広報業務の引き継ぎは可能か
米国では古くから広報担当役員という概念がある様に、広報スペシャリストを育成していくためのプログラムがあるようだ。しかし残念ながら日本での広報担当者の位置付けは、“ローテーションの一環”と言わざるを得ないのが現状ではないだろうか。では頻繁に起こり得る“広報業務の引き継ぎ”は可能なのだろうか。
まずはメディア側の引き継ぎであるが、大手新聞社でなお且つその企業担当としてついてくれた場合は、記者側で引き継ぎをしてくれる。そうでなければメディア側の損失になるからだ。しかしその様な対応をしてくれるのは極一部の企業に過ぎず、記者の担当が変わった場合は、基本的に発信者側が主導となり引き継ぎを行っていく必要がある。
では発信者側の担当者が変わった場合は、何に気をつけるべきか。当然のことながら主要なターゲットメディア、お世話になった記者には新旧担当者で挨拶をすることが望ましい。しかしそれだけでは引き継ぎは上手くいかず、言うことやることがこれまでと変わってしまっては関係が途切れてしまう。
重要なのは、どの様な考えを持ち、何に配慮し、どの様に伝えていたのか、などの思想の部分である。同じ会社と言え、担当者により会社への想いや強みにしていることの認識は違う。そのため、“メディア向け会社案内”を作り、日ごろから活用しておくことをお勧めする。
広報部内で統一した認識の元、メディア向け会社案内を作成しておけば、誰が会社の説明をしようとも同じ内容で説明でき、また当然のことながら担当者が替わっても比較的早期に同じレベルで接することができ得る。
確かに細かい実務ノウハウの引き継ぎも大事であるが、考え方、思想の引き継ぎはもっと重要である。細かな実務はそれこそPR会社に任せるという手もあるが、“思想の継続”は一度切ってしまうとなかなか元に戻すことは出来ないからだ。
広報97箇条 実務のみならず、思想も引き継ぐべし
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広報活動の評価
広報活動の評価手法は、未だ確立できていない分野でもあろう。広報活動の効果を明確に出来ていないため、広報活動に対する理解が低い、つまりは予算がなかなか確保できない、要員を確保できないなどと、広報活動を推進浸透させていくことを阻害している大きな要因ではないかと推測する。ではどの様な評価方法が適切なのだろうか。
まず広報活動を評価する目的は、大別して2つあると言える。ひとつは、広報活動の成果を広報部外に示すもの。主に社内における広報部の存在を明確にし、また強化するために使う。これには露出した記事の“広告換算”と言う手法が良く使われる。純粋なパブリシティで掲載された記事が、広告で出そうとすると幾ら掛ったか、つまりは幾ら分の広告費を広報活動で補えたかを図る手法である。
よく使われる広告換算と言えども、記事は広告と違い第三者である記者が書くため信憑性が増すため、同じ枠であれば広告の3倍以上の価値があるなどという考え方もあり、これも確立できているとは言えない。しかしより多くの人(部数や視聴率)に大きな面積(尺)で情報発信が出来たか否かで評価が大きく異なるため、絶対値での評価云々はさておき、比較論として評価するには使える手法ではないだろうか。それに加えて、広報部門、総務部門、販売促進部門、販売サービス部門などへの問合せ数や、問合せ内容(クレーム含め)を網羅的に評価基準とすることも重要である。加えてIRでの出来高や、広告を出さない会社では商品売上というのも指標の一つになり得ると言える。
もうひとつはoutputに対しての評価ではなく、outputを出すために何をやろうとしてどうだったか、つまり広報活動の質を向上させていくための評価である。リリースや個別取材の数は適切だったか、リリースの1本当たりの記事数は適切か、発信手法は適切であったか、メディアとどれだけコンタクトを取れたかなど、広報活動の質を上げていくための指標は少なくはない。これらを定期的に見直し、広報体制を強化していくことが広報活動の評価を得るための近道ではないかと言える。
広報96箇条 目先の露出だけではなく、“活動の質”向上のために評価せよ
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SMAPに学ぶ広報の考え方
SMAPの歌に、槇原敬之氏が作った「世界に一つだけの花」という名曲がある。
曲も良いが、この詩も良く、なお且つ広報の考え方と共通する部分が多い。
「花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた
ひとそれぞれ好みはあるけれど どれもみんな綺麗だね
この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで
バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている
それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのにその中で 一番になりたがる?
そうさ僕らは 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに 一生懸命になれば良い
小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから
NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」
特に俺が俺がと主張、誇張することも無く、堂々と胸を張り
本業に一生懸命になる
例え規模が小さく、他と比較すると見劣りしたとしても
そもそも独自性がある、only oneなのだから
ニュース価値は十分にある と私には聞こえる
確かに業界内での比較は重要であるが、日の目を見ないニュース素材が
社内、学内に落ちていることが非常に多く、拾いきれていないのが実情
いま一度、何がonly oneなのか、強み弱みはなにか、ニュースが落ちていないか
などを再検証してみては如何だろうか。