偽造の登記申請委任状によつてなされた登記が有効とされた事例
根抵当権設定登記抹消登記請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和34年(オ)第415号
【判決日付】 昭和37年5月24日
【判示事項】 偽造の登記申請委任状によつてなされた登記が有効とされた事例
【判決要旨】 甲の代理人丙が、その権限をこえて乙との間に甲所有の不動産につき乙のために根抵当権設定契約を締結し、かつ甲名義の偽造登記申請委任状によつてその登記をなした場合、右設定契約を締結しおよび登記申請委任状を乙に交付する等登記申請に協力する関係において、乙が丙に右設定契約の締結ならびに登記申請について甲の代理権ありと信ずべき正当の理由があるときは、民法第110条の適用あるものと解すべきであつて、したがつて甲は乙に対し右根抵当権設定登記の無効を主張してその抹消を請求することができない。
【参照条文】 不動産登記法35
民法110
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集16巻7号1251頁
不動産登記法
(代理権の不消滅)
第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更
民法
(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。