公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が入居者に対してする明渡請求と借家法1条ノ2の要件を具備することの要否
最2小判昭和62年2月13日裁判集民事150号157頁 金融・商事判例798号37頁 判時1238号76頁
建物明渡請求事件
【判示事項】 公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が入居者に対してする明渡請求と借家法1条ノ2の要件を具備することの要否
【判決要旨】 公営住宅建替事業の施行に伴い事業主体の長が公営住宅法(昭和55年法律第27号による改正前のもの)23条の6に基づき入居者に対してする明渡請求をする場合には、借家法1条の2所定の要件を具備することを要しない。
【参照条文】 公営住宅法(昭和55年法律第27号による改正前のもの)23の6
借家法1の2
公営住宅法
(公営住宅の明渡し)
第三十二条 事業主体は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、入居者に対して、公営住宅の明渡しを請求することができる。
一 入居者が不正の行為によつて入居したとき。
二 入居者が家賃を三月以上滞納したとき。
三 入居者が公営住宅又は共同施設を故意に毀き損したとき。
四 入居者が第二十七条第一項から第五項までの規定に違反したとき。
五 入居者が第四十八条の規定に基づく条例に違反したとき。
六 公営住宅の借上げの期間が満了するとき。
2 公営住宅の入居者は、前項の請求を受けたときは、速やかに当該公営住宅を明け渡さなければならない。
3 事業主体は、第一項第一号の規定に該当することにより同項の請求を行つたときは、当該請求を受けた者に対して、入居した日から請求の日までの期間については、近傍同種の住宅の家賃の額とそれまでに支払を受けた家賃の額との差額に法定利率による支払期後の利息を付した額の金銭を、請求の日の翌日から当該公営住宅の明渡しを行う日までの期間については、毎月、近傍同種の住宅の家賃の額の二倍に相当する額以下の金銭を徴収することができる。
4 前項の規定は、第一項第二号から第五号までの規定に該当することにより事業主体が当該入居者に損害賠償の請求をすることを妨げるものではない。
5 事業主体が第一項第六号の規定に該当することにより同項の請求を行う場合には、当該請求を行う日の六月前までに、当該入居者にその旨の通知をしなければならない。
6 事業主体は、公営住宅の借上げに係る契約が終了する場合には、当該公営住宅の賃貸人に代わつて、入居者に借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十四条第一項の通知をすることができる。
平成三年法律第九十号
借地借家法
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。