正確な説明とは
←この辺りにある顔写真を見ながらお読みください。
この中村を説明する際、どの様な説明をされますか?
年恰好という点で重要なデータに、「生年月日」と「身長」があります。生年月日で2ヶ月弱、身長で僅か1cm差であればほぼ同じと言えますが、そのデータに忠実に解り易く説明しようと俳優の織田裕二さんのよう、と説明すればどうでしょうか...。
残念ながら著しく事実と異なるのが明白です。
単に具体的に伝えようとデータに忠実に説明すれば、それが解り易く伝わるというものではないと言えます。また細かいデータを使った説明よりも、大前提として”中村って何者?”という根本的な説明がなければ、そもそも何も伝わらないと言えます。「木を見て森を見ず説明」というのでしょうか。
まず説明する際に、相手は何も基礎知識も無いという前提で説明する必要があるのだろうと思います。その上で、感触を探りながら説明の仕方、内容を変えてえいくのが適切だろうと思います。
いま原発などの説明が日々繰り返し報道されていますが、よく解らない数値や単位だけが飛び交い、大きな数値が出ているだけで不安を煽っている状況ではないかと思います。そもそも何が危険なのか、今どの様な状況なのか、放射線と放射能との違いなど根本的な説明を行っていくことが重要なのではないでしょうか。
正確な説明を行うには、まず相手によって説明の仕方が変わるのは勿論ですが、基本的な根本的な知識の有無を確認した上で行う必要があろうかと思います。
相手との温度差の認識を!
事実を伝えるということは、簡単な様で実に難しいということが今回の一連の東電での会見で如実になったと思います。
より具体的に説明しようと数値で表現しても伝わらない。専門的にと思っても専門用語が伝わらない。感覚論でも普段原発に対する意識も低いことから伝わらない。より噛み砕こうとしても、そもそもの基礎的知識もないから伝わらない。これだけ発信者側と聞く側の温度差があることは余り多くはないだろうと思います。
しかし、一般的な記者会見でも、個別取材でも、プレスリリースの文章であっても、この温度差を全く無視した光景を目にすることは少なくないというのも事実です。専門用語の羅列のみならず、社内用語も含まれていることもあります。
大事なのは”受信者側との温度差”を認識した上で、如何に伝わる表現を使うかが大事だと思います。
何かを説明する際に、事前に自身の頭の中で「池上彰さんならどう説明する?」と自問自答を行い、内容や切り口、表現方法などを検証してみては如何でしょうか?
有事の際の報道協定を
今回の震災でもマスメディアの報道力、機動力は誰しも認めるところだろうと思います。特に震災直後の現状把握というステージにおいては、唯一その機能を果たせる組織と言えます。有事の際の頼みの綱である自衛隊も地方自治体から正式要請がなければ動けず、政府はどうなのか解りませんが、マスメディアの力に頼らざるを得ないのが現状かと思います。
しかし現状把握が済んだ一定期間後の活動については課題が顕在化したと思います。
①ヘリの有効活用
道路が遮断され、かつガソリンなどの燃料なども確保が難しい中、救助、支援物資供給という点でヘリコプターの存在がクローズアップされると思います。各社が同じ様な場所を取材するのであれば、少しでも公共機関などに提供できないかと思います。報道でSOS 水 食糧 ○○名などと映し出されても届かないという現状を考えると、何らかの工夫が必要なのだろうと思います。
②共同取材の実施
通常の報道では、どこが第一報を打ったかが大きな価値になろうかと思いますが、ここまでの大惨事になった場合には優先順位を下げる必要があると思います。例えば原発などエリア的な報道規制がはられる中で、同じような場所から同じ様な映像を各社が撮る必要はなく、映像などの共有、共同使用も必要だろうと思います。逆に「報道すらされていない地域」をなくすためにもエリア分担などを行うことも重要なことだと思います。中には報道ヘリの音がうるさく、救助の際に支障になったという報道もされていました。効率的、効果的な報道体制の構築が必要だと思います。
③地元メディア支援
今回石巻日日新聞が被災したにも関わらず、毎日自力で安否確認を行い、また同じ被災者でしかなければ聞けない情報などの取材活動を行い、車のバッテリーを使ってワープロで記録し、様々な情報を摸造紙に手書きしたものを毎日避難所に貼りに行っているという状況が報道されました。マスメディアとは扱う情報が違うことは解りますが、こういった地元ならではの情報も非常に貴重だと言えます。発電機や取材、報道のための物資や人的支援含めて行えるのもマスメディアの役割ではないだろうかと思います。
阪神大震災の際、たまたま事前に神戸新聞と京都新聞が有事の際の協力に関する提携を行ったこともあり、神戸新聞は震災時から1日も欠かさず新聞を出せたと聞きます。特に個別に提携関係がなくとも効率的、効果的に報道が行えるように、全国のメディアを対象とした”有事の際の報道協定”を是非確立して頂きたいと思います。