広報おススメ本「64(ロクヨン)」
横山秀夫氏から待望の一冊が昨年末に上梓された。
横山氏と言えば元上毛新聞記者で日航機を事故を題材にし、地方新聞社の現状やそこで働く記者の葛藤が描かれ映画化もされた「クライマーズハイ」が有名であるが、今回はメディア側ではなく”広報担当者”が主役に描かれた秀逸作。
タイトルの64(ロクヨン)の由来は、僅か7日間しかなかった昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件を題材にされていることからきている。
今回の舞台はD県の警察署。主人公は警務部広報室に勤務し、部下3名を持つ三上義信広報官。
昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件が未解決事件で時効まであと一年という中、当時の捜査段階での警察の隠ぺい工作が発覚するなどの三上広報官の奮闘記である。
また日頃の記者クラブ対応は、企業広報としては馴染みもなく、また出来ればお付き合いせずにすませたい社会部系記者の特性が良く描かれている。もちろん、企業と警察という立場の違いはあるものの、自身ならどう対応するかといった視点で見てみると面白いのではないだろうか。
そしてもうひとつの特徴は、広報室が位置する警務部と刑事部との対峙。企業広報も残念ながら社内からなかなか理解を得られていないのが現状と言えるが、企業で言う主力の現場と言える営業部門にあたるのが警察署では刑事部と仮定し、どう信用を得て情報を獲得していくかも見応えがある。
本編はミステリー作という売り込みであり十分その線でも楽しめるのであるが、広報担当独自の視点で読んでみることをお勧めしたい。
64(ロクヨン)
横山秀夫著
文藝春秋刊 1,900円+税
ソーハラ対策
最近、”ソーハラ”という言葉を目にするようになりました。
これまでもセクハラやパワハラ、アカハラという言葉は既に浸透していますが、類似語として新たに加わったことになります。今回は何のハラスメントかというとソーシャルメディアです。
例えばFacebookで言うと、
・やたらとコメント投稿やいいね!を押す
・上司等が友達承認を強要
・自身の投稿にやたらと反応を求めてくる
・部下の友達に強引に友達申請やメッセージを出す
・投稿情報は周知の事実と考えてしまう
・個人情報等への配慮なくまき散らす などなど
部下の彼女を食事に誘ったり、上司とのやりとりが煩わしくアカウントを削除したりというトラブルが出てきているようです。
個人的には”話せば良いのに”と思うものの、SNSが現在のコミュニケーション手段として威力を発揮しているのは周知の事実であり、これらの状況はあくまでも”個人のこと”と言いつつも無視できない状況だろうと言えます。
放置することで業務の生産性の低下のみならず、トラブルに発展することも懸念されます。
以前、ネチケットなるものが存在しましたが、SNSを含めたものを策定していくことが必要だろうと思います。その際、エチケットのみならず設定(情報管理を含めた使い方)や、環境(顧客も閲覧している可能性があるなど)などについてもアナウンスする必要もあるでしょう。
SNSは個人の問題と捉えず、トラブルの未然処理、生産性低下要素の除外という点でも会社ごととして対策を講じる必要があるのではないでしょうか?
記録性もニュース性
日本人なら誰しも知る”プッチンプリン”。
容器や包装などの多少の変化はあるでしょうが、新商品などという大きな発信の契機もないことからメディアに取り上げられることは容易なことではないと言えます。
メーカーとしてリニューアルした!と主張しても、基本的にメディア(世間)からは余り大差ない!と思われることが多く、新製品として発売以降は色々な切り口を探し出して発信の契機を見つけることが重要だと言えます。
そこでこのプッチンプリン。製造するグリコ乳業が10日、世界一売れているプリントしてギネス世界記録に認定されたと発表。累計販売個数はなんと51億個を突破とのこと。
確か1年半ほど前に、オロナミンCが累計販売本数300億本突破というリリースが出ていたかと思います。
これら両者に言えることは、”記録性”という切り口。
また既に知られていること、認知されていることは通常の切り口ではマイナスに働くことが少なくないですが、今回のケースでは”誰しも知っている”という状況がニュース性を向上させたと考えられます。
商品PRは発売開始時だけとなっているケースが少なくないと思いますが、一度自社の伝統ある商品の累計販売個数、販売期間(周年)などを調べてみては如何でしょうか?
仮にギネス認定や業界TOPでなくとも、例えリリースを出せるほどの切り口にはならなくとも、取材時の訴求ポイント、事業の背景、今後の展開の裏付けや契機などには十分活用できるだろうと思います。
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