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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

非業務用の資産として取得された土地の買受代金支出に引き当てるべき金額を他から借り入れた場合の借入金利子は、譲渡所得の課税上、所得金額から控除される取得費に含まれるとされた事例

 

 

              所得税更正処分等取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和52年(行コ)第56号

【判決日付】      昭和54年6月26日

【判示事項】      非業務用の資産として取得された土地の買受代金支出に引き当てるべき金額を他から借り入れた場合の借入金利子は、譲渡所得の課税上、所得金額から控除される取得費に含まれるとされた事例

【判決要旨】      一、資産を取得するための借入金に対する利子は、その借入れ及び利子支払いが資産取得に必要かつ相当と認められる限り、譲渡所得金額の計算上「取得に要した金額」として控除される。

             二、非業務用資産を取得するための借入金に対する利子が譲渡所得金額の計算上「取得に要した金額」とされるためには、借入れ又は利子支払いが当核資産の使用開始の日までに行われることを要しない。

【参照条文】      所得税法38-1

【掲載誌】        行政事件裁判例集30巻6号1167頁

             訟務月報25巻11号2873頁

             東京高等裁判所判決時報民事30巻6号160頁

             判例タイムズ392号40頁

             金融・商事判例597号23頁

             判例時報945号36頁

             税務訴訟資料105号855頁

 

所得税法

(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)

第三十八条 譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とする。

2 譲渡所得の基因となる資産が家屋その他使用又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。

一 その資産が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間 第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額

二 前号に掲げる期間以外の期間 第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額

 

第7章 社外取締役設置の義務化

1,改正

次に、社外取締役設置の義務化(②)について解説します。

 

旧法では、会社法上「上場会社等」に該当する会社(事業年度末日時点で監査役会設置会社、公開会社かつ大会社であり、有価証券報告書提出義務を負う会社)が社外取締役を置かない場合には、定時総会で社外取締役を置くことが相当でない理由の説明を求められており、社外取締役の選任を直接義務づける形でなく、間接的に選任を促す規律となっています。

 

他方で、証券取引所の規程などでは、独立役員の確保が義務づけられるなどコーポーレートガバナンスの取組が進んでおり、上場会社においては殆どの会社が社外取締役を選任している状況となっています。

 

改正法327条の2は、社外取締役の設置義務について規定しています。 監査役会設置会社(公開会社かつ大会社であるものに限ります)であって、 金商法24条1項により有価証券報告書を提出している会社(いわゆる上場会社)は、 社外取締役を置かなければならない、とされました(改正法327条の2)。

社外取締役の設置義務化により、上場会社については社外取締役による監督体制が敷かれているという意味で、 資本市場の信頼性向上につながることが期待されています。

 

非上場会社が「上場会社等」に該当するケースは稀ですので、この改正は事実上、上場会社にかかわる改正となります。

もっとも、上場会社についてはほとんどの会社がすでに社外取締役を設置しており、実務への影響は限定的と考えられます。

 

土地開発公社(公有地の拡大の推進に関する法律10条、11条)の理事の違法な行為と住民訴訟(地方自治法242条の2第1項)の関係   

 

最1小判平成3年11月28日裁判集民事163号611頁 判タ774号129頁 判時1404号65頁 

【判決要旨】 土地開発公社の理事の違法な行為につき、その設立者である普通地方公共団体の住民は、地方自治法242条の2第1項4号の規定による住民訴訟を提起することができない。

【参照条文】 公有地の拡大の推進に関する法律10 (土地開発公社の設立)

       地方自治法242、242の2

 

公有地の拡大の推進に関する法律

(設立)

第十条 地方公共団体は、地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得及び造成その他の管理等を行わせるため、単独で、又は他の地方公共団体と共同して、土地開発公社を設立することができる。

2 地方公共団体は、土地開発公社を設立しようとするときは、その議会の議決を経て定款を定め、都道府県(都道府県の加入する一部事務組合又は広域連合を含む。以下この項において同じ。)又は都道府県及び市町村が設立しようとする場合にあつては主務大臣、その他の場合にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

 

地方自治法

(住民監査請求)

第二百四十二条 普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体の被つた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。

2 前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わつた日から一年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3 第一項の規定による請求があつたときは、監査委員は、直ちに当該請求の要旨を当該普通地方公共団体の議会及び長に通知しなければならない。

4 第一項の規定による請求があつた場合において、当該行為が違法であると思料するに足りる相当な理由があり、当該行為により当該普通地方公共団体に生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、当該行為を停止することによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがないと認めるときは、監査委員は、当該普通地方公共団体の長その他の執行機関又は職員に対し、理由を付して次項の手続が終了するまでの間当該行為を停止すべきことを勧告することができる。この場合において、監査委員は、当該勧告の内容を第一項の規定による請求人(以下この条において「請求人」という。)に通知するとともに、これを公表しなければならない。

5 第一項の規定による請求があつた場合には、監査委員は、監査を行い、当該請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面により請求人に通知するとともに、これを公表し、当該請求に理由があると認めるときは、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

6 前項の規定による監査委員の監査及び勧告は、第一項の規定による請求があつた日から六十日以内に行わなければならない。

7 監査委員は、第五項の規定による監査を行うに当たつては、請求人に証拠の提出及び陳述の機会を与えなければならない。

8 監査委員は、前項の規定による陳述の聴取を行う場合又は関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員の陳述の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員又は請求人を立ち会わせることができる。

9 第五項の規定による監査委員の勧告があつたときは、当該勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員は、当該勧告に示された期間内に必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員に通知しなければならない。この場合において、監査委員は、当該通知に係る事項を請求人に通知するとともに、これを公表しなければならない。

10 普通地方公共団体の議会は、第一項の規定による請求があつた後に、当該請求に係る行為又は怠る事実に関する損害賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

11 第四項の規定による勧告、第五項の規定による監査及び勧告並びに前項の規定による意見についての決定は、監査委員の合議によるものとする。

(住民訴訟)

第二百四十二条の二 普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。

一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求

二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求

三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求

四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の八第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求

2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。

一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内

二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内

三 監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該六十日を経過した日から三十日以内

四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

3 前項の期間は、不変期間とする。

4 第一項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。

5 第一項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

6 第一項第一号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。

7 第一項第四号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。

8 前項の訴訟告知があつたときは、第一項第四号の規定による訴訟が終了した日から六月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。

9 民法第百五十三条第二項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。

10 第一項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

11 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第四十三条の規定の適用があるものとする。

12 第一項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。

 

公職選挙法13条等による衆議院議員の定数配分に関する定めは、昭和55年6月22日の衆議院議員選挙当時、憲法14条1項、15条1項、3項44条但し書に違反していたものと断定することはできない。

 

選挙無効請求事件

最高裁判所大法廷判決/昭和56年(行ツ)第57号

【判決日付】 昭和58年11月7日

『昭和58年重要判例解説』憲法事件

【判示事項】 公職選挙法13条等による衆議院議員の定数配分に関する定めの合憲性

【判決要旨】 公職選挙法13条等による衆議院議員の定数配分に関する定めは、昭和55年6月22日の衆議院議員選挙当時、憲法14条1項、15条1項、3項44条但し書に違反していたものと断定することはできない。(補足意見及び反対意見がある。)

 横井、安岡両裁判官は、定数配分規定は50年改正の当時から違憲であったと解される(安岡裁判官は、右改正時においても、選挙区間における議員1人当たりの人口又は選挙人数の比率の最大のものは、現実には、1対3を超えていたと。

 判断されている)。

反対意見の立場から、横井裁判官は、右比率の最大値が1対2を超える定数配分は憲法上許されないとされ、中村、安岡両裁判官は、右比率の最大値が1対3を超えるときは、投票価値の不平等が国会の有する裁量権の限界を超えるものと推定すべきであるとされる)。

  団藤、中村、谷口、木戸口の4裁判官は、本件選挙当時、投票価値の不平等につき合理的期間内における是正がされなかったものとして定数配分規定を違憲と断定すべきであるとされる点で、多数意見と見解を異にされる。

【参照条文】 憲法14-1

       憲法15-1

       憲法15-3

       憲法44

       公職選挙法13

       公職選挙法別表1

       公職選挙法附則7

       公職選挙法附則8

       公職選挙法附則9

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集37巻9号1243頁

 

公職選挙法

(衆議院議員の選挙区)

第十三条 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区は、別表第一で定め、各選挙区において選挙すべき議員の数は、一人とする。

2 衆議院(比例代表選出)議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数は、別表第二で定める。

3 別表第一に掲げる行政区画その他の区域に変更があつても、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。ただし、二以上の選挙区にわたつて市町村の境界変更があつたときは、この限りでない。

4 前項ただし書の場合において、当該市町村の境界変更に係る区域の新たに属することとなつた市町村が二以上の選挙区に分かれているときは、当該区域の選挙区の所属については、政令で定める。

5 衆議院(比例代表選出)議員の二以上の選挙区にわたつて市町村の廃置分合が行われたときは、第二項の規定にかかわらず、別表第一が最初に更正されるまでの間は、衆議院(比例代表選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。

6 地方自治法第六条の二第一項の規定による都道府県の廃置分合があつても、衆議院(比例代表選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。

7 別表第二は、国勢調査(統計法(平成十九年法律第五十三号)第五条第二項本文の規定により十年ごとに行われる国勢調査に限る。以下この項において同じ。)の結果によつて、更正することを例とする。この場合において、各選挙区の議員数は、各選挙区の人口(最近の国勢調査の結果による日本国民の人口をいう。以下この項において同じ。)を比例代表基準除数(その除数で各選挙区の人口を除して得た数(一未満の端数が生じたときは、これを一に切り上げるものとする。)の合計数が第四条第一項に規定する衆議院比例代表選出議員の定数に相当する数と合致することとなる除数をいう。)で除して得た数(一未満の端数が生じたときは、これを一に切り上げるものとする。)とする。

 

憲法

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 

第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

発明につき、人の行為により実現される要素が含まれ、人の精神活動が必要となるものであっても、人の精神活動を支援するための技術的手段を提供するものであり、特許法二条一項にいう「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものとして、同項の「発明」に該当しないとした審決が取り消された事例

 

 

審決取消請求事件

【事件番号】      知的財産高等裁判所判決/平成19年(行ケ)第10369号

【判決日付】      平成20年6月24日

【判示事項】      発明につき、人の行為により実現される要素が含まれ、人の精神活動が必要となるものであっても、人の精神活動を支援するための技術的手段を提供するものであり、特許法二条一項にいう「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものとして、同項の「発明」に該当しないとした審決が取り消された事例

【参照条文】      特許法2-1

【掲載誌】        判例時報2026号123頁

             LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      発明105巻10号50頁

             ビジネスロー・ジャーナル5号110頁

 

特許法

(定義)

第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。

3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。

一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為

二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為

三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

4 この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。

 

 

       主   文

 

 1 特許庁が不服2005-7446号事件について平成19年6月19日にした審決を取り消す。

 2 訴訟費用は被告の負担とする。

 

       事実及び理由

 

 第1 請求

 主文と同旨。

 第2 事案の概要

 本件は,米国法人である原告が,「双方向歯科治療ネットワーク」とする名称の発明につき特許出願したところ,拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,特許庁から請求不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。

 争点は,①特許請求の範囲の補正の許否,②本願発明が,特許法29条1項柱書にいう「発明」に該当するかどうか,である。

 1 特許庁における手続の経緯

 原告は,1998年(平成10年)11月3日,同月19日及び1999年(平成11年)2月18日の各優先権(米国)を主張し,同年10月4日,名称を「双方向歯科治療ネットワーク」とする発明について国際出願(PCT/US99/22857。特願2000-579144号)をし(甲11。国内公表は平成14年9月3日。特表2002-528832号),平成12年7月3日に日本国特許庁に翻訳文を提出したが(甲1),平成17年1月21日に拒絶査定を受けたので(甲5),不服の審判請求をした(甲6)。

 特許庁は同請求を不服2005-7446号事件として審理し,その手続中で原告は,平成17年5月26日付けで特許請求の範囲を変更する補正(以下「本件補正」という。)をしたが(甲7,8),特許庁は,平成19年6月19日,本件補正を却下した上で,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決を行い,その謄本は,同月29日に原告に送達された。

 なお,出訴期間として90日が附加された。

納税申告手続を委任された税理士が納税者に無断で隠ぺい仮装行為に基づく過少申告をした場合に納税者本人につき国税通則法68条1項所定の重加算税賦課の要件を満たすものということはできないとされた事例

 

 

              所得税更正処分等取消請求上告,同附帯上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成16年(行ヒ)第86号、平成16年(行ヒ)第87号

【判決日付】      平成18年4月25日

【判示事項】      1 納税申告手続を委任された税理士が納税者に無断で隠ぺい仮装行為に基づく過少申告をした場合に納税者本人につき国税通則法68条1項所定の重加算税賦課の要件を満たすものということはできないとされた事例

             2 偽りその他不正の行為により税額を免れた国税に関し当該行為により免れた税額に相当する部分について修正申告がされたが当該国税になお更正すべき税額がある場合における国税通則法70条5項所定の期間内の更正の可否

             3 納税申告手続を委任された税理士が納税者に無断で税務署職員と共謀した上で虚偽の記載をした確定申告書を提出するなどして過少申告をした場合に納税者本人に対する過少申告加算税の賦課に関し国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認められた事例

【判決要旨】      1 納税申告手続を委任された税理士が納税者に無断で隠ぺい,仮装行為をして過少申告をした場合において,納税者が同税理士を信頼して適正な申告を依頼し,納税資金を交付したにもかかわらず,同税理士が上記行為をして納税資金を着服したものであり,納税者において同税理士が隠ぺい,仮装行為を行うことを容易に予測し得たということはできず,上記申告後も同税理士による上記行為を認識した事実もなく,容易に認識し得たともいえないという事情の下では,納税者に,税務相談で教示された税額よりも相当低い税額で済むとの同税理士の言葉を安易に信じ,確定申告書の確認をしなかったなどの落ち度があるとしても,同税理士の上記行為を納税者本人の行為と同視することはできず,国税通則法68条1項所定の重加算税賦課の要件を満たすものということはできない。

             2 偽りその他不正の行為により税額を免れた国税に関し,当該行為により免れた税額に相当する部分について修正申告がされたとしても,当該国税になお更正すべき税額があるときは,国税通則法70条5項所定の期間内において更正をすることができる。

             3 納税申告手続を委任された税理士が納税者に無断で虚偽の記載をした確定申告書を提出するなどして過少申告をした場合において,納税者が同税理士を信頼して適正な申告を依頼し,納税資金を交付していたこと,確定申告書を受理した税務署職員が収賄の上で同税理士の上記行為に共謀加担し,それがなければ上記行為は不可能であったともいえることなど判示の事情の下では,納税者本人に対する過少申告加算税の賦課に閲し,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認められる。

【参照条文】      国税通則法68-1

             税理士法1

             国税通則法70-5

             国税通則法65-4

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集60巻4号1728頁

 

税理士法

(税理士の使命)

第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

 

国税通則法

(過少申告加算税)

第六十五条 期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。

4 第一項の規定に該当する場合において、当該納税者が、帳簿(財務省令で定めるものに限るものとし、その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下この項及び次条第五項において同じ。)に記載し、又は記録すべき事項に関しその修正申告書の提出又は更正(以下この項において「修正申告等」という。)があつた時前に、国税庁、国税局又は税務署の当該職員(以下この項及び同条第五項において「当該職員」という。)から当該帳簿の提示又は提出を求められ、かつ、次に掲げる場合のいずれかに該当するとき(当該納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)は、第一項の過少申告加算税の額は、同項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、第一項に規定する納付すべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で当該修正申告等の基因となる当該帳簿に記載し、又は記録すべき事項に係るもの以外のもの(以下この項において「帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実」という。)があるときは、当該帳簿に記載すべき事項等に係るもの以外の事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に百分の十の割合(第二号に掲げる場合に該当するときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

一 当該職員に当該帳簿の提示若しくは提出をしなかつた場合又は当該職員にその提示若しくは提出がされた当該帳簿に記載し、若しくは記録すべき事項のうち、納税申告書の作成の基礎となる重要なものとして財務省令で定める事項(次号及び次条第五項において「特定事項」という。)の記載若しくは記録が著しく不十分である場合として財務省令で定める場合

二 当該職員にその提示又は提出がされた当該帳簿に記載し、又は記録すべき事項のうち、特定事項の記載又は記録が不十分である場合として財務省令で定める場合(前号に掲げる場合を除く。)

 

(重加算税)

第六十八条1項 第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

 

(国税の更正、決定等の期間制限)

第七十条 次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。

一 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする第二十五条(決定)の規定による決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。)

二 課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定 当該申告書の提出期限

三 課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定 その納税義務の成立の日

2 法人税に係る純損失等の金額で当該課税期間において生じたものを増加させ、若しくは減少させる更正又は当該金額があるものとする更正は、前項の規定にかかわらず、同項第一号に定める期限から十年を経過する日まで、することができる。

3 前二項の規定により更正をすることができないこととなる日前六月以内にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。

4 第一項の規定により賦課決定をすることができないこととなる日前三月以内にされた納税申告書の提出(源泉徴収等による国税の納付を含む。以下この項において同じ。)に伴つて行われることとなる無申告加算税(第六十六条第八項(無申告加算税)の規定の適用があるものに限る。)又は不納付加算税(第六十七条第二項(不納付加算税)の規定の適用があるものに限る。)についてする賦課決定は、第一項の規定にかかわらず、当該納税申告書の提出があつた日から三月を経過する日まで、することができる。

5 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。

一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等

二 偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正(第二項又は第三項の規定の適用を受ける法人税に係る純損失等の金額に係るものを除く。)

三 所得税法第六十条の二第一項から第三項まで(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)又は第六十条の三第一項から第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用がある場合(第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出及び税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出がある場合その他の政令で定める場合を除く。)の所得税(当該所得税に係る加算税を含む。第七十三条第三項(時効の完成猶予及び更新)において「国外転出等特例の適用がある場合の所得税」という。)についての更正決定等

 

第6章 業務執行の社外取締役への委託に関する規律の見直し

1,改正

業務執行について社外取締役へ委託した場合の扱いについて、規定が新設されました(①)。 改正法348条の2が改正により新設された条文となります。

 

旧法下においては、社外取締役が業務を執行した場合、社外性を失うこととなっていました。社外取締役は、2条15号において 要件が示されています。社外取締役が業務を執行した場合、業務執行取締役に該当することになり、社外性を失うことになります(2条15号イ参照)。

 

今回の改正では、一定の要件のもとでは業務執行をしても社外性を失わないこととされました。業務執行による社外性の喪失により、 社外取締役が期待されている行為をすることが妨げられることがないようにする必要性が指摘されており、これに対応したものです。

 

改正法348条の2第1項は、ⅰ会社と取締役の利益が相反する状況にあるとき、 または、ⅱその他取締役が会社の業務執行をすることにより株主の利益を損なうおそれがあるとき、には、 その都度、取締役(取締役会設置会社の場合は取締役会)の決定により、当該会社の 業務執行を社外取締役に委託することができる、と定めました。

 

マネジメント・バイアウトの場面や、親子会社間取引の場面がこれにあたるものとして考えられ、こうした場面での社外取締役への 当該業務執行の委託が可能となります。

そして、 この決定に従って社外取締役が業務を執行したとしても、2条15号イの業務執行には該当しないものとされています(改正法348条の2第3項)。

 

したがって、上記要件の下で委託を受けた業務執行は社外性の喪失にはつながりません。なお、社外取締役が、 業務執行取締役の指揮命令により委託業務の執行を行った場合には、業務執行該当性が認められ、社外性を失うこととなります。

 

指名委員会等設置会社においても、会社と執行役との利益が相反する状況にあるときには、または執行役の業務執行で 株主の利益を損なうおそれがあるときには、同様に取締役会の決議により、社外取締役への業務執行の委託が認められています(改正法348条の2第2項)。

 

具体的には、「会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるとき」は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社の場合は取締役会の決議)によって、会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができるものとされ、かかる委託によりなされた業務の執行は、その業務執行が業務執行取締役の指揮命令によりなされた場合を除き、社外取締役の要件を定める会社法第2条第15号イの「業務の執行」に該当しないものとされました(執行役が業務執行を担う指名委員会等設置会社に関しては、条文上の文言が微調整されています。)。

 

この改正は、社外取締役を置くことが法令上求められる会社や、株主利益を考慮した公正担保のために社外取締役への業務委託が必要になるケースで問題となる事項であるため、主に上場会社に関係する改正と考えられます。

 

公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が入居者に対してする明渡請求と借家法1条ノ2の要件を具備することの要否

最2小判昭和62年2月13日裁判集民事150号157頁 金融・商事判例798号37頁 判時1238号76頁  
建物明渡請求事件  
【判示事項】 公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が入居者に対してする明渡請求と借家法1条ノ2の要件を具備することの要否 
【判決要旨】 公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が公営住宅法(昭和55年法律第27号による改正前のもの)23条の6に基づき入居者に対してする明渡請求をする場合には、借家法1条の2所定の要件を具備することを要しない。 
【参照条文】 公営住宅法(昭和55年法律第27号による改正前のもの)23の6 
       借家法1の2

公営住宅法
(公営住宅の明渡し)
第三十二条 事業主体は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、入居者に対して、公営住宅の明渡しを請求することができる。
一 入居者が不正の行為によつて入居したとき。
二 入居者が家賃を三月以上滞納したとき。
三 入居者が公営住宅又は共同施設を故意に毀き損したとき。
四 入居者が第二十七条第一項から第五項までの規定に違反したとき。
五 入居者が第四十八条の規定に基づく条例に違反したとき。
六 公営住宅の借上げの期間が満了するとき。
2 公営住宅の入居者は、前項の請求を受けたときは、速やかに当該公営住宅を明け渡さなければならない。
3 事業主体は、第一項第一号の規定に該当することにより同項の請求を行つたときは、当該請求を受けた者に対して、入居した日から請求の日までの期間については、近傍同種の住宅の家賃の額とそれまでに支払を受けた家賃の額との差額に法定利率による支払期後の利息を付した額の金銭を、請求の日の翌日から当該公営住宅の明渡しを行う日までの期間については、毎月、近傍同種の住宅の家賃の額の二倍に相当する額以下の金銭を徴収することができる。
4 前項の規定は、第一項第二号から第五号までの規定に該当することにより事業主体が当該入居者に損害賠償の請求をすることを妨げるものではない。
5 事業主体が第一項第六号の規定に該当することにより同項の請求を行う場合には、当該請求を行う日の六月前までに、当該入居者にその旨の通知をしなければならない。
6 事業主体は、公営住宅の借上げに係る契約が終了する場合には、当該公営住宅の賃貸人に代わつて、入居者に借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十四条第一項の通知をすることができる。

平成三年法律第九十号
借地借家法
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

 

国政調査のため派遣された議員の調査方法と住居侵入

 

札幌高等裁判所判決/昭和30年(う)第633号

昭和30年8月23日

住居侵入

【判示事項】  国政調査のため派遣された議員の調査方法と住居侵入(積極)

【参照条文】  刑法130

        国会法103

        衆議院規則55

【掲載誌】   高等裁判所刑事裁判特報2巻21号1074頁

 

刑法

(住居侵入等)

第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 

国会法

第十二章 議院と国民及び官庁との関係

第百三条 各議院は、議案その他の審査若しくは国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる。

 

 

債務者の代理人からさらに公正証書作成嘱託の依頼を受けた者が代理人本人として作成の嘱託をした公正証書の効力

 

 

              請求異議事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和54年(オ)第799号

【判決日付】      昭和56年3月24日

【判示事項】      債務者の代理人からさらに公正証書作成嘱託の依頼を受けた者が代理人本人として作成の嘱託をした公正証書の効力

【判決要旨】      債務者の代理人からさらに公正証書作成嘱託の依頼を受けた者が公証人に対し右の代理人本人と称して嘱託をしたうえ右証書にその者の署名をした場合は、右証書は債務名義としての効力を有しない。

             (反対意見がある。)

【参照条文】      公証人法

             公証人法28

             公証人法31

             公証人法32

             公証人法39

             民事訴訟法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)559

             民事執行法22

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事132号355頁

 

公証人法

第二条 公証人ノ作成シタル文書又ハ電磁的記録ハ本法及他ノ法律ノ定ムル要件ヲ具備スルニ非サレハ公正ノ効力ヲ有セス

 

第二十八条 公証人証書ヲ作成スルニハ嘱託人ノ氏名ヲ知リ且之ト面識アルコトヲ要ス

② 公証人嘱託人ノ氏名ヲ知ラス又ハ之ト面識ナキトキハ官公署ノ作成シタル印鑑証明書ノ提出其ノ他之ニ準スヘキ確実ナル方法ニ依リ其ノ人違ナキコトヲ証明セシムルコトヲ要ス

③ 急迫ナル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルトキハ前項ノ手続ハ証書ヲ作成シタル後三日内ニ証書ノ作成ニ関スル規定ニ依リ之ヲ為スコトヲ得

④ 前項ノ手続ヲ為シタルトキハ証書ハ急迫ナル場合ニ非サルカ為其ノ効力ヲ妨ケラルルコトナシ

 

第三十一条 代理人ニ依リ嘱託セラレタル場合ニ於テハ前三条ノ規定ハ其ノ代理人ニ之ヲ適用ス

第三十二条 代理人ニ依リ嘱託セラレタル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルニハ其ノ代理人ノ権限ヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ権限ヲ証明セシムルコトヲ要ス

② 前項ノ証書カ認証ヲ受ケサル私署証書ナルトキハ其ノ証書ノ外官公署ノ作成シタル印鑑又ハ署名ニ関スル証明書ヲ提出セシメ証書ノ真正ナルコトヲ証明セシムルコトヲ要ス但シ当該公証人ノ保存スル書類ニ依リ証書ノ真正ナルコト明ナル場合ハ此ノ限ニ在ラス

③ 証書ノ作成ニ関スル規定ニ依リ代理又ハ其ノ方式ノ欠缺ヲ追完シタルトキハ証書ハ其ノ欠缺アリタルカ為効力ヲ妨ケラルルコトナシ

第三十三条 第三者ノ許可又ハ同意ヲ要スヘキ法律行為ニ付公証人証書ヲ作成スルニハ其ノ許可又ハ同意アリタルコトヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ許可又ハ同意ヲ証明セシムルコトヲ要ス

② 前条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

 

第三十九条 公証人ハ其ノ作成シタル証書ヲ列席者ニ読聞カセ又ハ閲覧セシメ嘱託人又ハ其ノ代理人ノ承認ヲ得且其ノ旨ヲ証書ニ記載スルコトヲ要ス

② 通事ヲ立会ハシメタル場合ニ於テハ前項ノ外通事ヲシテ証書ノ趣旨ヲ通訳セシメ且其ノ旨ヲ証書ニ記載スルコトヲ要ス

③ 前二項ノ記載ヲ為シタルトキハ公証人及列席者各自証書ニ署名捺印スルコトヲ要ス

④ 列席者ニシテ署名スルコト能ハサル者アルトキハ其ノ旨ヲ証書ニ記載シ公証人之ニ捺印スルコトヲ要ス

⑤ 証書数葉ニ渉ルトキハ公証人ハ毎葉ノ綴目ニ契印ヲ為スコトヲ要ス

 

民事執行法

(債務名義)

第二十二条 強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。

一 確定判決

二 仮執行の宣言を付した判決

三 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)

三の二 仮執行の宣言を付した損害賠償命令

三の三 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令

四 仮執行の宣言を付した支払督促

四の二 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)

五 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

六 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)

六の二 確定した執行決定のある仲裁判断

六の三 確定した執行等認可決定のある仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十八条に規定する暫定保全措置命令

六の四 確定した執行決定のある国際和解合意

六の五 確定した執行決定のある特定和解

七 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)