※タイトルは、『BLEACH』での台詞です。



『″完璧″であれば、それ以上はない。そこに″想像″の余地は無く、それは知恵も才能も立ち入る隙がないという事だ。

我々科学者にとって″完璧″とは″絶望″だよ。

今まで存在したなにものよりも素晴らしくあれ、だが、決して完璧である莫かれ。』

二律背反ですね。何であれ、より良いものを目指していきたいものです。



こんにちは!中村奈緒です。


東京オリンピックの体操競技の日程が終了しました。良い演技、惜しい演技、色々なものを観させてもらいました。

オリンピック選考会に関わったものとして、緊張の瞬間でした。




競技を見ている中で、あまり適用されない減点項目が適用されている場面がありましたので、紹介したいと思います。


体操 男子個人総合決勝(鉄棒) | 東京2020オリンピック | NHK| 東京2020オリンピック | NHKリンクsports.nhk.or.jp


体操男子個人総合決勝の鉄棒、終盤に差し掛かり、中国の『肖若騰』の演技で起きました。

リンク先の動画の2:50:00頃からです。


体操競技では、技の難しさを示すDスコア、技の出来栄えを示すEスコアが主な得点になります。

Dスコアは、実施した技による加点式、Eスコアは、個々の技の出来栄えにより10.0からの減点式、その他の減点としてND(ニュートラル・ディダクション)になります。それらの得点を合計して決定点が出されます。



今回、取り上げた減点は、その他の減点ND(ニュートラル・ディダクション)として減点された部分です。


その減点項目は、『演技開始、または終了時にD1審判に合図・礼をしない』です。



これにより、ND(ニュートラル・ディダクション)として、決定点から0.3減点されました。

体操競技において、0.3は大きな減点です。


僕自身が把握している範囲では、このルールが正確に適用された大きな大会は、過去に一度だけありました。

2018年のアジア大会の種目別跳馬決勝でも同様の事態が起こりました。アジア大会では、この0.3の減点により1位と2位が入れ替わるという事態が起こりました。

アジア大会の例は、その後の審判講習会でもNDの具体例として取り上げて来ました。


挨拶は大事です。



選手時代の映像です。演技後のポーズと挨拶が必要です。

演技の内容に関わらず、気を付ける事が出来る部分です。




今回のオリンピックでは、この減点による順位の入れ替えはありませんでしたが、喜びのあまり挨拶を忘れてしまうというミスでした。


ルールだから挨拶をするのではなく、単純な礼儀作法として認識していきたい点です。今後の競技会や講習会で取り上げていきたいと思いました。



体操競技を見ていて疑問点などあれば、中村奈緒まで!多分、全て答えられます。

先日、子ども達から、「オリンピックで、こんな感じの技のやってた!奈緒先生やってみて!」と言った話をされて、″十字倒立″という技を披露しました。

そんな話も大歓迎です!


そんなこんなで中村奈緒でした。










【おまけ】がんばる田口先生