広報力向上ブログ -315ページ目

ジャパネットたかたに学ぶ危機管理広報

通販を利用したことがない方でも、“金利手数料はジャパネット負担”というあの名文句を聞いたことがない人は少ないのではないだろうか。長崎県佐世保市に本社を置く株式会社ジャパネットたかたは、2006年度に長崎県初の1000億円企業となった。しかし、同社はこれまで順風満帆に右肩上がりの成長を続けていた訳ではない。B2C企業にはあってはならない個人情報の漏洩を起こしていた。


2004年3月初旬、毎日新聞から149名分のリストに関する問い合わせがあった。その内容は、「氏名」「性別」「住所」「電話番号」「生年月日」「年齢」からなる個人情報であり、個人情報の管理が余り注目されていない1998年(6年前)の情報であった。クレジットカードなどの情報は含まれていない。社内調査を行った上で、3月9日火曜日に個人情報の漏洩を公表し、各紙は同日の夕刊でその内容を一斉に報じた。


発表後すぐに社内調査委員会、セキュリティ委員会を組織したが、これは当たり前の対応として、同社の特徴的な対応を下記する。


・3/9の公表と同時に、真相解明を優先させるために通販事業を自粛
(少なくとも3月中は自粛と公表 実際の営業再開は4/25)

・少なくとも149名が漏洩、可能性が高いユーザーでも30万人、最大で66万人の可能性も否定できないと公表

・警察の立件では、40万人分だが、独自調査で51万人分と発表

・マイナス報道を週末ではなく火曜日、しかも朝に公表(地方紙が夕刊で報道)

・3/9~3/12は毎日、その後は1週間ごとに謝罪と経過報告を公表


後に代表取締役社長である高田明氏は、ある取材でこう語っている。(抜粋)
私は夢を語っている一方で、非常に大事な顧客の情報が流出していることがわかった時に、どうして私が言葉を上手く言って商品を販売することができますか。自粛しかない、何も迷いはなかった。もう一回ゼロから頑張り直すことによって、私の思いも含めて社員の思いも全国の皆さんに伝えることが出来ればなんとか乗り越えられるのではないかと、そのときはそこしか考えていませんでした。


同社の1ヵ月半での減収は150億円だったそうだが、営業再開してからはこれまで通り順調に売り上げを伸ばせたという。驚くことに、危機管理マニュアルやリスクマネジメントの専門家などのアドバイスは受けずに、対応は全て社長が考え指示したということだ。

有事の際に必要なのは、テクニックなどではなく、“顧客に誠実な対応”ではないだろうか。


広報21箇条 隠すことが守ることではない



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発信者本位は訴求力なし

東京地検特捜部は24日、民主党の小沢一郎代表の公設秘書である大久保隆規容疑者を、政治資金規正法違反で起訴。小沢代表はこれを受け、同日夜の記者会見で当面代表職を続ける意向を表明した。公設秘書が起訴されたものの、自身の参考人招致が見送られたことで、続投したとしても次期総選挙への影響は限定的との判断であろう。


小沢氏はこれまで地検の捜査は、政権交代を阻止する反対勢力であると全面対決の姿勢を貫いてきた。過去の例をみても、この種での逮捕、強制捜査、起訴は記憶にないとも発言している。この事が少ない会見での小沢氏の唯一の主張だったように記憶している。

しかし、民主党はこれまで、「国民本位の政治」や「クリーンな政治」などを主張してきた筈だ。だが小沢氏は、この重要な会見で“自分本位の意見“しか述べていない。地検の捜査に納得がいかないと強調しているものの、国民がこの様な会見で納得していると思っているのだろうか?


国民に対するお詫びはあった様だが、まず小沢氏が果たすべきことは事実の説明責任ではないだろうか?捜査中で情報開示がし難いということもあったのかも知れないが、説明をしようとしたとは到底思えない。この様な会見時に重要なことは、発言内容よりも姿勢である。国民の理解を得たいのならば、できる範囲での情報開示を行い、少なくとも理解して欲しいと言う姿勢を見せるべきだったであろう。それをせずに、自身の立場からの発言しかしない場合には、逆に何かを隠そうとしているという情報を与えてしまう。


民主党としての政権奪取、小沢氏が自民党を離党してからの大目標などの“想い”は解るが、言いたい事をいうのではなく、求められていることに対して説明する場ではなかろうか?正直、政権を担うのが自民党であるか、民主党であるかに対して国民の関心は高くない。重要なのがこの経済危機をどう脱出するか、医療福祉での課題を解決してくれるということが重要な訳で、選挙のことを考えているのは政治家だけである。しかし、今回の会見も次期総選挙を念頭に置いた議論、発言しかされていないように感じる。自分本位の会見は、時にこれまで築き上げてきたものをいとも簡単に否定してしまうことになる。


有事の際の会見で求められるのは、謝罪、事実説明、再発防止であり、そして何よりも重要なのは誠意である。今回の一連の会見で発信できた情報は、民主党、小沢代表が結局自身のことしか考えていない、自民党と何が違うのかという疑問符だけではないだろうか?


広報20箇条 受け手が何を求めているのかを考えるべし



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敵を知る

報道件数を上げたいが社内や学内を見廻しても広報素材が出てこない。広報担当者であれば誰しも思うことだろう。その場合、外に目を向けると意外と簡単に見つかる場合がある。また広報担当者の自然な心理として、競合(ライバル)よりも良い報道を勝ち取りたいということがある。これら両者に効果的な手法が、「競合の露出分析」である。


露出分析と言っても記事を1つ1つ読む必要は無い。見出しや推測である程度判断でき得るため、テレコン21などの記事の見出し検索システムを活用すれば簡易分析は十分できる。下記の3点をみれば、大体の広報力は判断できる。


まずは露出量。過去3年間にどれだけのボリュームの記事が掲載されたのかを半期毎に時系列で見ると良い。半年で区切ると当然のことながら露出量にバラツキがでる。しかしある一定量の露出を確保しながらバラツキが少ない場合、露出量の平準化、安定化にむけた取り組みをしている可能性がある。広報力が備わっていると推測でき得る。新製品情報だけでは、当然のことながらバラツキが出るが、露出量が安定しているということは、その他の取り組みなども情報発信している可能性が高いということだ。その様な会社は充分に参考になるだろう。


続いては、露出された媒体別である。訴求対象者を網羅する様に露出されているかという観点でみると、意外と自身では付き合いのない専門紙誌で効果的に露出している場合がある。競合で露出可能であれば、当然自身の露出も可能であり、ターゲット媒体とすれば良いだろう。また5大紙によく報道されているが、産業経済紙などは殆ど掲載されていない場合などが多い。この場合、5大紙には決算数値や人事欄のみであることが多いので、中身を確認することは必須である。見出しで充分判断できるので、分けて考えるべきであろう。


最後に内容別である。自社の新商品、新サービスの他に、決算、人事関連は当然の事として、TOPインタビュー、事業戦略、企業自体としての取り組みなど、カテゴリ毎に分析してみると良い。競合の広報力が解るだけでなく、参考にできる切り口なども多いはずだ。


情報収集も広報の重要なミッションであり、経営層へのフィードバックもさることながら、広報担当者のスキルアップにも非常に効果がある。一度自身のためにもチャレンジしてみてはどうだろうか。


広報19箇条 競合の露出状況を分析せよ!



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