想定外という発想がリスク
有事の際に聞かれる言葉に、”想定外”というものがあります。
代表的なのは東日本大震災時に起こった原発事故だろうと思います。日本の観測史上最大のM9.0の巨大地震が起こることは誰しも予測できなかったことは言うまでもないでしょう。
想定外と言えば一見致し方のないことと済まされる感もありますが、想定外を含めて有事に備えるのが危機管理であり、それを想定外だったとするのは言い訳にもならず、危機管理を放棄していたと言わざるを得ません。
日本の原発で言えば”安全神話”というものがありました。絶対に事故は起こしてはならないというよりも、絶対に安全で事故は起こらないと言う感覚だったのでしょう。つまりその様な想定、前提であったために大した有事への備えがなかったと言えます。特に東電のことに関して知識がある訳ではありませんが、テレビや新聞などで知り得る情報から誰しも感じ得たのではないでしょうか。
一方アメリカでは、”原発事故は必ず起こる”という前提のもとに有事の際に備え、マニュアルなども当然のことながら整備がされているとのこと。(当たり前ではありますが...)
つまり危機管理において想定外は存在せず、想定外という感覚自体がリスク要因と言えます。
地震に関して言えば、震度3~4レベルの地震は日常的に起こるため感覚的にも容易に想像ができますが、その際はどの様な対応をすべきなのか。そして大型地震であり、新潟や東日本大震災以降頻発している震度5~6レベルの地震の際はどう対応するのか。そして震度7以上の場合はどう対応するのかと、レベル別に対応を分けて備えておく必要があります。
皆さんの有事の際のマニュアルはどうなっていますか?レベルごとに分けられていますか?
一度想定しているレベル、状況のチェックを行っておくことをお勧めします!
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記者会見用リリースの書き方
記者発表の手法には、リリースの一斉配布や個別取材などの他に、機会は非常に少ないですが”記者会見”というものがあります。
定例記者会見などを行っているところは極めて限定的であることから、殆どの広報担当者にとって自身の担当時に1度あるかないかといった頻度だろうと思います。またそもそも発信者自体にニュース性があり会見を行う頻度が高いというケースもありますが、恐らく担当者の数も多いこともあり、携わらない方も多いのが現状でしょう。
ではその様に機会の少ない記者会見をする場合になった際、リリースの書き方にはどの様な配慮をすれば良いのでしょうか?
よくある一番大きな問題は、”情報量の少なさ”です。
一般的に通常のリリース配布時よりニュース性が高い場合、説明が無ければ理解され難い場合などに会見を開きますが、通常時と余り変わらない情報量でのリリースが意外と少なくありません。
恐らく説明側の都合として、説明時のインパクトを高めたいという想いからなのでしょうか、重要な事を何も書かないリリースを垣間見ます。
十分に配慮しなくてはならないのは、発信者側と記者側の温度差です。既に圧倒的に情報と想いをもった発信者側と初めて聞く記者側にはテンションの乖離が存在します。それを無視して熱く語ったとしても理解されない、受け入れられないといった状況に陥ります。
そのため、ニュース性が高いのであれば、説明が必要な案件であるのであれば、少なくとも十分な情報量を提供する必要があります。当該案件に関する情報やデータのみならず、背景や補足説明についても十分な配慮が必要です。極端な言い方をすれば、記者が調べなくとも書ける様な情報の整備でしょう。
加えて言うなら配布するリリースには情報を限定し、スクリーンで見せるプレゼン資料を充実させるケースも多いですが、スクリーンで見せる資料は必ず配布するということも重要です。注意しなければならないのは、説明するから来いと呼ばれた記者に、それは見せられない、答えられないなどということはあり得ないということです。ここは記者にとってもスマートに受け入れられるように十分に配慮する必要があるでしょう。
また会見を行いきちっと説明をするといっても、参加される記者は極一部に過ぎません。そのため、参加出来ない記者、或いは広く業界や一般の方々にも理解を促していくためには、説明を受けなくとも”読んだだけで解るリリース”を心掛ける必要があります。
記者会見という機会は少ないということもあり、その実務がなかなか社内で蓄積できないということもあろうかと思いますが、ニュース性が高いということはプラスにもマイナスにも影響が振れる可能性があることを十分に留意し、日頃から他社のリリースなどに目を通しイメトレを行うことをお勧めします。
ぶら下がり取材の重要性
”ぶら下がり取材”と聞いて皆さんはどの様な印象をお持ちでしょうか。
代表的なのは首相などが官邸内で記者陣に囲まれて取材を受けているケースが代表例かと思います。企業で言うなら記者会見後に質疑応答が終わったにも拘らず記者に取り囲まれ、或いは個別に取材を受けることが多々あります。
企業側の立場からすると、十分に質疑応答の時間を取ったのだからぶら下がり取材は対応する必要はない。いつまでもダラダラ、ネチネチと個別の質問には応じられない。聞くなら公の質疑応答の時間に聞いてくれれば良いのに、といったところでしょうか。
中にはぶら下がり取材を避けるように、会見終了と同時にとっとと会見者が退場するということもあります。この対応はどの様に感じますか?
そもそも認識しておかなければならないのは、殆どの場合、記者会見は発信者側の都合で記者の方を呼んでいるということ。これを忘れている発信者は意外と少なくありません。説明するからと呼んだにも拘らず十分に話さない、質問にも十分に対応しないなどです。
勝手に呼んでおいて自身が言いたいことだけ話して、聞かれたくないことには答えない。また答える隙を与えずに退場してしまうというのは極めて身勝手と言えます。もし有事などで時間の都合上どうしても直ぐに退出しなければならない場合は、その旨を会見か質疑応答の冒頭で説明することをお勧めします。
またぶら下がり取材を求める記者側の理由は、独自の視点で記事を書きたいからです。公の質疑応答の場で質問することは、これまで取材で得たことや独自の視点を他紙の前で晒すことになるため好まれません。
限定した情報で統一した記事を書いてくれ!というのは発信者側の身勝手と言えるでしょう。
一度”記者側の立場”で広報業務を見直してみることをお勧めします。