行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっての検討及び判断の方法

 

 

わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録記録媒体頒布被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成29年(あ)第829号

【判決日付】      令和2年7月16日

【判示事項】      1 行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっての検討及び判断の方法

             2 刑法175条のわいせつな電磁的記録に該当する女性器の三次元形状データファイル又は同データが記録されたCD-Rを頒布した行為について,正当行為として違法性が阻却されるものではないとされた事例

【判決要旨】      1 行為者によって頒布された電磁的記録又は電磁的記録に係る記録媒体について,芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の有無・程度をも検討しつつ,刑法175条のわいせつな電磁的記録又はわいせつな電磁的記録に係る記録媒体に該当するか否かを判断するに当たっては,電磁的記録が視覚情報であるときには,同記録を視覚化したもののみを見て,これらの検討及び判断をするのが相当である。

             2 刑法175条のわいせつな電磁的記録に該当する女性器の三次元形状データファイル又は同データが記録されたCD-Rを頒布した被告人の行為は,女性器に対する卑わいな印象を払拭し,女性器を表現することを日常生活に浸透させたいという思想に基づくものであるということや,同データの頒布が被告人の作品制作に資金を提供する者に対し資金提供という方法で作品制作に参加する機会を与えるものであるということ,同データ又は同CD-Rの頒布がそれらの提供を受けた者に対し同データを加工して創作をする機会を与えるものであるということによって正当行為として違法性が阻却されるものではない。

【参照条文】      憲法21

             憲法31

             刑法175

             刑法35

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集74巻4号343頁

 

 

憲法

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

 

刑法

(正当行為)

第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

 

(わいせつ物頒布等)

第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。