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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

小規模個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づく場合に当たるか否かの判断に当たり無異議債権の存否を考慮することの可否

最高裁判所第3小法廷決定/平成29年(許)第19号

平成29年12月19日

『平成30年度重要判例解説』民事訴訟法事件

再生計画認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件

【判示事項】    小規模個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づく場合に当たるか否かの判断に当たり無異議債権の存否を考慮することの可否

【判決要旨】    小規模個人再生において,再生債権の届出がされ(民事再生法225条により届出がされたものとみなされる場合を含む。),一般異議申述期間または特別異議申述期間を経過するまでに異議が述べられなかったとしても,住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づいてされた場合に当たるか否かの判断に当たっては,当該再生債権の存否を含め,当該再生債権の届出等に係る諸般の事情を考慮することができる。

(補足意見がある。)

【参照条文】    民事再生法38-2

          民事再生法202-2

          民事再生法225

          民事再生法231-1

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集71巻10号2632頁

 

民事再生法

(再生債務者の地位)

第三十八条 再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第六十六条及び第八十一条第一項において同じ。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。

2 再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。

3 前二項の規定は、第六十四条第一項の規定による処分がされた場合には、適用しない。

 

(住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定等)

第二百二条 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

2 裁判所は、住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、再生計画不認可の決定をする。

一 第百七十四条第二項第一号又は第四号に規定する事由があるとき。

二 再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。

三 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。

四 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

3 住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者は、再生債権の届出をしていない場合であっても、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。

4 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定があったときは、住宅資金特別条項によって権利の変更を受けることとされている者で再生債権の届出をしていないものに対しても、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

5 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には、第百七十四条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

 

(再生債権のみなし届出)

第二百二十五条 債権者一覧表に記載されている再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、債権届出期間内に裁判所に当該再生債権の届出又は当該再生債権を有しない旨の届出をした場合を除き、当該債権届出期間の初日に、債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出をしたものとみなす。

 

(再生計画の認可又は不認可の決定)

第二百三十一条 小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第百七十四条第二項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは、第二百二条第二項)又は次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

2 小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

一 再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。

二 無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び第八十四条第二項に掲げる請求権の額を除く。)が五千万円を超えているとき。

三 前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第八十四条第二項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。

四 第二号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)を下回っているとき。

五 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。

 

譲渡担保権者及び譲渡担保設定者と目的不動産についての被保険利益

 

 

              保険金支払請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成元年(オ)第1351号

【判決日付】      平成5年2月26日

【判示事項】      一 譲渡担保権者及び譲渡担保設定者と目的不動産についての被保険利益

             二 譲渡担保権者と譲渡担保設定者が別個に損害保険契約を締結し保険金額の合計額が保険価額を超過している場合と各保険者の負担額の決定方法

【判決要旨】      一 譲渡担保権者及び譲渡担保設定者は、いずれも譲渡担保の目的不動産について被保険利益を有する。

             二 譲渡担保権者と譲渡担保設定者が別個に譲渡担保の目的不動産について損害保険契約を締結し、その保険金額の合計額が保険価額を超過している場合には、特段の約定のない限り、商法六三二条の趣旨にかんがみ、各損害保険契約の保険金額の割合によって各保険者の負担額を決定すべきである。

【参照条文】      民法369

             商法630

             商法631

             商法632

             商法633

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集47巻2号1653頁

 

民法

(抵当権の内容)

第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

 

保険法

(第三者のためにする損害保険契約)

第八条 被保険者が損害保険契約の当事者以外の者であるときは、当該被保険者は、当然に当該損害保険契約の利益を享受する。

 

 

原告を合併法人として行った吸収合併の被合併法人が,原告の発行済株式の全部(本件株式)を保有していた株式会社から本件株式を本件対価の額で譲り受けたところ,処分行政庁が,本件対価の額は,上記株式譲受けの日における株式の適正な価額(時価。「本件株式の適正な価額」)に比して低額であることから,本件対価の額と本件株式の適正な価額との差額は,法人税法22条2項の収益の額となる受贈益の額に当たるとして,原告に対しした被合併法人の事業年度の法人税に係る更正処分等(本件各更正処分等)が違法として,その取消しを求めた事案。

 

 

法人税更正処分等取消請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/令和2年(行ウ)第334号

【判決日付】      令和3年10月29日

【判示事項】      原告を合併法人として行った吸収合併の被合併法人が,原告の発行済株式の全部(本件株式)を保有していた株式会社から本件株式を本件対価の額で譲り受けたところ,処分行政庁が,本件対価の額は,上記株式譲受けの日における株式の適正な価額(時価。「本件株式の適正な価額」)に比して低額であることから,本件対価の額と本件株式の適正な価額との差額は,法人税法22条2項の収益の額となる受贈益の額に当たるとして,原告に対しした被合併法人の事業年度の法人税に係る更正処分等(本件各更正処分等)が違法として,その取消しを求めた事案。

裁判所は,益金の額に算入すべき収益の額は,当該資産の譲受けの対価の額と同資産の譲受時における適正な価額との差額であると解されるとして各更正処分等は適法とし,各請求を棄却した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

法人税法

第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則

第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。

一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額

二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

5 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

ビジネス法務2024年4月号【特集1】苦手意識を克服! 独禁法・競争法の最重要テーマ20

 

中央経済社

定価(紙 版):1,800円(税込)

発行日:2024/02/21

 

【特集1】

苦手意識を克服! 独禁法・競争法の最重要テーマ20

 

今日の実務上では,ステマ規制をはじめ,インボイス制度の導入,フリーランス新法の成立,さらにはグリーン社会の実現に向けた動きなど,いわゆる競争法をめぐる論点が注目されています。税務,労務にまで及んでいるように,競争法の対象範囲はきわめて広いことが特徴です。

本特集は,独禁法に加え,不競法,景表法,下請法といった競争法分野を一挙に整理しています。論点が多く複雑ですが,最新動向をふまえ基礎から丁寧に学びましょう。

 

コメント

新しい発見があります。

 

第6章 広告に表示すべき内容の変化と実務で求められること
 旧法11条は、広告をする場合に契約の主な事項を広告に表示する義務を規定し、表示すべき項目のうち重要なものについては同条で直接規定していますが、その他の項目については法律ではなく施行規則(特定商取引に関する法律施行規則)8条で規定しています。
 今回の改正法では、法律で規定する表示項目について一部追加(改正11条4号)および対象を拡大(改正11条5号)する改正がされました。
 また、令和4年1月4日公布の改正施行規則でも、対象の範囲が一部拡大しました(施行規則8条7号等)。
 こうした変更は、以下のとおり、今後の実務へ影響を与えます。

(1)「定期役務提供契約」について定期契約である旨等の表示を義務化
 旧法では、施行規則8条7号で、定期購入契約の場合には「その旨及び金額、契約期間その他の販売条件」を広告に表示することが求められていました。しかし、その文言上、適用対象は「商品の売買契約」のみであったことから、定期役務提供契約(たとえば、サブスクモデルのサービス提供)についてはこの広告表示規制からは除外されるものと解されていました。
 今回の改正法では、このような限定がなくなり、定期役務提供契約についても上記事項を広告に表示することが義務化されました(改正11条6号、改正施行規則8条7号)。

(2)「役務提供契約」についても申込みの撤回または解除の定めの表示を義務化
 クーリング・オフ類似の法定返品制度と連動する形で広告表示事項とされていた、申込みの撤回または解除に関する事項 1 について、その対象が売買契約だけでなく、役務提供契約にも広がります(改正11条5号)。これにより改正後は、役務提供契約についても、申込みの撤回または解除の定めを広告に明示しなければなりません。
 なお、申込みの撤回は観念し得るとしても、役務提供契約の解除については、一度提供した役務を契約前の状態に戻すこと(いわゆる「巻き戻し」)はそもそも観念しがたいと思われます。そのため、法定返品制度の対象外とされていますが、この点については変更がなかったため、法定返品制度による裏付けがない中で表示義務だけが規定されることになるものと考えられます。
 現在も、特商法上の表記として、「役務であるため、その性質上、返品や返金には応じられません」といった記載を任意で行っている事業者もありますが、今後はすべての役務提供事業者がこうした記載をしなければならないことになります。
 どのような記載が必要となるかについては、今後の通達やガイドライン等で詳細を確認することになるでしょう。

 

公営住宅の使用関係

最1小判昭和59年12月13日民集38巻12号1411頁 判タ546号85頁 金融・商事判例716号45頁 判時1141号58頁

建物明渡等請求事件 『地方自治判例百選(第4版)』58事件

【判示事項】 都営住宅無断増築明渡訴訟上告審判決(公営住宅の明渡請求と信頼関係の法理の適用)

【判決要旨】 公営住宅の入居者が公営住宅法22条1項所定の明渡請求事由に該当する行為をした場合であっても、賃貸人である事業主体との間の信頼関係を破壊するとは認め難い特段の事情があるときは、事業主体の長がした明渡請求は効力を生じない。

【参照条文】 公営住宅法22

       民法541 、601

 

公営住宅法

(入居者の募集方法)

第二十二条 事業主体は、災害、不良住宅の撤去、公営住宅の借上げに係る契約の終了、公営住宅建替事業による公営住宅の除却その他政令で定める特別の事由がある場合において特定の者を公営住宅に入居させる場合を除くほか、公営住宅の入居者を公募しなければならない。

2 前項の規定による入居者の公募は、新聞、掲示等区域内の住民が周知できるような方法で行わなければならない。

 

民法

(催告による解除)

第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

 

(賃貸借)

第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

 

 1 X(東京都)は、Y(都営住宅の入居者)に対し、都営住宅の明渡しを請求した。

 双方の主張は、(一)(Xの請求原因)Xの所有権、Yの占有、(二)(Yの抗弁)使用関係の成立、(三)(Xの再抗弁)使用関係の終了、終了原因として、(1)無断増築、(2)割増賃料の不払、(四)(Yの再々抗弁)右(1)に対して、信頼関係を破壊するとは認め難い特段の事情の存在、右(2)に対しては、借家法7条の適用、というものである。

  2 一審東京地裁(判タ386号67頁)は、Yの再々抗弁(1)および(2)を容れて、Xの請求を棄却した。

これに対し、原審・東京高裁(判タ470号95頁)は、Yの再々抗弁(1)および(2)について、公営住宅の使用関係については信頼関係の法理の適用はなく、また、借家法7条の適用もないとして、Xの請求を認容した。

 Yは、上告して、原判決の法令違背等を主張した。

  3 本判決は、公営住宅の使用関係についても、信頼関係の法理の適用がある旨判示したうえ、本件においては、原審確定の無断増築の内容などに照らして、信頼関係を破壊するとは認め難い特段の事情があるとはいえないとして、原判決の結論を是認し、Yの上告を棄却した。

旧所得税法九条一項八号に規定する譲渡所得の性質

 

 

              所得税賦課決定等取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和41年(行ツ)第8号

【判決日付】      昭和43年10月31日

【判示事項】      一、旧所得税法九条一項八号に規定する譲渡所得の性質

             二、同法五条の二の規定の趣旨

【判決要旨】      旧所得税法(昭和二二年法律第二七号)第五条の二の規定は、資産の値上りによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得とし、それを右資産の他への移転の時期において課税の対象とするのを相当と認め、それが対価を伴わずに移転される場合にもいわゆる譲渡所得に準じて取り扱うべきものとしたのであつて、所得のないところに課税所得の存在を擬制したものではない。

【参照条文】      旧所得税法(昭和22年法律第27号)5の2

【掲載誌】        訟務月報14巻12号1442頁

             最高裁判所裁判集民事92号797頁

             税務訴訟資料53号799頁

 

所得税法

(譲渡所得)

第三十三条 譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。

2 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。

一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得

二 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得

3 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。

一 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)

二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの

4 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。

5 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。

 

ビジネス法務2024年4月号【特集2】2023重要判例まとめ・前編(会社法・金商法編)

中央経済社
定価(紙 版):1,800円(税込)
発行日:2024/02/21
 


【特集2】
2023重要判例まとめ・前編(会社法・金商法編)

日々,各地の裁判所で多くの判決・決定が示されているところ,そのなかには企業活動において大きな影響を与えるものが少なくありません。しかし,それらをすべからく把握したうえで重要性を判断することは至難の業です。
そこで,今年は2号にわたって,2023年に出された特に重要な判例の総まとめを行います。前編となる今回は,会社法・金商法にかかわるものを10本まとめました。特に押さえておくべき判例について「見落とし」がないか総チェック!

(後編(2024年5月号掲載)では,知財関連をはじめその他の重要判例を解説します)


コメント
大変参考になります。

 

普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結と民法108条の類推適用


    損害賠償請求事件
【事件番号】    最高裁判所第3小法廷判決/平成12年(行ヒ)第96号、平成12年(行ヒ)第97号
【判決日付】    平成16年7月13日
【判示事項】    1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結と民法108条の類推適用
          2 普通地方公共団体の議会が長による民法108条に違反する契約締結行為を追認した場合における当該行為の法律効果の帰属
          3 市の事業である博覧会の開催運営等を行った財団法人と市との間でされた博覧会の施設等の売買契約の締結につき市長等に裁量権の逸脱,濫用があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
【判決要旨】    1 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結には,民法108条が類推適用される。
          2 普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表するとともに相手方を代理し又は代表して契約を締結した場合において,議会が長による上記行為を追認したときは,民法116条の類推適用により,当該普通地方公共団体に法律効果が帰属する。
          3 市の事業である博覧会の準備及び開催運営を行うことを唯一の目的として設立された財団法人が上記事務を行ったが,博覧会の入場料収入等だけではその開催運営経費を賄いきれないことから,市がその収支の赤字を回避する目的で当該法人との間で博覧会の施設及び物品を買い受ける旨の契約を締結したことにつき,市が当該法人に博覧会の具体的な準備及び開催運営を行うことをゆだねたものとして両者間に実質的にみて準委任的な関係が存したものと解する余地があり,市に上記赤字を補てんする法的義務があると解する余地も否定することができないという事情の下においては,博覧会の準備及び開催運営に関する両者の関係の実質,当該法人が行った博覧会の準備及び開催運営の内容並びにこれに関して支出された費用の内訳を確定することなく,市長及びその代決者に裁量権の逸脱,濫用があるとした原審の判断には,違法がある。
          (1につき補足意見がある。)
【参照条文】    地方自治法147
          地方自治法149
          地方自治法(平14法152号による改正前のもの)234
          民法108
          民法113-1
          民法116
          地方自治法(平11法87号による改正前のもの)96
          民法650
          民法656
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集58巻5号1368頁

民法
(自己契約及び双方代理等)
第百八条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

(無権代理)
第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

(無権代理行為の追認)
第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

(受任者による費用等の償還請求等)
第六百五十条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
3 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。

(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

地方自治法
第二節 権限
第九十六条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設け又は改廃すること。
二 予算を定めること。
三 決算を認定すること。
四 法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。
五 その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
六 条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
七 不動産を信託すること。
八 前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。
九 負担付きの寄附又は贈与を受けること。
十 法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
十一 条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。
十二 普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分又は同条第三項に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。
十三 法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十四 普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。
十五 その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項
② 前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。

第二款 権限
第百四十七条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。

第百四十九条 普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。
一 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
二 予算を調製し、及びこれを執行すること。
三 地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。
四 決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。
五 会計を監督すること。
六 財産を取得し、管理し、及び処分すること。
七 公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。
八 証書及び公文書類を保管すること。
九 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。

 

抗がん剤の過剰投与により患者を死亡させた医療事故に関して,厚生労働大臣が「罰金以上の刑に処せられたため。」及び「医事に関し不正の行為のあったため。」を理由として当時の主治医に対してした,3年6か月間の医業停止の処分が,適法であるとして,処分の取消請求が棄却された事例


          行政処分取消請求事件
【事件番号】    東京地方裁判所判決/平成16年(行ウ)第191号
【判決日付】    平成18年2月24日
【判示事項】    抗がん剤の過剰投与により患者を死亡させた医療事故に関して,厚生労働大臣が「罰金以上の刑に処せられたため。」及び「医事に関し不正の行為のあったため。」を理由として当時の主治医に対してした,3年6か月間の医業停止の処分が,適法であるとして,処分の取消請求が棄却された事例
【参照条文】    医師法7-2
          医師法4-3
          医師法4-4
【掲載誌】     判例タイムズ1251号166頁
          判例時報1950号49頁

医師法
第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

第七条 医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一 戒告
二 三年以内の医業の停止
三 免許の取消し
2 前項の規定による取消処分を受けた者(第四条第三号若しくは第四号に該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつた者として同項の規定による取消処分を受けた者にあつては、その処分の日から起算して五年を経過しない者を除く。)であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたときその他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条第一項及び第二項の規定を準用する。
3 厚生労働大臣は、前二項に規定する処分をするに当たつては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
4 厚生労働大臣は、第一項の規定による免許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。
5 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章第二節(第二十五条、第二十六条及び第二十八条を除く。)の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。この場合において、同節中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第十五条第一項中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同条第三項(同法第二十二条第三項において準用する場合を含む。)中「行政庁は」とあるのは「都道府県知事は」と、「当該行政庁が」とあるのは「当該都道府県知事が」と、「当該行政庁の」とあるのは「当該都道府県の」と、同法第十六条第四項並びに第十八条第一項及び第三項中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十九条第一項中「行政庁が指名する職員その他政令で定める者」とあるのは「都道府県知事が指名する職員」と、同法第二十条第一項、第二項及び第四項中「行政庁」とあるのは「都道府県」と、同条第六項及び同法第二十四条第三項中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
6 厚生労働大臣は、都道府県知事から当該処分の原因となる事実を証する書類その他意見の聴取を行う上で必要となる書類を求められた場合には、速やかにそれらを当該都道府県知事あて送付しなければならない。
7 都道府県知事は、第四項の規定により意見の聴取を行う場合において、第五項において読み替えて準用する行政手続法第二十四条第三項の規定により同条第一項の調書及び同条第三項の報告書の提出を受けたときは、これらを保存するとともに、当該調書及び報告書の写しを厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該写しのほか当該意見を記載した意見書を提出しなければならない。
8 厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう求めることができる。行政手続法第二十二条第二項本文及び第三項の規定は、この場合について準用する。
9 厚生労働大臣は、当該処分の決定をするときは、第七項の規定により提出された意見書並びに調書及び報告書の写しの内容を十分参酌してこれをしなければならない。
10 厚生労働大臣は、第一項の規定による医業の停止の命令をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行うことを求め、当該弁明の聴取をもつて、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えることができる。
11 前項の規定により弁明の聴取を行う場合において、都道府県知事は、弁明の聴取を行うべき日時までに相当な期間をおいて、当該処分に係る者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 第一項の規定を根拠として当該処分をしようとする旨及びその内容
二 当該処分の原因となる事実
三 弁明の聴取の日時及び場所
12 厚生労働大臣は、第十項に規定する場合のほか、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えて、医道審議会の委員に、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行わせることができる。この場合においては、前項中「前項」とあるのは「次項」と、「都道府県知事」とあるのは「厚生労働大臣」と読み替えて、同項の規定を適用する。
13 第十一項(前項後段の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
14 都道府県知事又は医道審議会の委員は、第十項又は第十二項前段の規定により弁明の聴取を行つたときは、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該意見を報告書に記載しなければならない。
15 厚生労働大臣は、第四項又は第十項の規定により都道府県知事が意見の聴取又は弁明の聴取を行う場合においては、都道府県知事に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該処分に係る者の氏名及び住所
二 当該処分の内容及び根拠となる条項
三 当該処分の原因となる事実
16 第四項の規定により意見の聴取を行う場合における第五項において読み替えて準用する行政手続法第十五条第一項の通知又は第十項の規定により弁明の聴取を行う場合における第十一項の通知は、それぞれ、前項の規定により通知された内容に基づいたものでなければならない。
17 第四項若しくは第十項の規定により都道府県知事が意見の聴取若しくは弁明の聴取を行う場合又は第十二項前段の規定により医道審議会の委員が弁明の聴取を行う場合における当該処分については、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。