取材=記事化ではない
取材には主に、記者からの依頼で実施する場合と、こちらからネタ、切り口を提案して実施に至るケースの2通りがある。どちらも記者が取材を行いたいと判断した段階で記事化の可能性は十分にあるのだが、結果、何日経っても結果が出ない場合がある。それは何故か。
まずひとつは不運なケースである。ニュース性は十分にあり、普段なら問題なく記事になっている案件でも、その日は他の記事が優先され紙面の枠から落ちることがある。取材の内容により掲載が翌日でも問題ない場合であれば、翌日にも掲載のチャンスはあるが、その日でなければ意味がないという案件であれば、その取材は日の目を見ることはない。
しかし注意しなければならないのは、記者をせかさないことだ。記事掲載の最終権限はデスクにあり、担当記者ではない。記事を書いた以上、掲載したくない記者はいない。せかすことは、記者にあなたには力がないと言っているようなものだ。余りうるさく言うと、関係にヒビが入ることになる。それと記者は記事のストックを持っておきたいものだ。記事が足りないとデスクから要請があった際に直ぐに応えられるためだ。そのため、常に幾つかをストックしておきたい。そのための取材であれば、そもそも直ぐに掲載されるものではないことは頭に入れておくとイライラせずに済むだろう。
そして掲載に至らないもうひとつの理由は、当て外れ、つまりニュース性不足である。このケースに当たらないためには、事前に取材の意図を確認し準備することが重要だ。その際、自分でも記事をイメージし情報を出来るだけ集めるとよい。また新任記者で的外れな切り口の場合もある。その際はこちらから上手く誘導すると良いだろう。これも事前準備が必要だ。
広報57箇条 事前確認と準備は十分にすべし
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タレント起用時は心せよ
新商品や新サービスの発表を行う場合、ニュース性が乏しい、これではメディアが集まらないなどという壁にぶつかったことは誰しもあるだろう。通常の発表会なら未だしも、社運を賭けた案件の場合、メディアの参加獲得、報道獲得は広報担当としては必須要件だろう。
その際、よく使われる手法がタレントの起用である。ではこのタレントの起用は良いこと尽くめなのだろうか?
一般的な発表会で一番コストが掛るのは会場費であろう。しかも社内会議室で行う場合は、殆どコストが掛らない。しかしタレントを起用する場合、それなりの会場を用意せねばならず、またその会場費を超えるコストがタレントを起用することで発生する。しかし、普段見向きもされないメディアが会場に訪れ、報道してくれることも確かである。単に報道されることだけを考えれば、費用対効果などの視点から見ても効果は絶大であろう。
しかし報道される内容が意図通りとはなかなかいかないものだ。見出しや内容とも、その起用したタレントのことしか書かれていないケースも少なくない。最悪なのは、熱愛発覚などの場合だ。本人が該当しなくとも、同じ事務所というだけでそのコメントを使われることもある。タレントの人選には相当気を配る必要がありあそうだ。タレントの起用により報道量は格段に増すが、報道の質を問えば問題は少なくない。
タレントを起用するにしても、その商品やサービスの特性(ニュース性)をどう最大化するか、どう打ち出すのかを最優先に考えなければ一発ものの花火を打ち上げただけで終わってしまう。継続的に起用する、或いは波及的に展開していくなど様々な手法はあるだろうが、どれだけ費用が掛るのか、それに見合った効果があるのかの見極めは難しい。
新商品やサービスに比べてタレントのイメージは強い。それに負けないだけのインパクト、打ち出し方をまず考えることが必要なのではないだろうか。
広報56箇条 タレントの起用は安易に決めるなかれ
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あなたの会社のミッションは?
あなたの会社のミッションは何ですか?と聞かれた場合、あなたはどう答えますか?或いは答えられるだろうか。記者からこの様な質問をされることはまずないだろう。しかしこの問いに答えられるか否かによって、日ごろの“広報活動の質”が解る。ではどういうことか。
ここでいうmissionとは、使命や役割、存在意義を指す。つまりその企業は何のために存在し、何を目指しているのか、何をやろうとしているのかが明確かということである。これらは企業理念に表れていることが多い。つまり企業理念やポリシーが、日ごろの広報活動に生かされているか否かでもある。これらを浸透させようとした場合、継続的、網羅的に取り組んでいかなければなかなか達成できない。
具体的に言えば新商品の発表や個別取材などの際に、発信案件と当社の理念やポリシーと常に照らし合わせているかということである。
企業理念などはそれだけで情報発信することは困難であり、都度発信する案件に結び付けていかなければ発信できない。加えて、常に結びつけた発想をしていくことで、その企業の一貫したポリシーがあるという情報も付加されるわけだ。
また企業の役割などは時代や外部環境により左右される。そのため、位置付けなどは定期的に検証していく必要がある。また理念やポリシーなどは安易に変える必要はないが、理解されることは必要であり、そのため表現の仕方は見直しても良いだろう。手法としては、中長期経営計画などを策定した際にスローガンを策定することだ。企業理念などを踏まえ、今後3年や5年、10年後に向けどのような方針でいくのかを示すのは、対外的にだけでなく、社内的にも有意義なことである。
中期経営計画はそう策定する機会は少ないだろうが、企業理念が現在にどう生かされているのか、或いは世の中や業界動向の中での当社の位置付けなど、検証してみては如何だろうか。改めて自社の強みやポリシーを再確認することは重要なことだろう。
広報55箇条 常に企業価値の検証を!
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