「儺の國の星」

著者は真鍋大覚氏。

福岡県那珂川に古来から伝わる星の名を集めたものであった。

 

古代の指南書というべきものであり、紐解く度、彼らへと繋がって行く。

かの本は、広報なかがわに連載されていたものであり、私はその地に暮らしている。

 

 

今まで生きてきた中で、一番多くの時を過ごした。

ここにいるからこそ繋がる、彼らと真鍋氏が伝える物部の知恵、歴史。

 

今までブログに書いたものと照らし合わせて、記していきたいと思う。

 

記してくださった真鍋氏、本にしてここに届けてくださった愛すべき那珂川の方々に感謝してます。

 

 

はじめに「儺の國の星」について記されたものを箇条書きにする。

「拾遺」という二冊目からも要約した。

 

以下、昭和57年 当時の那珂川町長 大久保福義氏が記されたものから。

 

~発刊にあたって~

 

☆那珂川には上古は神功皇后(201~269)、下って皇極・斉明天皇(642~644、655~661)、天智天皇(662~671)並びに後の天武天皇(673~686)、持統天皇(687~696)そして安徳天皇(1181~1185)の行宮があった。

 

☆香椎宮司の木下祝夫博士(高松殿下の御下命を承って独逸語翻訳に生涯を尽くした方)が、由緒ある土地には必ず日本の文化を支えて来た観星の古語が残存してると思うので、書面に残すようにと進言されたのが(真鍋氏が)執筆された動機と聞いている。

 

☆著者真鍋大覚氏のご先祖は遠く日立石岡の出で、永く鹿島神宮の神官を勤め、慶長のあと那珂川の肥前境に帰ってきて、近世は庄屋として百姓の農事に欠かせない歳歴の編集を維新まで毎年続けて来られた。

 

☆本書は、広報なかがわに昭和53年4月から昭和56年3月まで”那珂川の星紀辰位”と題して連載した分と、未掲載の聞き書きを追加した分になる。(「儺の國の星」)

 

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ここから真鍋大覚氏。

二冊目になる「拾遺」の序文から。(要約)

 

☆那珂川は太宰府の近郊に在ったことから、編歴の官人の草稿が旧家に保存されていた。

明治の水害が甚大で、修理不能になってしまった。

 

☆真鍋勝次に幼少期の頃から侍して、よく家伝の古書を披見していた真鍋利市(真鍋氏の父)が内容を記憶していた。

 

☆真鍋勝次は明治維新後もなお那珂郡の方冊(ほうさく)を作製して、百姓の歳時月令に資した最後の人であった。

 

☆昔の国歴は太陰暦に二十四節季、五十六節気、或いは七十三節期を配し、しかも気候の早晩を閏月の適所挿入によって調節するところの天文気象歴であった。

 

☆祖先は物部氏の出身であり、異朝から太宰府の詔請に応じて歴書を献上された時にこれが本朝の古来の式例に副うものであるか否かを検算する家系であったことが判明。

 

☆物部氏は代々太宰府の歴官の職務を世襲して、もって天文学的計算の術を通じこれに使えていた。

(真鍋,1985,序1-2)

 

緒言より(要約)

 

☆本書の原本は石位資正の名で藤原隆家(979~1044)が後朱雀帝長歴三(1039)年に大宰権師に再任された時、九州に在って星暦についての古今の見聞録を編纂したものであった。

 

☆那珂郡には庚申塚が極めて多く、他の郷に類例を見ぬ程の数に達している。

古事記の天孫降臨の条に出てくる猿田彦命の発祥の地と伝えられている。(真鍋,1985,緒1-2)

 

(以上、要約おわり)

 

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物部氏の家系は受け継がれ、鹿島神宮の神官、太宰府での星暦職を経て、今に至る。

 

高良神(住吉神)は、鹿島神と同神であった。

彼もまた、物部の神、饒速日命なのだ。

 

 

春日の神は、鹿島の神が鹿に乗ってやって来た。

これも同神を意味する。

志賀海神社の地は、鹿の島であり、これも鹿が繋ぐ。

 

すべて、神秘書に書かれている同神なのだ。

 

 

かの本には、物部が継いできた彼らの神に繋がる記述も多く散見される。

 

ここに「那珂郡は古事記の天孫降臨の条にある猿田彦発祥の地」と伝えられているとある。

 

 

香椎宮、宗像大社、高良大社、籠神社、伊勢神宮。

実は日本のほとんどの神が、物部氏と名を変えた一族が祀った「彼ら」であった。

 

那珂川が猿田彦命が発祥の地であるのは、天孫降臨した彼らと同神であったからだ。

 

ここに神話のすべてがあり、それ故に、古来からの星の伝承がある。

 

 

星神は住吉神であり、布留神。

ここには住吉神の元宮、現人神社があった。

 

 

住吉神こそ、神話の全ての神であり、天照であった。

 

 

だから、この地が神話の舞台となるのであった。

 

 

この本は、那珂川の宝だ。

市の手によって、発行するからこそ、意味があるものだと思う。

愛しき私の故郷。

 

ここにたどり着けたことに感謝します。

 

 

 

今までたどり着いたこととの、答え合わせを。

物部と繋がりたい。

 

 

 

(  つづく  )

 

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