広報力向上ブログ -293ページ目

原籍が複数ある会社の広報対応

企業の合併や統合などにより、1つの会社で社員の原籍が複数となっている企業は少なくはないだろう。昨今の経済環境を考えると、今後ますますこの様な企業が増えていくのではないだろうか。では合併や統合などの際の広報の役割とはどういうものか。


まず真っ先に浮かんできて、且つ実践されているのは、新社名や新体制の訴求であろう。これらについては広告との連動含め、統合前後などに積極的に行われているため、ここで述べることはないだろう。強いて言うならば、一定期間経過後の、合併や統合などの効果検証に関しては、もう少し積極的に情報発信した方が良いのではと思う。


では見落とされていることは何か。それは両社の従業員対策である。

合併や統合時にすべき広報対応は、まずは「不安感の払しょく」であろう。従業員の意志とは関係なく、自分の会社の形態が変わっていくことには誰しも不安に思う。この不安感を払しょくするのは広報課題のみならず、重要な経営課題と言える。


また次に必要な要素としては、「一体感と帰属意識の醸成」である。例外はあろうが、基本的には1+1=2+αと考え、統合や合併を行う。しかし体制変更の目的や狙いなどを十分に理解せず、「最近知らない社員が増えた」或いは「今後の向かうべき方向が解らない」という状態で放置しても、間違いなく+αの部分が出ないだけでなく、逆にマイナス影響が出てくる。対外的なアピールよりも、従業員や実務上の効果を出していくことの方が重要に思う。


原籍が複数ある企業が真に一体化するには、ひと世代は掛るのではないかと思うが、一体化に向けた努力を行わなければ永遠に一体化することはないのではないだろうか。


広報83箇条 従業員対策が一番の経営課題と認識せよ



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記者に誤報を書かせるな

誤報は文字通り誤った報道であり、あってはならないことである。しかし部分的に確証が取れず憶測の域で書く“飛ばし記事”や、最近では“やらせ”や“ねつ造”など、メディア側が敢えて報じる誤報もある。一見誤報の責任は完全にメディア側にあると思われがちであるが、その殆どがコミュニケーション不足によるもので、半分は発信者側にも責任はあるのではないだろうか。特に新人記者の場合、当然のことながら経験が浅い故の間違いがあり、また新任記者も業界専門用語などを理解しているわけではないので注意が必要だ。
では実際に誤報があった際にはどの様な対応が必要なのだろうか。


誤報に対する対応は、そのレベルによりさまざまである。まず重要なのは、記者を一方的に責める前に、発信者側に資料不備や説明不足などの落ち度がなかったかを確認することだろう。またその誤報が与える影響がどれ程のものかを確認する必要がある。

では影響度合い別に対応法を下記する。


○影響度小規模
・2次波及もあるため記者へ再度説明を行う
・データベースの訂正を依頼する
・影響のない程度の誤字であれば、メール連絡でも良い


○影響中規模
・追加取材などで切り口を変えて記事を書いてもらう
・全く別のネタでの記事化を図る(比較的大きな記事となる)
・訂正記事を書いてもらう(記事としては余り格好の良いものではない)


○影響度大
・誤報と同等のスペースで誤報であった旨の記事を出してもらう(検証報道)
・抗議文や要望書を出す(ケースにより提出先を変える)
・誤報の旨のリリースを配信する(自社webにも掲載)
・緊急記者会見を行う
・法的処置をとる


実際に直面する誤報は、その殆どが小中規模である。例え訂正記事を書いてもらったところで格好の良いものではない。余り騒ぎ立てて記者を追い込むよりは、実利を選んだ方が得策ではないだろうか。


広報82箇条 目先の訂正よりも実利を選ぶべし



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自民党のネガティブキャンペーン

先般行われた衆議院選挙で自民党は181議席を減らし、結党以来堅持してきた与党第一党という立場を明け渡した。この大敗退の理由は専門家に任せるとして、私が気になったのは自民党が行った「ネガティブキャンペーン」である。


自民党は選挙前に圧勝という評価を得ていた民主党に対し、誹謗中傷を記した数種類のパンフレットを一般家庭に配布、またインターネット上でも誹謗中傷を自民党ネットCMとして展開した。確かに何かを訴求したい場合、地道に各家庭にパンフレットを配布し考えに目を通してもらうことは効果があるだろうし、動画を制作すればYouTubeやニコニコ動画などで展開されることを考えると、訴求効果は絶大と言える。しかし、だからと言ってこの手のキャンペーンをする際にも効果があるかと言えば懐疑的だ。


今回の一連のキャンペーンは、選挙にどれだけ寄与したのかは解らない。しかし大敗を期したこと、選挙後に一連の活動を批判されたことをみても、マイナスに働いたと言わざるを得ない。ネガティブキャンペーンは、感心出来る行為ではないが、成功した際に得られるものよりも、失敗した際の損失の方がはるかに大きいものだ。なお且つ、今回は自民党名を使って行っていることもあり、そのダメージは大きい。失敗した際のリスクを考えると、今回のキャンペーンは余りにも手法が稚拙で、短期間でやろうとしたことの失敗ではないだろうか。苦し紛れにやったこととは思うし、首班指名で白票を投じるなどとメディアの前で声高にアピールしていることからもまともな意思決定が出来ない状態というものを露呈してしまった。


広報活動は、様々なメディアを活用して情報発信をタダで出来るのだが、確かなポリシーの元で用意周到に行わなければ、逆効果、或いは致命的なダメージを受けることもしっかりと理解しなければならない。


広報81箇条 目先の効果を求めるべからず



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