SEIKO JAZZ 3 Selfish reputation ② | AREA73 MY NEXT THIRTY YEARS

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1973年出現、船長、だけど今は陸での仕事。
海に戻りたい坊主おやじの出来事、気になる事。

さて『SEIKO JAZZ 3』の勝手なレビューの続きです。

今回のラインナップはPops、Rockなどからの選曲がアルバムを構成していて、どっぷりジャズスタンダードな曲よりもJazz初心者のボクには馴染みやすいのが正直なトコです。


The Sweetest Taboo

Sadeの1984年にリリースされたアルバム『Promises』から1985年にシングルカットされたヒット曲。

個人的にはちょっと意外な選曲の1曲でしたが、一番合っているように思います、今の声に。

こちらもピアノがメインのアレンジで、声が活かされいますよね。

特に1番はピアノとパーカッションによるバックで


 You give me, you give me the sweetest taboo

 You give me, you're giving me the sweetest taboo
 Too good for me


のthe sweetest tabooの後の一瞬パーカッションだけの部分がスゴくイイんです。

全編このアレンジでもイイんじゃないかなってくらいしっくりときていますよね。

その後はオルガン、ベースなどが加わりゴージャスなアレンジに展開していき、Jazz Rockな雰囲気に。

コーラスの表記はNathan Eastしか記載されていませんが、2番からの掛け合いだけでなく、♪Too good for meのフレーズなどはSeiko 自身のダブルでの歌入れが施されており、間奏の囁きのようなコーラスは誰?Seiko自身?と思わすような声が聴けますね。

更にはこの曲でもスキャットが僅かながらあり楽しませてくれています。

全体的に深みのある歌声で表現されており、新たな一面を魅せてくれていますね。


Written by Sade / Martin Ditcham / Celia Faussart / Helene Faussart / Cathey Palenne

Arranged by Nathan East & Jeff Babko

Jeff Babko - Piano

Nathan East - Bass, Backing Vocals

Steve Ferrone - Drums

Noah East - Organ, Rhodes

Rafael Padilla - Percussion

Recorded & mixed by Moogie Canazio


How Deep Is Your Love

この「How Deep is Your Love」は2006年に『Eternal II』にてカバーをしていますね。

1977年にBee Geesにより映画【Saturday Night Fever】のオリジナルサウドトラックによりリリースされ、大ヒットした曲。

1996年にTAKE THATがカバーをリリースしており、彼らの楽曲でもチャートを賑わせた楽曲。

レコード会社の解説に「一旦は全10曲としてアルバム制作を終えて完成を迎えようとした松田聖子が、急遽この曲の追加制作を決断。」と書かれており、2度目のカバーというコトでかなり好きな楽曲なんでしょうね。

ただ今回はテンポを落とし、柔らかな雰囲気に仕上がってますね。

Jazzなアレンジによるモノか、テンポを落としたからか、本来のメロディーをやや変えて歌っているトコもあり、余裕さえ感じられ『Eternal II』よりゆったりと聴くコトができますね。

ファルセットへの移行も自然でスゴく穏やかですね、全体的に。

最後の囁きのようなオリジナルのブレイク的コーラスによりこの曲への思いが感じられさえします。


Written by Barry Gibb / Robin Gibb / Maurice Gibb
Arranged by Nathan & Noah East
Nathan East - Bass
Noah East - Piano, Synths
Tom Keane - Rhodes, Drums & Percussion, Synths
Recorded & mixed by Tom Keane



Killing Me Softly With His Song

邦題は「やさしく歌って」とされ、オリジナルはLori Liebermanにより1971年リリース。

どちらかと言えばRoberta Flackバージョンの方が日本では馴染みがありますよね、『ネスカフェ エクセラ』CMソングとして使用されてましたからね。

最近(?)では「Killing Me Softly」としてヒップホップグループのThe Fugeesが1996年にリリース、グラミー賞のR&Bパフォーマンス賞を授賞していますね。

そんな多くのアーティストがカバーしているこの楽曲をどんな風に奏でてくれているのか、リストを見た時から楽しみでした。

オリジナルの雰囲気を残しながら、落ち着いたメロウなアレンジに、コレまた落ち着いた歌声が魅力の一曲になってますね。

この曲でもスキャットが奏でられ、落ち着いた中に抑揚が感じられてホントイイんですよね。

これまでの松田聖子名義のアルバムの楽曲の中でもJazzyな曲があり、またデビュー当時から表現力にの高さは素晴らしかったですが、この曲の落ち着きや表現力はコレまでのモノとは少し違い、「The Sweetest Taboo」に続きまたまた新たな魅力を見せてくれていますね。


Words and Music by Charles Fox & Norman Gimbel

Arranged by Noah East

Noah East - Piano, Strings

Nathan East - Upright Bass

Steve Ferrone - Drums

Rafael Padilla – Percussion

Tom Keane - Synth Pads

Recorded & mixed by Moogie Canazio


Chasing Cars

Snow Patrolの2006年リリースの代表曲ですね。
こちらもちょっと意外な選曲でしたが、壮大なアレンジに語るような歌声がこの歌の世界観を拡げた感じがしますね。
歌詞にある
 ♪
 Those three words
 Are said too much
 They're not enough

 3つの言葉
 使い古された言葉
 それだけじゃ足りないよ

愛する思いをI Love Youでは言い尽くせない気持ちを、人類愛をも歌う歌詞に思える内容を、静かに淡々と歌い、時には力強く歌う…曲調やアレンジに流されず、絶妙な感情移入がホント素晴らしいですよね。
ハスキーな声がイイですし。
もう、オリジナルなのかってくらい馴染んでいると思います。
ついつい聴き入り、ブログを書く手が止まってしまいます。

Written by Gary Lightbody / Jonathan Graham Quinn / Nathan Connolly / Tom Simpso / Paul Wilson
Arranged by Nathan East & Jeff Babko
Jeff Babko - Piano, Synths
Nathan East - Bass, Backing Vocals
Tom Keane - Synths, Percussion
Recorded & mixed by Tom Keane

またまた長くなってしまいました、次で終われるかな。