Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

現在は小説を執筆中☆
【群青と真紅】絶賛連載中

小説以外では推し活について書いたりします
いきなりだんご🍡




二人とも🐻🐰みたらしだんご🍡
好きなんだね🤭

え❓️ただそれだけです😁(笑)


みなさんは釜山コンは、現地に実際に行って参戦したのかしら❓️
それともらライヴビューイング❓️
ストリーミング❓️


私はグクチングとライヴビューイングに行きました😆

夕飯先に食べた後😋🥘🍻🍴


Yuki ちゃん画像借りたよ😁👍




ここからは SNS の画像借りてます😊


グテのビジュやばくない❓️😍飛び出すハート

おんぶ久しぶり❤️よね❓️


テテこれさ、左腕にリボン(?)結んでるじゃない❓️
グクが色々タトゥーの事で言われてるからじゃないかと、考察してる人もいたね
リボン巻いてる場所も絶妙だからかな🤔
片袖無くても、カッチョいいっす😉👍


グクがヨンタンのぬいぐるみ🐕️を持ってるアミを見付けて
テテを探して手招きした時の🥺
テテの驚いた顔が、少年のようで良き😍
やっぱりグクって凄いよね👍😭👍


これさ、後ろから見ると、めっちゃ近くない❓️え❓️くっついてるの😳❓️みたいな



https://x.com/sugurukoo/status/2066118278372811171?s=20

 

 


グクオンマ😭テテペンなのかい🩷🌟🌟






Qoo10でセット商品買ったわ😅
てぃるてぃる、実は初なんよね〜〜
テテがアンバサダーやる前から人気だったから知ってはいたけど・・・

ミニフォトブック
フォトブックというより、ミニフォト屏風


そんなこんなの週末だったわ照れ

楽しかったね✨✨✨✨





6月に入りましたあじさいもう半月になるよね
2026年も半分まで進みましたびっくり早っ

皆様お元気でいらっしゃいますか❓️


さて、
最終章のストーリーが続いておりました
群青真紅でございますが

いよいよ
今回のストーリーで最終回を迎える事となりました✨


✨😭😭😭😭😭😭✨

🎊🎊🎊私よ❗よく頑張った🎉🎉🎉
愛読下さった皆様も、お付き合いよく頑張って下さいました飛び出すハート飛び出すハート飛び出すハート


最後までご愛読下さり、
本当にありがとうございます✨😭✨

感謝してもしきれません🩷🩷🩷マジで👍

乏しい語彙力と向き合いながら、4年6ヶ月をワクワクしつつ、ドキドキもしながら
楽しく執筆を続けて参りました🖊️

拙い文章で、読みづらいことも多々あったと思います笑い泣きごめんよ🙏

それでも楽しみに待っていて下さった事が
本当に尊い励みでした👍👍飛び出すハート


本物のテテとグクから一杯インスピレーションを貰い、それがいつの間にか

キム・テヒョン・デディ・マクシミリアン
チョン・ジョングク・ランドン・ジャイルズ

という、本物とは別人格の主人公が二人、
小説の中から飛び出して、日々の生活の中に貴公子として息吹を与えられてきました✨💙❤️✨

それは愛読して下さる皆様方から与えられただったと思っています😊
ファンタジーの世界にも、テヒョンとジョングクがちゃんと呼吸をして活きていると、私は感じております👍✨✨✨


前置きが長くなりました🙏・・・


それでは最終回をどうぞ最後までお楽しみ下さいませ😉
最終回を終えて、また後日にあとがきを綴りたいと思います😊


長い間、ご愛読頂きまして
⚜️誠にありがとうございました⚜️


前回の物語


物語の続きが始まります✨✨✨



【エジンバラに吹く風】



朝______

 ジョングクが先に目を覚ます。
珍しくすっきり目覚めることが出来た。
隣で寝ているテヒョンを見ると、まだ夢の中から覚める気配はなかった。
夕べ交わした、甘い愛の交歓の余韻を感じながら、愛しい人の頬を撫でた。そして、額にキスをすると、起こさないようにそっと起き上がる。
ベッドの足元にあったガウンを取って羽織ると、テヒョンにもガウンを羽織らせた。それでも目覚める様子はない。

 今朝は呼び出しをしないと、いつものように従僕が部屋へ来ることはないので、呼び鈴の紐を引いた。
暫くするとノックがされる。
ジョングクはベッドを出ると『どうぞ』と応えた。
部屋にやってきたのは、スミスとネルソンと宮廷職員だった。

「おはようございます」
礼をして三人が部屋へ入る。宮廷職員はすぐに暖炉に向かうと、新しい薪を焚べ始めた。
「おはようございます。レモン水と紅茶をお持ち致しました」
ネルソンがテーブルに茶器などを置いた。
「テヒョン様はまだお休みで?」
「ええ、よく眠っているのでまだ寝かせて上げて下さい」
「はい。ではデイビスにそのように伝えておきましょう」
「ネルソン、後は頼みましたよ」
「はい、スミス様」

ジョングクは椅子に腰掛けると、レモン水を受け取り一気に飲み干した。そしてネルソンが淹れてくれた紅茶を一口飲んだ。
『今日は陽が出るみたいだな・・・』
開かれたカーテンの先に見える地平線に、太陽が顔を出しているのが見えて呟いた。
暫く眩しそうに眺めていたが、風が窓ガラスをカタカタと鳴らす音を聞いて思いつく。

「そうだネルソン。朝の散歩に出るから、携帯用のティーボトルに紅茶を淹れて持って来てくれるか?」
「かしこまりました。すぐお出掛けになりますか?」
「うん、そうしたい」
「ではわたくしが厨房へ参りましょう」
薪の支度が終わった職員がそう言って、暖炉の周りを片付けると部屋を出た。

「殿下、お着替えをお手伝い致します」
ネルソンは外へ出るジョングクの為に、新しい下着類と通常の衣装に加え、ウールで作られたコートを用意した。裏地に毛皮が施された防寒コートだ。
 一通り着替えが終わった頃、厨房の職員がティーボトルを持って部屋を訪れた。
「お待たせ致しました。中は大変お熱くなっておりますので、飲まれます時はお気を付け下さいませ」

「うん、ありがとう気を付けるよ。ネルソン、確かマフを持って来ていたな?」
「はい、ございます。お待ち下さい」
ネルソンはクローゼットに入っていくと、毛皮のマフを持って来た。
「これに入れて持ち歩こう」

 ティーボトルはガラスで出来ていて、透かし彫りが施された、銀細工で覆われていた。それを巾着袋に入れると、マフの中に入れた。
ネルソンはジョングクにコートを着せて、ティーボトルを入れたマフを渡した。
「では行ってくる。朝食前には戻るよ」
「お気を付けて行ってらっしゃいませ」
見送られて部屋を出ると、長い廊下を歩いた。しばらく行くと吹き抜けの大階段に差し掛かった。

その階段を下りて中庭に出る。するとジョングクの頬に一気に冷たい風が刺さった。
思わず首をすくめるが、コートの襟を立てて歩き始めた。足元をかすめて行く風が、目の前の落ち葉をクルクルと巻き込んだ。
まるでジョングクを誘うかのように、落ち葉は前に転がって行く。その誘いに乗って、ザクザクと霜柱を踏みしめて進んだ。
空気が澄んでいるためか、遠い景色までよく見えた。

 ジョングクは美しい自然の景観に圧倒され、引き込まれるように歩みはどんどん進む。
『この美しい景色に、なぜ全く気付かなかったのだろう』そう思いながら、離宮の敷地からでも見える、エジンバラ特有の景観を見て回る。


更にこの日の朝は、真冬のエジンバラにしては、珍しく雲のない空が広がっていた。
悠々と昇ってくる、遅い冬の陽の光に、空が徐々に明るい青味を強めていく。
空を見上げると、上空からの風がジョングクの鼻先をかすめて通り過ぎる。
その時、何か既視感のようなものを感じて、遠くはない記憶を巡ってみた。

すると、視界の先の更に高い空の上で、何かが飛んでいる姿を見付けた。目を細めて見ていると、次第に人の形が見えてきた。
有り得ない状況に驚く。そして顔形まで見えた時、心臓が止まりそうなくらい驚いた。
『これは現実なのだろうか!?心の投影なのだろうか!?』
なんと、空を飛んでいるのはジョングク本人だったのだ。
行ったり来たり、彷徨うように同じ場所を飛び回っている。『これは、どういうことなのだろうか!?』

ハッと閃いて思い出した。
アルテミエフの毒牙によって、瀕死の状態だった間、意識がない時に見た夢と同じだった。その夢の中で自分は、出口を求めて空を彷徨い飛んでいた。
無意識に目の前に見える《あの時の自分》を地上から追いかける。そんなに躍起になって飛び回っても、出口は見つからないのだと、空の自分に言ってやりたい衝動に駆られたのだ。
 
 追いかけているうちに、いつの間にか朝陽が周囲の丘陵を明るく照らしはじめていた。ジョングクは視線を空から下へ戻すと、その波打つ地平線を見て鼓動が速くなる。

「ああ、、これは_____ !」

何度も、何度も周りを見渡してみる。間違いない《見たことがある景色》だった。あの時とは違う景色の色だったが、確かに夢の中で( 夢だと思うのだが )飛んでいる時に見た場所に間違いないと確信した。
 ジョングクは命の瀬戸際で魂を《テヒョンとの原点》であるエジンバラに飛ばしていたらしい。
それを今ここで、エジンバラの地で知ることになるとは_______。


これも神のお導きなのだろうか・・・。


ジョングクの胸は更に鼓動が早まりだした。
『やはりそうなのだ。私は、、私の求めて止まないことは、ただ一点のみ!!』
頬に涙が一筋流れ落ちた。
肉体の炎が消え入りそうになっても、命がこの世から去りかけていても、

ジョングクはテヒョンを求めていたのだ。

空を彷徨い飛んでいたのは、出口を探していたわけではなかった。その出口の先にいるはずの、テヒョンを探し求めていたのだ。
『帰りたかった。私の想い人の元へ』
例え意識がなかったとしても、魂はテヒョンを求めて仕方がなかったのだろう。

次々に流れ落ちる涙を無造作に手で拭いて、マフからティーボトルが入った巾着袋を出した。紐を解いてボトルを取り出すと、栓を抜いて紅茶を口に含んだ。香りとともに温もりが全身に広がる。

先程よりも強めの風が吹いてきて、小さなつむじを作ると、ジョングクの足元から身体に巻きついて、頭の上に抜けて行った。
その拍子に、もう一度空を見上げてみたが、もうあの自分の姿はどこにも見えなかった。
上空でゴー・・・っという、凄まじい風鳴りが轟いているだけだった。

飛び回っていた理由が分かって、あの時の残像は消えた_____。
ジョングクはなんとなくそう感じた。

 今自分は、求めて止まなかったテヒョンと、そして懐かしいこの土地によって、命を取り戻してここにいる。
二人で新婚旅行先を思い出のこの地に決めたのは、ある意味正解だったようだ。
ジョングクは、また一口、二口と紅茶を飲むと歩き出した。

 もと来た道を歩いていると、あの日、貴婦人達の喧騒から逃れ、辿り着いた場所に差し掛かった。
目の前に水瓶を抱えた、泉の女神の噴水が見えてきた。池は凍っていて、勢いよく水をたたえていた噴水も、今は何もなく静かだった。
ジョングクは凍った水面に触れて、氷の下に眠る枯れ葉の一枚を見ていたが、ゆっくりと池の辺りに座った。
虚空を見てテヒョンと出会った頃の風景を思い出す______。



 ようやくテヒョンが目覚める。
腕を伸ばすと、ジョングクに触れないので起き上がった。気付くとガウンを羽織っている。
とりあえず呼び鈴紐を引いて、デイビスを呼んだ。
ベッドカーテンを少し開けると、部屋の明るさが一気にテヒョンの目をくらました。
「ん・・・眩しい」
一瞬目を閉じた。徐ろにベッドから出ると丁度ノックの音がした。
「入ってよいぞ」

扉が開いてデイビスが茶器を持って入って来た。
「おはようございます殿下」
「おはよう」
テヒョンは椅子に座ると、先にレモン水を飲んだ。
「ジョングクは?」
「はい、早くに起きられて、散歩に行かれたそうでございます」
「そうか」
ジョングクは今までも、早起きをした時はよく活動的に動いていたなと、テヒョンは思った。

デイビスが紅茶を淹れて、テヒョンに渡した。
「珍しく晴れたのだな」
「そうでございますね。こちらの地域では真冬に晴れるなど、滅多にないと言われますのに。ですが空気は相当冷えているようです」
「そうだろうな」
テヒョンは、ティーカップを持って窓辺に移動した。窓越しに空を見上げそのまま周りの景色に視線を移していく。
ジョングクと初めてここで会った日、確かこの窓から、アフタヌーンティーの席を抜け出し、一人逃れた彼を見付けたのだ。

テヒョンは懐かしく思いながら、あの時、一人で佇む彼の姿を見で、遠目でも分かるスラリとした容姿に、心が弾けたことを思い出していた。また、その後の自分の行動について、当時のテヒョンは、自分のしている事が信じられなかった。
『今なら分かるよ。君と話がしてみたくて衝動的なことをしたんだ』
「はい、殿下。何か?」
「いや、独り言だ」
デイビスに振り返り、そう言った。
「そうでございますか、失礼致しました」

テヒョンは窓に視線を戻すと何かに気付いた。いつの間にか、誰かが《そこ》にいるのが見えたのだ。
ふふっと笑って、そこにいる人を見つめた。すると急に強い風が、テヒョンの目の前の窓ガラスを叩いた。
「デイビス!私も散歩に出るぞ。直ぐに支度を頼む」
「はい、かしこまりました」
返事をして急ぎクローゼットに向かう。

「あ、それから二人分の紅茶をティーボトルに用意してくれ」
クローゼットに向かうデイビスの背中に、更に用事をいいつけたので、彼は急に忙しくなった。
『あの時、紅茶のお替りだなど、突拍子もない口実を我ながらよく思いついたものだ。ジョングクはさぞかし驚いたであろうな』テヒョンは、あの日の自分の行動が愛しくも、可笑しくて笑った。



 太陽がすっかり姿を現して、宮殿も庭園も周辺の景色も、朝の光に色を持ち始めた。
ジョングクは、そろそろテヒョンが目覚めた頃だろうと思い、部屋に戻ろうかと考えていた。
とにかくあの麗しい顔が見たかった。いつもいつでも、どこにいても愛しい人のそばにいたかった。それは時が経っても、お互いが伴侶になった今でも変わらない。特に今朝は、色々な思いを実感しただけに、余計にテヒョンが恋しかった。

「・・・せっかく散歩に出たのに、もう夫の顔が見たいとは」
ジョングクは自分を笑った。笑いながら幸せを実感した。
時折吹く風が、そんな彼をからかうように、髪をくしゃくしゃにもて遊ぶ。何度か手ぐしで乱れた髪を直さなくてはならなかった。
「今朝は風が強いな・・・」
そう言いながら、なぜだか悪戯な風がテヒョンを連れて来るような気がしてきた。


「女神よ、どう思います?私は夫を溺愛し過ぎていますか?」
泉の女神に訊いてみた。当たり前だが、ブロンズの女神は応えない。自身の愚問に首を振ると、最後の紅茶を飲み干した。

「次に来る時にはパックスとルネも連れてこよう。思いっきりここで走らせてやりたい」
パックスとルネが、仲良く走り回っている姿をテヒョンと二人で、ここに座りながら眺めている光景を想像した。
もう次の家族旅行に思いを巡らせている。


 すると宮殿の方から、人が歩いて来るのが見えた。
期待に胸が弾んで人影をじっと見つめる。
段々と近付いてくる姿に、ジョングクの口元が緩む。本当に、もうそこに愛しい人の顔が見えてきた。
「テヒョン!」
声を掛けたら手を振って応えてくれた。ジョングクは立ち上がり両手を広げて待った。

「おはよう、早いな」
テヒョンがそう言うと、ジョングクの腕の中に迎えられた。
「おはよう、、やっぱり来てくれると思ってました」
「当然だ。僕は君がいる所ならどこへでも行くんだ」
ジョングクはその言葉に煽られて深く口づけた。
「フフ・・・嬉しいお出迎えなんだけど・・・あのさ、大事な言葉をまだ言ってないんだ」

「それは何でしょうか?」
テヒョンは持って来たティーボトルを二つ掲げるとその言葉を言った。


「そろそろお替りが必要ではありませんか?」


ジョングクはじっとテヒョンの瞳を見つめ、返事の代わりに、もう一度口づけをした。
テヒョンは、情熱的な夫の両肩に腕を回して抱きしめる。

その時、少し強めの風が吹いてきて、嫉妬したかのように二人の髪を乱した。
だけど二人は、微動だにすることも、気に留めることもなく、いつまでもずっと離れずに抱きしめ合っていた。
風は諦めたように静かに上へ向かい、女神の水瓶に当たって、キラキラと煌めきながら弾けて消えた。

 この日は真冬には珍しく、本当に晴天の美しい日だった。


英国 王位継承権第2位のキム公爵こと
キム・テヒョン・デディ・マクシミリアン大公子と、
第12代チョン伯爵こと、
チョン・ジョングク・ランドン・ジャイルズは、運命に導かれた魂を持って、
この世に生まれてきた。

そして、尊い二人の貴公子は
英国王からの招待で、エジンバラの離宮で出会ったのだった________



《終わり》

キム・テヒョン公爵紋章 チョン・ジョングク伯爵紋章
 Yoっち☆作画
ChatGPTコーデリアRemake


大公子、大公子公婿 婚姻紋章
ChatGPTコーデリアRemake


サムネイルにもしました
エジンバラの離宮で初めて会った日の午後
ChatGPTコーデリア作画



執筆にインスピレーションを与えてくれた
Taekook💙❤️を載せておきます✨✨
この画像はお借りしました




テテとグクと愛読下さった全ての方々の
幸せを願います✨✨✨




 





前回の物語
物語の続きが始まります✨✨✨



【二人の群青と真紅】


 挙式後のバルコニーでのお披露目が終わり、アポロンの間から、玉座の間に移動をしたテヒョン達は、ここで記念撮影に臨んだ。
最初にテヒョンとジョングクの二人で撮影をし、次にベストマンのアンジェロとトーマスがそれぞれ、二人の隣に並んで撮影をした。
更に国王と一緒に撮影をすると、大公とセオドラ卿と撮った。
そして最後に、お互いの親族や友人達と並んで撮影は終わった。
 

 次に国賓や大臣、挙式に参列した招待客を招いての宮中昼餐会だ。レセプション等に利用される、宮殿の中でも最も大きく、格調高い大広間に宴席が用意された。
 皆のグラスにシャンパンが注がれると、ジョングクのベストマンを任されたアンジェロが、乾杯の音頭を取った。
「大公子殿下、ジョン、本当におめでとうございます。お二人の《相手を尊敬し、敬愛し、真摯に向き合われる》お姿を間近に見ていた者として、この日を無事に迎えられた事を我が事のように嬉しく思っています」

テヒョンとジョングクはじっとアンジェロを見つめていた。
「どうか末永くお幸せでいて下さい。それでは麗しき新郎達に!」
「「新郎達に!」」
アンジェロがグラスを上げると、続けて一斉に乾杯の声が上がった。
招待客達が祝の杯を上げる中、テヒョンとジョングクはアンジェロにグラスを向けて礼をした。


 食事の合間は、テヒョンもジョングクも国賓や大臣達と談笑が続き、予想していた通り、食事には一切手を付けることが出来なかった。なので当初から考えていた、困っている者達に早く提供させるということで、給仕に速やかに下げるよう指示を出した。
 祝宴の席はどこも和やかで、誰もが笑顔で食事を楽しんでいるようだった。
各国の国賓は、多少は外交を意識して来英していたのだろうが、テヒョン達と話をしている際には、社交辞令と感じるような言葉はなく、心から祝ってくれている気持ちが感じられた。


 祝宴のテーブルにデザートが運ばれる頃、侍従長がテヒョン達の席にやって来た。
「両殿下、そろそろお時間でございます。ご出発のお支度をなさって下さいませ」
「もうそのような時間か?」
テヒョンとジョングクが席を立つ。
「大公子、大公子公婿(こうはい)両殿下、ご退出でございます」
侍従長が二人の退出を告げると、談笑をしていた招待客達は拍手で二人を送った。

これから二人は《新婚旅行》に向かうのだ。
「私達はこれで失礼致しますが、皆様にはまだごゆっくりと、最後までご歓談下さいますように。
そして、本日は私とジョングクの記念すべき喜びの時を見守り、祝って下さってありがとうございます。私達からも皆様の末永い幸せを心からお祈り申し上げます」

また再び拍手が起こる。
ジョングクがテヒョンの隣で、右手を胸に当てて会釈をした。
 二人が大広間を出るとデイビスが控えて待っていた。その隣にはスミスとハンスもいた。
「テヒョン様とジョングク様の新婚旅行には、私も同行致します」
スミスは祝賀の席にいたのだが、早目に離席して着替えていた。すっかりキム公爵家の執事の顔に戻っていた。
「デイビスと共に、お二人の旅行中のお世話を致します」


「ジョングク様、、、」
ハンスが声を掛ける。
「ハンス、、、」
「私のお役目はここまででございます。キム公爵の・・・大公子殿下の伴侶として、どうかお幸せにお過ごしくださいませ」
ハンスの声が震えた。
「ハンス、、長い間私のそばにいてくれてありがとう、、感謝してもしきれないよ」
ジョングクはハンスを抱き締めた。
テヒョンとスミスとデイビスが、黙ったまま二人を見守った。

ハンスはそっとジョングクから身を引くと、テヒョンに笑顔でこう言った。
「ジョングク様を宜しくお願い申し上げます」
そして深々とお辞儀をした。
「うん。君達の大切な《家族》を生涯を掛けて大切にするよ」
ハンスは安堵したような笑顔になった。
「スミス様、デイビス殿、宜しくお願い致します」
今度は公爵家を守る側の二人にも頭を下げる。スミスはハンスに手を差し出すと固く握手をした。伯爵としてのジョングクを立派にサポートしてきた、ハンスの執事としての誇りに敬意を示したのだ。

「君がとても可愛がってもらっていたのが、本当によく分かるよ」
「はい。私にとってハンスは、父同様かけがえのない家族です」
「うちのスミスと同じだな。これからも、ちょくちょく会いに行ってやるといい」
「ありがとうございます。ご理解頂けて嬉しいです」
「当たり前だろう?夫の家族なら僕にとっても家族だよ・・・うわっ!」
ジョングクがテヒョンをギュッと抱き締めた。

「お二人共、じゃれ合っている場合ではございませんよ。急ぎませんと」
「違う!家族愛の話をしていたのだ」
テヒョンがムキになって反論したので、ハンスが笑った。
「もう存分に仲がよろしい所を見せて頂きました。それではこれで私はセオドラ様の所へ戻ります」
「父上を頼む」
「はい。両殿下、お気を付けていってらっしゃいませ」
ハンスは再度深々と頭を下げた。


 テヒョンとジョングクは、それぞれの部屋で着替えをした。
ジョングクは王室の一員になって、改めて王宮に自室を与えられた。チョン伯爵家として設けられていた部屋は、セオドラ卿の侯爵家の部屋に改められた。
 
 デイビスがテヒョンの着替えを手伝い、スミスがジョングクの着替えを手伝う。この時ジョングク専属の従僕が、スミスに付いて仕えた。
「ジョングク様、この者がこれからキム公爵家での、あなた様のお世話をさせて頂きます」
「殿下、初めてお目に掛かりますネルソン・ランバートと申します。今日からしっかりとお仕えさせて頂きます。今回のご旅行にも同行させて頂きます」

「うん。宜しく」
そう言って、ジョングクは手を出した。
王族である主人の立場から、握手を求められたことで一瞬驚く。しかし、すぐに応じて頭を下げた。
 ネルソンという従僕は、ネルソン子爵という貴族の長男で、代々王室に仕えている家柄の出身だった。ジョングクの婿入りが決まってから、国王からの推薦でずっとキム公爵家で研修を受けていた。
しかし、いくら自分が貴族の出だとしても、従僕に対して握手を求めるなど、絶対に有り得ないことだった。
 
その研修中ネルソンは、スミスからキム公爵家の人々は、身分の違いで人間性を測ることは絶対しないと聞かされていた。だから、しばしば王侯貴族のしきたりとは違う対応をされる事があるが、臆せず応えるようにとも併せて言われていた。
だけれどこんなに早く、遭遇するとは思ってもいなかった。ましてやキム公爵家に婿入りしたばかりのジョングクからだ。
ネルソンは、ジョングクも人間味が溢れる人柄であると感じた。
だからこそテヒョンとジョングクが、よくある政略的な結婚ではないことを悟った。


 国王専用の馬車寄せに、長距離用の馬車が停まっていて、テヒョンとジョングクを待っていた。
二人の荷物は数日前に既に滞在先へ送られており、出発日のこの日は新婚の二人と、お付の者だけが馬車で目的地に行くだけだった。
勿論、馬車の周りには近衛騎兵連隊がしっかり護衛する事になる。
 旅行用の衣装に着替えた二人が、馬車寄せにやってきた。
デイビスとネルソンが馬車の扉を開けて、二人の乗車を手伝った。

 テヒョンとジョングクが馬車に乗り込んだ後、スミスとデイビスとネルソンはすぐ後ろの馬車に乗った。全て支度が整った所で出発する。
「君と馬車で旅行をするのは、領地巡りの旅行以来だな」
「そうですね。あの時同行させて頂けてとても嬉しかったです」
「ふふ・・・僕は君を独り占め出来て幸せだった」
二人のくすぐったいような笑い声が、馬車の中を甘い雰囲気にする。

柔らかくもたれ掛かるテヒョンの肩をジョングクは優しく包んだ。そして、視線が絡み合うと自然に唇が重なった。
「今日は伴侶同士、僕達は家族として行けるのだな」
「そうですね、、、とても嬉しいです」
二人の馬車は、終始誰も入り込むことが出来ない、そんな空気に包まれていた。
二人が一つの家族になる事をずっと夢見て、願って来た事がようやく叶ったのだ。

「スミス様、お二人のお馬車に、従者が一人も同車しなくて宜しかったのでしょうか」
ネルソンが心配をして訊いてきた。
「お二人共新婚でいらっしゃる。気を利かせて差し上げたのだ」
「なるほど、そういうことでございましたか」

「・・・まぁ、もし同車していたとしても、乗らなければよかったと、必ず後悔するであろうがな」
スミスの言葉にデイビスが少し吹いて笑った。キョトンとするネルソンに、
「その内に《洗礼》を受けることになりますよ」
とデイビスが付け加えた。ネルソンは余計にわけが分からなくなった。
「あのお二人は、幾重の困難を乗り越えて結ばれた、尊い絆をお持ちなのだ。王侯貴族の中でも珍しい結びつきでいらっしゃる。そう心得ていれば宜しい」
「はい」

ネルソンは、スミスのその言葉には納得出来た。テヒョンとジョングクには、特別な何かを感じさせるものがある。
テヒョンの崇高さやジョングクの功績を知ってはいるが、それだけではない。誰が見ても心揺さぶられるのは、二人の人柄に他ならない。国民の熱狂ぶりを見れば分かる。



 王宮では、テヒョンとジョングクの結婚式に関わる行事が全て終わり、国王と大公とセオドラ卿が国王の私室でワインを飲んでいる。
「素晴らしい結婚式でしたね」
「はい。無事に終わり安堵しましたら、一気に疲れました。私も歳ですな」
「私も大公殿下と同じでございます」
「あの二人は本当に色々な事がありましたからね。二人並んだ晴れ姿を見た時は涙が出そうでした」
「陛下には沢山ご心労お掛け致しました。ありがとうございます」
「私からも御礼申し上げます」
大公とセオドラ卿が揃って頭を下げだ。

「いや、私にとっても特にテヒョンは弟と変わりませんし、ジョングクも親しい友人ですからね。公人としてより身内として進めて来たようなもの。いささか公私混同していないかと、苦言が出るのではないかと思っていましたよ」
「親の立場からしたら、誠に有難いことでございます」
「叔父上もセオドラ卿も、これで一安心ですね」

「既に成人になってはおりますが、結婚して独立をする事で、初めて親の手から離れるという感覚ですな」
「誠に大公殿下の仰る通り。私は更に何か空虚な感じも致します」
「なるほど・・・では、セオドラ卿にも何か公務を与えて、寂しさを紛らわしてあげなければ」
「おっと、陛下の前では、あまり余計な事は申し上げない方がよいですな」
三人は笑った。

「しかし今回の新婚旅行は、どうしても《あの場所》がよいと言うので聞き入れはしたが、公務の延長のようで、本当に良かったのか、、、」
国王はテヒョン達が、遠慮をしたのではないかと思っていた。
「よほど思い入れがあるのでしょう」
「そうですね、、、きっかけはあの場所だということらしいですから」
大公とセオドラ卿は、その選択がテヒョンとジョングクらしいと、二人を微笑ましく思った。

「今頃は最初の宿泊地に着いた頃だな」
国王達三人は夕暮れを迎え、仄かに着き始めた外の灯りを窓越しに見て、二人の旅路に思いを馳せた。
 朝から尊い二人の貴公子の婚礼で、とても賑やかだったロンドンの街も、日暮れと共に静かな時を迎えた。
 テヒョンとジョングクは目的地に着くまで、夜には途中で宿泊を重ねながら、ゆったりと旅を楽しんだ。


 そして_______
ようやく懐かしいあの場所に到着した。


 馬車を降りた二人は、所々、吹雪いて出来たと見られる雪化粧の建物に迎えられた。
「秋の日のエジンバラの離宮とは、また違った美しい景色ですね」
「そうだな、この地域の冬はとても厳しいから、なかなか訪れる事はないのだが、建物といい、庭園といい白銀の世界がとても素晴らしい」
二人の会話で舞い上がる呼気が、いかにも寒そうな真っ白さだった。

 テヒョンとジョングクが選んだ新婚旅行先は、二人の出会いの場所となった、あのエジンバラの離宮だった。

 真冬のエジンバラは、雪と氷でかなり厳しい寒さの中にあった。しかしその極寒の厳しさを忘れてしまう位、白く覆われた景色は幻想的でとても美しかった。
「さあさあお二人共、中へお入り下さい。そのような軽装では身体が冷えて、お風邪を召してしまいますよ」

スミスは、到着してからずっと景色を眺めているテヒョンとジョングクを促した。
「テヒョン、手を貸してみて」
ジョングクはさり気なく言って、中へ入りながらパッとテヒョンの手を取ると、自分の頬に当てた。
「すっかり冷たくなっていますね」

テヒョンは、不意に名前だけで呼ばれた事に胸が弾んだ。
ジョングクはその様子に気付いて、腰に手を回しながら、
「名前だけで呼ぶのは、これからはベッドの中だけではありませんよ」
と耳元で囁いた。
「・・・!!??」

寒さで紅くなっていたテヒョンの頬と耳が、更に紅くなったような気がした。
「この離宮に着いたら、あなたの夫として名前を呼ばせて頂こうと決めていました」
「うん・・・」
テヒョンは嬉しそうに、ジョングクの肩に頭を預けた。二人は寄り添いながら部屋に向かった。

 テヒョンの部屋は、何も変わらずあの時のままだった。
宮廷職員が扉を開けると、ふんわりとテヒョンの好きなサンダルウッドの香りに迎えられた。テヒョン達の到着に合わせて、室内を担当している職員が焚いてくれていた。
「なんだか本当に懐かしいですね。調度品も香りもあの時のままです」
「模様替えはしないように頼んだのだ」

王族が離宮を訪ねてくる時には、公私どの来訪でも、それぞれの私室の模様替えを季節に合わせて行うのが恒例だった。
しかしテヒョンは思い出の為に、そのままにしておいて欲しいと申し入れをしていた。
 また本来であれば、結婚をした事で王室から二人の為に、新たに部屋を与えられる予定だった。しかしそれを辞退し、寝室だけを二人で使えるように、改装依頼をしただけだったのだ。


 しばらくすると夕食の時間になり、やはりあの時と同じように、部屋のサロンに食事が運ばれてきた。
「初めてここで一緒に食事をした時、陛下主催の会食と同じコースメニューだったな。何を食べたか覚えているか?」
「いいえ。あの時はもう色々舞い上がっていて、何を食べたのかなど覚えていませんよ」
「そうか?そのようには見えなかったけどな」
「舞い上がりながらも、お話がとても楽しかったのは覚えています」
「僕も凄く楽しかった。それに二人ともよく食べたよな」
「本当に・・・」

思い出話に花が咲く。そして懐かしいエピソードが、あの日のように食を進ませた。
 デザートに差し掛かった頃、ノックがしてデイビスが応対する。
「両殿下、料理長がご挨拶に参りました」
「失礼致します」
「あ、あなたはプチ・パレスにいた時の!」
「はい。覚えていて下さいましたか」
「勿論ですよ!」
挨拶に来た料理長は、テヒョンが落馬をして、プチ・パレスで療養中に食事を担当してくれたシェフであった。

「両殿下が新婚旅行でエジンバラにいらっしゃると伺いまして、真っ先にご滞在中の厨房を任せて頂けるよう、宮廷に願い出ました」
「そうですか。あの時の約束を果たしたかったのですが、公務ではないので、私から依頼するわけにもいかなかったのですが、料理長自ら申し出て下さったのですね。ありがとう」

「テヒョン様、宮廷職員含め、今回この離宮でのクルーは皆、あのプチ・パレスで、療養中のあなた様のお世話をしておりました者達でございます」
スミスが新しい紅茶を出しながら言った。
「スミス様が仰る通り、皆再び、それも新婚旅行中のお世話をさせて頂ける事、とても喜んでおります」

「私達もとても嬉しいよ。料理長から皆に宜しくと伝えて下さい」
「はい。かしこまりました。
両殿下、改めましてご結婚誠におめでとうございます。今夜の料理も全て召し上がって下さり、とても料理人冥利に尽きます。ご滞在中なんなりとご要望を仰せ付け下さい」
「ありがとう。楽しみにしていますよ」

料理長はよほど嬉しかったらしく、にこやかにお辞儀をすると部屋を後にした。
 テヒョンとジョングクは、お互いに幸せな充実感を味わっていた。
ロンドンを出発してから、途中の駅や泊まった宿泊先で、居合わせた国民達からお祝いの言葉を沢山掛けられた。
エジンバラに到着してからも、土地の人々から大歓迎を受けたのだ。

「僕達の幸せを皆で祝ってくれることが、感動を覚えるほど嬉しいなんて・・・」
「自分の事のように喜んでくれているのが、ひしひしと伝わってきます。有難いことですね」
「お二人の幸せが、国民皆の幸せなのでございますよ。さぁ!只今デイビスとネルソンが入浴の支度をしております。もうじきお迎えに参りますでしょう」

 スミスは、食器類を下げるためにやってきた職員達を部屋へ入れた。
次々とテーブルの上が片付けられて行く中、デイビスとネルソンも部屋に入ってきた。
「ご入浴の支度が整いました」
「では行こうか、ジョングク」

 テヒョンにはデイビス、ジョングクにはネルソンが付いて浴室まで移動する。
その間、スミスは宮廷職員達に、二人の寝室を温めて、準備を整えるよう指示を出した。
真冬の離宮はかなり冷える。入浴後は尚更湯冷めしやすい為、部屋の温めだけではなく、ベッドの中にベッドウォーマーを入れて、アイロンのようにシーツの上を滑らせて温めたり、湯たんぽを幾つか置いたりした。


 入浴後、二人はそれぞれのドレッサールームでナイトウェアを着ると、その上に指定しで持参していた《二人の大切なガウン》を羽織った。
デイビスとネルソンは、各々仕えるテヒョンとジョングクの支度を始めた。
髪を念入りにとかし、肌もローズウォーターで整え、いつもの入浴後のお手入れに比べ、より大袈裟なくらい入念に手入れに専念した。

 全て恭しく進めているのは、結婚の儀式の最後である《初夜》を離宮の初日の夜に迎える為であった。
普段は形式張った儀式等を苦手としている二人だったが、今回の結婚に関わる儀式は厳粛に受け止めていた。
そして、テヒョンとジョングクは、二人が出会った思い出のこの地を聖地として捉えていた。



 宮殿内は灯りが淡暗く落とされ、静かだった。デイビスは燭台を持って廊下に出ると、テヒョンを先導する。
別の廊下ではネルソンがジョングクを先導した。
二人の部屋には先にテヒョンが入る。
部屋の中は既に灯りが落とされていた。
唯一の明かりは、居間のテーブルの上に置かれた、カンデラブラの蝋燭だけだった。

 デイビスは寝室の扉を開けて、テヒョンを中に通した。
「わたくしはここまでで失礼致します。どうぞよい夜を」
初夜のベッドルームには、新婚の二人以外は入室出来ないしきたりだ。
寝室の明かりも淡い灯りだけになっていた。
 ベッドは既にベッドカーテンが引いてあり、中が見えないようになっている。
テヒョンはベッドカーテンをめくり、中へ入った。

 中のベッドは、マットレスの下からぐるりと、紫色のシルクリボンが掛けられていて、羽毛の掛け布団と厚手の毛布ごと、中央で美しく結んで装飾がされていた。
テヒョンは、ベッドに腰を下ろしてジョングクを待った。
 しばらくすると部屋のドアが開いて、寝室に人が入ってくる気配がした。サラサラと衣擦れの音がベッドまで近付いてきて、テヒョンとは反対側のベッドカーテンが開いた。

座ったまま振り返ると、常夜灯の明かりにジョングクの引き締まった表情が見えた。テヒョンと目が合うと柔和な笑顔に変わる。
テヒョンが立ち上がり、二人はベッドを挟んで向かい合って立つ。
結ばれたリボンの端をそれぞれ掴むと、同時に引いて結び目を解いた。
掛け布団と毛布をめくり、テヒョンとジョングクはベッドに上がる。

ジョングクがテヒョンの顔を両手で包み、そっと唇を合わせた。それがスイッチになったかのように、テヒョンがジョングクのガウンを剥いだ。
「ダメダメ、私の挨拶がまだですよ」
「ん〜〜、ならなぜ口づけたの?」
テヒョンは制止されて拗ねるように言う。ジョングクはゆっくりと上目遣いで、
「・・・・我慢出来なくて」
と言った。
「こら、なんで君だけ許されるんだよ」
可笑しくなって二人で笑う。

ジョングクは真顔になると、テヒョンの両手を取って自分の胸に寄せた。そして丁寧に伝える。
「 Forever and  always 」
ハンサムな言い方に、テヒョンはときめきを覚える。
「うん、いついつまでもね」
テヒョンは甘えるように応えて、今度は自分からジョングクの唇を塞いだ。

二人が着ていたものは、次々に剥がされていく・・・。
肌と肌が密着して合わさると、共に身体の芯に情熱の火が灯された。二人は全身で愛を誓い、お互いを捧げようとしている。
テヒョンとジョングクは、大切なエジンバラの聖地で、名実ともにお互いの夫としての契りを結ぶ。

狂おしい程の愛しさと、抑えきれない激情が相まって、互いの身体へぶつけていく。
「テヒョン・・・テヒョン・・・」
魘されているみたいな声で求められて、テヒョンの身体が煽られる。ジョングクの腰にスラリと伸びた脚が絡みついた。
気だるさを帯びた心地よい波が、テヒョンの心髄を何度も去来する。そしてジョングクの下で、ついに甘美な声を漏らして堕ちていく___。

悦びの息づかいの中で、テヒョンの視界に天蓋の刺繍が見えた。
《アポロンとヒュアキントス》の神話を表すその刺繍は、群青のベルベットの生地に、金糸の太陽(アポロン)と、ルビーが真紅の糸で編み込まれ描かれている。

アポロンの光芒の先から滴り落ちる、ヒュアキントスの鮮血を表した、花びらのようなルビーの先には、沢山の紫色の百合が描かれ、豪華な天蓋を彩っている。
ベッドカーテンの隙間から、微かに入ってくる蝋燭の明かりだけで、まどろむテヒョンにもその素晴らしさはよく分かった。
ジョングクの命を救う為に、覚醒させた自らの血を捧血した時の事が脳裏に蘇った。

 テヒョンの顔の上に、ジョングクの顔が重なった。上気した彼の表情が艶を帯びてテヒョンを見下ろしていた。
「可愛い・・・あなたが本当に可愛くて仕方ありません」
ジョングクが潤んだ瞳でそう言った。
「君も、とても素敵だった・・・」
テヒョンは恍惚とした視線を向けて言った。そしてジョングクの髪を指で梳きながら、
「・・・もう一度・・・」
と求めた。



つづく__________



【本文注釈】

(※)カンデラブラ(Candelabra)
画像はお借りしました
特徴: 1本の支柱から枝のようにアーム(腕)が分かれ、3灯、5灯、7灯など複数の蝋燭を立てられる大型の燭台