昔、脊振山に弁天様がいらっしゃった。

弁天様は英彦山のシャクナゲが欲しくてたまらんかった。

この昔話、神に繋がる。

 

「神話の真意」長いのでちょっと休憩。

神に繋がる脊振山の弁天様の話。

 

★目次

☆1 シャクナゲが欲しかった脊振の弁天様

☆2 脊振と英彦山の神様

☆3 英彦山の大己貴命と宗像三神

 

 

  シャクナゲが欲しかった脊振の弁天様

昔、脊振山に弁天様がいらっしゃった。

英彦山での神の集会に参加した時、シャクナゲが欲しくてたまらなくなった。

 

こそっと一本持ち帰ろうとしたら、英彦山の天狗に見つかって、やむなく途中で投げ捨ててしまった。

そのシャクナゲは麓の竹ノ屋敷に落ちていった。

 

懲りずにまた英彦山に取りに行く。

また天狗に見つかって、今度は鬼ヶ鼻に落ちてしまった。

それから、脊振にはその二カ所しかシャクナゲが咲かなくなった。

 

鬼ヶ鼻付近のシャクナゲ

爆風だった。

 

鬼ヶ鼻の山頂標識

 

鬼ヶ鼻は岩場。
 
 
遠くに見える高い山が脊振山。
向こう側が東。
ちなみに、英彦山はそのもっと東の奥。
ここから直線で70キロほど。
 
無粋なことを言うと、英彦山から脊振山を過ぎた所に鬼ヶ鼻がある。
でも、昔は「脊振」というと、脊振山系を言ったようなので、この場所も脊振。
 
 
この話、脊振にはシャクナゲが二カ所しか咲いてない理由を、両山の神様の正体に「掛けて」いた。
 
 

  脊振と英彦山の神様

脊振には弁財天が祀られている。

神仏習合で市杵島姫命と同神。
 
脊振山頂*脊振神社の上宮
 
英彦山には市杵島姫命が降臨したとの伝承があった。
「花」が飛んできた、石が飛んできたなどは、同神を示唆するもの。
 
昔話は、それを表していた。
脊振の市杵島姫命は神功皇后が祀ったとされる。
しかし、彼女もまた同神。
 
彼らに関しては「祀った、祀られた」もまた、神の正体に繋げる暗号であった。
 
 

  英彦山の大己貴命と宗像三神

英彦山には市杵島姫命の他に、大己貴命と他の宗像神も降臨している。

 

だが、宗像神は一柱の神であり、女神天照。

神話の誓約で「天照が吐いた息から生まれた者」は、四柱が同神と示唆するもの。

(詳細、以下の記事)

市杵島姫命=宗像神=女神天照


英彦山の宗像三神は、一柱の市杵島姫命。

それが大己貴命の夫婦神になる。

(后とされる田心姫と市杵島姫命は同神)

 

彼女は饒速日命の后である御炊屋姫に繋がっている。

 

つまり、市杵島姫命は女神天照であり、御炊屋姫。

夫婦神の大己貴命が男神天照であり、饒速日命。

 

大己貴命は大物主神であり、三輪の神であった。

御炊屋姫は、大神神社の御炊社に豊受大神として祀られている。

そこでも「夫婦神」なのだ。

 

 

市杵島姫命=女神天照=御炊屋姫

大己貴命=大物主神=男神天照=饒速日命

 


以下の記事に「彦山修験道縁起」を載せてます。

英彦山に降臨した大己貴命と宗像神の話。


脊振の弁天様の話を作ったのもおそらく修験道の方々。

 

また、「脊振縁起」にも、このようなものがあります。

 


脊振と英彦山を聖なる山と祀った方々。
真の神の姿を物語として残そうとご尽力なさったのだ。


後に、彼らは英彦山を天照の子という天忍穂命(あまのおしほのみこと)に譲る。

これも同神を示唆するもの。

 

 

さて、饒速日命は、筑紫では筑後国一之宮の高良大社の高良神。
大社合祀の豊姫が、高良神の后である神功皇后。
 
大和から筑紫へと異類(熊襲)退治に訪れ、この地の神となっていた。
 
 
筑紫神、高良神と宗像神とは彼ら。
だが、筑紫には、高良神と神功皇后、
大己貴命と宗像神の異類退治の話がそれぞれある。
 
同神ゆえであった。
 
彼らのペアは錯綜してる。
 
高良神は住吉神で、御炊屋姫は内宮の女神の瀬織津姫。
住吉神と瀬織津姫は祓いの神。
 
饒速日命と瀬織津姫
饒速日命と御炊屋姫
住吉神と神功皇后
武内宿禰と神功皇后
 
これも、みなそれぞれ同神であるからだ。


高良神が、神功皇后の補佐をしたという武内宿禰とは、なかなか受け入れられなかった。

でも彼が住吉神でもあると分かって、腑に落ちた。
神話で、なぜ彼女の元に住吉神が現れたのか、ずっと疑問だったからだ。

神話では、善も悪も、上も下も、時代さえ関係ない。
そこにあるのは、真の彼らに繋げようとする純粋な言葉だけだ。
 

よって、脊振山頂で市杵島姫命を祀った神功皇后は、祀られた神自身。
 
「英彦山のシャクナゲを欲しがった」のは、神功皇后になる。
 
もしかすると、彼女は本当の姿を見つけて欲しいと望んで、シャクナゲを脊振に持ち帰ったのかもしれない。
 
 
 
この話、ずっと前から書きたかったのですが、後回しになって忘れていました。
 
 

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