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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

私電磁的記録不正作出とその供用と窃盗との間には順次手段結果の関係があるとされた事例

 

 

窃盗、私電磁的記録不正作出、同供用被告事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/昭和63年(刑わ)第3487号

【判決日付】      平成元年2月17日

【判示事項】      私電磁的記録不正作出とその供用と窃盗との間には順次手段結果の関係があるとされた事例

【参照条文】      刑法161の2-1

             刑法161-3

             刑法235

             刑法54-1

【掲載誌】        判例タイムズ700号279頁

             刑事裁判資料273号10頁

 

 

刑法

(電磁的記録不正作出及び供用)

第百六十一条の二 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

3 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。

4 前項の罪の未遂は、罰する。

 

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)

第五十四条 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

2 第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。

 

 本件は、他人のキャッシュ・カードを窃取したうえ、勤務先のコンピュータを使って右キャッシュ・カードの磁気ストライプ部分を有り合わせの他のカードに複写して電磁的記録を不正に作出したうえ、これを利用して現金自動払出機(ATM機)から現金を窃取したという事案である。

 本判決は、刑法161条の2第1項の私電磁的記録不正作出罪、同条3項のその供用罪と現金自動払出機からの窃盗罪は、順次手段結果の関係にあって牽連犯であるとして処理した。

刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否

 

 

文書提出命令申立てについてした決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成30年(許)第7号

【判決日付】      平成31年1月22日

【判示事項】      1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否

             2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に,当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否

【判決要旨】      1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該保管者の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。

             2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持し,当該写しについて文書提出命令の申立てがされた場合においては,当該原本を検察官が保管しているときであっても,当該写しが民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当し,かつ,当該都道府県による当該写しの提出の拒否が,民事訴訟における当該写しを取り調べる必要性の有無,程度,当該写しが開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該都道府県の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。

【参照条文】      民事訴訟法220

             刑事訴訟法47

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集73巻1号39頁

 

 

民事訴訟法

(文書提出義務)

第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。

一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。

二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。

三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。

四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。

イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書

ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書

ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)

ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書

 

 

刑事訴訟法

第四十七条 訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。

 

交付要求のなされた租税債権と民法423条の債権者代位

 

 

国税滞納処分により差押債権の代位による取立請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和39年(オ)第755号

【判決日付】      昭和41年7月28日

【判示事項】      交付要求のなされた租税債権と民法423条の債権者代位

【判決要旨】      交付要求のなされた租税債権は、当然旧国税徴収法23条の1第2項により代位できないが、その債権を保全するため、納税義務者の無資力であると否とにかかわらず、民法423条の代位権を行使できる。

【参照条文】      旧国税徴収法(明治30法21)23の1-2

             国税通則法42

             民法423

【掲載誌】        金融・商事判例22号14頁

 

 

 

国税通則法

(債権者代位権及び詐害行為取消権)

第四十二条 民法第三編第一章第二節第二款(債権者代位権)及び第三款(詐害行為取消権)の規定は、国税の徴収に関して準用する。

 

 

民法

(債権者代位権の要件)

第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。

2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。

3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。

 

 

株券発行会社の代表取締役兼一人株主が違法・不当な目的をもって故意に無効な株券を作成し、これを用いて株式譲渡の意思を表示した場合において、その行為が社会通念上著しく正義に反したものというべきときには、譲受人は、意思表示のみによって有効に株式の譲渡を受けることができる

 

 

株主権確認等請求事件(第1事件)、取締役の地位不存在確認等請求事件(第2事件)

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成30年(ワ)第15999号、平成30年(ワ)第23626号

【判決日付】      令和元年10月7日

【判示事項】      1 株式譲渡契約が通謀虚偽表示によるものとして無効であるとされた事例

             2 発行された株券が無効な株券であるとされた事例

             3 株券発行会社の代表取締役兼一人株主が違法・不当な目的をもって故意に無効な株券を作成し、これを用いて株式譲渡の意思を表示した場合において、その行為が社会通念上著しく正義に反したものというべきときには、譲受人は、意思表示のみによって有効に株式の譲渡を受けることができる

【判決要旨】      1 当該事実関係の下では、株式譲渡契約は通謀虚偽表示によるものとして無効である。

             2 株券発行会社およびその代表取締役が、その株式を表章する株券として発行する意思をもって新株券を発行したものでなく、かつ、旧株券について会社法に定められている株券無効化手続を経ていないなどの事実関係が認められる場合には、当該新株券は株式を表章する株券というべきではなく、無効な株券である。

             3 株券発行会社の代表取締役兼一人株主が違法・不当な目的をもって故意に無効な株券を作成し、これを用いて株式譲渡の意思を表示し譲受人の不利益の下に自らの利益を図ったような場合において、当該代表取締役兼一人株主の行為が社会通念上著しく正義に反したものというべきときには、信義則に照らして、当該代表取締役兼一人株主から株式を取得した譲受人は、意思表示のみによって有効に株式の譲渡を受けることができ、株券発行会社および代表取締役兼一人株主は、譲受人に対し、もはや株券の交付がないことを理由としてその譲渡の効力を否定することはできない。

【参照条文】      会社法128

【掲載誌】        金融・商事判例1596号28頁

 

 

会社法

(株券発行会社の株式の譲渡)

第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。

2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。

 

 

       主   文

 

 1 原告と被告らとの間で、原告が被告会社の株式1000株を保有する株主であることを確認する。

 2 原告が被告会社の取締役及び代表取締役の地位にあることを確認する。

 3 被告Y2が被告会社の取締役及び代表取締役の地位にないことを確認する。

 4 被告Y3が被告会社の取締役の地位にないことを確認する。

 5 被告Y4が被告会社の監査役の地位にないことを確認する。

 6 原告のその余の請求を棄却する。

 7 被告会社の請求を棄却する。

 8 訴訟費用は、第1事件につき、これを2分し、その1を原告の負担とし、その余を被告らの負担とし、第2事件につき、被告会社の負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

1 第1事件

 (1) 請求の趣旨(1)ないし(5)

 主文第1項ないし第5項同旨

 (2)請求の趣旨(6)

 被告会社、被告Y2及び被告Y3は、原告に対し、連帯して金1000万円及びこれに対する平成30年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 第2事件

 原告が被告会社の取締役及び代表取締役の地位にないことを確認する。

第2 事案の概要

 第1事件は、原告が、被告会社の一人株主及び取締役兼代表取締役であった被告Y2が保有していた被告会社発行の株式(以下「被告会社株式」という。)全部について転々譲渡を受け、当該株式に係る株券の交付を受けたと主張して、被告会社、被告Y2、被告会社の取締役であり被告Y2から被告会社株式の一部を譲り受けたとする被告Y3、監査役であった被告Y4及び被告Y2から被告会社株式の一部を譲り受けたとする被告Y5に対し、①自らが被告会社の全株式を保有する株主であることの確認を求め、②被告会社の株主総会において自らが被告会社の取締役兼代表取締役に選任されるとともに被告会社の取締役会及び監査役設置の定めを廃止し、被告会社の取締役の員数を一名とする定款変更について株主総会決議が可決なされたなどと主張して、被告らに対し、原告が被告会社の取締役兼代表取締役であることの確認を求めるとともに、③被告Y2及び被告Y3が仮処分命令の申立てを行い、虚偽の主張及び疎明資料の提出によって原告が被告会社の取締役及び代表取締役の地位を有しない旨の仮処分決定を当庁に発せしめたことにより、原告が商業登記簿に自らが取締役兼代表取締役であることの登記を受けられず、本件訴訟を含めた訴訟等の提訴ないし訴訟追行のために弁護士費用等の損害が発生したとして、被告Y2及び被告Y3に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、1000万円及びこれに対する上記仮処分決定日である平成30年5月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。被告らは、第1事件において、原告が所持する株券は偽造されたものであって、仮に、これが被告Y2により作成されたものと認められたとしても、当該株券は会社法221条以下に規定される株券喪失登録制度に基づき既に発行済みの被告会社の株券を無効とすることなく発行されたものであって、無効であるなどとして争った。

 第2事件は、被告会社が、原告に対し、原告に係る取締役兼代表取締役選任決議等の上記各株主総会決議が不存在であるとして、原告が上記地位にないことの確認を求めた事案である。

死刑確定者と再審請求弁護人との面会についての当該死刑確定者からの面会時間の延長の申出及び再審請求弁護人からの面会時間の延長の申出に対して,面会時間の延長を認めない拘置所長の各措置が,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,拘置所長に過失があるとされた事例

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      大阪地方裁判所判決/平成30年(ワ)第5569号

【判決日付】      令和3年11月11日

【判示事項】      1 死刑確定者と再審請求弁護人との面会についての当該死刑確定者からの面会時間の延長の申出及び再審請求弁護人からの面会時間の延長の申出に対して,面会時間の延長を認めない拘置所長の各措置が,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,拘置所長に過失があるとされた事例

             2 死刑確定者と再審請求弁護人との面会についての当該死刑確定者からの再審請求弁護人によるパソコンの使用の申出及び再審請求弁護人からのパソコンの使用の申出に対して,再審請求弁護人によるパソコンの使用を認めない拘置所長の各措置が,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,拘置所長に過失があるとされた事例

【判決要旨】      1 死刑確定者と再審請求弁護人との面会についての当該死刑確定者からの面会時間の延長の申出及び再審請求弁護人からの面会時間の延長の申出に対して,面会時間の延長を認めない拘置所長の各措置は,次の(1),(2)など判示の事実関係の下においては,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して,当該死刑確定者の秘密面会の利益を侵害したものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,拘置所長には過失がある。

             (1) 上記各措置の当時,60分を超える面会を許すことにより拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあったような事情は認められない。

             (2) 拘置所長が,上記各措置に当たって,60分を超える面会を許すことにより,拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあるか否かについて考慮した事実は認められない。

             2 死刑確定者と再審請求弁護人との面会についての当該死刑確定者からの再審請求弁護人によるパソコンの使用の申出及び再審請求弁護人からのパソコンの使用の申出に対して,再審請求弁護人によるパソコンの使用を認めない拘置所長の各措置は,次の(1),(2)など判示の事実関係の下においては,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して,当該死刑確定者の秘密面会の利益を侵害したものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,拘置所長には過失がある。

             (1) 上記各措置の当時,面会時のパソコンの使用を許すことにより拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあったような事情は認められない。

             (2) 拘置所長が,上記各措置に当たって,拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあるか否かについて考慮した事実は認められない。

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      法学教室498号115頁

 

 

憲法

第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

 

 

刑事訴訟法

第三十九条 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

② 前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

 

 

国家賠償法

第一条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

 

 

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

(面会の相手方)

第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。

一 死刑確定者の親族

二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者

三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者

2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。

(面会の立会い等)

第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。

(面会の一時停止及び終了等)

第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。

 

日本通運事件・雇用当初から付されていた5年を超えないとの更新上限条項の効力

 

 

無期転換逃れ地位確認請求事件

【事件番号】      横浜地方裁判所川崎支部判決/平成30年(ワ)第563号

【判決日付】      令和3年3月30日

【判示事項】      1 労契法19条2号の要件に該当するか否かは,当該雇用の臨時性・常用性,更新の回数,雇用の通算期間,契約期間管理の状況,雇用継続の期待をもたせる使用者の言動の有無等の客観的事実を総合考慮して判断すべきであるとされた例

             2 労契法19条2号の「満了時」は,最初の有期雇用契約の締結時から雇止めされた雇用契約の満了時までの間のすべての事情が総合的に勘案されることを示すものとされた例

             3 本件では,原告Xに,本件雇用契約締結から雇用期間満了までの間に,更新に対する合理的な期待を生じさせる事情があったとは認めがたいとされた例

             4 本件雇用契約締結時に,不更新条項等が無期転換申込権の事前放棄の効果を生ずることについて説明されず,また,相当の熟慮期間が設けられなかったこと等の事情は,労働者が契約するかどうかの自由意思を阻害するものであり,当該条項を雇用継続に対する合理的期待の判断において考慮すべきではないとのXの主張が退けられた例

             5 本件不更新条項等は労契法18条の適用を免れる目的で設けられたものであり,公序良俗に反し無効であるとのXの主張が退けられた例

             6 労契法18条の適用について派遣期間を通算すべきであるとしたXの主張が退けられた例

             7 本件雇用契約は,雇用期間満了日の経過をもって終了したものと認めるのが相当であるとされ,雇用契約上従業員としての地位確認ならびに未払賃金および遅延損害金の支払請求が退けられた例

【参照条文】      労契法18

             労契法19

【掲載誌】        判例時報2501号93頁

             労働判例1255号76頁

 

 

労働契約法

(有期労働契約の更新等)

第十九条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 

個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例

 

 

立替金等請求本訴,不当利得返還請求反訴事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成27年(受)第659号

【判決日付】      平成29年2月21日

【判示事項】      個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例

【判決要旨】      個別信用購入あっせんにおいて、購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に、それが販売業者の依頼に基づくものであり、上記販売業者が、上記依頼の際、名義上の購入者となる者を必要とする高齢者等がいること、上記高齢者等との間の売買契約および商品の引渡しがあることならびに上記高齢者等による支払がされない事態が生じた場合であっても上記販売業者において確実に上記購入者の上記あっせん業者に対する支払金相当額を支払う意思および能力があることを上記購入者に対して告知したなど判示の事情のもとにおいては、上記の告知の内容は、割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たる。

             (反対意見がある)

【参照条文】      割賦販売法35の3の13-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集71巻2号99頁

 

 

 

割賦販売法

(個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

第三十五条の三の十三 購入者又は役務の提供を受ける者は、個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者が訪問販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約又は電話勧誘販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約の締結について勧誘をするに際し、次に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は第一号から第五号までに掲げる事項につき故意に事実を告げない行為をしたことにより当該事実が存在しないとの誤認をし、これらによつて当該契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

一 購入者又は役務の提供を受ける者の支払総額

二 個別信用購入あつせんに係る各回ごとの商品若しくは権利の代金又は役務の対価の全部又は一部の支払分の額並びにその支払の時期及び方法

三 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして特定商取引に関する法律第六条第一項第一号又は第二十一条第一項第一号に規定する主務省令で定める事項のうち、購入者又は役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの

四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期

五 個別信用購入あつせん関係受領契約若しくは個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約の申込みの撤回又は個別信用購入あつせん関係受領契約若しくは個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約の解除に関する事項(第三十五条の三の十第一項から第三項まで、第五項から第七項まで及び第九項から第十四項までの規定に関する事項を含む。)

六 前各号に掲げるもののほか、当該個別信用購入あつせん関係受領契約又は当該個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは当該個別信用購入あつせん関係役務提供契約に関する事項であつて、購入者又は役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの

2 購入者又は役務の提供を受ける者が前項の規定により個別信用購入あつせん関係販売契約又は個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消し、かつ、当該個別信用購入あつせん関係販売契約又は当該個別信用購入あつせん関係役務提供契約が取消しその他の事由により初めから無効である場合には、当該個別信用購入あつせん業者は、当該購入者又は当該役務の提供を受ける者に対し、個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者に対して交付をした商品若しくは指定権利の代金又は役務の対価の全部又は一部に相当する金額の支払を請求することができない。

3 前項の場合において、個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者は、個別信用購入あつせん業者に対し、当該交付を受けた商品若しくは指定権利の代金又は役務の対価の全部又は一部に相当する金額を返還しなければならない。

4 第二項の場合において、購入者又は役務の提供を受ける者は、個別信用購入あつせん関係受領契約に関連して個別信用購入あつせん業者に対して金銭を支払つているときは、その返還を請求することができる。

5 第一項の規定による個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもつて善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

6 第一項の規定は、同項に規定する個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条の規定の適用を妨げるものと解してはならない。

7 第一項の規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間行わないときは、時効によつて消滅する。当該個別信用購入あつせん関係受領契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。

 

東大和市障害児保育園入園不許可事件

 

 

              保育園入園承諾義務付等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成17年(行ウ)第510号

【判決日付】      平成18年10月25日

【判示事項】      気管切開手術を受けてカニューレを装着している児童につき,東大和市に対し,保育園への入園を承諾することを義務付けた事例

【参照条文】      行政事件訴訟法37の3

             行政事件訴訟法3-6

             児童福祉法24-1

【掲載誌】        判例タイムズ1233号117頁

             判例時報1956号62頁

 

 

行政事件訴訟法

(抗告訴訟)

第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

4 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。

5 この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

6 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。

一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。

二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。

7 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

 

第三十七条の三 第三条第六項第二号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときに限り、提起することができる。

一 当該法令に基づく申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らの処分又は裁決がされないこと。

二 当該法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であること。

2 前項の義務付けの訴えは、同項各号に規定する法令に基づく申請又は審査請求をした者に限り、提起することができる。

3 第一項の義務付けの訴えを提起するときは、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める訴えをその義務付けの訴えに併合して提起しなければならない。この場合において、当該各号に定める訴えに係る訴訟の管轄について他の法律に特別の定めがあるときは、当該義務付けの訴えに係る訴訟の管轄は、第三十八条第一項において準用する第十二条の規定にかかわらず、その定めに従う。

一 第一項第一号に掲げる要件に該当する場合 同号に規定する処分又は裁決に係る不作為の違法確認の訴え

二 第一項第二号に掲げる要件に該当する場合 同号に規定する処分又は裁決に係る取消訴訟又は無効等確認の訴え

4 前項の規定により併合して提起された義務付けの訴え及び同項各号に定める訴えに係る弁論及び裁判は、分離しないでしなければならない。

5 義務付けの訴えが第一項から第三項までに規定する要件に該当する場合において、同項各号に定める訴えに係る請求に理由があると認められ、かつ、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決につき、行政庁がその処分若しくは裁決をすべきであることがその処分若しくは裁決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分若しくは裁決をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決をすべき旨を命ずる判決をする。

6 第四項の規定にかかわらず、裁判所は、審理の状況その他の事情を考慮して、第三項各号に定める訴えについてのみ終局判決をすることがより迅速な争訟の解決に資すると認めるときは、当該訴えについてのみ終局判決をすることができる。この場合において、裁判所は、当該訴えについてのみ終局判決をしたときは、当事者の意見を聴いて、当該訴えに係る訴訟手続が完結するまでの間、義務付けの訴えに係る訴訟手続を中止することができる。

7 第一項の義務付けの訴えのうち、行政庁が一定の裁決をすべき旨を命ずることを求めるものは、処分についての審査請求がされた場合において、当該処分に係る処分の取消しの訴え又は無効等確認の訴えを提起することができないときに限り、提起することができる。

 

 

児童福祉法

第二十四条1項 市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所(認定こども園法第三条第一項の認定を受けたもの及び同条第十一項の規定による公示がされたものを除く。)において保育しなければならない。

 

 

 

 

 

 

       主   文

 

 1 処分行政庁が原告甲野太郎に対して平成17年2月23日付けでした原告甲野春子の保育園入園を承諾しない旨の処分を取り消す。

 2 処分行政庁が原告甲野太郎に対して平成17年3月23日付けでした原告甲野春子の保育園入園を承諾しない旨の処分を取り消す。

 3 処分行政庁は,原告甲野太郎に対し,原告甲野春子につき,A保育園,B保育園,C保育園,D保育園又はE保育園のうち,いずれかの保育園への入園を承諾せよ。

 4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

 5 訴訟費用は,これを2分し,その1を被告の負担とし,その余を原告らの連帯負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

 1 主文第1項から第3項までと同旨。

 2 被告は,原告らに対し,それぞれ100万円及びこれに対する平成17年11月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

 本件は,原告甲野太郎(以下「原告太郎」という。)が,処分行政庁に対し,こう頭軟化症等のための気管切開手術を受けてカニューレ(のどに開けた穴に常時装着して気管への空気の通り道を確保する器具)を装着している長女の原告甲野春子(以下「原告春子」という。)につき,保育園への入園申込みをしたところ,処分行政庁が,原告春子について適切な保育を確保することは困難であるとして,2度にわたって保育園入園を承諾しない旨の処分をしたため,原告太郎が,被告に対し,原告太郎には児童福祉法24条1項本文所定の「児童の保育に欠ける」事由があり,かつ,原告春子はたんやだ液(以下「たん等」という。)の吸引が適切に行われれば,保育園に通園することができることを理由に,上記不承諾処分は違法である旨主張して,被告に対し,上記不承諾処分の取消し及び保育園入園の承諾の義務付けを求めるとともに,原告春子,原告太郎及び同原告の妻で原告春子の母である原告甲野夏子(以下「原告夏子」という。)が,被告に対し,上記入園申込み等をめぐる被告の公務員の対応等が児童福祉法及び行政手続法等に反し国家賠償法上も違法なものであり,これにより損害を被った旨主張して,国家賠償として各自100万円及びこれに対する不法行為の後である平成17年11月10日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める事案である。

外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

 

 

              不正競争防止法違反幇助被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/令和2年(あ)第1135号

【判決日付】      令和4年5月20日

【判示事項】      外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

【判決要旨】      外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、被告人の地位及び立場、被告人が同供与に関する相談を受けるに至った経緯及びこれに対する被告人の言動並びにその相談後に同供与が実行されたという経過等を総合考慮して、被告人が同供与を了承し、これを実行する意思決定に関与したとして共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決は、共謀を基礎付ける事実関係となる上記の諸事情に対する評価を十分示さないまま、主として同供与を積極的に容認する意思の有無という観点から検討し、第1審判決の認定が不合理であるとする説得的な論拠を示していないなど、第1審判決が論理則、経験則等に照らして不合理であることを十分に示したものとはいえず(判文参照)、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり、同法411条1号により破棄を免れない。

【参照条文】      刑法60

             不正競争防止法18-1

             不正競争防止法21-2

             刑事訴訟法382

             刑事訴訟法411

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集76巻4号452頁

 

 

刑法

(共同正犯)

第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

 

 

不正競争防止法

(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)

第十八条 何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その外国公務員等に、その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと、又はその地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。

2 前項において「外国公務員等」とは、次に掲げる者をいう。

一 外国の政府又は地方公共団体の公務に従事する者

二 公共の利益に関する特定の事務を行うために外国の特別の法令により設立されたものの事務に従事する者

三 一又は二以上の外国の政府又は地方公共団体により、発行済株式のうち議決権のある株式の総数若しくは出資の金額の総額の百分の五十を超える当該株式の数若しくは出資の金額を直接に所有され、又は役員(取締役、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で事業の経営に従事しているものをいう。)の過半数を任命され若しくは指名されている事業者であって、その事業の遂行に当たり、外国の政府又は地方公共団体から特に権益を付与されているものの事務に従事する者その他これに準ずる者として政令で定める者

四 国際機関(政府又は政府間の国際機関によって構成される国際機関をいう。次号において同じ。)の公務に従事する者

五 外国の政府若しくは地方公共団体又は国際機関の権限に属する事務であって、これらの機関から委任されたものに従事する者

 

(罰則)

第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為(人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいう。次号において同じ。)又は管理侵害行為(財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の営業秘密保有者の管理を害する行為をいう。次号において同じ。)により、営業秘密を取得した者

二 詐欺等行為又は管理侵害行為により取得した営業秘密を、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、使用し、又は開示した者

三 営業秘密を営業秘密保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、次のいずれかに掲げる方法でその営業秘密を領得した者

イ 営業秘密記録媒体等(営業秘密が記載され、又は記録された文書、図画又は記録媒体をいう。以下この号において同じ。)又は営業秘密が化体された物件を横領すること。

ロ 営業秘密記録媒体等の記載若しくは記録について、又は営業秘密が化体された物件について、その複製を作成すること。

ハ 営業秘密記録媒体等の記載又は記録であって、消去すべきものを消去せず、かつ、当該記載又は記録を消去したように仮装すること。

四 営業秘密を営業秘密保有者から示された者であって、その営業秘密の管理に係る任務に背いて前号イからハまでに掲げる方法により領得した営業秘密を、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、使用し、又は開示した者

五 営業秘密を営業秘密保有者から示されたその役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。次号において同じ。)又は従業者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、その営業秘密を使用し、又は開示した者(前号に掲げる者を除く。)

六 営業秘密を営業秘密保有者から示されたその役員又は従業者であった者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その在職中に、その営業秘密の管理に係る任務に背いてその営業秘密の開示の申込みをし、又はその営業秘密の使用若しくは開示について請託を受けて、その営業秘密をその職を退いた後に使用し、又は開示した者(第四号に掲げる者を除く。)

七 不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、第二号若しくは前三号の罪又は第三項第二号の罪(第二号及び前三号の罪に当たる開示に係る部分に限る。)に当たる開示によって営業秘密を取得して、その営業秘密を使用し、又は開示した者

八 不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、第二号若しくは第四号から前号までの罪又は第三項第二号の罪(第二号及び第四号から前号までの罪に当たる開示に係る部分に限る。)に当たる開示が介在したことを知って営業秘密を取得して、その営業秘密を使用し、又は開示した者

九 不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、自己又は他人の第二号若しくは第四号から前号まで又は第三項第三号の罪に当たる行為(技術上の秘密を使用する行為に限る。以下この号及び次条第一項第二号において「違法使用行為」という。)により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供した者(当該物が違法使用行為により生じた物であることの情を知らないで譲り受け、当該物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供した者を除く。)

2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 不正の目的をもって第二条第一項第一号又は第二十号に掲げる不正競争を行った者

二 他人の著名な商品等表示に係る信用若しくは名声を利用して不正の利益を得る目的で、又は当該信用若しくは名声を害する目的で第二条第一項第二号に掲げる不正競争を行った者

三 不正の利益を得る目的で第二条第一項第三号に掲げる不正競争を行った者

四 不正の利益を得る目的で、又は営業上技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的で、第二条第一項第十七号又は第十八号に掲げる不正競争を行った者

五 商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量又はその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような虚偽の表示をした者(第一号に掲げる者を除く。)

六 秘密保持命令に違反した者

七 第十六条、第十七条又は第十八条第一項の規定に違反した者

 

 

刑事訴訟法

第三百八十二条 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

 

 

第四百十一条 上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

二 刑の量定が甚しく不当であること。

三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

 

婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰すう

 

 

              婚姻費用分担審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成31年(許)第1号

【判決日付】      令和2年1月23日

【判示事項】      婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰すう

【判決要旨】      婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても,これにより婚姻費用分担請求権は消滅しない。

【参照条文】      民法760

             家事事件手続法39

             家事事件手続法別表第2の2の項

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集74巻1号1頁

 

 

民法

(婚姻費用の分担)

第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

 

 

家事事件手続法

(審判事項)

第三十九条 家庭裁判所は、この編に定めるところにより、別表第一及び別表第二に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。