Yoっち☆楽しくグテを綴る♡ -54ページ目

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

大変お待たせ致しました🙏
【群青と真紅】58章でございます
最近更に読者の方が増えて嬉しい限りでございます✨✨✨

あらためまして♦️♦️♦️
この物語は、テテとグクそれぞれのMe Myself 写真集からの世界観をヒントに生まれたオリジナルストーリーです
19世紀のイギリスを舞台にしておりますが、史実には基づいておりません
登場人物含め全てファンタジーでございます。

実際のテテとグクには、貴重な閃きを授けてくれた事に、あらためて心から敬意を評したいと思います✨✨✨✨


前回の物語

物語の続きが始まります✨✨✨


【紡ぐ二人の《Bond》】

旅行初日の賑やかなディナーが終わり、テヒョンとジョングクとスミスは、食後にブランデーなどお酒を飲み交わし夜を楽しんでいた。
「大丈夫でございますか、ジョングク様、、、」
「ええ、大丈夫ですよ。近頃では兵士達と一緒に身体を鍛えているので軽いものです。」
ジョングクはそう言いながら眠っているテヒョンをヒョイと抱き上げた。
ディナーでも食後のお酒でも一番楽しく盛り上がっていたテヒョンが、酔ってそのまま眠ってしまった。
スミスが先に行ってテヒョンの寝室の扉を開ける。その後をジョングクがついていく。寝室に入りベッドまでテヒョンを運んでくると静かに寝かせた。
「ジョングク様、それでは後は宜しくお願い致します。」
スミスは頷きながら笑顔で言うと静かに寝室の扉を閉めた。
ジョングクは返事をする間もなく閉ざされた扉を見ていたが、視線をテヒョンに戻すとクラバットをほどいて外し、靴もソックスも脱がしてブランケットを掛けた。

ベッドカーテンを広げて眠っているテヒョンの周りを囲うと、暖炉の薪の様子を見に行った。燃えている薪が炭になりきっていたので、新しい薪を取って火に焚べた。火が点きやすいように丁寧に暖炉の中を整えていく。
「ジョングク・・・」
声がしたと思うと同時に、暖炉に集中していたジョングクの背中にテヒョンが抱きついてきた。
「テヒョン様!起きていらっしゃったのですか?」
「・・・いや、目が覚めたらベッドにいて君がいないから出てきた。・・・喉が乾いたな。」
「お水をご用意しておりますので、お持ちしましょう。」
「いや、ここが終わってからでいいよ。」
テヒョンはジョングクの首に巻き付いて、ぎゅっと抱きしめた。

「君っていつも温かいな・・・」
テヒョンの柔らかい唇が耳たぶに触れて気持ちと一緒にくすぐられた。
「お背中が寒くはございませんか?」
「ほら、これを見て。」
ジョングクは振り返りブランケットをまとっているテヒョンを見て頷いた。
「君ごと包んでいるからとても温かいよ。」
テヒョンの優しい声にふわりと癒やされていくのが分かる。
「僕は酔っているみたいだ・・・・」
「かなり飲んでいらっしゃいましたね。」
「違うよ・・・君にだよ。」
テヒョンはジョングクの頬に唇をつけた。ジョングクはふふっと笑って、
「最近はあなた様の方が歯の浮くようなことを仰られますよね。」
と照れ笑いしながら言うが嬉しそうだった。
「キザだろう?自分でも驚いてる。」
二人の笑い声が重なった。暖炉に焚べた薪が勢いよく炎を上げ始めて二人を温める。
体だけでなく気持ちまで温かいと二人は感じた。一緒にいると何もかもほぐされていくような感覚になる。

薪の支度が終わりジョングクは自分の首に巻き付いているテヒョンの腕に触れて、
「終わりましたよ。」
と声を掛けた。『うん』と言って立ち上がり離れようとしたが、くるりと向きを変えたジョングクにヒョイと持ち上げられてしまった。
「!・・おい、おい、自分で歩けるよ。」
「素足ではございませんか。」
「絨毯だから冷たくはないぞ。」
「それでも駄目ですよ。」
ジョングクは言い終わらない間にそのままベッドまで運んでいった。
テヒョンはジョングクの積極的な言動が嬉しかった。
ベッドに降ろされ二人で座る。
「君が身分の垣根を越えてきてくれる時が一番嬉しい・・」
恍惚とした視線を向けられてジョングクの鼓動が上がる。昂ぶる想いをぶつけるようにテヒョンを抱き締めるとそのまま静かに倒した。

仰向けであらわになった白く美しい首筋に唇を当てると、トクトクと命を送り込む脈を探す。ジョングクの動きにテヒョンは思わず小さい吐息を漏らした・・・。
そしてついに速まる脈をとらえた。テヒョンの血潮が迸る(ほとばしる)命の営みが、確かにそこにある事を確かめると、目の前に愛しい人が存在してくれる尊さに胸が熱くなった。思わず大きく口を開いてそこに甘噛をすると、ジョングクの背中を抱きしめているテヒョンの指先に力が入った。
脈をとらえている犬歯が切なく疼き始めた。あの崇高な《儀式》を望むもう一人の自分がテヒョンを欲している。
『よせ!それは駄目だ!』また、自分自身との戦いに悶絶した。
越えられない柵は今回もしっかりジョングクを拒んた。
それでもテヒョンへの想いは、なくならないどころか溢れんばかりだ。

「泣いているの・・・?」
小刻みに震えているのが伝わって、テヒョンが両手でジョングクの顔を掴み自分に向けさせた。
笑顔の両目からは雫が落ちてテヒョンの顔を濡らした。
「笑っているのになぜ泣くの?」
「幸せ過ぎて・・・」
テヒョンはジョングクの葛藤する気持ちは痛い程分かっていた。でも幸せ過ぎると言ってくれた事は真意だろう。
テヒョン自身も心が震えるほどの幸せを感じているのだから。
だけどこうして二人きりで愛情を示し合い、至福の時を過ごす度に何度《宿命》を突きつけられたことだろう。
その度に涙を流して慰め合ってきた。

でもテヒョンは悲観的ではなかった。いつの日か《宿命》を打開する時が来る事を信じていたからだ。だから今、二人の間に濃密な営みが持てなくても不安になったりはしない。クリスマス・イブの夜にジョングクが《待っていて欲しい》と言った言葉もある。
もしかすると日常を離れて旅行に出ているため、昂揚する気持ちが前向きにさせているのかもしれない。
しかし、一緒に過ごす度に絆は強く結ばれ愛情は溢れ出てくる。
二人は運命によって導かれた。それはもう間違いのない事実だった。

 君が僕を愛するように
僕は君を愛する
夕べにも そして朝にも
君と僕が お互いの苦しみを
分かち合わない日があるなど
1日たりともあり得ない
だからこそ その苦しみは
君と僕にとって容易く
耐えられるものとなる
君は僕の悲しみを慰めてくれて
僕は君の悲しみに涙を流すのだ
神様の祝福が君にありますように
君よ 僕の人生の喜びよ
神様が君を守って下さることを
さらに僕のために
君を支えて下さることを
僕達二人を守り 支えて下さる事を願う

以前一緒に歌ったヴェートーベンの歌が二人の脳裏で呼応した。
今また改めて歌の言葉の意味を噛み締める。

「テヒョン様、お水をどうぞ。」
ジョングクが水を持って来てくれた。
「ありがとう。」
「明日の朝はこの街の散策ですね。」
「君と知らない街を見て回れるのがとても楽しみだよ。」
テヒョンは半分だけ水を飲むとグラスをジョングクの口元に持っていく。
テヒョンの手ごとグラスを持って、残りの水をゴクゴクと飲み干した。
水一杯でも分かち合う喜びを二人は感じた。
旅行の初日、テヒョンとジョングクは二人だけの夜を慈しみ、そのまま一緒に深い眠りに落ちていった。


【領地訪問〜辛辣なお出迎え〜】

早朝、靄がかかる街の中をテヒョンとジョングクは散策を楽しんでいた。
そこここに遺る古い歴史の痕跡を発見しながら、二人で調べた資料を捲り照らし合わせたりする。
時折農業用の荷馬車が二人の横を通り過ぎた。荷台には沢山のミルクボトルが積み込まれていたり、敷き藁を沢山積み上げていてガタゴトと車輪を鳴らしながら運んで行く。
荷馬車を操る農夫が見慣れない二人とすれ違う時、帽子を上げて挨拶をした。
テヒョンとジョングクも『おはよう。』と言って応えた。
「どれも絵になる光景だな。」
あちらこちらで朝の準備が始まっていた。そんな活気がある雰囲気がテヒョンは好きだった。
特に火が燃やされ湯が湧き、蒸気がモウモウと吹き上がる様は命の息吹のように感じられ、見ているだけで力が漲る気持ちになった。

「街や村の人々は活気的だな。貴族の生活とは覇気が違う。」
「はい。仰ることがよく分かります。身体のつくりも全く違います。無駄な脂肪がなく、筋肉のつき方が均等で仕事の動きが機敏です。」
人夫達は寒い朝の空気の中でも、袖をまくり日焼けをした太い腕をむき出しにして作業をしていた。重そうな袋もヒョイと持ち上げサッサッと歩いていく。次々にそれをこなしていく姿には無駄な動きがなかった。
「私の領地の民達の作業を見るのも楽しみだな。」
「あ、テヒョン様・・・・パンが焼ける香りがしてきませんか?」
穏やかな風に乗って朝食用のパンを焼く香りが二人の鼻をくすぐった。
「本当だ・・・なんだかお腹が空いてきたな。僕達もそろそろ戻るとするか。」

二人はもと来た道へ帰る。
ジョングクがパッとテヒョンの手を引いた。その手にはテヒョンからクリスマスプレゼントで貰った二人のイニシャル入りの手袋がはめてある。
ミトンの手袋をしているテヒョンがその手を掴んだ。
「手を繋いで街中を歩くなんて今までなかったよな。」
「はい。だから今日はこのままホテルに戻りますよ。手繋ぎとは言ってもお互いミトンと手袋ごしではございますが。」
ジョングクがきゅっと繋いでいる手に力を入れた。
「僕達は大人同士だけど、手を繋いで恥ずかしくはない?」
「いいえ、少しも。でもテヒョン様が恥ずかしいと仰るなら離しましょう。」
「駄目だよ!!」
テヒョンが両手で繋いでいる手を掴んだ。ジョングクは後ろを振り返ると、
「ずっとあなた様を掴まえておきたいです・・・」
と言って優しく笑った。そして前に向き直ると更に強く繋いだ手を掴む。テヒョンは下唇を噛んで黙ったまま後ろ姿に視線を送った。

新しい一日の始まりが徐々に慌ただしく動いていく。そんな街中を歩く二人の背中はとても楽しそうで幸せに満ちていた。
ホテルの前まで戻ると入口にはスミスと支配人が立っていた。
「おはようございます。テヒョン様、散策は楽しまれましたか?」
「おはよう。充分に楽しませてもらった。街の中でパンを焼く匂いがしてな、お腹が空いて戻ってきた。」
スミスと支配人は笑った。
「殿下、朝食の準備が整っておりますので、どうぞ貴賓室にお戻り下さいませ。」
「それは有り難い。本当にペコペコだ、早速頂くことにしよう。」
テヒョンは誰よりも先にホテルの中へ入って行く。ジョングクも後をついて行った。

朝食を終えて暫く休んでから、出発の準備を始める。
これから旅の目的である領地訪問が本格的に始まる。
野菜の産出が盛んなプロスペクトニー、養鶏の産地ピュートサルマンそして牛の繁殖牛舎、育成牛舎、肥育牛舎、酪農場と大きな畜産が盛んなオールローズを回る。
約3週間をかけて回るのだが、これもロンドンから近い方の領地のほんの一部だ。
今回は特に見舞いを届けてくれた領地の民達に会いに行くことになっている。
ホテルの前に馬車が停められた。支配人と数名のスタッフが見送りに並んでいる。テヒョン達がホテルの中から出てきた。
「世話になった、エヴァンス。」
「は、恐れ多いことでございます。」
テヒョンから名前で呼ばれて、支配人は嬉しさと相まって恐れおののいた。
「また是非お立ち寄りくださいませ、殿下。」
「うん、そうさせてもらうよ。この街が気に入った。」
「有り難いお言葉でございます。」

テヒョン達を乗せた馬車が、最初の訪問地プロスペクトニーに向かって西北に進みだした。
土壌が肥よくで農作物の品質が高評価を受けているプロスペクトニー地域。
テヒョンへの見舞いの農作物は厨房を任されていたシェフを喜ばせた。
馬車を走らせること半日。
途中の駅で休憩を取り夕方まで走ってホテルで一泊する。次の日は朝早く出発をして昼過ぎに目的の領地に到着した。

領地管理責任者のゲインズの邸宅前に馬車が停まった。
馬車の到着と共に中からゲインズとその妻が出てきて、テヒョン達を出迎えた。
「お待ち申し上げておりました、大公子殿下。」
「元気でいたか?ゲインズ。」
「ありがとうございます。この通り元気でやっております。殿下もお怪我の方はもう宜しいのでしょうか。」
「うん。この通り元気だ。」
「安心致しました。お姿を拝見するまでは心配でございました。」
「あなた、ここでは冷えますから中にお入りいただいて下さい。」
「おお、そうだな。殿下大変失礼致しました。どうぞ中へお入り下さいませ。」
ゲインズは妻に促され慌ててテヒョンを中へ案内した。
「ゲインズ夫人、久しぶりですね。」
「はい。殿下のお元気なお姿を拝見出来て嬉しゅうございます。さ、お早く中へ。皆様もどうぞお入り下さいませ。」
テヒョンとジョングク、スミスはゲインズ邸の中に入っていった。

中に入るとゲインズの家族と領地の関係者がテヒョン達を出迎えた。
テヒョンは一人づつ挨拶を受けた。
ここにいる農地を管理監督をする責任者達は、公爵家での会議や打ち合わせで顔を合わせていたので見知っていた。しかし、最後に並ぶ者は初めて見る顔だった。
「殿下、この者は当御領地の土木全般を管理するニール・アンダーソンと申します。」
「初めて見る顔だな。」
テヒョンはなんとなくこの者からは歓迎されていない雰囲気を感じた。
するといきなり、
「キム公爵様には物味遊山でのお越しのご様子。まことにおめでたいことでございますなぁ!」
と、睨み笑いでテヒョンに言い放った。
「お前!誰に向かってものを言っている、無礼であろう!」
ジョングクが厳しく咎めると、スミスと共にテヒョンの前を護りに出た。
「ニール!!大公子殿下への冒涜は許さん!」
ゲインズが慌ててニールという男の腕を掴んで下がらせようとした。
「まぁ待て。面白い奴がおるではないか、ゲインズ放せ。」
ジョングクとスミスを後ろに引いて、ゲインズを止めた。
テヒョンはニヤリと笑みを浮かべてニールという男を真っ直ぐ見据えた。

※ 画像お借りしました



あーーーーーーーーーーーー泣くうさぎ
新春早々、なっちまいましたよ


帯状疱疹に😱❗❗


年明けからなんとなく右腕が痛いなぁって思ってて🤔💦
肘のあたりが痛いから昔やったテニス肘
《上腕骨外側上顆炎》かな〜なんて思っていたんだけど・・・

痛みの部所が移動する真顔びっくりマークはてなマーク

次第に右腕全体が痺れるようになり
なんならかゆいぞ大泣きはてなマーク
いや、痛いぞ滝汗はてなマークはてなマーク

そのうち右肩の後ろにポツと赤い湿疹が
これが痛痒い😭😭😭😭

夜も何度も目が覚める位不快感😭
【群青と真紅】の物語を打ち込んでいても、不快感で集中出来ないえーん

まさか、、、これ
帯状疱疹じゃね❓

てことで、祝日明け(休み多いよ😤)の火曜の仕事帰りに病院へ行きました

「どうしました❓」
「帯状疱疹じゃないかと・・」
症状と肩の後の発疹を診た先生が
「正解👍」🤣🤣🤣🤣
なんのノリキョロキョロ

そして、ウィルスの増殖を抑える薬と、手足の痛みや痺れなどの神経障害を改善する薬と、炎症を抑え、痛みを和らげる薬を処方されました

アメナリーフ錠とフエナゾール軟膏は
ジェネリックが存在しないらしい

でね、帯状疱疹のお薬は高いよ〜って聞いていた通り

6,020円 (1週間分)煽り💊
給料日前のお財布にはツラみ笑い泣き札束
私の給料日は月中なの

しかししっかり治さなきゃね😤
それとね、予防接種はした方が良いと先生も仰ってたよ

この予防接種が高いのよ💦💦

2種類あるんだけどね
シングリックス(不活性ワクチン)
2ヶ月毎2回接種でさ、、、
44,000円ポーンびっくりマークはてなマーク
バンタンのライヴチケット代になるんじゃね❓

でも予防効果90%で効果の持続が10年見込まれるびっくりびっくりマーク


ビケン(弱毒生水痘ワクチン 従来型) 
8,470円 シングリックスの4万を見ちゃうと安く感じるなぁ😂
接種回数は一回で済むんだけど
有効性は約60%で、5年を超えると有効性が低下するガーン

どっちにしようか考え中です😅


とにかく身体を休ませないとね
発疹はまだ少ないから良かった


こんなグテ見て癒されよう😍❤️💙💜
あ〜可愛い〜〜💕💕


めちゃくちゃ可愛い❤



若い方もなるようなので
みなさん免疫力下げないように気をつけましょう
過度な疲労、ストレスも駄目だよ❌



年明けから1週間が経ちました
時間の経過が本当に速い💦💦💦

元旦から色々な事がありましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか
現実の無情さに負けないように
Love Myself を忘れずにいきましょう

今年もキム公爵とチョン伯爵を宜しくお願い致します❤️💙💜


前回の物語
今回物語の中で出てくる、旅行用カトラリーの参考資料です☺️
実はこれ、マリー・アントワネットの旅行用食器セット✨✨✨
日本でマリー・アントワネット展があった時に、実物を見たことがあります👍
めちゃくちゃ真剣に見入ったよ(笑)



物語の続きが始まります✨✨✨


【旅支度】


盛大な内にトーマスとフランシスの結婚披露宴が終わった。
次の日には二人の結婚式にテヒョンとジョングクが参列したことと、更には披露宴でその二人の貴公子がダンスを披露したことまでも社交界中に広まった。
この話は貴婦人方の羨望の渦の中、かなり長いこと語り草になった。
「私の友人からもジョンソンご夫妻の結婚式での殿下とチョン伯爵の事が話題に出ました。」
デイビスがまた例によってホットココアをテヒョンに出しながら話した。
「本当にそんなに話題になっているのか?」
「はい。そのうちに結婚式の御参列をお願いされるのではありませんか?」
「いや、例え依頼が来たとしても親しくしていない所は無理であろう。」
テヒョンは先程からデイビスがまとめた旅行の荷物のチェックをしていた。
「父上から頂いたブーツを忘れてはいないな?」
訊きながらココアのカップを取ると一口飲んで、にっこり笑ってまたテーブルに置いた。
今回も《認定》は頂けないようだ。デイビスには想定内の結果だったので、何事もなかったかのように応える。
「大切な御品物ゆえ一番にご用意致しましたので大丈夫でございます。」

いよいよ週末からキム公爵家が所領する領地を巡る旅行が始まる。
一週間前からデイビスはテヒョンの荷物をリスト化して、それを元に旅行用のトランクに揃え始めていた。
約三週間を予定にした旅の日程だった。
旅行の一ヶ月前には宿泊先の手配、訪問先への事前連絡、各現地の警備警護の手配と入念に進められていた。
プライベートで領地を巡るとはいえ、一国の王位継承権を持った王子の移動には、それなりの準備や手続きが必要だった。テヒョンは《国のもの》でもあるからだ。
更に、今回の旅行は側近として同行するジョングクの軍務の予定を優先して日程が組まれた。国王直属の師団の長である為、休暇申請の許可を国王から貰う必要があった。

《大佐》は陸軍の行政管理を司る。
ジョングクは表向きには組織上の上官がいる。留守の間の総指揮を引き継ぐ必要がある為、直属の上官となるウィルソン准将に引き継ぎ、現場指揮官のベネット中佐には准将と連携を取り、万が一の有事勃発時の部隊編成と統帥を任せた。
准将、大佐、中佐が揃い引き継ぎを行う。
「チョン大佐、くれぐれも道中お気をつけて大公子殿下とよいご旅行を!」
「ありがとうございます。ウィルソン准将、ではよろしくお願い致します。」
ジョングクは軍旗をウィルソン准将に渡した。師団や部隊が今現在誰の直接指揮下で統制を取っているのか分かるように、長期に組織を離れる際には自身が管轄する師団の軍旗を預けなければならなかった。
「ベネット中佐、今からはウィルソン准将より直接指示を受けるように。」
「はい!承知致しました。大佐、どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。」
三人は細かい引継ぎをすると敬礼をして終えた。
ジョングクはコートを取ると司令官室を出た。
「大佐、お送り致します!」
扉の外には近衛兵がいてジョングクを馬車まで送った。


テヒョンはジョングクの休暇申請が下りてからずっとご機嫌だった。何しろ三週間は常に一緒にいられるのだ。
二人で練った旅の日程や名所巡り、そして何よりも領民たちとの交流に思いを巡らせた。
出発の二日前、チョン伯爵家からジョングクの荷物が運ばれてきた。これでテヒョン、ジョングク、スミスの荷物が揃う。
スミスは今回の旅行の総責任者として、御者達、警護の者達と経路の確認と途中の休憩に使う駅の確認等を行った。
そして出発前日、ジョングクがテヒョンの宮殿にやってきた。

「ジョングク待っていたぞ!」
「おはようございますテヒョン様。いつにも増してごすこぶるお元気ではありませんか。」
テヒョンはジョングクの肩に腕を掛けて出迎えた。いつもと違うはしゃぐ様子をジョングクは珍しく思った。
「今日から君とずっと一緒にいられる。」
素直な想いと共に満面の笑みをジョングクに向けた。子どものような屈託の無い表情に釣られて笑ってしまう。いつも真っ直ぐ懐に入ってくるテヒョンの可愛らしさが愛おしかった。
テヒョンはジョングクが来てからはずっとそばを離れなかった。
「ねえ、」
「はい。」
「君のホットココアが飲みたいな。」
「今お淹れ致しましょうか?」
「うん、頼む。」
ジョングクはすぐに厨房へ向かった。テヒョンから頼まれ事をされるのが嬉しかった。

厨房に入るとデイビスがいた。
「これはチョン伯爵。どうなさいました?」
「テヒョン様にホットココアを頼まれたのだ。」
「そうでございますか・・・」
デイビスが何か躊躇するような様子でいるのでジョングクが訊ねた。
「どうしたのだ?」
「あの・・・チョン伯爵に不躾ながらお願いがございます。」
「うん、なにかな?」
「ホットココアの美味しい淹れ方を教えて頂きたいのです。」
「え?ホットココアの?」
「はい。もう何度か大公子殿下にお出ししているのですが、なかなか認定されないのです。」
「認定?いやいや私が淹れているホットココアには何も特別な淹れ方などはないぞ。」
「しかし、殿下がお認めのホットココアはチョン伯爵のものだけと仰られました。」
「テヒョン様からからかわれているのではないのか?」
「いいえ、チョン伯爵への称賛には真剣な面持ちでいらっしゃいましたから。」

確かにテヒョンはいつも大絶賛でホットココアを飲んでくれている。今も是非にと頼まれている。
「チョン伯爵、ホットココアを淹れられる所を拝見させて頂いても宜しいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。」
というわけで、ごくごく普通に準備をして淹れ始める。デイビスはポケットから筆記用具を取り出し真剣にジョングクの動きからなにから記録していった。
あまりにもデイビスが根を詰めた様子で見ているので調子が狂ってしまった。
「あのね、デイビス。」
「はい!」
「真剣なのはいいのだけれど、逆にそれが駄目な場合があるぞ。」
「どういうことでしょうか・・?」
また目つきに力が入ったのでジョングクは笑った。
「テヒョン様は杓子定規な事があまりお好きではない。だから君が淹れたホットココアに優劣をつけるような《認定》もされることはないと思う。」
「ええ?」
デイビスの顔が曇る。

「まぁ座りなさい。」
ジョングクはそばにあった椅子を勧めた。そしてマグカップにホットココアを注ぐとデイビスの前に置いた。
「どうぞ。」
「でも、これは殿下の・・・」
「いいから。」
「はい、、では頂きます。」
デイビスは遠慮しがちに一口飲んだ。直ぐに表情が強張る。
「どうだ?」
「はい・・・あの・・・・」
言いづらそうな顔をした。
「正直に言っていいぞ。」
「はい、恐れながら、、、私には苦味が強くて・・」
「うん。そうだろうな。テヒョン様はココアの苦味がお好きだ。だから砂糖は少な目なのだ。」
「そうでございましたか。」
「《おそば付き》がお口に入る物をお出しするというのは、普通に美味しいものをご用意するのとは違うぞ。」
ジョングクの言葉にデイビスはハッとする。
「主人の嗜好をよく観察することだ。テヒョン様はお菓子がお好きな方だから、逆にお飲み物には甘さをあまりお求めにはならない。苦味を楽しまれるのだ。」
デイビスはジョングクの細やかな視点に感心した。

「君が普段従僕としてテヒョン様のお世話をするのは、職務としての勤めを果たす為ではなく、テヒョン様が快適に過ごされるようにして差し上げる為だろう?」
「はい。」
「君は一流の仕事が出来ると聞いている。だが、型にはまった従僕としての模範になるだけではだめだ。目の前の主人ただお一人にとって完璧でなければ意味がない。」
デイビスはジョングクの言葉に猛省した。
「ありがとうございます。チョン伯爵。原点に戻って改められた気が致します。」
デイビスは先程の曇り顔からガラっと表情が明るくなった。評価されたくて頼まれてもいないのに、独りよがりでホットココアをテヒョンに出していた事も反省した。
「さあ、テヒョン様の所に早く行かねばな。」
「そうでございました!申し訳ありません私の為に。」
ジョングクは『いや。』とだけ言って笑った。
二人はホットココアを持って急ぎテヒョンの部屋へ向かった。

デイビスが扉をノックして開くとジョングクがホットココアを持って入る。
「お待たせ致しました、テヒョン様。」
「ありがとう。」
ソファで寛いでいたテヒョンはテーブルに座る。目の前でココアを注いでくれるジョングクを見ていた。
「はい、どうぞ。」
両手でカップを受け取り一口飲んだ。
なんともいえない充足感の表情でココアを味わっているテヒョンを見て、デイビスは目の前の二人には、到底立ち入れない信頼関係と絆が強く結ばれている事を実感する。端で見ていてもこちらが幸せな気持ちになる雰囲気に包まれていた。
ジョングクが淹れるホットココアの絶品さも、きっとそういった《特別な相手》への心の込め方にあるのだろうと悟る。
自分はどう大切な主人に礼節と心を込められるか、デイビスはテヒョンとジョングクを目の前に、改めて真剣に思いを巡らせた。



【旅行初日】


出発の朝。
テヒョン、ジョングク、スミスの荷物が旅行仕様の馬車に積まれる。
今回は近場の領地を巡るのだか、車中で食事が出来るように、旅行用のカトラリーセットも初日の昼食と共に積まれた。
スミスが馬車の前でテヒョンとジョングクを待った。
暫くして、テヒョンとジョングクは一緒にやってきた。
「テヒョン様、頂きましたコートをご覧下さい。」
スミスが両手を広げて見せた。
「よく似合っているではないか。」
「本当にありがとうございます。」
「素敵ですよ。」
ジョングクも褒めた。スミスは照れて、
「さあ、お乗り下さいませ。」
と早く馬車に乗るよう二人を促した。
「なんだ、自分から見せておきながら照れているではないか。」
テヒョンの言葉にジョングクとデイビスが笑った。
馬車に乗った事を確かめて、デイビスが二人の手回り品が入ったバッグを一緒に乗せた。スミスが最後に乗り込む。乗り込みながらデイビスに伝えた。
「では行ってくるぞデイビス。後はオルブライト伯爵から指示を仰ぐのだぞ。」
「はい。かしこまりました。」

馬車の扉が閉められると、警護の二人が馬に騎乗し馬車の後ろの両側に就いた。
「行ってらっしゃいませ!」
デイビスが頭を下げて見送る。と、同時に馬車は出発した。
いつも出掛ける時のように庭園を抜けて正門から出ると、ロンドンの市街地を北に抜けて行く。
「これからのご予定でございますが、本日はベッドフォードまで参ります。そこでご一泊なさって明日、最初のご領地に入ることになります。」
「分かった。」
テヒョンはスミスからの説明を受けて、すぐジョングクとベッドフォードについて話を始めた。どうやら二人で現地について色々調べていたらしい。スミスはこの二人と一緒の馬車には同車するまいと思った事を思い出した。だが今更どうにでもなるわけではないので、敢えて考えないことにした。
馬車は真冬のロンドンを北上し最初の駅に着く。

駅では馬に水分補給と休憩をさせる。
テヒョン達は馬車の中でランチを摂った。
「まるでキャンプで食事をしているみたいだな。」
テヒョンが楽しそうに言ったので、ジョングクとスミスは頷きながら笑った。
「でも、ジョングクにとっては野営訓練の延長に思えてしまうか?」
「いいえ、ご心配には及びません。テヒョン様とのお食事はどこでもとても楽しいですから。」
その言葉にテヒョンがにっこり微笑む。
スミスが目の前の二人を交互に見て、
「私はお邪魔ではありませんか?」
と、わざと訊いてみた。
「何を言っているのだ!そんなわけないだろ・・・」
テヒョンが多少焦り気味でムキになって答えたので、スミスは笑いを噛み殺した。ジョングクも誤魔化すように車窓を向きながらワインを飲んだ。
『お可愛らしい方々だな。』スミスは更に笑いを我慢した。

食後、馬車から降りて駅構内を歩いたりして身体をほぐす。
駅には旅行者向けにお菓子や土産物等を売っている露店がいくつか並んでいた。
「そちらの旦那様、ドーナツ(doughnut)はいかがです?」
物珍しく露店を見て歩いていたらテヒョンに声が掛かった。
「私のことか?」
「はい。車中でのおやつにぴったりですよ。」
テヒョンは興味津々で恰幅の良いおかみの露店に近づいて行った。
見ると店先の籠の中に砂糖がまぶされたリング状の揚げ菓子が並んでいた。
「これはどうやって作るのだ?」
「まぁ!なんて綺麗なお方だこと!じゃあ作るとこを見せましょう。」
おかみは小麦を練ったものが入った布製の袋を掴んで、お玉に輪を描きながら絞り出すと、それをそのまま油の中に入れた。ジュワジュワと気泡が立ってしばらくすると自然に浮いてきた。

テヒョンとジョングクはじっと油の鍋の中を見入っていた。
おかみはトングでひっくり返すと、ドーナツがキツネ色に変わっていた。香ばしい匂いが立ち込める。
テヒョンが『わぁ!』と声を上げた。
ニ、三回ひっくり返した後アミに上げて油切りをして砂糖の中に入れてまぶした。
「美味しそうではないか!おかみ、それを三つくれるか?」
「ありがとうございます!じゃあみんな揚げ立てを差し上げましょう。」
おかみは追加で二つ揚げた。出来上がりを紙袋に入れて紙ナフキンと一緒に渡してきた。ジョングクがそれを受け取る。
「あら、こちらのお方もハンサムだねぇ〜。」
おかみの言葉にテヒョンがジョングクを見て笑った。
スミスはおかみに代金の3ペンスを渡す。
「まいどありがとうございます。旦那様方良いご旅行を!」
おかみはそう言ってテヒョン達に投げキスをした。三人は手を上げて応えた。

休憩を終えて馬車が出発をする。
「なかなか面白いおかみだったな。ドーナツというのか、作り方も面白かった!」
テヒョンにとっては駅や露店などは新鮮な光景だった。
「せっかくおかみが揚げ立てをくれたのですから、召し上がりましょう。」
ジョングクが紙袋から紙ナフキンで一つづつ包んでテヒョンとスミスに渡した。
「ではいただくぞ。」
テヒョンが大きくかじり付いた。唇の周りが砂糖だらけになったので、ジョングクとスミスが笑った。テヒョンはそれを舌で舐めて取る。
残る二人も気兼ねなくかじり付いた。
「美味しいですね!」
食後間もなかったはずなのに、三人はぺろりと食べてしまった。

「こういうのも旅の醍醐味というのだな。」
テヒョンが満足気に言う。するとジョングクはすかさず取りきれていなかった、テヒョンの唇の周りに残る砂糖を新しい紙ナフキンで取ってやった。
「ありがとう。」
「いいえ。」
二人は目を合わせて笑った。
「さ、では紅茶を淹れましょう。」
スミスはやれやれというように二人から視線を外すと、旅行用のポットから紅茶を注いだ。
紅茶を飲んで一息つくと、三人でカードゲームをしたり、仮眠を取ったりして馬車の時間を過ごした。

いつの間にか陽が傾いてくる。
陽の傾きと競うように馬車が進んで行くと、この日泊まる宿があるベッドフォードに入った。市門を潜ると古い古城がテヒョン達を迎えた。
「ベッドフォードに着きましたね。これはまたずいぶん時代を感じさせるお城ですね。」
ジョングクが車窓から横を通り過ぎる古城を見て言った。
「この城は一度破壊されて14世紀のスチュアート朝の時代に再建城されたものだな。」
テヒョンが説明をしながらジョングクにぴったりと近付いて一緒に車窓から古城を眺めた。
馬車が市街の中心部まで進んで、宿になるホテルの前に停まった。

ホテルの前には支配人とドアボーイやメイド等のホテルスタッフが一同に並び、テヒョン達の到着を迎えた。
「殿下、ベッドフォードへようこそお越し下さいました。私は当ホテルの支配人をしておりますエヴァンスと申します。」
支配人がうやうやしく挨拶をした。
「出迎えありがとう、エヴァンス。世話になりますよ。」
「精一杯御世話をさせて頂きます。」
支配人は入り口の扉を開けて、
「お疲れでございましょう。皆様方もどうぞ中へお入り下さいませ。」
と中へ入るように促した。
支配人が先導して五階建てのホテルの最上階にある貴賓室にテヒョン達を案内した。

貴賓室はリビングダイニングを真ん中に寝室が三つ付いていて、バスルーム、サニタリールームが二つあった。
テヒョンとジョングク、スミスは一室づつ寝室が使用できた。
スミスがテヒョンの寝室で着替えを手伝い、リビングのソファに案内すると、
「警護の者に明日のスケジュールの確認をして参ります。」
と、言って出ていった。

ジョングクも着替えを終えてリビングに出てきた。
テヒョンが自分の隣に座るようにジョングクに手で合図をした。
「お疲れではありませんか?」
ジョングクはソファに座り掛けながらテヒョンの頬に触れた。
「いいや、楽しい方が先で少しも疲れてはいないぞ。君は大丈夫なのか?」
テヒョンは頬に触れているジョングクの手に自身の手を重ねた。
「私も楽しませて頂いておりますので、疲れは全く感じておりません。」
「そうか、ならよかった。暫く軍務から離れるのだから、心身共に羽根を伸ばすといい。」
「ありがとうございます。」
テヒョンとジョングクがソファで寛いでいると、扉のノックの音がしてスミスが支配人と共に貴賓室に戻って来た。
二人は重ねた手を離した。

「失礼致します。間もなくお食事をご用意させて頂きます。食前酒をお持ち致しましたのでどうぞお召し上がり下さいませ。」
支配人の後からホテルスタッフが一礼をして入ってくると、グラスにシェリー酒を注ぎトレーの上に乗せてテヒョン、ジョングク、スミスに振る舞った。
「よし!こうして三人だけでいる時は、なるべく上下関係の仕来たりは無しで頼む。」
テヒョンがグラスを掲げて言った。
「はい、なるべくご希望に添えるよう努力致します。」
ジョングクが応えてグラスを掲げた。
「君は相変わらずまだ堅いなぁ」
テヒョンがケラケラ笑った。
「スミスもだぞ。」
「はい。努力致しましょう。」
テヒョンは日常を離れている時には開放的でありたいと思っていた。
特にジョングクとプライベートで一緒に居られる時は《国家の自分》ではなく、ただのテヒョンとしておりたいと願った。
ジョングクはその気持ちを察し、尊重してやりたいと思った。

テヒョン達が食前酒を楽しんでいる間に、隣のダイニングでは旅行初日のディナーテーブルが用意されていった。
貴賓室は夜遅くまで楽しそうに笑う声が響いていた。


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