「前回の優勝者、真希さんはどこの国からも徹底的にマークされ身動き取れない事も多々有った

それに敵はライバルチームだけじゃなかったのだ、パプアニューギニアと云う独特な風土が俺達の行く手をさえぎった

ウッソウとしたジャングル、未知の病気、止むことのない雨、足元は常に泥でぬかるんでいる、そんな状態で敵に遭遇すれば

正に泥死合だ、サポートチームは自分の事で精一杯で、真希さんへのサポートもままならない

どの戦いも常に乱戦だ、ファッションセンスを競うバトルとはほど遠いい、命を削り合うだけの消耗戦

しかも草木が生い茂るジャングルのせいで視界をさえぎられ、なかなか試合相手を見つけられない

何しろジャングルに関しては皆素人だ

大会中どのチームもほぼ迷子の子犬状態だった、自然と戦いの進行ぺースも遅くなる

そんな地獄の様な戦場で大会が長引けば、食糧と武器であるコーディネート用の衣装の補給もままならない状態になる

本来なら予備選で落ちたサポートメンバーは大会本部に詰めて、チームからのオーダーを聞いて、補給物資の手配をするものだが

今回、大会本部の用意した連絡用トランシーバーは不良品で全く繋がらない

それにせっかく持参した衣装も泥と雨で一瞬で見る影もない、どこのサポートチームも完全に機能不全に陥り

雨、飢え、病、恐怖、何人も精神を蝕まれた

ライバルチームではファッションリーダーが、プレッシャーに押し潰され錯乱し自分のサポートチームである

ファッションコーディネーター達を次々に半殺しにする事件が続出し、沢山のチームが戦わずして自滅した

正に地獄の"黙示録状態"ベトナム戦争で狂った上官が部下を惨殺し、最後ら辺で沼からヌッと顔を出す、あの怖くて気色悪い映画ソックリだ

そんな中でも俺達のチームは真希さんを中心に耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び何とか終盤まで生き残っていた

そこまで生き残れたのは全部、真希さんのお陰だ、俺達のサポート力のなさを真希さんが1人で補ってくれた

はじを曝す様だが…

持って行った衣装は全て常夏の国、ハワイのリゾートをイメージしたものばかりで、完全なリサーチミス

当時サポートリーダーのドン小東が『南国と言えばワイハだよなアップアロハとブーケとサーファーとゴルフだろう』と中年オヤジに在りがちな、話を聴く耳を持たず決め付けとゴリ押しが取り柄の男だった

サポートチームは若者と女性が多かっから、高圧的ないかついおっさんは苦手だったのだ

因みに何故ドン小東がサポートリーダーに選ばれたかと言うと

前回初優勝で好景気に沸く我が国のファッション業界は、イケイケドンドンに成り

ファッション上層部でさえ『イケんじゃね~アップ!?』状態に陥ってしまい

才能は在るがイケイケドンドンでドン繋がりのドン小東がサポートリーダーに選ばれたらしい

因みにドン小東は本戦初戦でベトコンチームに両足のアキレス腱を截断バサミで切断され半殺しにされて、すぐ本国に泣きながら帰った…

そんな苦戦の続く中、真希さんはある秘策を編み出した

それは正に闘神が乗り移った様な革命的ファッションスタイル!!

ある日、戦いの疲れを癒す為、貴重なビールを浴びるように飲んでいた真希さんは急にツマミの入った皿をジーと見つめ

何かを思い付いた様に『アロハとハサミと針と糸を急いで持って来て!』と叫び『あ!後ダイヤモンドもね』

アロハシャツとビーフジャーキーを使ってジャングルの王、ターザンスタイルに仕立て直してしまった

皆驚いたよ『こんなものが服なのか!?』と

しかしいざ真希さんが戦いでその衣装を着ると、あまりのカッコ良さに、ライバルチームでさえ見とれていた

戦いの中、1人でジャングルを縦横無尽に駆け抜け、ツタに掴まり『アッア!ア~~~~!』と雄叫びを上げながら宙を舞う、ターザンプリンセス

下品なのに品格があり、ワイルドなのに可憐、決して混じり合わない要素のはずなのに

確かに目の前に存在している、ジャングルの中だけに存在を許された"美"

金魚鉢の中で舞う最上級の金魚の様な神ファッション

ある対戦チームのファッションリーダーは、こんな言葉を残している

『私達は幻を見ているのか?…そうだ幻にまちがいない

幻に勝てはしない…何故なら幻はこの世の者ではないのだから…ギブアップ』

それからの俺達チームの戦いは、常に圧勝だった

ジャングルに適応した真希さんのファッションは、見る見るうちにバラパゴス島の動植物の様に独自の進化をとげて行った

正に美の探求者、ある時は錦蛇を体に巻き付け衣装に見立てたアナコンダプリンセス

ある時はワニを背負って沼からヌッと頭を出す、アリゲータープリンセス

まるで"地獄の黙示録"その者で、マジで皆殺し殺されると思った対戦チームと俺達サポートは『ギブアップ!』と叫びながら、その場を蜘蛛の巣を散らず様に逃げ惑ったりもした

なんやかんやで結局ターザンプリンセスに戻したりもした、対戦の方は、それでなんの問題も無かった、がしかし…

当然、真希ターザンでもカッコだけなのでサバイバルのスキルはなく、食糧は何故か衣装に使いきり

ジャングルの葉っぱサラダばかり食べていた、なにしろファッション業界の人間はヘルシー志向なやつらが多いからな

葉っぱサラダは食い放題だ、それでも腹は減ってしまい、いつもお腹はグーグー

しかも異常な量の食物繊維の取りすぎでピーピーにも成っていた、グーグーピーピー、ジャングル大合唱祭だ

そんな中でも真希さんだけはいつも一人で、綺麗なキノコを採って来て

『ファッショナブルな松茸だわ』と自画自賛しムシャムシャと野獣の様に食いちからし貴重なビールを浴びるように飲んでは

何かに取り付かれた様にヘラヘラ笑っていた、そんな真希さんの元気さと笑顔に、皆勇気付けられもした

そんなある日、ジャングルの中で殆ど機能しなかった大会本部との連絡用トランシーバーが、奇跡的に繋がり

ガリガリくんの食い過ぎでダウンし回復していた雅さまから朗報が届いた

『ザザ…私、雅だけど真希聞こえる?』

『俺、猪狩矢です』

『ザザ…通信がいつ切れるか分からないから捲し立てるわね、よく聞いて

うちのチームを入れて残りは2チームよ、しかも決勝戦の相手は、今年初めて本戦に出場出来たホンジャマカ自治国て言う、聞いた事もない小国のチームで、本戦では奇跡的に一度も戦わず、ズッとジャングルで迷子に成ってたたらしいわ、辛抱強いのだけが取り柄って感じね

大会運営本部もこれ以上大会期間を引き延ばしても意味が無いので、本部から案内人を付けて互いのチームを引き合わせて戦わせるって、今、千人体制で大会運営委員がそちらに向かってるわ、二三日後にはそちらに到着しそうよ、真希なら楽勝ね、もう優勝したも同然よ

相手のファッションリーダーのイシズカてのはオーバーオールしか着ないデブでブサ…ザザ…ザザ』

『きれたかな?…よし!優勝がやっと見えて来た!』俺は天にも昇る気持ちに成った

サポートメンバーも喜んび『やっと帰れる!』『地獄から解放されるわ』皆、口々に喜んだで、中には泣き出す女の子も何人か居た

そんな事があった日の夕方

慢性化したピーピーで静かに横に成っていた真希さんは、狂喜乱舞する俺達サポートメンバーを優しく見守り

俺と眼が合うと『良かったわね猪狩矢くん』口元は笑っているのに悲しい表情、何かを感じた俺は

『真希さん何か在ったんですか?』

真希さんは『どすこい!』と起き上り『ようをたしてくる』と言い残しジャングルの茂みに1人で入って行った…」

猪狩矢は目を潤ませ悔しそうな顔をし手を握り締プルプルと震え、一呼吸する

「そして…そのままチームに二度と帰って来なかった…

すまない亜希!俺がアノ時、後ろから付いて行き、茂みから覗いていたら、こんな事には成らなかったんだビックリマーク

確かにファッションリーダーの真希さんはとても魅力的な女性だけれど…」

苦悶の表情を浮かべる、猪狩矢

「俺はあの当時、同じ年頃のサポートチームの女の子にしか興味無くて…」

猪狩矢は泣いていた

「その子達のトイレ姿しか覗いてなくて…せめて真希さんが…真希さんが

今の亜希ぐらいの歳だったら…悔やんでも悔やみきれないよ~本当にすまん」

猪狩矢は亜希に泣き顔ですまなそうに頭をさげる

「しょうがないっすよ先生、トイレは覗いちゃいけないモノです」

「そういうモノなのか!?

「はい」

猪狩矢は少し恥ずかしそうにしながら、救われた様な表情になる

「あやまり次いでに何だが…高木ビックリマーク失踪してしばらく気付かなくて、ごめんな(笑)

行方不明の責任取らされる事になってから、ずいぶん心配したぞ

どこで何してたかかは興味も無いので聞かないが、ここで会ったのも何かの縁だ

一緒に亜希のサポートやらないか!?昔からお前のファッションセンスだけはかってたんだ、今から鍛えればサポートメンバーに成れるぞ

いちよを元サッカー部の連中にも声掛けたんだけどな、あいつらのファッションセンスじゃ予備選も通らない事は、分かり切ってる事だし

大会準備の為、奴隷としてコキ使ってやろうと思ってる、高木、お前なら貴重なサポートメンバーとして行けそうな気がする」(笑)ウンウン

「クックックックック」

不気味な笑声と共に高木はカッと顔をあげ、異様な殺気を放ちながら、ようやく重い口を開いた

「クック…お久しぶりです、カ・ン・ト・ク

アタイがここに居る本当の理由も知らなくて、そんな事、言って良いんですかい!?

ここに居る誰もが高木の豹変ぶりに驚いた、悪意の塊の様な雰囲気で口元を歪めたブサイクな笑顔

皆が思った、せっかくの美貌が台無しだ!、残念な高木…

猪狩矢は心配そうに

「どうした高木!?姿形も変わったがキャラも変わったな…いや性格は変わってないのかな!?…」

高木は全ての過去を断ち切り、別の人間に成っていた、根幹的な人間性はそのままに

「あれからアタイはある組織によって救われ、忠誠を誓い、ある目的を持ってここに送り込まれた

その組織の名は!?…グリーンピープル!!

「……」誰もが知らない名前であった、そして誰も聞いてもいないのに勝手にしゃべる、高木

「グリーンピープルはフッションの規制概念に囚われず、自然に帰る事を旗印に掲げる団体」クローバー

猪狩矢は少し興奮し高木の話に食い付いた

「服を着ないヌーディスト団体なのか!?

「違う!!アタイらはフッァション業界に新たな価値観を作り出す

例を上げると森ガールはアタイらグリーンピープルが提唱したと"自負"している」

雅は落ち着いていた

「グリーンピースだかグリーンピ~ピャラだか知らないけれども、あくまでも"自負"なのね、あくまでもビックリマーク

かなりのマイナーインディーズ団体のようね?」

「今はどう認識されようともかまわない、アタイ達のボス、クイーンは言った

『行け高木ビックリマーク神聖なファッションを地に落としめる商業主義の権化、バコワンをぶっ潰すのよ!!』…そしてアタイはここに居る」

「で!どうぶっ潰すおつもりかしら!?」冷ややかに聞く雅

「……汗」しまったビックリマークと言う顔をする高木

「あらビックリマークまさかのノープラン!?

その場はビミョーな空気に支配された

店の外では、いつもまにやら風が吹き初め、どしゃぶりの雨が降っていた、雨風の音だけが聞こえる

「…それは…汗

焦る高木、追い打ちを掛ける雅

「さしずめ、あなたの様な小者は、私が来る予定のこのお店に潜入して

スパイでもしてろって事なんでしょうけど亜希さんや猪狩矢の話しを聞いてるうちに触発されて

我慢出来なく成り、ついつい自慢気に自分の正体を明かしてみようと思った訳ね、高木のぶんざいで!違うかしら!?」

「くっ…汗」図星だった

「貴女って、やっぱり後先考えないバカなのね」フッ

高木は卑屈な元の高木に戻ってしまった

そこに突然ゴーっと雨風の大きな音と共に、店の扉がバタン開け放たれた

ピカッと雷光りが怪しい影を映しだすドカドカーンと雷音が鳴り響く店内

濡れた影に皆が怖した



つづく
(注)前の話しはテーマ別でどうぞ

高木は狼狽したように一歩退きながら目を泳がせ下を向いて固まってしまった

そんな高木を亜希は不思議なおもむきで見ていた

確かに猪狩矢の出現には驚いた、しかし高木の存在にはもっと驚いた

まさに声に成らない程の驚きビックリマーク

一度しか会ったことがないとはいえ、今の高木と昔の高木では容姿がまるで違う

綺麗なフランス人形の様な顔にグラビアモデルの様なスタイル

ビホーアフターにもほどがある、高木は整形なんて生易しいものではなく

死神博士に捕まったて改造されたサイボーグなのでは!?

そんな事さえ頭を過る

しかし亜希は汗かきテカテカのセルロイド人形の様な高木を視て思い直した

(ああ…高木さんどんなにか美しいく成ろうと、その目付きだけは治せないのね…)

猪狩矢はそんな亜希と高木を交互に見やりながら

「亜希、高木を深海に住む不思議生物を視る様な目付きで見なくてもいいだろう!?

人の人生には色々あるんだから」ウンウン

「ごめんね高木さん、変な目付きで見ちゃって」

謝る亜希に、下を向いて固まる高木は

「べ…別に」返事に成らない返事を返す

「ま~俺の話を聞いてくれよ」

猪狩矢は静に語り始めた

「あれから色々あってな~

まず俺の女癖の悪さとサッカー部の部費の遣い込みがバレて

学園長の娘との結婚は破談になり、と同時に今まで俺を守っていた光りの力は失われ

結局、後付けで高木が行方不明に成った責任を取らされる形で学園もクビに成った

当然サッカー部の生徒達は俺を辞めさせまいと学園と闘ってくれたが、意図的に俺を学園から

排除しようとする闇の力の前では生徒の力は無力だったて訳だ

そしてたまたま知り合ったストリップ嬢のヒモをしながら、何年かぷらぷらしてたある日、雅様からバコワンの

サポートメンバーにどうか!?とお呼びが掛り今の状況だよ

捨てる神あれば拾う神(雅)ありってところだ

雅様の前にストリップ嬢にも拾われたけどな」(笑)

亜希は呆れ顔で

「そうなんですか、部費を使い込んでたの先生だったんですね」

猪狩矢は気まずそうに高木に向き直り

「ごめんな…高木…あの時はなかなか言い出せなくて…

お前がせっかく部費を元通りにしてくたのに、又使っちまった

当時ある風俗嬢にハマっててな仕方なかったんだ

おそらく亜希が回想シーンで演じてた高木が勤めてたって言う風俗店の子だと思うよ

その子の部屋だけプレイ中でも電気スタヨドの小さな明かりが点いててな

ボブヘヤーの似合う、俺好みの可愛いらしい子だったよ

あの店無くなったんだな…」

猪狩矢は昔を懐かしみ涼しい顔をしている

高木は黙ってさらに下を向いた、表情は見えない

亜希は思った(雅には悪いが何故?こんなクズがサポートリーダーなのだろうか?)

「亜希、今何で俺みたいなクズがサポートリーダーなのか?て思ったろ!?」(笑)

ごかます様な笑顔を猪狩矢に向ける亜希

すると雅が「下らない話しはその辺にして!」

雅は皆の注意を自分に向けさせる、高木も少しだけ顔を上げた

「まずバコワンで勝ち抜くにはチームワークがとても重要なの

偶然とは言え、猪狩矢は服飾学園で亜希さんを指導した師弟の仲

経験の足りない亜希さんには打ってつけの人材だわ、猪狩矢は遊び人で手癖も悪いけど、ことファッションに関しては、なかなかの人物よ

人間のクズだろうがゴミ帝国のゴキブリ王子だろうが、バコワンで闘うには何の問題もない、ファッション会は実力だけが全てよ

猪狩矢は前回のバコワン代表候補の1人でね」

それを聞いて皆、息を飲む

「彼のファッションセンスは他の候補者の中でも群を抜いていた

しかし不思議な事にカリスマ性は全く無かったの

リーダーの資質の事よ、考えてみれば当然よね、元がクズ人間なんだから

当然落選はしたけれど代表者に選ばれた私のサポートメンバーには成ってくれたのよ

しかし代表者を急遽、現場を引退したはずの真希に代わって貰わなくてはいけない不幸な事態が起きてしまって

そのままバコワンには真希のサポートメンバーとして戦ってもらったの」

亜希は驚いた、まさか服飾@学園時代に亜希の母である

真紀をよく知るバコワン関係者が自分の知り合いに居たとは!

「亜希が真紀さんの娘とは、雅様から話しを聞いた時には驚いたよ

普通バコワンみたいなマニアックな話しなんてしないもんな」

「私も驚いてます汗

「なんか俺と亜希は運命的なものが感じるな~ドキドキ

「いえ」亜稀は完全否定した

「ところで先生

母が行方不明に成った時どんな感じでしたか!?

「やっぱり気になるよな────────

猪狩矢は腕を組、少し考え込むと

「うむ、話す前にバコワンについて基本的な事を説明しよう

真希さんがどんな風に戦ったか知ってる方が良いと思うんだ」

亜希は無言で頷いた

「そうだな…正式名称をバトルフロンティア・ファッションコーディネーター国際世界対戦No.1決定戦大会と言う略してバコワンだ

国と地域合わせて約230ヵ国が参加する、オリンピックが204ヵ国だからどれ程でかい大会か分かるだろう

何しろ世界で扱う全ての衣類への利権が発生する訳だから、優勝すれば無茶苦茶な富が約束される訳だ

宝くじを買うようにダメ元で参加する所も沢山ある

次にチーム構成だが、国の代表者がファッションリーダー、それに付き従うのが

サポートチームであるファッションコーディネーター達、それをまとめるのがサポートリーダーだ

正に今回の俺様だ」

雅の矢の様な厳しい視線が猪狩矢を射抜き、猪狩矢は子犬の様に震えた

「え~と、次にバコワンの戦い方だが本戦と予備選、二段階に別れている、サポートも含め個人の力を試される予備選

内容は筆記試験でのファッション知識やファッション騎士道精神論やファッション宇宙物理学やバービー人形のお着替えセンスなど

次に面接試験でのファッション自由研究発表会やファッション一発芸や持論を踏まえたファッション論の熱弁など

最後にバコワン本戦を想定した、シャドウボクシングならぬ、シャドウバコワンバトルの実演、想像しにくいだろうが一世尾形や友近の1人芝居を思い浮かべてくれ

とにかくサポートメンバーと言えども滅茶苦茶なスキルを要求される大会だ

俺達の戦いにはかなりの知識と高度なファッションセンスと高次元な感受性が必要なのだ

小学生がプロ野球の試合には出れないって事だよな

この予備選で、ファッションリーダー自ら落選したり、連れて来たサポートメンバーが、大きく減って、チームとして認められなかったりで

だいたい3分の2のチームは落選する

残ったチームは大会会場である地域に送り込まれ、バコワン本戦が初まる

バコワンが開催されている期間、つまり優勝チームが決まるまで、24時間、場所も関係無く

別のチームと出会えばそこで戦闘開始し、バトルロワイワル方式で戦って行く

本戦期間中はファッションリーダーが居る限り、いくらサポートメンバーを減らそうが戦いは続行出来る

戦い方は、敵チームと出会いしだい10メートルほど離れて互いに対峙し

ファッションリーダーがその場の気候、時間、場所の雰囲気を考慮して自分に合った最高の衣装アイテムを素早くチョイス!

チョイスの為の衣装はサポートチームが用意する

チョイスが終れば相撲の取り組みの様に息を合わせて、みあってみあって~

『バコワンGO!!』

の掛け声と共にファッションリーダー同士が互いに衣装を見せ付け合う

因みに遅延行為や戦いを避けてチームごと隠れる行為は、ファッション騎士道精神に恥ずべき行為なのでまずやらないし

戦う前から負けてる様なものなのでチームとして予備選を突破できない

次に勝敗の優劣は、当然どちらが優れたコーディネートか!?

優れたファッション感覚を持った、ファッションリーダー同士は、お互いに見れば分かる

負けたと思った方が『ギブアップ!』と負けを宣言すれば戦いは終わりだ

しかし国を代表している手前なかなか負を認めないのも事実

第二ラウンドは口合戦、自分達のコーディネートがどう優れてるのか!?

相手ががどう劣ってるのか!?サポートチームも一緒に成って怒鳴り合う

完膚無きまで相手を罵り罵倒する
ファッションに精通した者同士、キッパリと指摘しあえば勝敗は明らかだし

負けてるチームは心をバキバキ折られて皆、涙目だ

それでも負けを宣言しなければ最終ラウンド

実はその段階で九割は勝敗は決まっている

コーディネートの優れたチームはお山の天辺から相手を見下ろすが如く

精神的優位に立っている富士山

一気加勢に相手に襲い掛かかり勝負を決めに行く

コーディネートで負けてる方は精神的引け目から防戦一方

相手のファッションリーダーに無理矢理、『ギブアップ』敗けを宣言させるか

不幸にも戦死すれば決着は付く

その場合大将首を獲った者が、卓球の愛ちゃんの様に『サー!』と雄叫びを上げれば、戦いは終結する

普通、負けを認めなければ、結果的に、腕力の強い方が勝つと思うだろ!?

ぜんぜん違う、バコワンに参加する人間はサポート員と言えども

一般人にはまるで理解出来ない、異次元のファッションセンスと感受性を持っている

その為の予備選でもあるのだ

通じ合う感性のレベルが並外れてるんだるんだ

並のデザイナーでは理解出来ないほどの高次元

最低でも世界的ファッション紙、ボーグ編集長クラスの感性が必要だ

しかもその辺のレベルじゃないと、サポートチームとしてバコワンに参加も許されない

体格差が大人と子供でも、ファッションセンスの優劣で子供が勝ってしまう…それがバコワンだ」

そこまで語った猪狩矢はどこか寂しげだ

「思い返せば8年前のパプアニューギニアINバコワンの戦い

あれは熾烈を極めた…」

遠い眼差しで急に険しくなる猪狩矢の表情、亜希は一抹の不安を感じた



つづく
「お前がキャサリンの夫くじらか!?テバヨ」

「そうだビックリマーク市のパパでもある

ド・ナルトお前に聞きたい事がある?」

「なんだっテバヨ」フン

「キャサリンの父である、カーネルサンダーライガーを殺し雷

ケンチキ屋との不毛な世界大戦を、なぜ引き起こした!?

「すでに引退した"老人"が殺された位で、ケンチキ屋が

喧嘩を吹っ掛けて来たので相手してやってるっテバヨ」フン

「ずいぶん身勝手な理由だな」

「そうか!?テバヨ」フン

「た元を別ったとは言え、その"老人"はお前の元師匠だろう

殺す必要が有ったのか!?

「俺は…カーネルを殺すつもりは無かった

偶然たまたま道でバッタリ合って"成り行き上"殺してしまっただけっテバヨビックリマーク

「その"成り行き"とは何だ!?

「……」

「どうした!?…殺意の眼差しに憎しみが加わったぞ」ニカ

「ならば…冥土の土産に聞かせてやる

カーネルは、俺と出会ったとき二度と口にしてはいけない事を

言ったのだ───────────

貧乏な家の子の俺はまだガキだったころから、カーネルの元で毎日チキンをさばいていた

やがてケンチキ屋グループは店舗を拡大しファーストフードの一大勢力に成り上がった

当然それまでにはライバルも居たしマフィアだって居た

その影で俺はカーネルの為に、抵抗勢力の取り込み、排除、暗殺など

汚い仕事も沢山やった、そしてカーネルからの信頼も厚かった

1人娘のキャサリンとはガキの頃からの知り合いでな

年頃に成ると友達同士でよく遊んだ、キャサリンは美しかったキラキラ

一人前に成った俺はキャサリンに告白し、受け入れられ

カーネルの目を盗んで付き合う様になり、2人は愛し合っていた

決心した俺は思いきってカーネルに打ち明けた

「カーネルさん…キャサリンと付き合っています

いずれは結婚したいと考えてますっテバヨビックリマーク

すると奴は激怒しビックリマークこう言いはなった

「娘に二度と近付くな!!むかっド・ナルトお前の手は

あまりにも血で汚れ過ぎている、こんど近付けば殺す」

無理矢理キャサリンと別れさせられた俺は絶望し狂ってしまった

やがてカーネルの下を離れ、自分でマックを立ち上げ

絶望の底から這い上がり更に飛躍したのだハンバーガー

しかし…あの夜だけは違った

カーネルは口に出してしまった

念を押すように…「娘には近付いて…居ないだろな!?」その言葉を聞いてからは

再び俺は絶望の闇に囚われた

憎しみのみが俺を支配し、気付けばカーネルを刺していた

テバヨ…」──────────

「そうか…」くじらは落ち着いている

(そんな事情だなんて…)市は内心動揺した、母の知られざる

ド・ナルドととの因縁を知り父はどんな心境なのだろう?

「くじらビックリマーク俺はお前にも腹を立てているっテバヨ」

「キャサリンと結婚したからか!?

「それだけではない、俺は魔苦怒からカーネルの"仕込み刀"を受け継いだ

娘が居ると聞き、その娘の家に様子を見に行った、するとそこにはキャサリンが居たのだ

俺はショックを受けた、あの可憐で美しいキャサリンはもうそこには居ない

三食昼寝つき亭主は留守ばかりの、ぜい肉を持て余す普通のオバサンが居るだけだしょぼん

キャサリンをそんなにしてしまった、くじらビックリマークお前を恨むぞむかっテバヨ」

「そんな事、言われてもな~汗

(確かに汗)市は、内心納得してしまった

「ド・ナルト社長、本人が幸せならえんちゃいます」

「魔苦怒は黙ってろ!!テバヨ」

「は~い…汗

「お取り込みちゅ~悪いんじゃが、そろそろ聞いて欲しい事が有ってな」

その場の者が注目する中、竹仙人は気まずそうに

「市が"金色"のボタンを押してしもて~」

「リモコンのですか~?」市は忘れていた

「"自爆ゴールド爆弾"の術が作動した」

「な、な、な、なんですって!?今"自爆"て言いましたよね!!

市の頭の中で"じ・ば・く"と云う言葉が重なり合っていく

「そんな大事なスイッチあせるリモコンに付けないで下さいよ~~」

「もともと爆弾のリモコンじゃ、"シルバー爆弾"から

新しく"ネオ新型シルバー爆弾"を開発出来たので"新型リモコン"も新しく作った

旧型リモコンのシルバー爆弾の"銀色"ボタンは、も~使わんから

TVの電源スイッチに設定しなおしたんじゃ

使わんのはもったいないじゃろ!?

「なんて個人的な理由なの!!汗

TVのボタンと爆弾のボタンが同じリモコンだなんて

生活価値観が違い過ぎますよ~んしょぼん

自爆の理由としてはサイテーランクの理由だわあせる

ボタンの押し間違いなんて言い訳にも成りゃしないダウン

とうしよ~~、キャンセル出来ないんですか!?あせる

「間違ってボタンを押さんよ~に連続五回までの

連打はキャンセル出来るんじゃが!?

「私、連打し捲くりましたよ~~」(泣)

「頭領、我ら村の集は"自爆ゴールド爆弾"など聞いた事が有りませんビックリマーク

「くじらすまぬ、自爆ゴールド爆弾の術は北斗真拳の様に

一子相伝じゃからな~歴代の頭領しか知らぬのよ」

「こうして話してると云う事は、時間はまだ有るんですね!?

「それがな~「ワハハハハハハハハハハハビックリマーク

こんなバカな奴ら見たことないわアップ皆殺しにする手間が省けたっテバヨ」

「ド・ナルド社長ビックリマーク早く逃げまひょあせる

「魔苦怒ビックリマーク先に行けビックリマーク俺はくじらと一度、闘って見たかったのだ

キャサリンが愛した男よっテバヨ!!」ニカ!ド・ナルは嬉しそうだ

「ほな皆さんさいなら、市もはよ逃げビックリマークあせる

魔苦怒はそう言い残すと一目散に姿を消した長音記号2走る人

「頭領、私は村の集に避難を呼び掛けて来ます、市も早く逃げろビックリマーク

スパ────ンビックリマーク

「パパービックリマーク

意気なり剣を撃ち込むド・ナルト、サッと身をひるがえすくじら

「そうは、させねっテバヨビックリマーク」異様な空気と共に剣を構える

くじらも刀を抜き応戦の構え

カキ───ンビックリマーク一瞬の輝きともに2人は激しく剣を交える

コキンビックリマークド・ナルトの剣圧でくじらの刀が折れた

一気に剣を振り捲るド・ナルト

くじらはすんでの所でかわし、逃げ回る、2人とも猫と鼠の様に目まぐるしい

市はとっさに居間の戸口の所に駆け寄ると、荷物と一緒に立て掛けていた

祖父の形見"仕込み刀"を掴むとくじらに投げつけた

「パパこの刀使って!!

くじらはド・ナルトの振る剣先をかわしながら

ひらりと飛んで空中でキャチすると

カキ─────ンビックリマーク

着地と同時にド・ナルトの剣を受けた

激しくつばぜり合いをする2人

「カーネルの刀か!?つくづく因縁が有るなっテバヨ」

「市、ありがとう」

「おじいちゃんがパパを守ってくれてる!!

「カーネル!!───むかっテバヨ」

ド・ナルトの剣圧は凄まじいが、こんどの刀は折れない

「頭領ビックリマーク市を頼みます」

「あい分かった」

「パパ気を付けてビックリマークグー

「オーよ!!

2人はもつれる様に外に飛び出して行った

ド・ナルトはこの切迫した状況を楽しんでいるのか!?

笑っていた──────────

「竹仙人様、早く逃げましょうよあせる

「市よ、そうあせるな茶でも飲めお茶

「そんなゆうちょうな!?村が自爆しちゃうんですよ!!あせる

「誰も村とは言っておらん」ニコニコ

「村じゃ無きゃ…どこですか?

ゼロゼロワンの犬小屋とか!?汗

「ちきゅうじゃ」竹仙人の眼差しは優しい

「ち・きゅ・う、─────────────

───────────────────」

市は頭が真っ白に成った

「市、ワシにも責任が在る、しかしこればっかりはしょうがない

これは、争いばかりしてきた人類の定めなんじゃ

笑って諦めよう」

「……」

「何しろ地球を破壊する爆弾じゃからの~

"効果"が現れるまで時間がかかるらしい」

「はぁ…」市は他人事の様に語り

何かを悟っている竹仙人を、ただ眺めた

「爆弾が機動したことは、自動的にロイター通信69で

全世界に知らされるシステムに成っておる

世界は今、うおーさおーの、大騒動じゃ

中には個人的な恨みを晴らしたり、欲望のままに

女を犯したり、人を殺し捲る不定の輩も大勢出るじゃろが

こんな時にこそ人間1人1人の人格が問われる

しかしどこの戦場でも戦いは止んでおるかも知れん

皮肉な事に真の平和が訪れ始めたのじゃ

市とワシは、結果的に役目を果たしたに過ぎぬ

愚かな人類の末路じゃ

皆、一緒に滅ぶのだから諦めはつこうて

市よ、滅びの瞬間まで人間らしく今を生きよ

それが我らの、最後の努めぞ」

「…ママ」

「キャサリンに会いたいか市!?

市は、何かをふっきた様に

「私、帰りますビックリマーク

「そうか、運命の子よ行くがよい」

「竹仙人様、ありがとうごさいました」

「間に合えば、ええな~」ニコ(^ー^)

市は軽く荷造りをする、妙に落ち着いていた

いつ地球が爆発するか分からないのだから、ジタバタしても始まらない

開き直った市がいた

竹仙人の屋敷を後にした、ゼロゼロワンが目に入る

小屋から頭だけ出して横になり、アクビをしている

父とド・ナルドはまだ戦っていた、市にはまるで2人の兄弟が仲良く

剣術ゴッコで遊んでいる様に見えた、楽しそうに楽しそうに

「パパさようなら、ママの所に帰るね」────

村の外れまで行くと、そこにはなんと!?魔苦怒が立って居た

「市、やってくれたなビックリマーク」(笑)

「ごめんなさい、ね~さん」しょぼん

「殺したろか!?おも~たけどしゃーないわ!!元気だし

これも私らの運命なんやろ

これからどないすんねん?」

「ママの所に帰ろうと思います」

「ウチもマック辞めて実家に帰ろ思てな~

同じ方向やから送ったるわ

このバイクのケツに乗り」ニコ

「ありがとう、ね~さん」───────


ブルーン♪ブルルルーン

2人を乗せて700馬力のバイクは唸りを上げて走り出した

市は振り落とされない要に魔苦怒にしっかりしがみ付いた

「市ビックリマーク皆はどんな最後を迎えるんかな~!?

「そんなの分かんないですよビックリマークね~さん」

「ふふふ」

「どしたんです!?ね~さん」

「なんか笑える音符ニコニコ

「この状況で笑えるのは、魔苦怒ね~さんだけですよビックリマーク

「そう~でもないやろ!?この世界は結構、狂ってるでビックリマーク」(笑)

「確かに…」ニコ

マシンは走り続ける狂った世界のひざしを受けなら

1つの想いを乗せて

スピードは加速する─────────




宇宙から惑星と1つの文明が消えた─────




地球は細胞分裂をするかの如く、崩壊し砕けた

大爆発を起こし宇宙のチリとなり

新たな星の肥やしとなる────



しかし普通の惑星爆発とは少し違った

生命に溢れたこの星の爆発は、全ての命のエネルギーで満ちていた

そのエネルギーが何で構成されているのかは分からない

だだの化学反応かも知れない

霊魂や魂、恨みや怨念なのかも知れない

それぞれの生物の記憶や想いや愛なのかも知れない

確かにそこに未知のエネルギーは存在した

市の想いは遂げられたのだろうか?────



それらはどんなモノよりも美しい輝きを放った

爆発と共に生命のエネルギー1個1個が

弾け飛び、ぶつかり美しい光を発しキラキラ

まるで別れを惜しむかの様に、ぶつかっては別れて、を繰返すキラキラキラキラ


やがてそれぞれが、生命の種となりクローバー

宇宙の彼方に散って行ったキラキラキラキラキラキラキラキラ




音の無い宇宙空間

静寂のみでが漂い全てを知り語る




何か漂っている

誰かの記憶なのだろうか──────


(ただいま~…)キラキラ

(おかえりー…)キラキラ



完結