社会保険「雇用期間が2ヶ月以内」の取扱い変更
令和4年10月から、雇用期間が2ヶ月以内の場合における社会保険の適用除外の取扱いが変更となります。
現在は、2ヶ月以内の期間を定めて雇用される方は社会保険の適用除外とされていますが、令和4年10月1日以降は、当初の雇用契約期間が2ヶ月以内であっても、以下のいずれかに該当する方は、雇用期間の当初から社会保険の加入となります。
就業規則、雇用契約書等において、その契約が「更新される旨」、又は、「更新される場合がある旨」が明示されている場合
同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合
※日本年金機構 リーフレット
◆そもそも社会保険の適用除外とは?
まず基本事項の確認です。
社会保険の適用除外(=被保険者とされない人)は以下の通りです。以下に該当する従業員は社会保険の被保険者になることができません。
①日々雇い入れられる人
(ただし、1ヶ月を超えて引き続き使用されるよういなった場合は、その日から被保険者となる)
②2ヶ月以内の期間を定めて使用される人
(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるよういなった場合は、その日から被保険者となる)
③所在地が一定しない事業所に私用される人
④季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人
(ただし、継続して4ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる)
⑤臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に使用される人
(ただし、継続して4ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となる)
※日本年金機構サイト:適用事業所と被保険者より
今回は、このうちの「②2ヶ月以内の期間を定めて使用される人」の取扱いが変更となる、というわけです。
◆「2ヶ月以内の期間を定めて使用される人」 これまでの取扱いは?
例えば、2ヶ月契約である有期契約社員については、最初の契約期間(2ヶ月間)は社会保険の被保険者となりません。
ただし、契約を更新した場合は、更新した日(次の契約期間の初日)から社会保険の被保険者となります。
初回の契約期間が(ぴったり2ヶ月でなく)2ヶ月未満であっても同様です。
例えば・・・
初回の契約期間 令和4年7月1日~8月31日
この期間は社会保険の被保険者となりません。
契約更新し、次の契約期間 令和4年9月1日~10月30日
契約更新した場合は9月1日から社会保険の被保険者となります。
◆「2ヶ月以内の期間を定めて使用される人」 令和4年10月以降は?
2ヶ月契約である有期契約社員について、その契約自体が2ヶ月であっても、更新する可能性がある場合は、当初日より社会保険の被保険者となります。
更新する可能性があるとは、雇用契約書等に「更新:有」「更新する場合がある」という条項がある場合をいいます。
雇用契約書に明記がなくても、就業規則にその旨が記載されていたり、又は、どこにも明記がなくても、社内で実際に契約更新して働いている従業員がいらっしゃる場合も含まれます。
例えば・・・
初回の契約期間 令和4年7月1日~8月31日
雇用契約書に「更新する場合がある」等の記載あり
契約当初日の7月1日より社会保険の被保険者となります。
これらの取扱いの変更は、契約更新の可能性がある場合のことであり、更新がない前提の有期雇用契約であれば、今回の変更事項は適用されません。
そういう場合は、基本通りの取扱いであり、社会保険の被保険者にはなりません。
◆雇用保険の取扱いは?
雇用保険は、週の所定労働時間が20時間以上であれば、基本は、有期雇用契約者も入社日(契約当初日)から被保険者となります。(以下の適用除外に該当しなければ)
雇用保険の取扱いは、現在も10月以降も変わりません。
ご参考までに、雇用保険の適用除外は以下の通りです。
・週所定労働時間が20時間未満である者
・31日以上働く見込みがない者
・昼間学生である者
・季節的業務(4ヶ月以内)である者
・船員
・国家公務員、地方公務員など
◆変更時期の再確認
令和4年10月からです。令和4年10月以降に契約社員として入社する従業員について社会保険加入の取扱いが変わります。
入社後の手続きも重要ですが、入社する前に社会保険加入等の説明を行う際にもご注意下さい。
※このブログは2022年6月29日時点の情報です。
その後の状況により変更・変化のある可能性がありますのでご了承下さい。
◆社会保険労務士法人ケーズ・インテリジェンス