SEIKO JAZZ 3 Selfish reputation ③ | AREA73 MY NEXT THIRTY YEARS

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1973年出現、船長、だけど今は陸での仕事。
海に戻りたい坊主おやじの出来事、気になる事。



の続きです。


Saving All My Love For You / Marilyn McCoo & Billy Davis Jr. 

1978年Marilyn McCoo & Billy Davis Jr. によりリリースされマイナーヒットした楽曲。

でも有名なのはWhiteny Hustonによる歌声ですよね。

そんな楽曲をJazzに…って元々Jazzyな雰囲気漂う曲の為、それ程Jazzっぽいアレンジにしても違和感なく聴くコトができますね。

ココで優しいPianoを奏でるのはTOTOやRobben Fordからのサポートを頼まれ、Nathan Eastのアルバムでも参加しているJazzピアニスト。

このアルバムの中の他の曲でも奏でていますが、次の曲「Paradise」とこの曲とでは全く違った感じで、ピアノも聴きどころ。

このピアノに乗せて、意外と音域の広い曲で、低音から高音までキレイに丁寧に歌っていて、低音では力強い歌声、ファルセットもキレイで自然、地声の高音もムリなく出ていてイイですよね。

特に

 ♪

 You used to tell me we'd run away together

 Love gives you the right to be free
 You said be patient just wait a little longer
 But that's just an old fantasy


は低音から高音への流れ、♪ Love gives you the right to be freeでは「キバリ」さえ感じる声から次のフレーズからの歌い上げ。

でも、♪an old fantasyで伸ばしすぎないのがホントにイイんですよね。


ラストは優しく、半音上がる声もイイ感じ。

 ♪ 

 So I'm saving all my love

 Yeah I'm saving all my love
 Yes I'm saving all my love for you
 For you, for you


Written by Michael Masser / Gerald Goffin

Arranged by Nathan East & Jeff Babko
Jeff Babko - Piano, Strings
Nathan East - Upright Bass
Steve Ferrone - Drums
Noah East - Organ
Recorded & mixed by Moogie Canazio


Paradise / Sade 

結構すきなんですね、Sade。

1988年にリリースされたアルバム『Stronger Than Pride』からの2ndシングルカット曲。

でもアップテンポな曲がアルバムの流れもイイ感じ。

「Saving All My Love For You」で触れましたが、ピアノはJeff Babko。

キレのあるピアノの音色がカッコイイですね。

Jack Leeのギター、Steve Ferroneのドラム、Nathan East のベースがFunkyでJazzy。

更にココでも低音の声が発揮されており、この錚々たるメンバーのプレイを前にしっかりとした声がイイですね。

サビの掛け合い

 ♪

 Feels like

 You're mine
 Feels right
 So fine
 I'm yours
 You're mine
 Like Paradise


この中の♪ You’re mine と♪So fineのフレーズの低い声、更にレコーディングを両サイドからしっかりと聴こえるようにしており、Nathan Eastとの声と共にカッコよく響きますよね。


あとコレは誰のアイデアなんだろうか?

 ♪

 Nothing can come, nothing can come

 Nothing can come between us


ラストのコーラス。

このフレーズはSadeの『Stronger Than Pride』からの3rdシングルカットされた「Nothing can come between us」ですよね。

凄く自然な流れで、カッコよく響きます。

この囁きぽいのがイイです。


Written by Sade / Andrew Hale / Stuart Matthewman / Paul Denman

Arranged by Nathan East & Jeff Babko
Jeff Babko - Piano
Nathan East - Bass, Backing Vocals
Jack Lee - Guitar
Steve Ferrone - Drums
Noah East - Organ, Rhodes
Rafael Padilla - Percussion
Recorded & mixed by Moogie Canazio

Love... Thy Will Be Done / Martika 

Martikaの2ndアルバム『Martika’s Kitchen』1991年リリースで、PRINCEがプロデュースした曲ですね。

Micheal Jacksonと共にPRINCEも好きだと言っているSeikoで、『Eternal II』では「The Most Beautiful Girl In The World」をカバーしていますよね。

PRINCE繋がりの選曲なのか、たまたまなのかは分かりませんが、スゴくリラックスして歌っているように感じます。

先にも書いたJeff Babkoがピアノを担当していますが、彼との相性がイイのかもしれませんね。

どちらかと言えば単調なメロディーなんですが、ブレスが難しい曲。

地声で伸び伸びと歌っていて、心地よいですよね。

間奏のハミングもイイ感じ。


 ♪ Love... Thy Will Be Done


ラストのこのフレーズの繰り返しにSeiko自身のコーラス、このコーラスの柔らかな歌声が更にイイ。

ラフに歌っている感じを重ねた感じがラストに花を添えていますね。


Written by Prince Rogers Nelson / Marta Marrero
Arranged by Nathan East & Jeff Babko
Jeff Babko - Piano, Strings, Synths
Nathan East - Bass, Backing Vocals
Steve Ferrone - Drums
Noah East - Organ
Rafael Padilla - Percussion
Tom Keane - Synths
Recorded & mixed by Moogie Canazio


How Deep Is Your Love (Duet ver.)

ボーナストラック的に収録されたデュエットバージョン。
でも、コレってSeikoの歌唱にNathan Eastが重ねて歌っている印象。
歌うパートを分けて歌う中にハモる部分があるとイイのですが、まるでこれじゃコーラス。
2番からはNathan Eastが合いの手的にメインのSeikoの歌声からずらして歌うトコもあり変化はあるのですが。
『SEIKO JAZZ 2』の「The way you look tonight」のMervyn Warrenとのデュエットのようなアレンジならヨカッたのにと。
でも、曲の始まりのNathan Eastの囁きがカッコいいです。
Written by Barry Gibb / Robin Gibb / Maurice Gibb
Arranged by Nathan & Noah East
Seiko Matsuda - Vocals
Nathan East – Bass, Vocals
Noah East - Piano, Synths
Tom Keane - Rhodes, Drums & Percussion, Synths
Recorded & mixed by Tom Keane


スゴく纏まったアルバムに仕上がっていて、初めて聴いた時から一気に聴いてしまいました。

前作『SEIKO JAZZ 2』でのMervyn Warrenとのコラボもヨカッたですが、Nathan Eastとは更にイイ感じじゃないですか?

今回はPops、Rockなどのヒット曲が並んでいる為、どっぷりJazzな感じがないのが、Jazz初心者のボクには聴きやすいのかもしれないですが。


ただ、初回限定盤Bに全曲のInstrumental CDが付いていますが、コレを聴くとホント歌無しですっかり完成しているんですよね。

何せこの顔ぶれのミュージシャン達が揃っており、このInstrumentalをNathan East名義でリリースしても何も遜色ない出来ですからね。

もちろんSeikoの歌声があり映えているとファンは思いますが、Nathan Eastファンとしてはコレはコレでって感じがしなくもない。

だって日本のCDによくあるカラオケって括りではないですからね。

だからこそ“Instrumental”として記載されて、更には全曲をInstrumental Versionを初回限定盤に付けリリースしたんだと思うんですよね。

Producerとしてではなく、せめてfeaturingっていう記載がアーティスト名にあってもイイんじゃいかなぁ〜と思うくらい。

でもこのジャズプロジェクト、毎回新たな面を見せてくれ、かつレベルアップしているのが嬉しいですね。