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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

空調服事件

 

 

審決取消請求事件

【事件番号】      知的財産高等裁判所判決/令和2年(行ケ)第10084号

【判決日付】      令和3年2月25日

【判示事項】      「空調服」の文字を標準文字で表してなる商標(本願商標)登録出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟。

争点は,商標法3条1項3号該当性及び同条2項該当性。

裁判所は,本件審決時において,本願商標である「空調服」は,本願指定商品である「通気機能を備えた作業服・ワイシャツ・ブルゾン」に使用されるときは,「通気機能を備えることにより,空気の温度等を調節する機能を有する服」と認識され,商品の品質を表示する標章に当たるとし,使用をされた結果,本願指定商品の需要者,取引者が,原告各社の業務に係る商品であることを認識することができるものであるから,商標法3条2項に該当するとして請求を認容した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

商標法

(商標登録の要件)

第三条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。

一 その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

二 その商品又は役務について慣用されている商標

三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。第二十六条第一項第二号及び第三号において同じ。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

四 ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

五 極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標

六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標

2 前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。

 

 

       主   文

 

 1 特許庁が不服2017-14295号事件について令和2年4月30日にした審決を取り消す。

 2 訴訟費用は被告の負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

 主文と同旨

第2 事案の概要

 本件は,商標登録出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,商標法3条1項3号該当性及び同条2項該当性である。

 1 商標登録出願及び特許庁における手続の経緯等

  (1) 原告株式会社セフト研究所(以下「原告セフト研究所」という。)は,平成28年3月18日,指定商品を第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」として,「空調服」の文字を標準文字で表してなる商標(以下「本願商標」という。)の商標登録出願(商願2016-030424号。以下「本願」という。)をし(甲78,乙1),原告株式会社空調服(以下「原告空調服」という。)は,同年11月7日付けで,本願について共同出願人となった。

  (2) 原告セフト研究所及び原告空調服(以下,併せて「原告ら」といい,原告ら又はそのうちの一社を選択的にいう語として「原告各社」の語を用いる。)は,本願について,平成29年6月22日付けで拒絶査定(甲83。以下「本件拒絶査定」という。)を受けたため,同年9月27日,これに対する不服審判の請求(不服2017-14295号。以下「本件審判請求」という。)をした。また,原告らは,同日までに,本願商標について,指定商品を第25類「通気機能を備えた作業服・ワイシャツ・ブルゾン」(以下「本願指定商品」ということがある。)とする手続補正をした(甲79の1,甲80,乙2)。

  (3) 特許庁は,令和2年4月30日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同年5月29日に原告らに送達された。

 2 本件審決の理由の要点

  (1) 商標法3条1項3号該当性について

   ア 商標法3条1項3号の趣旨について

 商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,そのような商標が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解されるところ,この趣旨に照らすと,当該商標が指定商品の品質等を表すものとして,審決時に需要者,取引者に広く認識されている場合はもとより,将来を含め,需要者,取引者にその商品の品質等を表すものと認識される可能性があって,これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは,その商標は,同号に該当すると解するのが相当である。

   イ 本願商標の商標法3条1項3号該当性について

 本願商標の構成中,「空調」の語は「空気調節の略」の意味を,「服」の語は「身につけるもの」の意味を有するいずれも平易な語であることから,「空調服」の構成文字全体からは,「空気を調節する服」(空調機能を備えた服)程の意味合いを容易に認識させるものである。

 そして,インターネット情報や新聞記事情報等において,「空調服」の文字が,本願商標の指定商品の分野並びに指定商品を取り扱う小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「小売等役務」という。)の分野において,「上着内に送風機を備え,服の中に風を取り入れ体の熱を冷ます機能を有する商品(ファン付き作業着)」の意味合いで使用されている実情が見受けられる。

 加えて,これらの「空調服」の文字の使用状況には,原告各社及び原告各社のライセンスに基づき使用している業者(以下「ライセンシー」といい,原告各社と併せて「原告各社等」という。)の使用に係るものが含まれているとしても,作業服の種類としての使用や,他人による使用も多数見受けられる。

 このような状況からすると,本願商標を指定商品「通気機能を備えた作業服・ワイシャツ・ブルゾン」に使用するときは,「空気を調節する服(空調機能を備えた服)」,すなわち,その商品の品質を表示するものとして認識されるというのが相当であり,自他商品の識別標識としては機能し得ないものというべきであるから,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。

偽造の登記申請委任状によつてなされた登記が有効とされた事例

 

 

根抵当権設定登記抹消登記請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和34年(オ)第415号

【判決日付】      昭和37年5月24日

【判示事項】      偽造の登記申請委任状によつてなされた登記が有効とされた事例

【判決要旨】      甲の代理人丙が、その権限をこえて乙との間に甲所有の不動産につき乙のために根抵当権設定契約を締結し、かつ甲名義の偽造登記申請委任状によつてその登記をなした場合、右設定契約を締結しおよび登記申請委任状を乙に交付する等登記申請に協力する関係において、乙が丙に右設定契約の締結ならびに登記申請について甲の代理権ありと信ずべき正当の理由があるときは、民法第110条の適用あるものと解すべきであつて、したがつて甲は乙に対し右根抵当権設定登記の無効を主張してその抹消を請求することができない。

【参照条文】      不動産登記法35

             民法110

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集16巻7号1251頁

 

 

 

不動産登記法

(代理権の不消滅)

第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。

一 本人の死亡

二 本人である法人の合併による消滅

三 本人である受託者の信託に関する任務の終了

四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

 

 

民法

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

 

 

取締役会議事録および監査役会・監査等委員会議事録の閲覧謄写が許可されなかった事例

 

 

 

取締役会議事録閲覧謄写許可 監査役会・監査等委員会議事録閲覧謄写許可決定に対する抗告事件

【事件番号】      大阪高等裁判所決定/令和3年(ラ)第194号

【判決日付】      令和3年5月28日

【判示事項】      取締役会議事録および監査役会・監査等委員会議事録の閲覧謄写が許可されなかった事例

【判決要旨】      株主の権利を行使するため必要があることおよび申立てに係る議事録部分が存在することの疎明があるとは認められず、取締役会議事録および監査役会・監査等委員会議事録の閲覧謄写許可申立てを却下する。

【参照条文】      会社法371-2

             会社法371-3

             会社法394-2

             会社法399の11-2

【掲載誌】        金融・商事判例1627号28頁

             判例時報2528号90頁

 

 

会社法

(議事録等)

第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。

2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。

4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。

5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。

6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。

 

(議事録)

第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。

2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。

4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。

 

(議事録)

第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。

2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。

4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。

 

 

 

行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっての検討及び判断の方法

 

 

わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録記録媒体頒布被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成29年(あ)第829号

【判決日付】      令和2年7月16日

【判示事項】      1 行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっての検討及び判断の方法

             2 刑法175条のわいせつな電磁的記録に該当する女性器の三次元形状データファイル又は同データが記録されたCD-Rを頒布した行為について,正当行為として違法性が阻却されるものではないとされた事例

【判決要旨】      1 行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっては,電磁的記録が視覚情報であるときには,同記録を視覚化したもののみを見て,これらの検討及び判断をするのが相当である。

             2 刑法175条のわいせつな電磁的記録に該当する女性器の三次元形状データファイル又は同データが記録されたCD-Rを頒布した被告人の行為は,女性器に対する卑わいな印象を払拭し,女性器を表現することを日常生活に浸透させたいという思想に基づくものであるということや,同データの頒布が被告人の作品制作に資金を提供する者に対し資金提供という方法で作品制作に参加する機会を与えるものであるということ,同データ又は同CD-Rの頒布がそれらの提供を受けた者に対し同データを加工して創作をする機会を与えるものであるということによって正当行為として違法性が阻却されるものではない。

【参照条文】      憲法21

             憲法31

             刑法175

             刑法35

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集74巻4号343頁

 

 

憲法

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

 

刑法

(正当行為)

第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

 

(わいせつ物頒布等)

第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

 

 

泉佐野市民会館事件・公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」の意義と憲法二一条、地方自治法二四四条


    損害賠償請求事件
【事件番号】    最高裁判所第3小法廷判決/平成元年(オ)第762号
【判決日付】    平成7年3月7日
【判示事項】    一 公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」の意義と憲法二一条、地方自治法二四四条
          二 「関西新空港反対全国総決起集会」開催のための市民会館の使用許可の申請に対し市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号が使用を許可してはならない事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」に当たるとして不許可とした処分が憲法二一条、地方自治法二四四条に違反しないとされた事例
【判決要旨】    一 公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、右会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、右会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であり、そう解する限り、このような規制は、憲法二一条、地方自治法二四四条に違反しない。
          二 「全関西実行委員会」による「関西新空港反対全国総決起集会」開催のための市民会館の使用許可の申請に対し、市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号が使用を許可してはならない事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」に当たるとして不許可とした処分は、当時、右集会の実質上の主催者と目されるグループが、関西新空港の建設に反対して違法な実力行使を繰り返し、対立する他のグループと暴力による抗争を続けてきており、右集会が右会館で開かれたならば、右会館内又はその付近の路上等においてグループ間で暴力の行使を伴う衝突が起こるなどの事態が生じ、その結果、右会館の職員、通行人、付近住民等の生命、身体又は財産が侵害される事態を生ずることが客観的事実によって具体的に明らかに予見されたという判示の事情の下においては、憲法二一条、地方自治法二四四条に違反しない。
          (一、二につき補足意見がある。)
【参照条文】    憲法21
          地方自治法244
          市立泉佐野市民会館条例(昭和38年泉佐野市条例第27号)7
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集49巻3号687頁


憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


地方自治法
(公の施設)
第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。


 

金融商品取引法166条1項5号にいう「重要事実をその職務に関し知った」の意義

 

 

決定取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成28年(行コ)第334号

【判決日付】      平成29年6月29日

【判示事項】      金融商品取引法166条1項5号にいう「重要事実をその職務に関し知った」の意義

【判決要旨】      上場会社等の契約締結の交渉中の法人等の他の役員等がその者の職務に関し重要事実を知ったとして金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前のもの)166条1項5号に該当するというためには、その者が職務に関し重要事実を構成する主要な事実を単に認識したというだけでは足りず、その者を会社関係者と位置付けることを正当化する状況、すなわち、その方法や態様等を問わないものの、当該契約の締結もしくはその交渉をする役員等が知った重要事実が法人内部においてその者に伝播したもの(流れて、伝わったもの)と評価することができる状況のもとで重要事実を構成する主要な事実を認識した場合であることを要する。

【参照条文】      金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前のもの)166-1

             金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前のもの)166-3

             金融商品取引法175-1

             金融商品取引法175-3

             金融商品取引法175-5

【掲載誌】        金融・商事判例1527号36頁

             判例時報2369号41頁

 

 

金融商品取引法

(会社関係者の禁止行為)

第百六十六条 次の各号に掲げる者(以下この条において「会社関係者」という。)であつて、上場会社等に係る業務等に関する重要事実(当該上場会社等の子会社に係る会社関係者(当該上場会社等に係る会社関係者に該当する者を除く。)については、当該子会社の業務等に関する重要事実であつて、次項第五号から第八号までに規定するものに限る。以下同じ。)を当該各号に定めるところにより知つたものは、当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買その他の有償の譲渡若しくは譲受け、合併若しくは分割による承継(合併又は分割により承継させ、又は承継することをいう。)又はデリバティブ取引(以下この条、第百六十七条の二第一項、第百七十五条の二第一項及び第百九十七条の二第十四号において「売買等」という。)をしてはならない。当該上場会社等に係る業務等に関する重要事実を次の各号に定めるところにより知つた会社関係者であつて、当該各号に掲げる会社関係者でなくなつた後一年以内のものについても、同様とする。

一 当該上場会社等(当該上場会社等の親会社及び子会社並びに当該上場会社等が上場投資法人等である場合における当該上場会社等の資産運用会社及びその特定関係法人を含む。以下この項において同じ。)の役員(会計参与が法人であるときは、その社員)、代理人、使用人その他の従業者(以下この条及び次条において「役員等」という。) その者の職務に関し知つたとき。

二 当該上場会社等の会社法第四百三十三条第一項に定める権利を有する株主若しくは優先出資法に規定する普通出資者のうちこれに類する権利を有するものとして内閣府令で定める者又は同条第三項に定める権利を有する社員(これらの株主、普通出資者又は社員が法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この条及び次条において同じ。)であるときはその役員等を、これらの株主、普通出資者又は社員が法人以外の者であるときはその代理人又は使用人を含む。) 当該権利の行使に関し知つたとき。

二の二 当該上場会社等の投資主(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十六項に規定する投資主をいう。以下この号において同じ。)又は同法第百二十八条の三第二項において準用する会社法第四百三十三条第三項に定める権利を有する投資主(これらの投資主が法人であるときはその役員等を、これらの投資主が法人以外の者であるときはその代理人又は使用人を含む。) 投資信託及び投資法人に関する法律第百二十八条の三第一項に定める権利又は同条第二項において準用する会社法第四百三十三条第三項に定める権利の行使に関し知つたとき。

三 当該上場会社等に対する法令に基づく権限を有する者 当該権限の行使に関し知つたとき。

四 当該上場会社等と契約を締結している者又は締結の交渉をしている者(その者が法人であるときはその役員等を、その者が法人以外の者であるときはその代理人又は使用人を含む。)であつて、当該上場会社等の役員等以外のもの 当該契約の締結若しくはその交渉又は履行に関し知つたとき。

五 第二号、第二号の二又は前号に掲げる者であつて法人であるものの役員等(その者が役員等である当該法人の他の役員等が、それぞれ第二号、第二号の二又は前号に定めるところにより当該上場会社等に係る業務等に関する重要事実を知つた場合におけるその者に限る。) その者の職務に関し知つたとき。

2 前項に規定する業務等に関する重要事実とは、次に掲げる事実(第一号、第二号、第五号、第六号、第九号、第十号、第十二号及び第十三号に掲げる事実にあつては、投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものとして内閣府令で定める基準に該当するものを除く。)をいう。

一 当該上場会社等(上場投資法人等を除く。以下この号から第八号までにおいて同じ。)の業務執行を決定する機関が次に掲げる事項を行うことについての決定をしたこと又は当該機関が当該決定(公表がされたものに限る。)に係る事項を行わないことを決定したこと。

イ 会社法第百九十九条第一項に規定する株式会社の発行する株式若しくはその処分する自己株式を引き受ける者(協同組織金融機関が発行する優先出資を引き受ける者を含む。)の募集(処分する自己株式を引き受ける者の募集をする場合にあつては、これに相当する外国の法令の規定(当該上場会社等が外国会社である場合に限る。以下この条において同じ。)によるものを含む。)又は同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権を引き受ける者の募集

ロ 資本金の額の減少

ハ 資本準備金又は利益準備金の額の減少

ニ 会社法第百五十六条第一項(同法第百六十三条及び第百六十五条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定(当該上場会社等が外国会社である場合に限る。以下この条において同じ。)による自己の株式の取得

ホ 株式無償割当て又は新株予約権無償割当て

ヘ 株式(優先出資法に規定する優先出資を含む。)の分割

ト 剰余金の配当

チ 株式交換

リ 株式移転

ヌ 株式交付

ル 合併

ヲ 会社の分割

ワ 事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け

カ 解散(合併による解散を除く。)

ヨ 新製品又は新技術の企業化

タ 業務上の提携その他のイからヨまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項

二 当該上場会社等に次に掲げる事実が発生したこと。

イ 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

ロ 主要株主の異動

ハ 特定有価証券又は特定有価証券に係るオプションの上場の廃止又は登録の取消しの原因となる事実

ニ イからハまでに掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実

三 当該上場会社等の売上高、経常利益若しくは純利益(以下この条において「売上高等」という。)若しくは第一号トに規定する配当又は当該上場会社等の属する企業集団の売上高等について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前事業年度の実績値)に比較して当該上場会社等が新たに算出した予想値又は当事業年度の決算において差異(投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)が生じたこと。

四 前三号に掲げる事実を除き、当該上場会社等の運営、業務又は財産に関する重要な事実であつて投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

五 当該上場会社等の子会社の業務執行を決定する機関が当該子会社について次に掲げる事項を行うことについての決定をしたこと又は当該機関が当該決定(公表がされたものに限る。)に係る事項を行わないことを決定したこと。

イ 株式交換

ロ 株式移転

ハ 株式交付

ニ 合併

ホ 会社の分割

ヘ 事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け

ト 解散(合併による解散を除く。)

チ 新製品又は新技術の企業化

リ 業務上の提携その他のイからチまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項

六 当該上場会社等の子会社に次に掲げる事実が発生したこと。

イ 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

ロ イに掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実

七 当該上場会社等の子会社(第二条第一項第五号、第七号又は第九号に掲げる有価証券で金融商品取引所に上場されているものの発行者その他の内閣府令で定めるものに限る。)の売上高等について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前事業年度の実績値)に比較して当該子会社が新たに算出した予想値又は当事業年度の決算において差異(投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)が生じたこと。

八 前三号に掲げる事実を除き、当該上場会社等の子会社の運営、業務又は財産に関する重要な事実であつて投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

九 当該上場会社等(上場投資法人等に限る。次号から第十四号までにおいて同じ。)の業務執行を決定する機関が次に掲げる事項を行うことについての決定をしたこと又は当該機関が当該決定(公表がされたものに限る。)に係る事項を行わないことを決定したこと。

イ 資産の運用に係る委託契約の締結又はその解約

ロ 投資信託及び投資法人に関する法律第八十二条第一項に規定する投資法人の発行する投資口を引き受ける者の募集

ハ 投資信託及び投資法人に関する法律第八十条の二第一項(同法第八十条の五第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による自己の投資口の取得

ニ 投資信託及び投資法人に関する法律第八十八条の十三に規定する新投資口予約権無償割当て

ホ 投資口の分割

ヘ 金銭の分配

ト 合併

チ 解散(合併による解散を除く。)

リ イからチまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項

十 当該上場会社等に次に掲げる事実が発生したこと。

イ 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

ロ 特定有価証券又は特定有価証券に係るオプションの上場の廃止又は登録の取消しの原因となる事実

ハ イ又はロに掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実

十一 当該上場会社等の営業収益、経常利益若しくは純利益(第四項第二号において「営業収益等」という。)又は第九号ヘに規定する分配について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前営業期間(投資信託及び投資法人に関する法律第百二十九条第二項に規定する営業期間をいう。以下この号において同じ。)の実績値)に比較して当該上場会社等が新たに算出した予想値又は当営業期間の決算において差異(投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)が生じたこと。

十二 当該上場会社等の資産運用会社の業務執行を決定する機関が当該資産運用会社について次に掲げる事項を行うことについての決定をしたこと又は当該機関が当該決定(公表がされたものに限る。)に係る事項を行わないことを決定したこと。

イ 当該上場会社等から委託を受けて行う資産の運用であつて、当該上場会社等による特定資産(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第一項に規定する特定資産をいう。第五項第二号において同じ。)の取得若しくは譲渡又は貸借が行われることとなるもの

ロ 当該上場会社等と締結した資産の運用に係る委託契約の解約

ハ 株式交換

ニ 株式移転

ホ 株式交付

ヘ 合併

ト 解散(合併による解散を除く。)

チ イからトまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項

十三 当該上場会社等の資産運用会社に次に掲げる事実が発生したこと。

イ 第五十二条第一項の規定による第二十九条の登録の取消し、同項の規定による当該上場会社等の委託を受けて行う資産の運用に係る業務の停止の処分その他これらに準ずる行政庁による法令に基づく処分

ロ 特定関係法人の異動

ハ 主要株主の異動

ニ イからハまでに掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実

十四 第九号から前号までに掲げる事実を除き、当該上場会社等の運営、業務又は財産に関する重要な事実であつて投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

3 会社関係者(第一項後段に規定する者を含む。以下この項において同じ。)から当該会社関係者が第一項各号に定めるところにより知つた同項に規定する業務等に関する重要事実の伝達を受けた者(同項各号に掲げる者であつて、当該各号に定めるところにより当該業務等に関する重要事実を知つたものを除く。)又は職務上当該伝達を受けた者が所属する法人の他の役員等であつて、その者の職務に関し当該業務等に関する重要事実を知つたものは、当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない。

4 第一項、第二項第一号、第三号、第五号、第七号、第九号、第十一号及び第十二号並びに前項の公表がされたとは、次の各号に掲げる事項について、それぞれ当該各号に定める者により多数の者の知り得る状態に置く措置として政令で定める措置がとられたこと又は当該各号に定める者が提出した第二十五条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)に規定する書類(同項第十一号に掲げる書類を除く。)にこれらの事項が記載されている場合において、当該書類が同項の規定により公衆の縦覧に供されたことをいう。

一 上場会社等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実であつて第二項第一号から第八号までに規定するもの、上場会社等(上場投資法人等を除く。以下この号において同じ。)の業務執行を決定する機関の決定、上場会社等の売上高等若しくは同項第一号トに規定する配当、上場会社等の属する企業集団の売上高等、上場会社等の子会社の業務執行を決定する機関の決定又は上場会社等の子会社の売上高等 当該上場会社等又は当該上場会社等の子会社(子会社については、当該子会社の第一項に規定する業務等に関する重要事実、当該子会社の業務執行を決定する機関の決定又は当該子会社の売上高等に限る。)

二 上場投資法人等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実であつて第二項第九号若しくは第十一号に規定するもの、上場投資法人等の業務執行を決定する機関の決定又は上場投資法人等の営業収益等若しくは同項第九号ヘに規定する分配 当該上場投資法人等

三 上場投資法人等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実であつて第二項第十二号に規定するもの又は上場投資法人等の資産運用会社の業務執行を決定する機関の決定 当該上場投資法人等の資産運用会社

四 上場投資法人等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実であつて第二項第十号、第十三号又は第十四号に規定するもの 当該上場投資法人等又は当該上場投資法人等の資産運用会社

5 第一項及び次条において「親会社」とは、他の会社(協同組織金融機関を含む。以下この項において同じ。)を支配する会社として政令で定めるものをいい、この条において「子会社」とは、他の会社が提出した第五条第一項の規定による届出書、第二十四条第一項の規定による有価証券報告書、第二十四条の四の七第一項若しくは第二項の規定による四半期報告書若しくは第二十四条の五第一項の規定による半期報告書で第二十五条第一項の規定により公衆の縦覧に供されたもの、第二十七条の三十一第二項の規定により公表した特定証券情報又は第二十七条の三十二第一項若しくは第二項の規定により公表した発行者情報のうち、直近のものにおいて、当該他の会社の属する企業集団に属する会社として記載され、又は記録されたものをいい、第一項及び第二項において「特定関係法人」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 上場投資法人等の資産運用会社を支配する会社として政令で定めるもの

二 上場投資法人等の資産運用会社の利害関係人等(投資信託及び投資法人に関する法律第二百一条第一項に規定する利害関係人等をいう。)のうち、当該資産運用会社が当該上場投資法人等の委託を受けて行う運用の対象となる特定資産の価値に重大な影響を及ぼす取引を行い、又は行つた法人として政令で定めるもの

6 第一項及び第三項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

一 会社法第二百二条第一項第一号に規定する権利(優先出資法に規定する優先出資の割当てを受ける権利を含む。)を有する者が当該権利を行使することにより株券(優先出資法に規定する優先出資証券を含む。)を取得する場合

二 新株予約権等(新株予約権又は投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十七項に規定する新投資口予約権をいう。)を有する者が当該新株予約権等を行使することにより株券又は第二条第一項第十一号に規定する投資証券を取得する場合

二の二 特定有価証券等に係るオプションを取得している者が当該オプションを行使することにより特定有価証券等に係る売買等をする場合

三 会社法第百十六条第一項、第百八十二条の四第一項、第四百六十九条第一項、第七百八十五条第一項、第七百九十七条第一項、第八百六条第一項若しくは第八百十六条の六第一項の規定による株式の買取りの請求若しくは投資信託及び投資法人に関する法律第百四十一条第一項、第百四十九条の三第一項、第百四十九条の八第一項若しくは第百四十九条の十三第一項の規定による投資口の買取りの請求又は法令上の義務に基づき売買等をする場合

四 当該上場会社等の株券等(第二十七条の二第一項に規定する株券等をいう。)に係る同項に規定する公開買付け(同項本文の規定の適用を受ける場合に限る。)又はこれに準ずる行為として政令で定めるものに対抗するため当該上場会社等の取締役会(これに相当するものとして政令で定める機関を含む。次条第五項第五号において同じ。)が決定した要請(監査等委員会設置会社にあつては会社法第三百九十九条の十三第五項の規定による取締役会の決議による委任又は同条第六項の規定による定款の定めに基づく取締役会の決議による委任に基づいて取締役の決定した要請を含み、指名委員会等設置会社にあつては同法第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議による委任に基づいて執行役の決定した要請を含む。)に基づいて、当該上場会社等の特定有価証券等又は特定有価証券等の売買に係るオプション(当該オプションの行使により当該行使をした者が当該オプションに係る特定有価証券等の売買において買主としての地位を取得するものに限る。)の買付け(オプションにあつては、取得をいう。次号において同じ。)その他の有償の譲受けをする場合

四の二 会社法第百五十六条第一項(同法第百六十三条及び第百六十五条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定若しくは投資信託及び投資法人に関する法律第八十条の二第一項(同法第八十条の五第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による自己の株式等(株式又は投資口をいう。以下この号において同じ。)の取得についての当該上場会社等の会社法第百五十六条第一項の規定による株主総会若しくは取締役会の決議(監査等委員会設置会社にあつては同法第三百九十九条の十三第五項の規定による取締役会の決議による委任又は同条第六項の規定による定款の定めに基づく取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定を含み、指名委員会等設置会社にあつては同法第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定を含む。)(同法第百五十六条第一項各号に掲げる事項に係るものに限る。)若しくは投資信託及び投資法人に関する法律第八十条の二第三項の規定による役員会の決議(同条第一項各号に掲げる事項に係るものに限る。)又はこれらに相当する外国の法令の規定に基づいて行う決議等(以下この号において「株主総会決議等」という。)について第一項に規定する公表(当該株主総会決議等の内容が当該上場会社等の業務執行を決定する機関の決定と同一の内容であり、かつ、当該株主総会決議等の前に当該決定について同項に規定する公表がされている場合の当該公表を含む。)がされた後、当該株主総会決議等に基づいて当該自己の株式等に係る株券若しくは株券に係る権利を表示する第二条第一項第二十号に掲げる有価証券その他の政令で定める有価証券(以下この号において「株券等」という。)又は株券等の売買に係るオプション(当該オプションの行使により当該行使をした者が当該オプションに係る株券等の売買において買主としての地位を取得するものに限る。以下この号において同じ。)の買付けをする場合(当該自己の株式等の取得についての当該上場会社等の業務執行を決定する機関の決定以外の第一項に規定する業務等に関する重要事実について、同項に規定する公表がされていない場合(当該自己の株式等の取得以外の会社法第百五十六条第一項の規定若しくは投資信託及び投資法人に関する法律第八十条の二第一項の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による自己の株式等の取得について、この号の規定に基づいて当該自己の株式等に係る株券等又は株券等の売買に係るオプションの買付けをする場合を除く。)を除く。)

五 第百五十九条第三項の政令で定めるところにより売買等をする場合

六 社債券(新株予約権付社債券を除く。)、第二条第一項第十一号に規定する投資法人債券その他の政令で定める有価証券に係る売買等をする場合(内閣府令で定める場合を除く。)

七 第一項に規定する業務等に関する重要事実を知つた者が当該業務等に関する重要事実を知つている者との間において、売買等を取引所金融商品市場又は店頭売買有価証券市場によらないでする場合(当該売買等をする者の双方において、当該売買等に係る特定有価証券等について、更に同項又は第三項の規定に違反して売買等が行われることとなることを知つている場合を除く。)

八 合併、分割又は事業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受け(以下この項及び次条第五項において「合併等」という。)により特定有価証券等を承継させ、又は承継する場合であつて、当該特定有価証券等の帳簿価額の当該合併等により承継される資産の帳簿価額の合計額に占める割合が特に低い割合として内閣府令で定める割合未満であるとき。

九 合併等の契約(新設分割にあつては、新設分割計画)の内容の決定についての取締役会の決議が上場会社等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実を知る前にされた場合において、当該決議に基づいて当該合併等により当該上場会社等の特定有価証券等を承継させ、又は承継するとき。

十 新設分割(他の会社と共同してするものを除く。)により新設分割設立会社(会社法第七百六十三条第一項に規定する新設分割設立会社をいう。次条第五項第十二号において同じ。)に特定有価証券等を承継させる場合

十一 合併等、株式交換又は株式交付に際して当該合併等、株式交換又は株式交付の当事者である上場会社等が有する当該上場会社等の特定有価証券等を交付し、又は当該特定有価証券等の交付を受ける場合

十二 上場会社等に係る第一項に規定する業務等に関する重要事実を知る前に締結された当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等に関する契約の履行又は上場会社等に係る同項に規定する業務等に関する重要事実を知る前に決定された当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等の計画の実行として売買等をする場合その他これに準ずる特別の事情に基づく売買等であることが明らかな売買等をする場合(内閣府令で定める場合に限る。)

 

(会社関係者に対する禁止行為等に違反した者に対する課徴金納付命令)

第百七十五条 第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、同条第一項に規定する売買等をした者があるときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、その者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額(次の各号のうち二以上の号に掲げる場合に該当するときは、当該二以上の号に定める額の合計額)に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

一 第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において有価証券の売付け等(同条第一項に規定する業務等に関する重要事実の公表がされた日以前六月以内に行われたもの(当該公表がされた日については、当該公表がされた後に行われたものを除く。)に限る。以下この号において同じ。)をした場合 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額

イ 当該有価証券の売付け等について当該有価証券の売付け等をした価格にその数量を乗じて得た額

ロ 当該有価証券の売付け等について業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も低い価格に当該有価証券の売付け等の数量を乗じて得た額

二 第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において有価証券の買付け等(同条第一項に規定する業務等に関する重要事実の公表がされた日以前六月以内に行われたもの(当該公表がされた日については、当該公表がされた後に行われたものを除く。)に限る。以下この号において同じ。)をした場合 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額

イ 当該有価証券の買付け等について業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も高い価格に当該有価証券の買付け等の数量を乗じて得た額

ロ 当該有価証券の買付け等について当該有価証券の買付け等をした価格にその数量を乗じて得た額

三 第百六十六条第一項に規定する売買等をした者が、自己以外の者の計算において、当該売買等をした場合(第九項の役員等が同項の売買等をした場合を除く。) 次のイ又はロに掲げる当該売買等をした者の区分に応じ、当該イ又はロに定める額

イ 運用対象財産の運用として当該売買等を行つた者 当該売買等をした日の属する月(当該売買等が二以上の月にわたつて行われたものである場合には、これらの月のうち最後の月)における当該運用対象財産のうち内閣府令で定めるものの運用の対価の額に相当する額として内閣府令で定める額に三を乗じて得た額

ロ イに掲げる者以外の者 当該売買等に係る手数料、報酬その他の対価の額として内閣府令で定める額

2 第百六十七条第一項又は第三項の規定に違反して、同条第一項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした者があるときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、その者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額(次の各号のうち二以上の号に掲げる場合に該当するときは、当該二以上の号に定める額の合計額)に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

一 第百六十七条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において有価証券の売付け等(同条第一項に規定する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた日以前六月以内に行われたもの(当該公表がされた日については、当該公表がされた後に行われたものを除く。)に限る。以下この号において同じ。)をした場合 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額

イ 当該有価証券の売付け等について当該有価証券の売付け等をした価格にその数量を乗じて得た額

ロ 当該有価証券の売付け等について公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後二週間における最も低い価格に当該有価証券の売付け等の数量を乗じて得た額

二 第百六十七条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において有価証券の買付け等(同条第一項に規定する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた日以前六月以内に行われたもの(当該公表がされた日については、当該公表がされた後に行われたものを除く。)に限る。以下この号において同じ。)をした場合 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額

イ 当該有価証券の買付け等について公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後二週間における最も高い価格に当該有価証券の買付け等の数量を乗じて得た額

ロ 当該有価証券の買付け等について当該有価証券の買付け等をした価格にその数量を乗じて得た額

三 第百六十七条第一項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした者が、自己以外の者の計算において、当該買付け等又は売付け等をした場合 次のイ又はロに掲げる当該買付け等又は売付け等をした者の区分に応じ、当該イ又はロに定める額

イ 運用対象財産の運用として当該買付け等又は売付け等を行つた者 当該買付け等又は売付け等をした日の属する月(当該買付け等又は売付け等が二以上の月にわたつて行われたものである場合には、これらの月のうち最後の月)における当該運用対象財産のうち内閣府令で定めるものの運用の対価の額に相当する額として内閣府令で定める額に三を乗じて得た額

ロ イに掲げる者以外の者 当該買付け等又は売付け等に係る手数料、報酬その他の対価の額として内閣府令で定める額

3 前二項の「有価証券の売付け等」とは、有価証券の売付け、第二条第二十一項第二号に掲げる取引(現実数値が約定数値を上回つた場合に金銭を支払う立場の当事者となるものに限る。)、同項第三号に掲げる取引(オプションを付与する立場の当事者となるものに限る。)その他の政令で定める取引をいう。

4 第一項及び第二項の「有価証券の買付け等」とは、有価証券の買付け、第二条第二十一項第二号に掲げる取引(現実数値が約定数値を上回つた場合に金銭を受領する立場の当事者となるものに限る。)、同項第三号に掲げる取引(オプションを取得する立場の当事者となるものに限る。)その他の政令で定める取引をいう。

5 第一項第一号ロの「業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も低い価格」とは、第百六十六条第一項に規定する業務等に関する重要事実の公表がされた時から二週間を経過するまでの間の各日における第六十七条の十九又は第百三十条に規定する最低の価格(当該価格がない場合は、これに相当するものとして内閣府令で定めるものをいい、当該重要事実の公表がされた日にあつては、内閣府令で定める額とする。)のうち最も低い価格をいう。

6 第一項第二号イの「業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も高い価格」とは、第百六十六条第一項に規定する業務等に関する重要事実の公表がされた時から二週間を経過するまでの間の各日における第六十七条の十九又は第百三十条に規定する最高の価格(当該価格がない場合は、これに相当するものとして内閣府令で定めるものをいい、当該重要事実の公表がされた日にあつては、内閣府令で定める額とする。)のうち最も高い価格をいう。

7 第二項第一号ロの「公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後二週間における最も低い価格」とは、第百六十七条第一項に規定する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた時から二週間を経過するまでの間の各日における第六十七条の十九又は第百三十条に規定する最低の価格(当該価格がない場合は、これに相当するものとして内閣府令で定めるものをいい、当該事実の公表がされた日にあつては、内閣府令で定める額とする。)のうち最も低い価格をいう。

8 第二項第二号イの「公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後二週間における最も高い価格」とは、第百六十七条第一項に規定する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた時から二週間を経過するまでの間の各日における第六十七条の十九又は第百三十条に規定する最高の価格(当該価格がない場合は、これに相当するものとして内閣府令で定めるものをいい、当該事実の公表がされた日にあつては、内閣府令で定める額とする。)のうち最も高い価格をいう。

9 第一項(第三号を除く。)の規定は、第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、上場会社等(第百六十三条第一項に規定する上場会社等をいい、第百六十六条第一項第一号に規定する親会社、子会社、資産運用会社及び特定関係法人を含む。次条第十三項において同じ。)の計算において第百六十六条第一項に規定する売買等をした当該上場会社等の同号に規定する役員等がある場合について準用する。この場合において、第一項中「その者」とあるのは「当該上場会社等」と、同項第一号及び第二号中「自己の計算において」とあるのは「上場会社等の計算において」と読み替えるものとする。

10 第一項の場合において、次の各号に掲げる者の計算において第百六十六条第一項に規定する売買等をした者は、自己の計算において当該売買等(当該各号に掲げる者が同条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において同条第一項に規定する売買等をした場合にあつては、当該売買等と同一のものを除く。)をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。

一 当該売買等をした者がその総株主等の議決権の過半数を保有している会社その他の当該者と密接な関係を有する者として内閣府令で定める者

二 当該売買等をした者と生計を一にする者その他の当該売買等をした者と特殊の関係にある者として内閣府令で定める者

11 第二項の場合において、次の各号に掲げる者の計算において第百六十七条第一項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした者は、自己の計算において当該買付け等又は売付け等(当該各号に掲げる者が同条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において同条第一項に規定する特定株券等若しくは関連株券等に係る買付け等又は同項に規定する株券等に係る売付け等をした場合にあつては、当該買付け等又は売付け等と同一のものを除く。)をしたものとみなして、第二項の規定を適用する。

一 当該買付け等又は売付け等をした者がその総株主等の議決権の過半数を保有している会社その他の当該者と密接な関係を有する者として内閣府令で定める者

二 当該買付け等又は売付け等をした者と生計を一にする者その他の当該買付け等又は売付け等をした者と特殊の関係にある者として内閣府令で定める者

12 第三項から第八項まで及び前二項に規定するもののほか、第一項(第九項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第二項に規定する有価証券の売付け等又は有価証券の買付け等が第二条第二十一項第二号に掲げる取引である場合の価格及び数量その他第一項及び第二項の課徴金の計算に関し必要な事項は、政令で定める。

 

 

 

 

『特定商取引法ハンドブック 第6版』 2019/3/20 日本評論社

齋藤雅弘 (著), 池本誠司 (著), 石戸谷豊 (著)

 

¥8,047

 

出版社 ‏ : ‎ 日本評論社; 第6版 (2019/3/20)

発売日 ‏ : ‎ 2019/3/20

単行本 ‏ : ‎ 848ページ

 

特定商取引法の体系的理解と各取引類型の理解のために法律・政令・省令を一体として詳細に解説。平29年改正民法も踏まえた最新版。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

特定権利概念、仮想通貨やインターネット通販の問題、業務禁止命令の新設をはじめとする法執行の強化―。特商法の体系的理解のための工夫を凝らした待望の改訂版。平成28年改正に対応した第6版。多数の紛争事例と行政処分を分析し、政省令・通達はもちろん最新の判例・学説を踏まえ、具体的事例を想定しながら特商法の法理と実務対応を詳細に解説。

著者について

齋藤雅弘/弁護士

池本誠司/弁護士

石戸谷豊/弁護士

 

 

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隣接土地上に存在する居宅の庭として使用することを目的とする土地賃借権が「建物保護ニ関スル法律」第1条所定の対抗力を有しないとされた事例

 

 

              地上物件収去土地明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和38年(オ)第372号

【判決日付】      昭和40年6月29日

【判示事項】      隣接土地上に存在する居宅の庭として使用することを目的とする土地賃借権が「建物保護ニ関スル法律」第1条所定の対抗力を有しないとされた事例

【判決要旨】      甲所有の土地(甲土地)を無償で借り受け、同土地上に居宅を所有する者が乙所有の隣接土地(乙土地)を右居宅の庭として使用するため賃借したにすぎず、しかも、甲土地の使用権は乙土地の賃借権の存否にかかわらず存続すべきものである等判示の事情のもとにおいては、たとい当該賃借人が甲乙両土地を一括して右居宅利用の便益に供しており、かつ、右居宅について登記を了していても、乙土地の賃借権は「建物保護ニ関スル法律」第1条所定の対抗力を有しない。

【参照条文】      建物保護に関スル法律1

             民法605

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集19巻4号1027頁

 

 

借地借家法

(借地権の対抗力)

第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

 

社会保険診療報酬支払基金の診療担当者に対する診療報酬支払義務

 

 

取立命令に基く取立請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和43年(オ)第1311号

【判決日付】      昭和48年12月20日

【判示事項】      一、社会保険診療報酬支払基金の診療担当者に対する診療報酬支払義務

             二、国民健康保険法四五条五項所定の権限を有する国民健康保険団体連合会の療養取扱機関に対する療養給付等の費用の支払義務

【判決要旨】      一、社会保険診療報酬支払基金は、保険者から診療報酬の請求に対する審査及び支払に関する事務の委託を受けたときは、診療担当者に対し、みずから審査したところに従い、自己の名において診療報酬を支払う義務を負う。

             ニ、国民健康保険法45条5項により審査及び支払に関する事務の委託を受けた国民健康保険団体連合会は、療養取扱機関に対し、みずから審査したところに従い、自己の名において療養給付等の費用を支払う義務を負う。

【参照条文】      健康保険法43の9-5

             国民健康保険法45-5

             社会保険療養報酬支払基金法13

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集27巻11号1594頁

 

 

国民健康保険法

(保険医療機関等の診療報酬)

第四十五条 市町村及び組合は、療養の給付に関する費用を保険医療機関等に支払うものとし、保険医療機関等が療養の給付に関し市町村又は組合に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者(第五十七条に規定する場合にあつては、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員)が当該保険医療機関等に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。

2 前項の療養の給付に要する費用の額の算定については、健康保険法第七十六条第二項の規定による厚生労働大臣の定めの例による。

3 市町村及び組合は、都道府県知事の認可を受け、保険医療機関等との契約により、当該保険医療機関等において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。

4 市町村及び組合は、保険医療機関等から療養の給付に関する費用の請求があつたときは、第四十条に規定する準則並びに第二項に規定する額の算定方法及び前項の定めに照らして審査した上、支払うものとする。

5 市町村及び組合は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している都道府県、市町村及び組合の数がその区域内の都道府県、市町村及び組合の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に委託することができる。

6 国民健康保険団体連合会は、前項の規定及び健康保険法第七十六条第五項の規定による委託を受けて行う診療報酬請求書の審査に関する事務のうち厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係るものを、一般社団法人又は一般財団法人であつて、審査に関する組織その他の事項につき厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして厚生労働大臣が指定するものに委託することができる。

7 前項の規定により厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係る事務の委託を受けた者は、当該診療報酬請求書の審査を厚生労働省令で定める要件に該当する者に行わせなければならない。

8 前各項に規定するもののほか、保険医療機関等の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

 

個室付浴場業の開業を阻止することを主たる目的としてされた知事の児童遊園設置認可処分が行政権の著しい濫用によるものとして国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたるとされた事例

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和49年(行ツ)第92号

【判決日付】      昭和53年5月26日

【判示事項】      個室付浴場業の開業を阻止することを主たる目的としてされた知事の児童遊園設置認可処分が行政権の著しい濫用によるものとして国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたるとされた事例

【判決要旨】      個室浴場業の開業を阻止することを主たる目的として原判示の事実関係(原判決理由参照)のもとにおいてされた知事の児童遊園設置認可処分は、たとえ右児童遊園がその設置基準に適合しているものであるとしても、行政権の著しい濫用によるものとして、国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたる。

【参照条文】      国家賠償法1-1

             児童福祉法35-3

             風俗営業等取締法4の4

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集32巻3号689頁

 

 

国家賠償法

第1条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

 

 

児童福祉法

第三十五条 国は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(助産施設、母子生活支援施設、保育所及び幼保連携型認定こども園を除く。)を設置するものとする。

② 都道府県は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く。以下この条、第四十五条、第四十六条、第四十九条、第五十条第九号、第五十一条第七号、第五十六条の二、第五十七条及び第五十八条において同じ。)を設置しなければならない。

③ 市町村は、内閣府令の定めるところにより、あらかじめ、内閣府令で定める事項を都道府県知事に届け出て、児童福祉施設を設置することができる。

 

 

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(許可の基準)

第四条 公安委員会は、前条第一項の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、許可をしてはならない。

一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

二 一年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して一年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

イ 第四十九条又は第五十条第一項の罪

ロ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十四条、第百七十五条、第百八十二条、第百八十五条、第百八十六条、第二百二十四条、第二百二十五条(営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十六条、第二百二十六条の二(第三項については、営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十六条の三、第二百二十七条第一項(同法第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十六条、第二百二十六条の二又は第二百二十六条の三の罪を犯した者を幇ほう助する目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)若しくは第三項(営利又はわいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)又は第二百二十八条(同法第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十六条、第二百二十六条の二、第二百二十六条の三又は第二百二十七条第一項若しくは第三項に係る部分に限る。)の罪

ハ 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項(第五号又は第六号に係る部分に限る。)又は第六条(第一項第二号に係る部分に限る。)の罪

ニ 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第二章の罪

ホ 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第四条から第八条までの罪

ヘ 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十七条、第百十八条第一項(同法第六条又は第五十六条に係る部分に限る。)又は第百十九条第一号(同法第六十一条又は第六十二条に係る部分に限る。)(これらの規定を船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)又は労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の規定により適用する場合を含む。)の罪

ト 船員法(昭和二十二年法律第百号)第百二十九条(同法第八十五条第一項又は第二項に係る部分に限る。)又は第百三十条(同法第八十六条第一項に係る部分に限る。)(これらの規定を船員職業安定法の規定により適用する場合を含む。)の罪

チ 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条の罪

リ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六十条第一項又は第二項(同法第三十四条第一項第四号の三、第五号、第七号又は第九号に係る部分に限る。)の罪

ヌ 船員職業安定法第百十一条の罪

ル 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の罪

ヲ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第五十八条の罪

ワ 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成二十八年法律第八十九号)第百八条の罪

三 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

四 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者

五 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

六 第二十六条第一項の規定により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)

七 第二十六条第一項の規定による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第十条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で当該返納の日から起算して五年を経過しないもの

八 前号に規定する期間内に合併により消滅した法人又は第十条第一項第一号の規定による許可証の返納をした法人(合併又は風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)の前号の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該消滅又は返納の日から起算して五年を経過しないもの

九 第七号に規定する期間内に分割により同号の聴聞に係る風俗営業を承継させ、若しくは分割により当該風俗営業以外の風俗営業を承継した法人(分割について相当な理由がある者を除く。)又はこれらの法人の同号の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該分割の日から起算して五年を経過しないもの

十 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が風俗営業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び次号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。

十一 法人でその役員のうちに第一号から第九号までのいずれかに該当する者があるもの

2 公安委員会は、前条第一項の許可の申請に係る営業所につき次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、許可をしてはならない。

一 営業所の構造又は設備(第四項に規定する遊技機を除く。第九条、第十条の二第二項第三号、第十二条及び第三十九条第二項第七号において同じ。)が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき。

二 営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるとき。

三 営業所に第二十四条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由があるとき。

3 公安委員会は、前条第一項の許可又は第七条第一項、第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項の承認を受けて営んでいた風俗営業の営業所が火災、震災その他その者の責めに帰することができない事由で政令で定めるものにより滅失したために当該風俗営業を廃止した者が、当該廃止した風俗営業と同一の風俗営業の種別の風俗営業で営業所が前項第二号の地域内にあるものにつき、前条第一項の許可を受けようとする場合において、当該許可の申請が次の各号のいずれにも該当するときは、前項第二号の規定にかかわらず、許可をすることができる。

一 当該風俗営業を廃止した日から起算して五年以内にされたものであること。

二 次のいずれかに該当すること。

イ 当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失前から前項第二号の地域に含まれていたこと。

ロ 当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失以降に前項第二号の地域に含まれることとなつたこと。

三 当該滅失した営業所とおおむね同一の場所にある営業所につきされたものであること。

四 当該滅失した営業所とおおむね等しい面積の営業所につきされたものであること。

4 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)については、公安委員会は、当該営業に係る営業所に設置される遊技機が著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当するものであるときは、当該営業を許可しないことができる。

 

 

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令

(風俗営業の許可に係る営業制限地域の指定に関する条例の基準)

第六条 法第四条第二項第二号の政令で定める基準は、次のとおりとする。

一 風俗営業の営業所の設置を制限する地域(以下この条において「制限地域」という。)の指定は、次に掲げる地域内の地域について行うこと。

イ 住居が多数集合しており、住居以外の用途に供される土地が少ない地域(以下「住居集合地域」という。)

ロ その他の地域のうち、学校、病院その他の施設でその利用者の構成その他のその特性に鑑み特にその周辺における良好な風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるもの(以下「保全対象施設」という。)の周辺の地域

二 前号ロに掲げる地域内の地域につき制限地域の指定を行う場合には、当該保全対象施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲おおむね百メートルの区域を限度とし、その区域内の地域につき指定を行うこと。

三 前二号の規定による制限地域の指定及びその変更は、風俗営業の種類及び営業の態様、地域の特性、保全対象施設の特性、既設の風俗営業の営業所の数その他の事情に応じて、良好な風俗環境を保全するため必要な最小限度のものであること。