続きです。

 

御祭神、及び、伝承から神が分かる。

 

美奈宜神社1の荷原(いないばる)」と、「美奈宜神社2の林田」。

同じ名の神社には同じ神が祀られている。

 

荷原は、天照皇大神、住吉大神、春日大神、武内宿禰、神功皇后

林田は、大国主神、素戔嗚命、事代主神の三神。

    他に摂社の神。
 

これらの神は二柱に集約される。

すべて高良神であり、住吉神、饒速日命。

そして、神功皇后。

 

それを踏まえて、二つの社の伝承を、高良玉垂宮神秘書などと照らし合わせる。


荷原の美奈宜神社
★1 神功皇后が羽白熊鷲を退治できたのは、三神の助力のおかげ。*1
    天照皇大神、住吉大神、春日大神

林田の美奈宜神社

★2 神功皇后は、安曇磯良神から干珠満珠を授かる。

★3 干珠満珠の力で羽白熊鷲を退治。

★4 三韓へ行く船の上で(助力を得た)のは、大国主神、大己貴神、事代主神の三神。
★5 三神を祀ったのが、美奈宜神社。
★6 福岡の伝承では、神功皇后は西暦200年前後。

 

記紀など

7 船の舳先に現れ、神功皇后に助力をしたのは、天照大神、住吉三神

 

高良大社の伝承(高良玉垂宮神秘書)。

8 神功皇后は高良神と共に羽白熊鷲を退治していた。
9 安曇磯良神は高良神であり、住吉神、春日神、鹿島神、志賀島神と同神。
10 高良神は干珠満珠を所有し、神功皇后と夫婦である。

11 神功皇后の三韓征伐の時、船の舳先に現れたのは住吉神(高良神・安曇磯良神)。  



< 助力を得た神 >

 

これらの神々は、それぞれの社にも祀られる神であり、同神。

 

★1 荷原 天照皇大神、住吉大神、春日大神 

★4 林田 大国主神、大己貴神、事代主神
★7 記紀 天照大神、住吉三神

★11 神秘書 高良神(住吉神・安曇磯良神)

 

★7の記紀と★9、★11の神秘書にも重なり、すべて一柱の神、饒速日命。

 

では、神功皇后が助力を受けた神は、饒速日命=高良神。
天照、大国主神、大己貴命、事代主神は、饒速日命で繋がる。

住吉神、春日神は、高良神で繋がる。

 


< 干珠満珠 >

 

二つの珠の伝承から。

 

★2 林田 安曇磯良神から神功皇后へ。
   神功皇后が玉の力を使う。

★10 神秘書 安曇磯良神(高良神)が所有し、玉の力を使う。



★2の「林田の安曇磯良神」は高良神。

 

神功皇后に干珠満珠を授ける「玉を垂れる」=渡す
故に高良玉垂神。

神功皇后には、その名と対の「息長垂姫(おきながたらしひめ)」がある。

 

  彼女に玉を「垂れた」=授けたのは高良神であり、それを意味している。

 

神話の山幸彦海幸彦の話は彼らが元であったのだ。

 

 

 

彼が饒速日命なので、彼女はその后の御炊屋姫(女神・天照、豊受神、宗像神、市杵島姫命など)。

神*総まとめ

 

彼らの名の一つ祓いの神・住吉神と瀬織津姫は、異類退治によるものであり、共に戦っていたことを表す。

 

 

<饒速日命は高良神>
 

では、助力を受け、共に退治をした神の姿が見えてくる。

 

神功皇后に助力をした神は、すべて饒速日命。

彼女と共に羽白熊鷲を退治した者も、高良神である饒速日命。

 

つまり、”彼女と共に羽白熊鷲退治をしていたものが饒速日命であり、彼から助力を得ていた”。

 


<複数の安曇磯良神>
 

これは福岡の神楽・磯良舞や高良大社の宝物庫にあるタペストリーにも繋がる。

そこには、複数の安曇磯良神がいた。

 

タペストリー

*四王寺山に現れ、神功皇后と初めて出会う場面の高良神

*海から現れ、体中にフジツボをつけた安曇磯良

*神功皇后の乗った舳先の上に現れ、玉体を守った安曇磯良神(高良神・住吉神)
*少し離れたところで、三韓の兵と対峙する武内宿禰

 

磯良舞
武内宿禰と事代主神が相談(どうしたら海神から珠をもらうか)

→豊姫が海神の前で舞う

海神が豊姫へ干珠満珠を渡す (後に豊姫から高良神へ渡される)

 海神は竜宮に住む。

 竜宮は志賀海神社であるので、海神は安曇磯良神

(高良の伝承より、志賀島神は、安曇磯良神=高良神)
 

 

上記の青文字の神は、美奈宜神社に祀られる神であり、すべて同神。

神功皇后と共に在った「武内宿禰」。

彼も高良神であり、饒速日命。

(高良神は武内宿禰という説も正しい)
 

 

時間軸や神の名が違っても、彼らは皆同じ者であった。

タペストリーや神楽はそれを示唆しているかのようだ。

 

 

 

< 淡島の神 >

 

では、美奈宜神社にあった摂社の神も繋がる。

淡島神社の神は、

「天照大神の六女、淡島様であり、住吉神と夫婦となられ、婦人病にかかったことから淡島に流された」とある。

 

この話は、(神*総まとめの★4)にあるように、神の由緒を示唆するもの。*1
「淡島の神は、住吉神と夫婦であること」

「天照とも縁がある者」と示唆。

 

住吉神(高良神)の后であるのは神功皇后。

彼女は天照とも縁がある。

天照が饒速日命であり、彼女はその后の御炊屋姫なのだから。

 

 

淡島の神は、少彦名神ともヒルコともされる。

神話上のそれらの神も彼女。

 

淡島様の像が神功皇后の像に似ているのは、偶然ではなかったのだ。

 

(若杉山、太祖宮上宮の神功皇后 像)

 

美奈宜神社の淡島様の像を造った方は、ご存知だったのか、はたまた直観なのか。

 

 

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*1 神の由緒を示唆(以下は、一部)

*荒穂の神がけった石が高良大社の社の下にある。
  荒穂の神=高良の神

*天拝山の社の裏にある石は、基山の荒穂神社から飛んできた。

  天拝山の荒穂神=基山の荒穂神
*鹿島の神は鹿に乗って春日にやってきた。
  鹿島神=春日神