記者の質問全てに満点の回答は不要
記者から質問や問合せがあった場合、誠実に対応すべきことは言うまでもありませんが、全てに対して100点満点の対応をしなければならないという訳ではありません。
回答パターンは大別して3つ挙げられます。
まず聞かれて確認するまでも無く答えられることに関しては即答すれば良いでしょう。
そして確認さえすれば答えられるものについては、確認の上回答すれば問題はありません。その際は必ず回答期限を確認した上で対応することが必須となります。
最後に問題なのは確認しても何にしても答えられないこと、答えたくないことです。
もちろん記者の方からの質問には出来る限り対応した方が良いことは事実です。然しながら営業政策上現時点では言えないこと、相手先との取り決めで言えないことなどもあることは事実です。
例えば広報的には面白く、発表して多くのメディアに取り上げられたとしても、それによって折角ニッチな分野で利益を確保していたものが報道により競合が相次いで参入したため利益が得られなくなってしまったということになってしまっては広報活動を行うことにより企業としての利益を逸したと言えます。
つまり言えないこと、言いたくないこと、言わない方が良いこともあるということです。
企業として自身の利益を逸する場合などは言わなくても構いませんが、その際は”ノーコメント”という言葉を使うことは避けるべきと考えます。
ノーコメントは記者にとってある意味一番腹立たしい言葉であり、否定しているようで肯定している、そして記者の感情を逆なでして好きなように書いて頂いて構わないというサインでもあります。
営業政策上言えない、相手先との取り決めで言えないなどと、言えないことは”理由をつけて言わない”ことが重要です。
記者が聞きたいことは書きたいことでもあり、それが言えないとなるとその分ニュース性が下がることがありますが、言えない場合はそのニュース性を差っぴいた状態で検証し、どう発信すべきかの検討をする必要があります。
事前に想定問答を常に意識しながらの計画、業務遂行が大事だろうと思います。
言うまでもありませんが、ここでいう”言いたくないこと”などには、世間一般から見て”言うべきこと”は含まれませんので、くれぐれも誤解無き様にお願いします。
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記者が欲しいのは今書けるネタ
取材を受けて無事翌朝に記事が出たと思ったら、全くイメージと違う記事が出たという経験はありませんか?
そもそも”A”というテーマで取材をお願いし実施したものの”A”についての記載は全くなく、全く関係のない”P”あたりの記事が出るということがたまにあります。
原因はなにか。
それは取材時の”脱線”です。
社長取材などの場合、折角取材を受けるのだから色んな事を話したいと思うのか、よく社長側から色んな(余計な)話を持ち出し脱線することがしばしばあります。
時に脱線はメインテーマよりも記者にとって業界の裏話など興味深い内容だったりしますが、メインテーマについてきっちりと取材を終わらぬうちに脱線してしまうと、余談がメインテーマに置き換わってしまいます。話好きなら致し方ないことなのでしょうが、もし話す場合でも
”まずメインテーマに関して記事が十分に書ける位話をしてから”
にするのが大事なところです。
逆に記者から脱線を持ちかけるケースもあります。
他に聞きたかったことを聞いたという側面もありますが、十分にメインテーマに関して取材を終えない段階から脱線した時は、”メインテーマは面白くない””メインテーマでは記事は書けない”と判断したとも考えられます。
その際はもう一度メインテーマに戻り別の切り口などや情報などを付加させていくことが重要となります。
同席される広報担当の方は十分に取材時の”空気を読み対応する”ことが大切だと言えます。
一人広報の評価育成がカギ
人材育成はどの業務であっても難しいのは言うまでもありません。
しかし会社で一人しか担当がいない職種に関してはなかなか評価もさることながら育成も出来ていないのが現状ではないでしょうか。もっといえば誰も気にしていないとも言えるのではないでしょうか。
上場企業と言えども全社に広報部があり、広報担当者が潤沢にいる訳ではありません。証券取引所への適時開示やIRなどを財務部門が担当さえすれば、特に広報担当がいなくとも会社は上場企業としての体裁は保てます。もちろん良いか悪いかは言うまでも無いだろうと思いますが。実際にこの様な会社は決して少なくは無いと思います。
上場企業であってもその様な状況であり、広く広報担当者と言えども一人広報をされている方も少なくは無いと思います。かつ専任で行えない兼務者も同様だろうと思います。
私は仕事柄、お客様ではない広報担当者の方にもよくお会いします。その際、僭越ながら色々とアドバイスなり評価なりをすることがあるのですが、喜ばれることが多い様に思います。
これはアドバイスや評価が適切だったということよりも、普段誰からも評価されていない、広報戦略や実務などに関して誰も相談者すらいないのだろうなということが伺えます。
広報兼務者の評価者(上長)は必ずしも広報業務を熟知しているとは限りません。むしろ全く解っておられない方の方が多いのだろうと思います。だから評価ができないと思われるのでしょう。
しかし上長として担当者と密にコミュニケーションを図ることで何をやろうとしているのか、そのやり方は適切だったのか、挽回策はどうするのか、方針は合致しているのか、スケジュールは妥当かなどは通常の業務の検証と変わらないと言えます。そのヒアリング、コミュニケーションを密にとっていくことで良き評価者と言えないまでも良き相談者にはなれる筈だろうと思います。
一人広報として頑張っているものの評価されないという状況を放置しておくと、残念ながら広報・PR業界は人材流動性が低くは無いため、人材が育てられなかっただけではなく、その様なケースが続くとメディアからブラック企業などと思われかねません。
広報業務はやってはいるが、なかなか担当者と話ができていないという方がおられましたら、一度膝を突き合わせて話をしてみては如何でしょうか?
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