先日取り敢えず手元に届いたコトをアップした『SEIKO JAZZ 3』。
いや〜個人的には好きなアレンジや選曲ですが、ちょっとこのアルバムはJAZZなのか?と少し思っちゃいます。
まぁ、そんなコトは置いておいて、いつもの勝手なレビューといきましょう。
I’m Not In Love
10ccの1975年のヒット曲ですね。
Billy Joelの「Just the way you are(素顔のままで)」のアレンジにも影響を及ぼしたと言われるこの曲。
そんな楽曲をアップライトベースと柔らかなトランペットで奏でて、シンプルながらもドラマチックなアレンジに導かれ始まる歌声、柔らかながらもややハスキー。
語るように丁寧な発音に初めは少し戸惑うも、それはアレンジが歌声をメインに置かれた作りとなっており、聴く程のこのアレンジに引き込まれていく感じ。
インストバージョンを聴いても分かるように、ある意味歌声なしでもNathan East名義のリリースさえ出来る程完成されているのに、その上にSeikoが歌入れしてしっかりSeikoの歌として仕上げてしまうのが、いつもながらのスゴいトコ。
ブリッジの歌声、自然な感じでイイですよね。
♪
Ooh, you’ll wait a long time for me
Ooh, you’ll wait a long time
Ooh, you’ll wait a long time for me
Ooh, you’ll wait a long time
この柔らかな雰囲気で始まりる1曲目、このアルバムの世界観をしっかりと彩っていますね。
Written by Graham Gouldman / Eric Stewart
Arranged by Nathan East & Tom Keane
Tom Keane - Keyboards, Percussion, Drum Programming
Nathan East - Upright Bass, Backing Vocals
James Zollar - Trumpet
Noah East - Piano
Recorded & mixed by Tom Keane
Red Sweet Pea 〜English Jazz Version〜
このアルバムの先行配信としてアルバムリリース前に世に届けられましたね。
その際に取り敢えずのレビューをアップしていますが
正直アルバムの他の楽曲とどうなんだろうか?と思っていたんですが、Kenny GのSaxが美しく穏やかな音色に誘われるように始まるのがイイですね。
また、原曲の「赤いスイート・ピー」よりややテンポを落とし、キーも無理なく下げたのがイイですね。
個人的にはAメロの特にサビより2番からのAメロ、Bメロの落ちついた寄り添うように奏でられるKenny GのSaxとの掛け合いのような流れが好きなポイント。
サビはスタジオセッションの雰囲気が感じられ、ライブ感がありますね。
ただ、やはりメロディがPopなのでJazzyなアレンジとしても、また本人のカバーというコトでなかなかPopsからは抜け出せないですね。
今回のアルバム全体の選曲がPops、RockなどJazzのスタンダードナンバーではないコトと、Ethan Eastをはじめとするプレイヤー、アレンジャーにより統一感あるモノにはなっていますが、日本だけのボーナストラックでもヨカッたんじゃないかなぁ。
単品でこの曲を聴くとイイのですが…。
Original Lyric Written by Takashi Matsumoto
English Lyric Written by Marc Jordan
Composed by Karuho Kureta
Arranged by Nathan East & Tom Keane
Nathan East - Bass & Backing Vocals
Kenny G - Soprano Saxophone
Tom Keane - Keyboards, Drum Programming
Recorded & mixed by Tom Keane
Rock With You
Michael Jackson の1979年アルバム『Off the wall』からの2ndシングルですよね。
この『SEIKO JAZZ』シリーズの後ろ盾でもあるQuincy JonesがMichael Jacksonを本格的にプロデュースしたアルバム。
Michael Jacksonの時に演奏したGreg PhillinganesがこのSeiko Matsudaバージョンでも参加しているコトもUniversal Recordのサイトに記載されていますね。
Michael Jacksonの原曲よりテンポを落としつつも、原曲のイメージを壊さないアレンジになってますね。
聴く前、この雰囲気の曲をSeikoの甘い声で歌ってどうなのかなぁ?と思っていたんですよね。
前作『SEIKO JAZZ 2』の「Human Nature」を初めて聴いた時に感じた(今でこそ聴き慣れましたが)キレイに単語を発音し過ぎてやや流れや曲から少し浮いた感じがしていたんですよね。
同じように感じるんじゃないか?と思って聴き始めたんですが、このアルバムの他の楽曲より、発声が素な感じで良く、曲の雰囲気に馴染んでいるという印象で、ハスキーな声が活かされてますね。
後半までは大きく目立ちはしないんですが、流れるようなピアノがゴツゴツしがちなこの曲を柔らかにしてくれていて好きなポイント。
って、このピアノがGreg Phillinganesなんですね、随所に奏でられているオルガンがNoah Eastで。
また、ブリッジあとからのキーの高い位置でのピアノと時折顔を出すキャンディーボイスが自然な流れとなっていてコレまたイイんです。
リズムに乗っている感じで特に最後のスキャット、ココがイイ‼︎
コーラスで先にスキャット的にNathan Eastがバックに流れますが、その後にSeikoによるスキャット。
躍動感がイイ‼︎
Words and Music by Rodney Lynn Temperton
Arranged by Nathan East & Greg Phillinganes
Greg Phillinganes - Piano
Nathan East - Upright Bass, Backing Vocals
Steve Ferrone - Drums
Noah East - Organ
Jack Lee - Guitar
Rafael Padilla – Percussion
Tom Keane - Rhodes, Synths
Recorded & mixed by Moogie Canazio
Tears In Heaven
1992年Eric Clapton リリースされたヒット曲。
前年にClaptonの息子が転落死するという悲劇的な出来事の後、息子に捧げた楽曲。
今回この曲を選んだのは楽曲の背景も含めて選曲されたのでしょう。
原曲の雰囲気は損なわず、でもベース、レーズピアノ、ピアノ、オルガンがメインなアレンジ。
こちらもインストのみでしっかりと仕上がっているんですよね。
カサバかマラカス、シェーカーによるパーカッション。
この上に歌声が乗って…丁寧に歌ってますよね。
それに敢えて抑えたキーなんでしょうね、低音の発声の魅力を引き出す為に。
でも全然気負った感じがなく、感情的でもなく、語るように。
間奏前の
♪
Time can bring you down,
time can bend your knees
Time can break your heart,
have you begging please, begging please
などもっと歌い上げる感じになるかと思っていたら、スゴく淡々と歌っていますよね。
曲調や歌詞内容への感情の絶妙な抑え方はデビュー当初からの感性。
ココでも発揮されていて、その分余計に淋しさが伝わりますね。
でも、ホントこの歌詞には流されてますよね。
♪
Would you know my name if I saw you in heaven?
Would it be the same if I saw you in heaven?
I must be strong and carry on
‘Cause I know I don’t belong
Here in heaven
天国で逢えたなら、
ボクの名前を覚えてくれているかな?
天国で逢えたなら、変わらぬままかな?
ボクは強く生きて行かなくては
だってボクはこの天国に
まだいてはいけないことを分かっているから…
カバーではあるものの、彼女の思いが詰まった曲ですね、きっと。
Words and Music by Eric Patrick Clapton & Will Jennings
Arranged by Noah East
Noah East – Piano, Organ
Nathan East - Bass, Guitar
Greg Phillinganes - Rhodes
Steve Ferrone - Drums
Rafael Padilla - Percussion
Recorded & mixed by Moogie Canazio
またまた長くなるので2回か3回に分けて勝手なレビューをしていきます。