理想の広報体制とは
実際にお付き合いをさせて頂いているお客様から聞かれたことはないが、初めてお会いした方などから偶に聞かれることがある。
それは、「理想の広報体制とはどういうものか」というものである。
しかし”広報”とひとことで言っても業界により位置づけや手法なども異なり、またそれこそ企業ごとにより広報の考え方や位置づけなども全く違うため、一概に理想の体制云々とはとても言えない。
加えて広報などの専門職はやはり俗人的な部分が多く、そのため具体的な要員配置や個人のスキルなどを確認しなくてはなかなかどう手を打てば良いかなど安易に言えるものではない。
大事なのは”理想とは”を追求するよりも、現状での課題を出来る限り抽出し、それを改善していくことに尽きると言える。例え”広報スキルの高い広報マンが社内にいるから問題はない”と思っても、冷静に考えれば課題はある筈である。例えば、
・いつまでも優秀な社員を1部門においておくことは難しい
・またいつまでもいてくれる保証はない
・他の広報マンなどとの情報共有は出来ているのか
・個人力を少しでも組織力に変える努力をしているのか などなど
うちは広報には力を入れているし問題はない、と思ってみても、他の業務とも同様だが、広報に関わる環境や必要なスキルなどは日々変化しており、常に意識して努力しない限りは満足のいく活動は出来ないのではないだろうか。
冒頭の質問に対する私の答えは、課題抽出と改善提案はお手伝いをさせて頂きますということ。少なくとも半期に一度は業務を振り返り課題を抽出して次の半期に取り組むことを続けるしか理想に近づける策はないと思います。
一般論で言っても広報課題は非常に多くあります。大事なのは、その課題を意識して改善しているか否かではないでしょうか。一度自身の広報部門を振り返ってみては如何でしょうか?
難しいニュースリリースは自己満足
ときどき、非常に難しいニュースリリースを見かけることがある。
難しいニュースリリースとは、
①読もうとしても意味が解らないモノ
②やたらと専門用語を多用しているモノ が挙げられる。
専門的なことだから、或いは技術的なことだからしょうがないと思われるかも知れない。しかしリリースが難しいと下記の現象が起こることは確か。
①掲載されても専門紙誌止まりでニュースとして拡がらない
②記者が記事を書こうとしても確認事項が多ければ手が止まる(記事にならない可能性大)
③記者自身が理解できても自身の読者に伝える言葉が見つからなければ記事にはならない
④面倒臭そうなので読まない
ニュースリリースは、高い専門性をひけらかすモノでも”どうだ感”を出す場でもない。記者の先の読者を意識しなければ記事にはならない。加えて専門家でしか読んでも解らない内容のものは、ニュース性の向上がしきれていない証拠でもある。実際に人々の生活がどう変わるかなどの検証を行っていく必要があるだろう。
一見、難しいリリースは、高い専門性の訴求や自身の達成感を生むのかも知れないが、報道されてなんぼであることからすると、単なる自己満足に過ぎない。リリースは書き上げてから”素”になって読み返すことが非常に重要です。
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リリースは数打ちゃ当たるのか?
■一斉配布のデメリット(2-1)
最近、広報活動はリリースに始まりリリースに終わるという風潮があるように思えます。多くの広報セミナーでとにかくリリースを数多く出すのが成功のカギだと言われている様ですが、確かに半分は当たっています。
これから広報を始める方に対し、社内から情報を収集し、積極的に情報発信を行っていこうという意味では間違いない事です。しかしそれは、一斉配布に値するニュース性がなければならないというのが大前提です。
この前提には規模は関係ありません。中小企業でも上場企業であっても同様です。食品やメーカーなどで毎週のようにリリースを配布する上場企業がありますが、だからといって毎週報道されている訳ではありません。
ニュースリリースの一斉配布というのは、瞬時に多くのメディアに情報を伝えられるというメリットがあります。ニュース性が大きければ同時に多く報道される可能性があるので非常に効果的な手法と言えます。
しかしニュース性が低い場合はどうでしょうか。恐らく「誰かが書くだろう」と思う記者が多いのでしょう。また記事の書きようのないリリースを送り続けることは発信元のイメージを悪くしていると言わざるを得ません。
リリースを配布するのは報道されるためですが、個別案件のニュース性を吟味して発表方法を決定しなければ、良かれと思って送付しても効果がないばかりか、マイナスの印象を与えている可能性もある訳です。
■案件毎に発表方法の検討を(2-2)
ニュース性が高い場合の成功例は、一斉配布などにより第一弾として多くの報道がされ、次いで追っかけ記事や追加取材などにより第二弾、第三弾と報道が効果的に連鎖することであると言えます。
ではニュース性が低い場合は、リリースを一斉配布して報道されずに終わるよりは、個別取材に持ち込み効果的な記事報道を確実に取っておくということが重要になります。報道がされなければ連鎖の可能性もゼロです。
現在ではインターネットが進化し、ニュース性の有無とは関係なく複数のメディア?に掲載されるというサービスがあります。また有料で確実に掲載するというものも増えてきているのは確かです。
これらの環境の利用の可否はともかく、どうせ載るなら真っ先に使わなくても良いのではないでしょうか?発信手法は少ないよりは多い方が良い訳であり、手法の1つとして認識するのが重要だと思います。
また発表手法は複数存在するだけでなく、複数の手法を組合せて行う場合もあります。リリースは事象や決定事項などの事実を淡々と伝えるものですが、書けないことを個別取材時に持ち込むというパターンもあります。
広報素材を生かすも殺すも発表手法によります。単に発表=リリースの一斉配布と決めず、段階的に発信していくことも含め、貴重な広報素材をどう生かしていくかを毎回検討し対応していくことが重要だと思います。
【ここがポイント】
1.情報発信はリリースの一斉配布だけではない
2.発信方法は素材によって決めよ
3.広報素材は一度報道されれば終わりではない