神は二柱の神に集約される。

彼らを分けたのは、同じ一族であった。

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★目次

☆1 分御霊

☆2 国産み神話

 

  分け御霊(わけみたま)

(「儺の國の星」7、七生星より 引用)

記紀に出て来る別(わけ)なる胡人の居留祖界の湊の総称は、地平線の遥か彼方の下に見えなくなった船影を形容した言葉でありました。新天地を目指して永久に故郷に還ることがなかった氏族に対する永遠の別離の感情がよく表現されています。別とはまた星明りを頼りに、遠く船出する氏族の総称でもありました。

 

 

同じ一族が別れる。

彼らは居ついた地で、彼らの神を祀る。

そこで、一族、土地、職業の神となり、名を変えられる。

これが分け御霊(わけみたま)。

 

名を違えども、皆、同じ神。

「春日の神は鹿島の神が、鹿に乗ってやってきた。」

とは、同神を示唆している。

 

鹿島神には、「琉球神道記」に以下の文がある。

(以下、引用) 

「鹿島明神はもとはタケミカヅチの神なり。人面蛇身なり。常州鹿島の海底に居す。一睡十日する故に顔面に牡蠣を生ずること、磯のごとし。故に磯良と名付く。神功皇后、三韓に征し給う時に九尾六瞬の亀に乗りて、九州にきたる。勅によりて、梶取となる。 また筑前の鹿の島の明神。和州の春日明神。この鹿島。同じく磯良の変化なり」

 

 

これと同じのが「高良玉垂宮神秘書」にもある。

 

安曇磯良神とは筑前国にては志賀大明神

常陸の国にては鹿島大明神

大和の国にては春日大明神

 

つまり、高良神である安曇磯良神は、

鹿島神、春日神、志賀神(志賀海神社の綿津見神)と同神。

 

彼は上記の神秘書で「住吉神」とも同神とされる。

神功皇后と夫婦であり、琉球神道記でも彼女に関わっている。

 

ここで私たちは意識の転換をしなければならない。

 

神話では、彼らは別々の神として登場している。

しかし、同じ神なのだ。

物語をそのままの「真実」と取ると、すでに破綻している。

  


神話は別々に分かれてしまった神を、場面ごとに登場させ、「高良神と神功皇后」の伝承をトレースしたもの。

 

 

神は彼らの「分け御霊」なのである。

 

氏族が別れ、神を移した。

ゆえに、同じ神になる。

 

 

  国産み神話

 

別(わけ)の言葉は、イザナギ神とイザナミ神の国産み神話の中にもある。

(少し前に書いたので子細省略)

 


白日別は、筑紫の国魂(これは絶対)。

筑後国一之宮の高良大社の高良神。

では、後の三つも彼に関連することになる。


豊日別は、大社合祀の豊姫。

彼女が高良神の妃の神功皇后。


建日別は、彼らが退治していた異類(羽白熊鷲、熊襲)。

古処山周辺が本拠地。


建日向豊久士比泥別の豊は豊姫、久士(くし)は櫛玉饒速日命を意味する。

高良神は、物部の祖神の饒速日命。


彼は猿田彦神とも同神。

 


よって、この地には、住吉神と猿田彦神の元宮がある。


日吉神社

彼はニニギ命を率いて、地上へと案内する。

神がおられるところ。

そこが「天孫降臨の地」である。

 


神話のイザナギ神とイザナミ神が創った神話の初めにある「筑紫島の四つの面」に関わる彼ら。

高良神と神功皇后は、その実、饒速日命と御炊屋姫。

 

彼らは二柱の天照。

全ての神が彼らに集約される。

 

彼らを分けたのは、別れた同じ一族の者たちであった。

 

 

  (つづく  )

 

 

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