記事のようなリリースは効果的?
プレスリリースの体裁が変わりつつあります。
以前に比べて写真などが増えとても見やすくなったことは好ましい変化だと思います。読んでいる記者も具体的イメージしやすく、またWeb上で一般の方がみる場合にも同様の効果があると思います。
しかしもうひとつ気になる変化があり、それは「記事のようなリリース」の増加です。
なぜこの様な傾向が顕著になってきているのかは定かではありませんが、リリース配信サービスの台頭により、リリースをそのまま掲載するサイトが増えていることなどが影響しているのかも知れません。
ネットでニュースを見ている際、記事だと思ったらリリースだったという機会が少なくありません。記事ではないことに気づいた時は、まるで騙された気になり、小癪な手を使って!と余り良い気分はしないではないでしょうか。
リリースは報道関係者向けの資料であり、その記事を読んで記者は、
この情報は、
・報道に値するのか
・事実なのか
・表現は適切か
・具体的な背景は
・他はどうなのか などを検証し記事を書きます。
加えてリリース一斉配信の際は、他社と同様の記事は避けたい、独自性のある記事を書きたいと思うのが記者だろうといえます。
しかし既に完成された記事のようなものを見せられたら報道したいという意欲が増すでしょうか?加えて既にネット上でこの原稿が出回っていることを想像した際に積極的に書こうと思うでしょうか?
報道される可能性が低いネタならせめてリリース配信でネット上にばらまけば良いという発想なのかも知れませんが、報道の確度が下がるだけでなく、企業姿勢も問われるというリスクも十分に認識する必要があるだろうと思います。
絶対の拘りを否定してみる拘り
皆さん仕事上のことでも、趣味などのプライベートなものでも、これは絶対だ!という拘りを持たれているかと思います。なにも考えずに過ごすよりは、自身で拘りをもつことは有意義な人生の過ごし方という意味でも非常に重要なことと思います。
しかし趣味趣向の問題もあるため他人が口を挟む筋合いではないかも知れませんが、余り拘り過ぎるのも問題が出てくる場合があります。
例えば自分にとってこれが絶対に一番使いやすい!と思い込んでいるモノがあったとします。しかしそれ以外の商品は日進月歩で進化し続けています。気がつけば自信で使いやすいと拘り使い続けていたモノが、実はかなり使いにくいモノであったというケースもでてくるでしょう。
また自分は絶対に赤い服が似合うとそればかり着続けるとどうでしょうか。他にも似合う服がある機会を逃し、また周りにも自身の一面しか見せられないということになります。
この様なことを避けるためには、偶には他の商品の敢えて使ってみる。そうすれば自身が思っていた商品の良さが再認識できるかも知れませんし、より良い商品に出会えるかも知れません。
服も同様、敢えて青い服をきることで違った自身の魅力に気づくかも知れませんし、少なくとも自身の感性を固着せずに広げることが出来るでしょう。
広報の仕事でも拘りは重要です。
しかし広報マンが”絶対”という感覚、判断を持ってしまうと下記のようなリスクが生じます。
・新たな切り口での検証が出来ない・・・ニュース性を上げられない
・訴求部分にバラツキがでる・・・見せられない部分がでてしまう
・絶対に分かるはず・・・記者の理解不足に気づかない
・確認したから絶対・・・刻々と状況が変わるなか結局記者に嘘をつくことに
仕事上、絶対の自信を持っていることを敢えて否定してみては如何でしょうか?リスクを回避するだけではなく精度が上がるのではないでしょうか?
またプライベートでも定期的に拘りを否定することで新たな一面に気づくことが出来るかも知れません。
絶対の拘りを否定する拘りを持ってみては如何でしょうか?
マイナス面を出すことの効果
良いこと(だけ)を言いたい、できるだけよく見せたいとは広報や販売促進部門に携わっていれば誰しも思うもの。
ましてや広告なら100%自身の主張ができるため、マイナス部分には触れず良い部分を前面に出した訴求が多いのは一般的といえます。
しかしそこに説得力、信憑性などがあるかは別の話。
最近始まったソフトバンクのCM。
前身のVodafone時代からのイメージも手伝ってか、斬新な料金プランやiPhoneの導入などで契約数純増NO.1を継続し、かつてはドコモが半数以上のシェアを維持し圧倒的な立場であった業界に風穴をあけ、今や業界2位も目前という状況にありながらも、”電波が弱い”というイメージを払拭できずにいた。
そこで今回のCMでつながりやすさNO.1になったことを訴求。
ソフトバンク的には万感の想いであり、本心では声高にアピールしたかっただろうことは容易に想像できるが、気になったのはその表現法。
スマホ通話接続率、スマホパケット接続率共に今回が初の一位ではない。
(以前猫も杓子も顧客満足度調査1位などとCMを打っていたものに比べ謙虚)
しかも素直に1位になったと表現するわけでなく、1位になったりならなかったりなど安定的な1位ではないというマイナス面をきちっと表現し、未だ改善中というような正にグラフの実態通りを表現した。
単に1位になったことだけを伝えていれば、本当にそうなのかという疑問や不信感を与えていたかも知れない。またかつての印象からユーザーから反感を抱かれた可能性も否定できない。
しかし敢えてマイナス面を出し表現したことで、
・情報に信憑性がある
・ダントツではないものの1位(少なくとも他社と同様)
・謙虚に継続的に改善努力をしている
・ソフトバンクは信用できる
・企業としての安定感
・顧客満足度に注力(単に契約数を上げれば良いとは考えていない)
などがよく伝わったと言えます。しかも白戸家の面々による柔らかな表現にも好感。
久々に気持ちの良いCMを見た気がします。
如何に売るか、如何にアピールするかは重要ですが、情報の信憑性、企業姿勢という側面も意識していく必要があるのではないでしょうか?