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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成21年(受)第1461号、平成21年(受)第1462号

【判決日付】      平成24年2月20日

【判示事項】      1 自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無

             2 自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲

【判決要旨】      1 被害者が被る損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求権を代位取得するものであって、損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するものではない。

             2 保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において、上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が民法上認められるべき過失相殺前の損害額を上回る場合に限り、その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する。

             (1、2につき補足意見がある)

【参照条文】      商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662

             保険法25

             民法91

             民法709

             民法722-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集66巻2号742頁

 

 

保険法

(請求権代位)

第二十五条 保険者は、保険給付を行ったときは、次に掲げる額のうちいずれか少ない額を限度として、保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する債権(債務の不履行その他の理由により債権について生ずることのある損害をてん補する損害保険契約においては、当該債権を含む。以下この条において「被保険者債権」という。)について当然に被保険者に代位する。

一 当該保険者が行った保険給付の額

二 被保険者債権の額(前号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者債権の額から当該不足額を控除した残額)

2 前項の場合において、同項第一号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者は、被保険者債権のうち保険者が同項の規定により代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る保険者の債権に先立って弁済を受ける権利を有する。

 

 

民法

(任意規定と異なる意思表示)

第九十一条 法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。

 

国・中央労基署長・日本運搬社事件


遺族補償給付不支給処分決定取消請求控訴事件
【事件番号】    東京高等裁判所判決/平成27年(行コ)第320号
【判決日付】    平成28年4月27日
【判示事項】    1 被災労働者が海外出張者(労災保険法が適用される)であるか海外派遣者(特別加入の承認がなければ労災保険法は適用されない)であるかは,単に労働の提供の場が海外にあるだけで国内の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に従って勤務しているのか,海外の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に従って勤務しているのかという観点から,当該労働者の従事する労働の内容やこれについての指揮命令関係等の当該労働者の国外での勤務実態を踏まえてどのような労働関係にあるかによって総合的に判断されるべきであるとされた例
          2 現地法人の総経理(日本の会社法における執行役類似の機関)であった亡Kが急性心筋梗塞を発症して死亡したことについて,Kは海外出張者に当たるというべきであり,特別加入の承認がないことを理由として労災保険法上の保険給付の対象から除外することはできないとされた例
          3 海外勤務をしていたKの死亡につき,被災労働者の死亡が労災保険法上の保険給付の対象になり得ないことを理由とする不支給決定の取消訴訟においては,当該死亡が同法上の保険給付の対象になり得ることを明らかにして当該決定を取り消せば足りるとして,当該死亡の業務起因性について判断することなく当該決定を取り消すとして,一審判決が取り消された例
【掲載誌】     労働判例1146号46頁


       主   文

 1 原判決を取り消す。
 2 中央労働基準監督署長が控訴人に対し平成24年10月18日付けでした労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料を支給しない旨の処分を取り消す。
 3 訴訟費用は,第1,2審を通じて被控訴人の負担とする。

       事実及び理由

第1 控訴の趣旨
   主文同旨
第2 事案の概要
 1 本件は,海外に事業展開する運送会社である株式会社A(以下「訴外会社」という。)の従業員で,平成22年7月23日に中国の上海において急性心筋梗塞により死亡した亡B(以下「亡B」という。)について,亡Bの妻で亡Bの死亡の当時その収入によって生計を維持していた控訴人が,亡Bの死亡は業務上の死亡に当たると主張して,被控訴人に対し,中央労働基準監督署長(以下「中央労基署長」という。)が控訴人に対し平成24年10月18日付けでした労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく遺族補償給付及び葬祭料を支給しない旨の処分の取消しを求めた事案である。
   原審が控訴人の請求を棄却したので,控訴人が控訴した。前提事実,関係法令等の定め並びに本件の争点及びこれについての当事者の主張は,下記2のとおり原判決を補正し,下記3のとおり控訴人の当審における主張を加えるほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。
 2 原判決の補正
   原判決10頁9行目冒頭から同10行目末尾までを次のとおり改める。
  「(1) 亡Bは,労災保険法の施行地内(国内)で行われる事業に使用される海外出張者か,それとも,同法施行地外(海外)で行われる事業に使用される海外派遣者であって,国内事業場の労働者とみなされるためには同法36条に基づく特別加入手続を必要である者か」
 3 控訴人の当審における主張
   亡Bは,訴外会社の従業員であり,国内の事業場である訴外会社東京営業所海運部に所属し,その国際輸送課課長代理として,訴外会社の指揮命令に従って勤務していた者であって,その死亡時において,単に労働の提供の場が海外にあったにすぎない。亡Bは,ほかに訴外会社Cの首席代表及び現地法人であるD社の責任者(総経理)としての地位を併せ持っていたものの,CやD社が独立した事業所であるかどうかは重要な問題ではなく,国内の事業場である訴外会社の使用者の指揮に従って勤務していたという実態が重要なのである。結局のところ,亡Bは,訴外会社の業務に上海で従事する海外出張者に該当するから,海外派遣者を対象とする特別加入手続を要することなく,当然に労災保険法上の保険給付の対象となるというべきである。


労働者災害補償保険法
第三十六条 第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主が、同条第六号又は第七号に掲げる者を、当該団体又は当該事業主がこの法律の施行地内において行う事業(事業の期間が予定される事業を除く。)についての保険関係に基づきこの保険による業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に関する保険給付を受けることができる者とすることにつき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで及び第三章の二の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十三条第六号又は第七号に掲げる者は、当該事業に使用される労働者とみなす。
二 第三十四条第一項第二号の規定は第三十三条第六号又は第七号に掲げる者に係る業務災害に関する保険給付の事由について、同項第三号の規定は同条第六号又は第七号に掲げる者の給付基礎日額について準用する。この場合において、同項第二号中「当該事業」とあるのは、「第三十三条第六号又は第七号に規定する開発途上にある地域又はこの法律の施行地外の地域において行われる事業」と読み替えるものとする。
三 第三十三条第六号又は第七号に掲げる者の事故が、徴収法第十条第二項第三号の二の第三種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
② 第三十四条第二項及び第三項の規定は前項の承認を受けた第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主について、第三十四条第四項の規定は第三十三条第六号又は第七号に掲げる者の保険給付を受ける権利について準用する。この場合において、これらの規定中「前項の承認」とあり、及び「第一項の承認」とあるのは「第三十六条第一項の承認」と、第三十四条第二項中「同号及び同条第二号に掲げる者を包括して」とあるのは「同条第六号又は第七号に掲げる者を」と、同条第四項中「同条第一号及び第二号」とあるのは「第三十三条第六号又は第七号」と読み替えるものとする。


 

構成部分の変動する集合動産と譲渡担保の目的

 

 

              物件引渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和53年(オ)第925号

【判決日付】      昭和54年2月15日

【判示事項】      1、構成部分の変動する集合動産と譲渡担保の目的

             2、構成部分の変動する集合動産の譲渡担保につき目的物の範囲が特定されているとはいえないとされた事例

【判決要旨】      1、構成部分の変動する集合動産であっても、その種類、所在場所及び量的範囲を指定するなどの方法により目的物の範囲が特定される場合には、1個の集合物として譲渡担保の目的となりうる。

             2、甲が継続的倉庫寄託契約に基づき丙に寄託中の食用乾燥ネギフレーク44トン余りのうち28トンを乙に対する債務の譲渡担保とすること、乙はこれを売却処分することができることを約し、在庫証明の趣旨で丙が作成した預り証を乙に交付したが、乙も在庫を確認したにとどまり、その後処分のために乙に引き渡された右乾燥ネギフレークの大部分は甲の工場から乙に直送され、残部は甲が丙から受け出して乙に送付したものであるなど判示の事実関係のもとでは、甲が乙に対し丙に寄託中の右乾燥ネギフレークのうち28トンを特定して譲渡担保に供したものとはいえない。

【参照条文】      民法85

             民法369

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集33巻1号51頁

 

 

民法

(定義)

第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいう。

 

(抵当権の内容)

第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

 

 

強制採尿令状により採尿場所まで連行することの適否(積極)

 

 

覚せい剤取締法違反、公文書毀棄被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成6年(あ)第187号

【判決日付】      平成6年9月16日

【判示事項】      一 いわゆる強制採尿令状により採尿場所まで連行することの適否(積極)

             二 任意同行を求めるため被疑者を職務質問の現場に長時間違法に留め置いたとしてもその後の強制採尿手続により得られた尿の鑑定書の証拠能力は否定されないとされた事例

【判決要旨】      一 身柄を拘束されていない被疑者を採尿場所へ任意に同行することが事実上不可能であると認められる場合には、いわゆる強制採尿令状の効力として、採尿に適する最寄りの場所まで被疑者を連行することができる。

             二 覚せい剤使用の嫌疑のある被疑者に対し、自動車のエンジンキーを取り上げるなどして運転を阻止した上、任意同行を求めて約六時間半以上にわたり職務質問の現場に留め置いた警察官の措置は、任意捜査として許容される範囲を逸脱し、違法であるが、被疑者が覚せい剤中毒をうかがわせる異常な言動を繰り返していたことなどから運転を阻止する必要性が高く、そのために警察官が行使した有形力も必要最小限度の範囲にとどまり、被疑者が自ら運転することに固執して任意同行をかたくなに拒否し続けたために説得に長時間を要したものであるほか、その後引き続き行われた強制採尿手続自体に違法がないなどの判示の事情の下においては、右一連の手続を全体としてみてもその違法の程度はいまだ重大であるとはいえず、右強制採尿手続により得られた尿についての鑑定書の証拠能力は否定されない。

【参照条文】      刑事訴訟法99

             刑事訴訟法102

             刑事訴訟法218

             刑事訴訟法219

             刑事訴訟法222

             刑事訴訟法317

             警察官職務執行法2-1

             道路交通法67-3

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集48巻6号420頁

 

 

刑事訴訟法

第九十九条 裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

② 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

③ 裁判所は、差し押えるべき物を指定し、所有者、所持者又は保管者にその物の提出を命ずることができる。

 

第百二条 裁判所は、必要があるときは、被告人の身体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。

② 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。

 

第二百十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

② 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

③ 身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、第一項の令状によることを要しない。

④ 第一項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。

⑤ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。

⑥ 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。

第二百十九条 前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。

② 前条第二項の場合には、同条の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

③ 第六十四条第二項の規定は、前条の令状についてこれを準用する。

 

第二百二十二条 第九十九条第一項、第百条、第百二条から第百五条まで、第百十条から第百十二条まで、第百十四条、第百十五条及び第百十八条から第百二十四条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条、第百十一条の二、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証についてこれを準用する。ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。

② 第二百二十条の規定により被疑者を捜索する場合において急速を要するときは、第百十四条第二項の規定によることを要しない。

③ 第百十六条及び第百十七条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする差押え、記録命令付差押え又は捜索について、これを準用する。

④ 日出前、日没後には、令状に夜間でも検証をすることができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第二百十八条の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。但し、第百十七条に規定する場所については、この限りでない。

⑤ 日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。

⑥ 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第二百十八条の規定により差押、捜索又は検証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。

⑦ 第一項の規定により、身体の検査を拒んだ者を過料に処し、又はこれに賠償を命ずべきときは、裁判所にその処分を請求しなければならない。

 

第三百十六条の二 裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に付することができる。

② 前項の決定又は同項の請求を却下する決定をするには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

③ 公判前整理手続は、この款に定めるところにより、訴訟関係人を出頭させて陳述させ、又は訴訟関係人に書面を提出させる方法により、行うものとする。

 

 

警察官職務執行法

(質問)

第二条1項 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

 

 

道路交通法

(危険防止の措置)

第六十七条 警察官は、車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第三項から第六項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。

2 前項に定めるもののほか、警察官は、車両等の運転者が車両等の運転に関しこの法律(第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第三項から第六項まで及び第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までを除く。)若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反し、又は車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)を起こした場合において、当該車両等の運転者に引き続き当該車両等を運転させることができるかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。

3 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。

4 前三項の場合において、当該車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第三項から第六項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転するおそれがあるときは、警察官は、その者が正常な運転ができる状態になるまで車両等の運転をしてはならない旨を指示する等道路における交通の危険を防止するため必要な応急の措置をとることができる。

(罰則 第一項については第百十九条第一項第十三号 第三項については第百十八条の二)

 

瑕疵の修補が可能な場合に修補を請求することなく修補に代わる損害賠償を請求することの可否

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和53年(オ)第826号

【判決日付】      昭和54年3月20日

【判示事項】      瑕疵の修補が可能な場合に修補を請求することなく修補に代わる損害賠償を請求することの可否

【判決要旨】      仕事の目的物に瑕疵がある場合には、注文者は、瑕疵の修補が可能なときであつても、修補を請求することなく、直ちに修補に代わる損害賠償を請求することができる。

【参照条文】      民法634

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事126号271頁

             判例タイムズ394号60頁

             金融・商事判例571号35頁

             判例時報927号184頁

 

 

民法

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

第六百三十七条 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。

 

自動車に欠陥があることを理由にその製造業者及び販売業者に損害賠償を求める場合に主張・立証すべき「欠陥」の内容

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      大津地方裁判所判決/平成3年(ワ)第392号

【判決日付】      平成8年2月9日

【判示事項】      1 自動車に欠陥があることを理由にその製造業者及び販売業者に損害賠償を求める場合に主張・立証すべき「欠陥」の内容

             2 自動車に欠陥があることを理由にその製造業者及び販売業者に損害賠償を求めた訴訟において、当該自動車には異常はなく、通常の走行を妨げるような瑕疵もなかったとして、請求が棄却された事例

【参照条文】      民法709

             製造物責任法

【掲載誌】        判例タイムズ918号186頁

             判例時報1590号127頁

 

 

事案の概要

 X1は、本件自動車を運転中、その左前が沈み込むような感じを受け、ハンドルが急に左に切れて操舵不能の状態に陥り、道路左端にあった道路標識や石垣に衝突する事故を起こした。

そこで、X1は、本件自動車の所有者であるX2とともに、本件自動車を製造したY1に対して、本件自動車には左前輪に車体との結合部がゆるんでいたという構造的欠陥があったことを理由に、また、本件自動車を販売しその後の無料点検を行ったY2に対して、整備上の過誤があったことを理由に、それぞれ損害賠償を求めた。

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

製造物責任法

(定義)

第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。

2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。

3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。

一 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)

二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者

三 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者

 

裁判員裁判における刺激証拠・大阪高等裁判所判決

 

 

              監禁、保護責任者遺棄致死被告事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/令和2年(う)第552号

【判決日付】      令和3年4月19日

【判示事項】      被告人夫婦がその長女である被害者を自宅敷地内のプレハブ小屋内に設置した居室内に10年以上監禁し、生存に必要な保護を与えないまま放置して凍死させたとされる事案において、原審が被害者の死体解剖時の写真等の刺激証拠を採用して取り調べたことは、その取調べが要保護性の認識や解剖医の供述の信用性の認定判断に資するものである一方、それにより裁判所が理性的な判断を妨げられたと疑わせる事情がなく、写真等を見る者に痛ましさや悲惨さを感じさせるとしても適切な代替証拠がないなど、やむを得ない事情があったとして、原審の訴訟手続に法令違反はないとされた事例

【参照条文】      刑法219

             刑法220

             刑事訴訟法379

【掲載誌】        判例時報2496号92頁

             LLI/DB 判例秘書登載

 

 

刺激証拠

裁判員裁判で、裁判員を刺激する証拠。遺体の写真や死体解剖の写真など。

裁判員の冷静な判断に影響するから問題となる。

 

 

 

 

1 事案の概要

被告人夫婦は、①共謀の上、平成19年3月12日頃、被告人両名の長女である被害者を、自宅敷地内のプレハブ小屋内に設置した居室内で生活させるに当たり、内側からは解錠できない扉に外側から施錠し、動静を監視カメラで監視するなどして、その頃から平成29年12月18日頃までの間、被害者を監禁した、②同月上旬頃、暖房装置に接続されたサーモスタットを前年冬期よりも低温に設定したため室温が低下し、被害者が極度に痩せた状態で、かつ、衣服を着用せずに生活していたことを認識していたから、被害者の生存に必要な保護を与えるべき責任があったにもかかわらず、共謀の上、その頃以降、室温を適切に管理し、医師による治療を受けさせて十分な栄養を摂取させるなどの生存に必要な保護を与えずに放置し、同月18日頃、居室内で低栄養と寒冷環境曝露により凍死させたとして、起訴された。

 

 

 

 

 

刑法

(遺棄)

第二百十七条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)

第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 

(逮捕及び監禁)

第二百二十条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

 

 

刑事訴訟法

第三百七十九条 前二条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

 

沖縄県那覇市・孔子廟事件

 

 

              固定資産税等課税免除措置取消(住民訴訟)請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/令和元年(行ツ)第222号、令和元年(行ヒ)第262号

【判決日付】      令和3年2月24日

【判示事項】      市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して同施設の敷地の使用料の全額を免除した行為が憲法20条3項に違反するとされた事例

【判決要旨】      市長が市の管理する都市公園内の国公有地上に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して上記施設の敷地の使用料の全額を免除した行為は,次の(1)~(5)など判示の事情の下では,上記施設の観光資源等としての意義や歴史的価値を考慮しても,一般人の目から見て,市が上記法人の上記施設における活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないものであって,憲法20条3項に違反する。

             (1)上記施設は,上記都市公園の他の部分から仕切られた区域内に一体として設置され,上記施設の本殿と位置付けられている建物は,その内部の正面には孔子の像及び神位(神霊を据える所)が配置され,家族繁栄,学業成就,試験合格等を祈願する多くの人々による参拝を受けているほか,上記建物の香炉灰が封入された「学業成就(祈願)カード」が上記施設で販売されていたこともあった。

             (2)上記施設で行われる儀式は,孔子の霊の存在を前提として,これを崇め奉るという宗教的意義を有するものであり,上記施設の建物等は,上記儀式を実施するという目的に従って配置されたものである。

             (3)市が策定した上記都市公園周辺の土地利用計画案においては,同計画案の策定業務に係る委員会等で孔子等を祀る廟の宗教性を問題視する意見があったこと等を踏まえて,前記(1)の建物を建設する予定の敷地につき上記法人の所有する土地との換地をするなどして,同建物を私有地内に配置することが考えられる旨の整理がされていた。

             (4)上記法人に対する上記施設の設置許可に係る占用面積は1335平方メートルであり,免除の対象となる敷地の使用料に相当する額は年間で576万7200円であり,また,上記設置許可の期間は3年であるが,公園の管理上支障がない限り更新が予定されている。

             (5)上記法人は,上記施設の公開や前記(2)の儀式の挙行を定款上の目的又は事業として掲げている。

             (反対意見がある。)

【参照条文】      憲法20-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集75巻2号29頁

 

 

憲法

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

 

給与等の受給者が支払者により誤って源泉徴収をされた金額を税額から控除して確定申告をすることの可否

 

 

所得税更正処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成2年(行ツ)第155号

【判決日付】      平成4年2月18日

【判示事項】      一 給与等の受給者が支払者により誤って源泉徴収をされた金額を税額から控除して確定申告をすることの可否

             二 課税処分取消訴訟における実体上の審判の対象

【判決要旨】      一 給与等の受給者が支払者により誤って所得税の源泉徴収をされた場合において、当該年分の所得税の額から右誤徴収額を控除して確定申告をすることはできない。

             二 課税処分の取消訴訟における実体法上の審判の対象は、当該課税処分によって確定された税額が総額において租税法規によって客観的に定まっている税額を上回ることがないかどうかである。

【参照条文】      国税通則法56

             所得税法120-1

             所得税法128

             所得税法138

             行政事件訴訟法

             民事訴訟法2編1章

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集46巻2号77頁

 

 

国税通則法

(還付)

第五十六条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。

2 国税局長は、必要があると認めるときは、その管轄区域内の地域を所轄する税務署長からその還付すべき還付金等について還付の引継ぎを受けることができる。

 

 

所得税法

(確定所得申告)

第百二十条1項 居住者は、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が第二章第四節(所得控除)の規定による雑損控除その他の控除の額の合計額を超える場合において、当該総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額からこれらの控除の額を第八十七条第二項(所得控除の順序)の規定に準じて控除した後の金額をそれぞれ課税総所得金額、課税退職所得金額又は課税山林所得金額とみなして第八十九条(税率)の規定を適用して計算した場合の所得税の額の合計額が配当控除の額を超えるとき(第三号に掲げる所得税の額の計算上控除しきれなかつた外国税額控除の額がある場合、第四号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた同号に規定する源泉徴収税額がある場合又は第五号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた予納税額がある場合を除く。)は、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出する場合を除き、第三期(その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間をいう。以下この節において同じ。)において、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。この場合において、その年において支払を受けるべき第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等で第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けたものを有する居住者が、当該申告書を提出するときは、次に掲げる事項のうち財務省令で定めるものについては、財務省令で定める記載によることができる。

一 その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額並びに第二章第四節の規定による雑損控除その他の控除の額並びに課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額又は純損失の金額

二 第九十条第一項(変動所得及び臨時所得の平均課税)の規定の適用を受ける場合には、その年分の変動所得の金額及び臨時所得の金額並びに同条第三項に規定する平均課税対象金額

三 第一号に掲げる課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額につき第三章(税額の計算)の規定を適用して計算した所得税の額

四 第一号に掲げる総所得金額若しくは退職所得金額又は純損失の金額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額(当該所得税の額のうちに、第百二十七条第一項から第三項まで(年の中途で出国をする場合の確定申告)の規定による申告書を提出したことにより、又は当該申告書に係る所得税につき更正を受けたことにより還付される金額その他政令で定める金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この号及び次号において「源泉徴収税額」という。)がある場合には、前号に掲げる所得税の額からその源泉徴収税額を控除した金額

五 その年分の予納税額がある場合には、第三号に掲げる所得税の額(源泉徴収税額がある場合には、前号に掲げる金額)から当該予納税額を控除した金額

六 第一号に掲げる総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額、雑所得に該当しない変動所得の金額又は雑所得に該当しない臨時所得の金額がある場合には、これらの金額及び一時所得、雑所得又は雑所得に該当しない臨時所得について源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額

七 その年において特別農業所得者である場合には、その旨

八 第一号から第六号までに掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項

 

(確定申告による納付)

第百二十八条 第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書(第百二十四条第一項(確定申告書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告)又は第百二十六条第一項(確定申告書を提出すべき者が出国をする場合の確定申告)の規定に該当して提出すべきものを除く。)を提出した居住者は、当該申告書に記載した第百二十条第一項第三号に掲げる金額(同項第四号に規定する源泉徴収税額があり、かつ、同項第五号に規定する予納税額がない場合には、同項第四号に掲げる金額とし、同項第五号に規定する予納税額がある場合には、同号に掲げる金額とする。以下この款において同じ。)があるときは、第三期において、当該金額に相当する所得税を国に納付しなければならない。

 

(源泉徴収税額等の還付)

第百三十八条 確定申告書の提出があつた場合において、当該申告書に第百二十二条第一項第一号若しくは第二号(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第六号若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した者に対し、当該金額に相当する所得税を還付する。

2 前項の場合において、同項の確定申告書に記載された第百二十二条第一項第二号又は第百二十三条第二項第七号に規定する源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは、前項の規定による還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については、その納付があるまでは、還付しない。

3 第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる日(同日後に納付された前項に規定する源泉徴収税額に係る還付金については、その納付の日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。

一 第一項の確定申告書がその確定申告期限までに提出された場合 その確定申告期限

二 第一項の確定申告書がその確定申告期限後に提出された場合 その提出の日

4 第一項の規定による還付金を同項の確定申告書に係る年分の所得税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の所得税については、延滞税を免除するものとする。

5 前三項に定めるもののほか、第一項の還付の手続、同項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

 

行政事件訴訟法

(この法律に定めがない事項)

第七条 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。

 

 

児童相談所長である申立人が,児童福祉法28条1項に基づき,保護者である母から暴言や暴行を受けて一時保護中の児童について,里親等への委託又は児童養護施設への入所を承認するよう求めた事案


児童福祉法28条1項申立事件
【事件番号】    福岡家庭裁判所審判/平成31年(家)第313号
【判決日付】    令和元年8月6日
【判示事項】    児童相談所長である申立人が,児童福祉法28条1項に基づき,保護者である母から暴言や暴行を受けて一時保護中の児童について,里親等への委託又は児童養護施設への入所を承認するよう求めた事案において,児童家庭支援センターへの定期的な通所,心理カウンセリングの受講,児童相談所の家庭訪問や助言の受け入れ等を内容とする審判前の指導措置の勧告を行った上で,同勧告に基づく援助を母が肯定的に捉えていることから,児童に対する監護が著しく児童の福祉を害するものとはいえないとして,申立てを却下し,併せて同条7項に基づく同内容の勧告をした事例
【参照条文】    児福法28-1
          児福法28-4
          児福法28-7
【掲載誌】     判例タイムズ1473号248頁
          判例時報2442号116頁


児童福祉法
第二十八条 保護者が、その児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において、第二十七条第一項第三号の措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは、都道府県は、次の各号の措置を採ることができる。
一 保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは、家庭裁判所の承認を得て、第二十七条第一項第三号の措置を採ること。
二 保護者が親権を行う者又は未成年後見人でないときは、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すこと。ただし、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すことが児童の福祉のため不適当であると認めるときは、家庭裁判所の承認を得て、第二十七条第一項第三号の措置を採ること。
② 前項第一号及び第二号ただし書の規定による措置の期間は、当該措置を開始した日から二年を超えてはならない。ただし、当該措置に係る保護者に対する指導措置(第二十七条第一項第二号の措置をいう。以下この条並びに第三十三条第二項及び第九項において同じ。)の効果等に照らし、当該措置を継続しなければ保護者がその児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他著しく当該児童の福祉を害するおそれがあると認めるときは、都道府県は、家庭裁判所の承認を得て、当該期間を更新することができる。
③ 都道府県は、前項ただし書の規定による更新に係る承認の申立てをした場合において、やむを得ない事情があるときは、当該措置の期間が満了した後も、当該申立てに対する審判が確定するまでの間、引き続き当該措置を採ることができる。ただし、当該申立てを却下する審判があつた場合は、当該審判の結果を考慮してもなお当該措置を採る必要があると認めるときに限る。
④ 家庭裁判所は、第一項第一号若しくは第二号ただし書又は第二項ただし書の承認(以下「措置に関する承認」という。)の申立てがあつた場合は、都道府県に対し、期限を定めて、当該申立てに係る保護者に対する指導措置を採るよう勧告すること、当該申立てに係る保護者に対する指導措置に関し報告及び意見を求めること、又は当該申立てに係る児童及びその保護者に関する必要な資料の提出を求めることができる。
⑤ 家庭裁判所は、前項の規定による勧告を行つたときは、その旨を当該保護者に通知するものとする。
⑥ 家庭裁判所は、措置に関する承認の申立てに対する承認の審判をする場合において、当該措置の終了後の家庭その他の環境の調整を行うため当該保護者に対する指導措置を採ることが相当であると認めるときは、都道府県に対し、当該指導措置を採るよう勧告することができる。
⑦ 家庭裁判所は、第四項の規定による勧告を行つた場合において、措置に関する承認の申立てを却下する審判をするときであつて、家庭その他の環境の調整を行うため当該勧告に係る当該保護者に対する指導措置を採ることが相当であると認めるときは、都道府県に対し、当該指導措置を採るよう勧告することができる。
⑧ 第五項の規定は、前二項の規定による勧告について準用する。