲げる規定に基づいて支給を受ける一時金(同号に掲げるものを除く。)の額に第八十二条の三第一項第二号イからリまでに掲げる資産に係る部分に相当する金額が含まれている場合における当該金額に係る第七十二条第三項第五号に規定する加入者が負担した金額
ニ 小規模企業共済法第十二条第一項(解約手当金)に規定する解約手当金(第七十二条第三項第三号ロ及びハに掲げるものを除く。)に係る同号イに規定する小規模企業共済契約に基づく掛金
ホ 確定拠出年金法附則第二条の二第二項及び第三条第二項(脱退一時金)に規定する脱退一時金に係る同法第三条第三項第七号の二(規約の承認)に規定する企業型年金加入者掛金及び同法第五十五条第二項第四号(規約の承認)に規定する個人型年金加入者掛金
三 当該生命保険契約等が一時金のほか年金を支払う内容のものである場合には、前号に規定する保険料又は掛金の総額は、当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金の総額から、当該保険料又は掛金の総額に前項第三号に規定する割合を乗じて計算した金額を控除した金額に相当する金額とする。
3 前二項に規定する生命保険契約等とは、次に掲げる契約又は規約をいう。
一 生命保険契約(保険業法第二条第三項(定義)に規定する生命保険会社又は同条第八項に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約をいう。第三号ロ及び次条第一項において同じ。)、旧簡易生命保険契約(第三十条第一号(非課税とされる保険金、損害賠償金等)に規定する旧簡易生命保険契約をいう。)及び生命共済に係る契約
二 第七十三条第一項第一号(特定退職金共済団体の要件)に規定する退職金共済契約
三 退職年金に関する次に掲げる契約
イ 信託契約
ロ 生命保険契約
ハ 生命共済に係る契約
四 確定給付企業年金法第三条第一項に規定する確定給付企業年金に係る規約
五 法第七十五条第二項第一号(小規模企業共済等掛金控除)に規定する契約
六 確定拠出年金法第四条第三項(承認の基準等)に規定する企業型年金規約及び同法第五十六条第三項(承認の基準等)に規定する個人型年金規約
4 第一項及び第二項に規定する保険料又は掛金の総額は、当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金の総額から次に掲げる金額を控除して計算するものとする。
一 第七十五条第一項(特定退職金共済団体の承認の取消し等)の規定による承認の取消しを受けた法人又は同条第三項の規定により承認が失効をした法人に対し前項第二号に掲げる退職金共済契約に基づき支出した掛金、確定給付企業年金法第百二条第三項若しくは第六項(事業主等又は連合会に対する監督)の規定による承認の取消しを受けた当該取消しに係るこれらの規定に規定する規約型企業年金に係る規約に基づき支出した掛金又は同項の規定による解散の命令を受けた同項に規定する基金の同法第十一条第一項(基金の規約で定める事項)に規定する規約に基づき支出した掛金及び法人税法施行令附則第十八条第一項(適格退職年金契約の承認の取消し)の規定による承認の取消しを受けた第七十六条第二項第一号(退職金共済制度等に基づく一時金で退職手当等とみなさないもの)に規定する信託会社等に対し当該取消しに係る同号に規定する契約に基づき支出した掛金又は保険料のうち、これらの取消し若しくは命令を受ける前又は当該失効前に支出したものの額(次号に該当するものを除くものとし、これらの掛金又は保険料の額のうちに、法第三十一条第三号若しくは第三十五条第三項第三号若しくは第七十二条第三項第五号若しくは第八十二条の二第二項第五号(公的年金等とされる年金)に規定する加入者の負担した金額(当該金額に第八十二条の三第一項第二号イからリまでに掲げる資産に係る当該加入者が負担した部分に相当する金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額)又は第七十二条第三項第四号若しくは第八十二条の二第二項第四号に規定する勤務をした者の負担した金額がある場合には、これらの金額を控除した金額とする。)
二 次に掲げる保険料又は掛金(第六十五条(不適格退職金共済契約等に基づく掛金の取扱い)の規定により給与所得に係る収入金額に含まれるものを除く。)の額
イ 第七十六条第一項第二号又は第二項第二号に掲げる給付に係る保険料又は掛金
ロ 旧厚生年金保険法第九章の規定に基づく一時金(第七十二条第二項に規定するものを除く。)に係る掛金(当該掛金の額のうちに同項に規定する加入員の負担した金額がある場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分に限る。)
ハ 確定給付企業年金法第三条第一項に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて支給を受ける一時金(法第三十一条第三号に掲げるものを除く。)に係る掛金(当該掛金の額のうちに同号に規定する加入者の負担した金額がある場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分に限る。)
ニ 法人税法附則第二十条第三項(退職年金等積立金に対する法人税の特例)に規定する適格退職年金契約に基づいて支給を受ける一時金(第七十二条第三項第四号に掲げるものを除く。)に係る掛金又は保険料(当該掛金又は保険料の額のうちに同号に規定する勤務をした者の負担した金額がある場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分に限る。)
ホ 第七十二条第三項第五号イからハまでに掲げる規定に基づいて支給を受ける一時金(同号に掲げるものを除く。)に係る掛金(当該掛金の額のうちに同号に規定する加入者の負担した金額がある場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分に限る。)
ヘ 確定拠出年金法附則第二条の二第二項及び第三条第二項に規定する脱退一時金に係る掛金(当該掛金の額のうちに、同法第三条第三項第七号の二に規定する企業型年金加入者掛金の額又は同法第五十五条第二項第四号に規定する個人型年金加入者掛金の額がある場合には、これらの金額を控除した金額に相当する部分に限る。)
ト 中小企業退職金共済法第十六条第一項(解約手当金)に規定する解約手当金又は第七十四条第五項(特定退職金共済団体の承認)に規定する特定退職金共済団体が行うこれに類する給付に係る掛金
三 事業を営む個人又は法人が当該個人のその事業に係る使用人又は当該法人の使用人(役員を含む。次条第三項第一号において同じ。)のために支出した当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金で当該個人のその事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額若しくは山林所得の金額又は当該法人の各事業年度の所得の金額の計算上必要経費又は損金の額に算入されるもののうち、これらの使用人の給与所得に係る収入金額に含まれないものの額(前二号に掲げるものを除く。)
四 当該年金の支払開始の日前又は当該一時金の支払の日前に当該生命保険契約等に基づく剰余金の分配若しくは割戻金の割戻しを受け、又は当該生命保険契約等に基づき分配を受ける剰余金若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて当該保険料若しくは掛金の払込みに充てた場合における当該剰余金又は割戻金の額



 

第3章 改正法のポイント

 同改正については下記一覧表のとおり、大きく5つに分類することができます。

 本稿では、より実務への影響が大きいと予想される、通信販売における詐欺的商法への対策(下記2)、事業者が交付すべき書面のデジタル化(下記3)、クーリング・オフ通知のデジタル化について詳述します。

 

 

改正項目

ポイント

施行日

通信販売における詐欺的商法への対策         

 

定期購入でないと誤認させる表示(定期性誤認表示)等の直罰化

定期性誤認表示によって申込みをした場合に申込みの取消しを認める制度の創設

通信販売の契約の解除の妨害に当たる行為の禁止

定期性誤認表示や解除の妨害等を適格消費者団体の差止請求の対象に追加

 

令和4年6月1日

送り付け商法への対策     

 

売買契約に基づかないで一方的に送り付けた商品について、送付した事業者が返還請求できない規定の整備等

施行日以降に送り付けられた商品の即座の処分を可能に

 

令和3年7月6日

事業者が交付すべき書面のデジタル化         

 

事業者が交付しなければならない契約書面等について、消費者の承諾を得て、電磁的方法(電子メールの送付等)で行うことが可能に

 

令和5年6月15日までの範囲で、政令で定める日 ※

 

クーリング・オフ通知のデジタル化             

 

消費者からのクーリング・オフの通知について電磁的方法(電子メールの送付等)で行うことが可能に

 

令和4年6月1日

外国執行当局の情報提供制度や行政処分の強化

外国執行当局に対する情報提供制度の創設

行政処分の強化等(違反者に対する措置の一部強化)

 

令和4年6月1日

 

 

 詐欺的商法への対策は、定期購入でないと消費者に誤認させて不正な利益を得ようとする悪質な事業者の排除を目的としていますが、広告や申込画面に表示するべき内容に変更があるので、通信販売に携わる事業者、特に役務提供事業者は対策が必要です。

 また、事業者が交付すべき書面のデジタル化は、事業者の今後のビジネススキームにかかわることが予想されるため、改正案が政令等でどのように具体化されていくかを注視する必要があります。

 さらに、クーリング・オフ通知がデジタル化したことで、事業者は窓口や受付体制を整えるなどこれに対応する必要があります。