あなたの会社に壁はありますか?
あくまでも一般論であるが、会社や組織にはさまざまな“壁”が存在する。適度な緊張感やライバル意識の醸成につながる“壁”はあって然るべきだろう。しかし、上司と部下、経営層と従業員などの指揮命令系統上、或いは本社と支社、開発生産部門と販売部門などの部門間上での“壁”は、経営効率という観点でも弊害となる。大きな組織となれば、これに学閥や派閥というものが加わってくる。この“壁”をなくすことはある種理想論に近く、無駄に近い努力かもしれないが、コミュニケーション上の壁はあってはならない。しかしそれを唯一砕ける、砕かなくてはならないのが広報担当者である。
では広報活動の上で“壁は”どの様なところに影響してくるのか。大別して2つあると言える。ひとつは、情報が取れ難いことにより、埋没するニュース素材を発掘できないこと。これによりリリース発表案件が減ることで報道件数が減る、或いは個別取材時の付加価値情報が減ることで報道内容の“質”が上げられないと言うことであり、これは企業価値向上と言う観点での大きな損失と言えるだろう。
そしてもうひとつは、有事の際の対応である。有事の際の広報対応では、事実確認、原因究明、再発防止、結果検証という情報が重要となるが、同様に重要視すべきなのが“タイミング”である。いかに本社から離れた工場や地区販売店でその有事が起ころうが、マスコミは「広報なら当然知っている筈」と言う前提で質問をしてくる。故意でなくとも状況把握や公表が遅れてしまうと、周囲からは“隠ぺい工作”と取られかねない。もしそう報じられてしまったのなら、企業価値云々の次元の話しではなくなる。
広報担当者は、社内の至るところに出没できるという特権がある。しかしその担当者が日頃から役職や部門を越えたコミュニケーションをとらない場合、それは潜在するリスク要因を放置していると言っても過言ではないだろう。
広報24箇条 広報に“壁”はあってはならない
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御社の強みはなんですか?
初めてのお客様に訪問する際などに、私はよくこう質問する。「御社の強みはなんですか?」と。なんでもない会話に思えるが、意外に回答はマチマチである。会社自身の強みではなくご自身の担当する商品の強みを言われる方もいれば、回答に詰まる方もいる。回答が強みになっていない方もいれば、当然「弊社の強みは〇△□です」と長々と言われる方もいる。しかし、強みを言い切られた隣の方に再度聞き直した場合、違う回答されるケースもある。
自社の取り組みや商品が報道されると嬉しいものだが、当然のことながら狙うのは「プラス報道」であり、掲載されたことによる効果を取り込むのが本来の目的である。しかし、あくまでもその報道をするのは第三者である記者であり、自分が理路整然と強みを理解した上で説明しなければならない。当然のことながら説明しても100%理解されるということはなく、また記者が事前に抱いている概念やストーリーを変えなければいけないということも念頭におく必要がある。
取材後に期待以上の報道がされたという経験はないだろうか。これは単に記者の文章力が優れているのではない。記者が取材時の情報を元に、御社や業界を検証した上で、なんとかニュースにしようと必死の分析を行った上で書いているからだ。本来これは広報担当の仕事ではないだろうか。好意的な記者が大勢いるとも限らないし、毎回当たるわけでもない。効果的な報道を勝ち取るには、自社の強みを検証する必要がある。強みは、自社が変わっていなくとも環境が変われば変化するものであり、定期的に再検証する必要がある。
また担当者によって強みがマチマチというのは、自社の強みを検証しきれていない証拠だ。担当者の業務分担や経歴により、想いもマチマチであることは非常に多い。一度ゆっくりと時間をとって、徹底的にディスカッションし共通認識の強みを再確認してみては如何だろうか。
この箇条を初心者向けと取るか、中上級者向けと理解するかはあなた次第。
広報23箇条 自社の強みを徹底分析せよ!
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「リリースが減ったから記事が減った」は言い訳!
4月に入り、新年度を迎えられた方も多いだろう。経済環境が厳しいが今年も頑張ろうと思う前に、昨年度を振り返ることをお勧めする。過去1年間の露出状況を振り返ると、普段見えない課題が抽出でき、今後に生かせるからだ。分析を継続的に続けていくことで、自身の目標設定やそれに対する実績なども把握できる為、効率的に業務を遂行できる。新聞、雑誌、テレビ、インターネットなどの媒体別、そして内容別に露出状況をまとめてみると良い。
露出状況を振り返った際、ご担当者さまから良く聞く言葉がある。それは、昨年は「リリース案件が減ったから記事が減った」ということである。これは全くの言い訳であり、差異分析したことにはならない。何故ならリリース案件が減ることは、予算の時点で把握していた筈だからだ。露出が減ると解っていながら何もしなかった、というのが正しい分析結果であろう。年度末に大きな発表案件を何本も抱えていたが、一気に次年度にずれ込んだのであれば別だが、余りケースとしては多くはないだろう。
どんな大企業や一流企業、新商品を頻繁に出している大メーカーであっても、リリースだけで充分な報道を安定的に出せる会社はない。言いたいこと、言わなくてはならないことが充分に報道されている企業はない。つまりどの会社もリリース案件以外に、どうやって報道を勝ち取るかに苦労しているわけだ。そこで報道件数を稼ぐ為にも、伝えたいことを表現するのにも重要なのが個別取材の獲得である。
リリースとして一斉配布するほどのことではないが、意外に記事になる切り口は多い。最初に検証したいのが過去にリリースした案件の“その後”である。売れ行きが好調で、当初の予定を超えて〇〇を達成した(記録性)や、当初想定していなかった使い方で評価されている(意外性)などは多いはずだ。他にも新商品ではないにせよ、会社で新たな取り組みや制度を始めた(独自性)というのもある。一度個別取材を前提にニュース素材の検証を行ってみては如何だろうか。重要なのは、ニュース性=新規性ではないことである。
広報22箇条 個別取材のネタ探しを積極的に行うべし!
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